
頭皮がべたつく・フケが止まらない・かゆみが続く——そんな悩み、放っておくとどんどん悪化してしまうかもしれません。
- ⚡ 市販品で対処し続け、症状がどんどん慢性化
- ⚡ 間違ったケアで頭皮環境がさらに悪化
- ⚡ 「治らない」と諦めて何年も不快な状態が続く
- 📌 脂漏性皮膚炎の本当の原因(マラセチア菌・皮脂・免疫)
- 📌 完治できるのか?正直な答え
- 📌 病院で受けられる効果的な治療法
- 📌 今日からできる再発予防ケアの具体的方法
目次
- 脂漏性皮膚炎とはどのような疾患か
- 頭皮に起こりやすい理由
- 脂漏性皮膚炎の主な症状
- 原因となる要因を詳しく知る
- 脂漏性皮膚炎は完治できるのか
- 病院での治療法
- 正しいシャンプーの選び方と洗い方
- 日常生活での再発予防ケア
- 受診の目安とクリニック選びのポイント
- まとめ
この記事のポイント
頭皮の脂漏性皮膚炎はマラセチア菌・皮脂過剰・免疫低下が原因で、根治は困難だが、抗真菌薬による治療と正しいシャンプー・食生活・ストレス管理を継続することで症状コントロールと長期寛解維持が可能。改善しない場合は皮膚科への受診が推奨される。
💡 脂漏性皮膚炎とはどのような疾患か
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い部位に慢性的な炎症が生じる皮膚疾患です。英語では「Seborrheic Dermatitis」と呼ばれ、世界的にも一般的な皮膚の問題として知られています。日本国内でも人口の約1〜3%が罹患していると報告されており、決して珍しい疾患ではありません。
この疾患が発症しやすい部位としては、頭皮、顔(とくに眉毛・鼻の周囲・耳の後ろ)、胸の中央部、背中の上部などが挙げられます。これらの部位は皮脂腺が多く集中しており、皮脂が豊富に分泌されます。その皮脂を栄養源とする常在菌(マラセチア菌)が増殖することで、皮膚への刺激が生じ、炎症やフケ、かゆみといった症状が引き起こされます。
脂漏性皮膚炎は乳幼児期と成人期(とくに30〜60代)に多く見られる二峰性の発症パターンを示します。乳幼児では頭部に厚いかさぶた状の脂漏性湿疹として現れることがありますが、多くは自然に治癒します。一方、成人における脂漏性皮膚炎は慢性化しやすく、再発を繰り返す傾向があります。男性のほうが女性よりも発症率が高いとされており、これは男性ホルモンが皮脂の分泌に深く関わっているためと考えられています。
Q. 頭皮に脂漏性皮膚炎が起きやすい理由は何ですか?
頭皮は皮脂腺が密集し、髪の毛により皮脂が蒸発しにくく、汗や汚れが滞留しやすい環境です。その結果、マラセチア菌が好む「温かく湿った皮脂の多い環境」が形成され、菌が過増殖して炎症やフケ、かゆみが引き起こされます。
📌 頭皮に起こりやすい理由
頭皮は体の中でも特別に皮脂腺が密集している部位です。顔の皮脂腺密度も高いですが、頭皮はそれに匹敵するほど皮脂の分泌が活発なエリアです。さらに髪の毛が生えているため、皮脂が蒸発しにくく、汗や汚れも滞留しやすい環境になっています。こうした条件が重なることで、マラセチア菌が増殖しやすい「温かく湿った皮脂の多い環境」が自然と形成されてしまいます。
マラセチア菌はもともと皮膚に存在する常在菌ですが、増殖が過度になると、皮脂を分解する際に生じる遊離脂肪酸が皮膚を刺激します。この刺激が皮膚バリア機能を低下させ、炎症反応を引き起こします。頭皮はこのような条件が揃いやすいことに加え、自分では観察しにくい部位でもあるため、気づかないうちに症状が進行してしまうケースも少なくありません。
また、頭皮は外部からのケアが顔ほど手軽ではなく、適切なシャンプーや保湿を怠りやすい場所でもあります。誤ったケア方法(過度な洗いすぎや、逆に不十分な洗浄)がさらに症状を悪化させることもあります。こうした複合的な理由から、頭皮は脂漏性皮膚炎が特に生じやすく、また治療が難しいとされる部位なのです。
✨ 脂漏性皮膚炎の主な症状
頭皮の脂漏性皮膚炎では、以下のような症状が代表的です。症状の程度は個人差が大きく、軽微なフケだけで終わる場合もあれば、頭皮全体に及ぶ炎症を伴う重症例もあります。
まず最もよく見られる症状が「フケ」です。脂漏性皮膚炎によるフケは、乾燥した細かい白いフケではなく、脂っぽくべたついた黄色みがかったフケであることが多いのが特徴です。このフケは皮膚の炎症によって皮膚の細胞のターンオーバーが乱れ、角質が過剰に剥がれ落ちることで生じます。
次に「かゆみ」があります。炎症によって皮膚が刺激を受けると、かゆみを感じる神経が活性化されます。かゆみが強い場合、無意識に頭皮をかいてしまい、傷がつくことで二次感染が起こるリスクもあります。また、かく行為そのものが皮膚バリアをさらに傷つけ、症状の悪化につながることもあります。
さらに「頭皮の赤み(紅斑)」も見られます。炎症反応によって頭皮が赤くなり、熱感を伴う場合もあります。重症の場合は、頭皮に厚みのある黄色い鱗屑(りんせつ)が付着し、皮膚が硬くなったように感じられることもあります。
これらの症状は、季節の変わり目(特に秋冬)や疲労・ストレスが続いたとき、睡眠不足の時期などに悪化しやすいことが知られています。また、症状が頭皮だけでなく、生え際から額、耳の後ろへと広がることもあります。
Q. 脂漏性皮膚炎のフケには普通のフケと違いがありますか?
脂漏性皮膚炎によるフケは、一般的な乾燥した白いフケとは異なり、脂っぽくべたついた黄色みがかったフケが特徴です。これは皮膚の炎症によってターンオーバーが乱れ、角質が過剰に剥がれ落ちることで生じます。この見た目の違いが疾患を見分ける目安になります。
🔍 原因となる要因を詳しく知る
脂漏性皮膚炎の発症には複数の要因が絡み合っています。単一の原因で起きる疾患ではなく、さまざまな内的・外的要因が組み合わさることで症状が現れます。
最も大きな要因とされているのが、マラセチア菌(Malassezia属真菌)の過増殖です。マラセチア菌は皮脂を好む脂溶性の真菌で、もともと健康な人の皮膚にも存在しますが、何らかの条件が重なることで異常増殖し、皮膚に炎症を引き起こします。
皮脂の過剰分泌も重要な要因です。皮脂の分泌量は遺伝的な素因に加え、ホルモンバランス・食生活・季節・年齢などによって影響を受けます。男性ホルモン(アンドロゲン)は皮脂分泌を促進するため、男性や思春期の若者に症状が出やすい傾向があります。また、脂っこい食事や甘いものの過剰摂取も皮脂分泌の増加に関連するとされています。
免疫機能の状態も発症に影響します。エイズ(HIV感染症)やパーキンソン病の患者さんに脂漏性皮膚炎が高頻度に見られることから、免疫機能の低下が発症リスクを高めることが示唆されています。健康な方でも、過労・睡眠不足・強いストレスが続くと免疫機能が一時的に低下し、症状が出やすくなります。
さらに、皮膚のバリア機能の問題も関係しています。もともとアトピー性皮膚炎などの素因を持つ方は皮膚バリアが弱く、脂漏性皮膚炎が生じやすい傾向があります。
気候・環境的な要因としては、高温多湿の環境がマラセチア菌の増殖を促すため、夏場に悪化しやすいケースもあります。一方で、冬の乾燥した環境では皮膚バリアが弱まることで炎症が生じやすくなるため、季節を問わず注意が必要です。
💪 脂漏性皮膚炎は完治できるのか
「脂漏性皮膚炎は完治するのか」という疑問は、この病気を持つ多くの方が抱く最も切実な問いです。結論から言えば、脂漏性皮膚炎は「根治(完全な治癒)」が難しい疾患ですが、「症状をコントロールして快適な状態を維持すること」は十分に可能です。
脂漏性皮膚炎が慢性化しやすい最大の理由は、その原因が「マラセチア菌の存在」や「皮脂の分泌」という、人体から完全に排除することができない要素にあるからです。マラセチア菌はもともと皮膚の常在菌であり、完全に除菌することは不可能です。また、皮脂は皮膚の保護や潤いのために必要なものであり、ゼロにすることも望ましくありません。
ただし、適切な治療と日常ケアによって、症状を軽減し「寛解(かんかい)」の状態を長期間維持することは十分可能です。寛解とは、症状がほぼない、または非常に軽い状態が続いている状態を指します。治療を続けることで、多くの方が日常生活に支障のない程度まで症状を改善させることができます。
特に若い乳幼児では、自然に症状が治まることが多く、成人以降も発症しない場合もあります。成人の場合でも、生活習慣の改善・適切なスキンケア・必要に応じた薬物療法を組み合わせることで、再発の頻度や症状の重さを大幅に軽減できるケースが多くあります。
一方で、「完治した」と感じて治療やケアをやめてしまうと、数週間〜数ヶ月で再発することが少なくありません。そのため、脂漏性皮膚炎との付き合い方は「一時的な治療で終わり」ではなく、「継続的な管理・予防」という考え方が重要です。これは高血圧や糖尿病のような生活習慣病と似た考え方で、病気と長く上手につきあうための知識と習慣を身につけることが大切です。
Q. 脂漏性皮膚炎の再発を防ぐ生活習慣を教えてください
再発予防には、脂っこい食事や甘いもの・アルコールを控えてビタミンB群を積極的に摂ること、1日7〜8時間の質の良い睡眠を確保すること、ストレスを適切に管理することが重要です。季節の変わり目には症状が悪化しやすいため、早めにケアを調整することも効果的です。

🎯 病院での治療法
脂漏性皮膚炎の治療は、症状の程度や部位に応じてさまざまな方法が用いられます。まずは皮膚科や美容皮膚科を受診し、正確な診断のもとで適切な治療を受けることが最も大切です。自己判断でケアを続けていると、症状が悪化したり、別の疾患(乾癬やアトピー性皮膚炎など)を見逃すリスクがあります。
✅ 抗真菌薬(外用薬)
現在、脂漏性皮膚炎の治療で最も中心的な役割を担っているのが抗真菌薬です。マラセチア菌の過増殖を抑えることが治療の根本となるため、抗真菌成分を含んだシャンプーや外用クリームが処方されます。代表的な成分としてはケトコナゾール、ビフォナゾール、シクロピロクスオラミンなどがあります。これらは頭皮に直接作用し、菌の増殖を抑制することで炎症を沈静化します。
ケトコナゾールシャンプーは日本でも処方薬として使用されており、週に2〜3回の使用で効果が期待できます。使用方法は一般的なシャンプーと同様ですが、泡立てた後に数分間放置してから洗い流すと、より効果的とされています。
📝 ステロイド外用薬
炎症が強い時期には、ステロイド成分を含む外用薬が用いられることがあります。ステロイドは炎症を抑える強力な作用を持ちますが、長期使用によって皮膚が薄くなる・毛細血管が拡張するなどの副作用が生じることもあるため、医師の指示のもとで適切な期間・量を守って使用することが重要です。通常は急性期の症状を落ち着かせるために短期間使用し、症状が改善したら抗真菌薬によるメンテナンスに切り替える形がとられます。
🔸 非ステロイド系抗炎症外用薬
ステロイドを避けたい場合や顔などデリケートな部位には、タクロリムス(プロトピック)などの非ステロイド系の免疫調整薬が用いられる場合があります。副作用のリスクが異なるため、使用部位や患者の状態に応じて医師が判断します。
⚡ 保湿・スキンバリア回復治療
近年では、皮膚バリア機能の回復を目的とした保湿剤の積極的な使用も治療の一環として重視されています。頭皮は乾燥すると炎症が悪化しやすいため、過度な洗浄を避けながら皮膚の水分を適切に保つことが推奨されます。医療機関によっては、セラミドやヒアルロン酸などのバリア成分を含む頭皮ケア製品の使用を勧めることもあります。
🌟 内服薬の使用について
外用薬での治療が効果不十分な場合や、広範囲に症状が及んでいる場合などには、抗真菌薬の内服が検討されることもあります。ただし内服抗真菌薬は肝機能への影響などのリスクを伴うため、医師の判断と定期的な血液検査のもとで慎重に使用されます。
💡 正しいシャンプーの選び方と洗い方
脂漏性皮膚炎の管理において、日々のシャンプーの選び方と洗い方は非常に重要です。間違ったシャンプーを使ったり、誤った方法で洗ったりすると、症状を悪化させることにもなりかねません。
💬 シャンプーの選び方
市販のシャンプーを選ぶ際には、抗真菌成分(ピリチオン亜鉛、硫化セレン、ケトコナゾールなど)や抗炎症成分(グリチルリチン酸など)が配合されたものが脂漏性皮膚炎のケアに適しています。ピリチオン亜鉛やジンクピリチオンは市販の薬用シャンプーに含まれることが多く、マラセチア菌の増殖を抑える効果があります。
一方、避けたほうが良い成分としては、過度な洗浄力を持つ界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられます。洗浄力が強すぎると皮脂を落としすぎてしまい、皮膚バリアを傷つけて症状を悪化させることがあります。また、香料や着色料が多く含まれるシャンプーも、敏感になっている頭皮を刺激する可能性があるため、成分表示を確認してシンプルな処方のものを選ぶことをお勧めします。
なお、最初から市販品を探すよりも、皮膚科・美容皮膚科で処方されるシャンプーや医師に相談してお勧めを教えてもらうほうが、確実かつ安心です。
✅ 正しい洗い方のポイント
洗髪の頻度は、基本的には毎日または1日おきが推奨されます。皮脂や汚れが蓄積することでマラセチア菌が増殖しやすくなるため、頭皮を清潔に保つことは重要です。ただし、1日に何度も洗ったり、熱すぎるお湯で洗ったりすることは逆効果になります。40度程度のぬるめのお湯で洗うのが理想的です。
シャンプーは手で泡立ててから頭皮に乗せ、指の腹(爪を立てない)でやさしくマッサージするように洗います。爪を立てて洗うと頭皮を傷つけてしまい、炎症を悪化させます。また、シャンプーをしっかりすすぐことも大切です。すすぎ残しがあると、成分が頭皮に残留して刺激になります。
洗髪後はドライヤーを使って頭皮をしっかり乾かすことが重要です。濡れた状態の頭皮はマラセチア菌が好む環境そのものです。ドライヤーは熱すぎない温度設定(40度前後)で、頭皮から少し離して使用し、頭皮が蒸れないよう根元からしっかり乾かしましょう。自然乾燥は習慣として避けることをお勧めします。
Q. 市販ケアで改善しない場合はいつ受診すべきですか?
市販のシャンプーやケア製品を2〜3週間使用しても改善が見られない場合、かゆみや炎症が日常生活に支障をきたす場合、症状が顔や耳の後ろに広がった場合は早めの受診が推奨されます。自己判断を続けると乾癬や頭部白癬など別の疾患を見逃すリスクもあるため、専門医への相談が重要です。
📌 日常生活での再発予防ケア
脂漏性皮膚炎は再発しやすい疾患であるため、症状が落ち着いた後も継続的なケアと生活習慣の見直しが重要です。薬物療法で症状を抑えながら、以下のような生活習慣を整えることで、再発のリスクを大きく減らすことができます。
📝 食生活の改善
皮脂の分泌に影響を与える食生活の改善は、脂漏性皮膚炎の予防に効果的です。脂っこい食事・甘いもの・アルコールの過剰摂取は皮脂の分泌を促進し、症状を悪化させることがあります。これらをできるだけ控え、野菜・魚・豆類など栄養バランスの良い食事を心がけることが基本です。
特にビタミンB群(B2・B6など)は皮脂の代謝に重要な役割を果たしており、これらが不足すると皮脂分泌が乱れやすくなります。鶏肉・魚・卵・乳製品・緑黄色野菜などビタミンBが豊富な食品を積極的に摂取することを意識してください。また、腸内環境の改善(発酵食品・食物繊維の摂取)も皮膚の状態に好影響をもたらすと考えられています。
🔸 ストレス管理と睡眠

ストレスは免疫機能を低下させるとともに、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、皮脂の分泌増加につながります。脂漏性皮膚炎が「悪化するタイミング」として、ストレスが多い時期を挙げる患者さんは非常に多いです。
定期的な運動・趣味の時間の確保・リラクゼーション(深呼吸・瞑想など)など、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。また、睡眠は免疫機能の維持と皮膚の修復に欠かせません。1日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することを心がけましょう。睡眠不足が続くと症状が悪化しやすくなるため、生活リズムを整えることが予防の観点からも重要です。
⚡ 紫外線ケア
適度な紫外線は脂漏性皮膚炎の症状を改善させる効果があるとも言われていますが、過度な紫外線は皮膚を傷め、炎症を悪化させるリスクもあります。外出時は帽子や日傘を活用して直射日光から頭皮を守ることが大切です。ただし、帽子を長時間被り続けると頭皮が蒸れてしまうため、通気性の良い素材を選ぶことも意識してください。
🌟 整髪剤の使用について
ワックスやスプレーなどの整髪剤は頭皮に残留すると毛穴を詰まらせ、皮脂の排出を妨げることがあります。脂漏性皮膚炎がある方は、できるだけ整髪剤の使用を控えめにするか、使用した日は必ず洗髪して汚れを除去することが大切です。また、整髪剤の成分によっては頭皮を直接刺激するものもあるため、できるだけ頭皮につかないように使用することを心がけてください。
💬 季節ごとのケアの変化
脂漏性皮膚炎は季節によって症状の出方が変わることがあります。夏は汗や高温多湿によって菌が増殖しやすくなり、冬は乾燥によって皮膚バリアが弱まります。季節の変わり目には症状が悪化しやすいため、その時期に合わせてシャンプーや保湿の方法を調整したり、早めに皮膚科を受診して対応することが再発予防につながります。
✨ 受診の目安とクリニック選びのポイント
「どのタイミングで病院を受診すべきか」と迷っている方も多いかもしれません。以下のような状態が続く場合は、早めに皮膚科または美容皮膚科を受診することをお勧めします。
市販のシャンプーやケア製品を2〜3週間使用しても改善が見られない場合、かゆみや炎症が強く日常生活に支障をきたしている場合、フケや赤みが頭皮以外(顔・耳の後ろなど)にも広がってきた場合、症状が急に悪化した場合や、初めて症状が出た場合などは特に受診が勧められます。また、自己判断での治療を続けることで、脂漏性皮膚炎と症状が似た乾癬・接触性皮膚炎・頭部白癬(しらくも)などの疾患を見逃すリスクもあるため、正確な診断を受けることが非常に大切です。
クリニックを選ぶ際には、皮膚疾患の診療実績が豊富で、脂漏性皮膚炎を含む頭皮疾患に精通した医師がいる施設を選ぶことが大切です。美容皮膚科であれば、医学的な治療に加えて、毛髪や頭皮環境の改善を総合的にサポートする体制が整っていることも多く、フケ・かゆみの改善だけでなく、頭皮環境全体を整えるアプローチを受けることができます。
アイシークリニック東京院では、頭皮・毛髪トラブルに関する相談にも対応しており、脂漏性皮膚炎の治療と再発予防について丁寧にサポートする体制を整えています。症状に不安を感じている方は、まず気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、頭皮のフケやかゆみが長引いてから受診される方が多く、その多くが脂漏性皮膚炎と診断されています。この疾患は「完治が難しい」と聞いて不安に感じる方もいらっしゃいますが、抗真菌薬を中心とした適切な治療と日常ケアを丁寧に続けることで、症状をしっかりコントロールして快適な状態を維持できる方が多くいらっしゃいます。自己流のケアで改善が見られない場合は、どうか一人で悩まずお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
残念ながら、根本的な「完治」は難しい疾患です。原因であるマラセチア菌は皮膚の常在菌であり、完全に除菌することはできません。ただし、抗真菌薬による適切な治療と日常ケアを組み合わせることで、症状がほぼない「寛解」の状態を長期間維持することは十分に可能です。
一般的なフケが乾燥した細かい白いフケであるのに対し、脂漏性皮膚炎によるフケは脂っぽくべたついた黄色みがかったフケが特徴です。これは皮膚の炎症によってターンオーバーが乱れ、角質が過剰に剥がれ落ちることで生じます。この違いが疾患を見分ける一つの目安になります。
正しい方法であれば、毎日または1日おきの洗髪は症状管理に有効です。皮脂や汚れの蓄積を防ぐことでマラセチア菌の増殖を抑えられます。ただし、熱すぎるお湯の使用や爪を立てた洗い方は逆効果です。40度程度のぬるま湯で指の腹を使いやさしく洗い、洗髪後はドライヤーでしっかり乾かすことが重要です。
治療の中心は、マラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬(ケトコナゾールシャンプーや外用クリームなど)です。炎症が強い時期にはステロイド外用薬が短期間使用されることもあります。デリケートな部位にはタクロリムスなど非ステロイド系の薬が用いられる場合もあります。当院では症状や部位に応じて適切な治療法をご提案しています。
市販のシャンプーやケア製品を2〜3週間使用しても改善が見られない場合や、かゆみ・炎症が強く日常生活に支障が出ている場合は早めの受診をお勧めします。また、症状が顔や耳の後ろに広がってきた場合も要注意です。自己判断を続けると乾癬や頭部白癬など別の疾患を見逃すリスクもあるため、アイシークリニックへお気軽にご相談ください。
💪 まとめ
頭皮の脂漏性皮膚炎は、マラセチア菌の過増殖・皮脂の過剰分泌・免疫機能の低下などが絡み合って発症する慢性的な皮膚疾患です。「完治」という意味での根治は難しいとされていますが、適切な治療と日常ケアを組み合わせることで、症状を大幅にコントロールし、快適な状態を長期間維持することは十分に可能です。
治療の基本は抗真菌薬(シャンプーや外用薬)を中心とした医学的アプローチであり、ステロイドや非ステロイド系薬が補助的に使われます。これらに加えて、正しいシャンプーの選び方・洗い方・食生活の改善・ストレス管理・十分な睡眠といった日常習慣の見直しが、再発予防において非常に重要な役割を果たします。
「フケやかゆみが続いている」「何度も繰り返して困っている」という方は、自己流のケアに頼るだけでなく、専門の医師に相談することを強くお勧めします。脂漏性皮膚炎は正しく向き合うことで、症状を管理しながら日常生活を快適に送ることができる疾患です。まず一歩を踏み出して、専門家のサポートを受けてみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 脂漏性皮膚炎の診断基準・治療ガイドライン(抗真菌薬・ステロイド外用薬の使用方針、マラセチア菌との関連など)
- 厚生労働省 – 皮膚疾患に関する一般向け健康情報(脂漏性皮膚炎を含む皮膚トラブルの予防・受診の目安に関する公式情報)
- PubMed – 脂漏性皮膚炎とマラセチア菌の関連・ケトコナゾール等抗真菌薬の有効性・再発予防に関する国際的な臨床研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務