
夏になると、子育て中の保護者の方から「子どもの肌にぶつぶつができた」「かゆがってかきむしってしまう」というご相談が増えます。その多くはあせも(汗疹)によるものです。あせもは子どもに非常によく見られる皮膚トラブルですが、放置すると悪化したり、とびひなどの二次感染を招いたりすることもあります。この記事では、こどものあせもについて、原因や種類、症状の見分け方から、自宅でできるケア方法、皮膚科への受診を検討すべき目安まで、保護者の方が知っておきたい情報をわかりやすくまとめています。日々のスキンケアに役立てていただければ幸いです。
目次
- こどものあせもとは?
- あせもができやすい子どもの特徴と時期
- あせもの種類と症状の違い
- こどものあせもができやすい部位
- あせもと間違えやすい皮膚疾患
- 自宅でできるあせものケア方法
- あせもを防ぐための予防策
- 皮膚科を受診すべき目安
- 皮膚科での治療内容
- まとめ
この記事のポイント
子どものあせもは汗腺閉塞による炎症で、清潔・涼しさ・通気性の維持が予防と改善の基本。膿疱形成や1週間以上の自宅ケアで改善しない場合は皮膚科受診を推奨。アイシークリニックでは乳幼児のあせも相談に対応している。
🎯 こどものあせもとは?
あせも(汗疹)とは、汗腺が詰まることで皮膚に汗が正常に排出されず、皮膚の中に汗が溜まって炎症が起きた状態を指します。医学的には「miliaria(ミリアリア)」と呼ばれ、発汗量が多くなる夏季や、温暖・多湿な環境に置かれやすい乳幼児に特に発生しやすい皮膚疾患です。
子どもの皮膚は大人と比べて非常に薄く、皮膚のバリア機能が未熟です。また、体重に対する体表面積の比率が大人より高いため、発汗量が相対的に多くなりやすく、汗腺の密度も高い傾向があります。これらの理由から、子どもはあせもができやすい体質的な素地を持っているといえます。
あせもは軽症であれば自然に改善することも多いですが、子どもの場合はかゆみや不快感から患部をかきむしってしまうことが多く、そこから細菌感染(とびひなど)に発展してしまうケースも少なくありません。正しい知識を持ち、適切なケアをすることが大切です。
Q. 子どものあせもが起きやすい理由は何ですか?
子どもの皮膚は大人より薄くバリア機能が未熟です。また体重に対する体表面積の比率が高く発汗量が多いうえ、汗腺の密度も高いため、汗腺が詰まりやすい状態にあります。特に生後1〜2か月の新生児は汗腺機能が未発達で、あせもが最も発症しやすい時期です。
📋 あせもができやすい子どもの特徴と時期
あせもは特定の体質や環境によって発症しやすくなります。どのような子どもがリスクが高いのか、また発症しやすい時期について理解しておきましょう。
🦠 あせもができやすい子どもの特徴
乳児・新生児はあせもがとても起きやすい年齢です。生後間もない赤ちゃんは汗腺の機能が未発達であるため、少しの温度上昇でも汗腺が詰まりやすくなります。特に生後1〜2か月ごろは汗腺が完全には機能しておらず、あせもが非常に発症しやすい時期です。
また、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を持つ子どもは、皮膚のバリア機能が低下しているため、あせもが起きやすく、かつ悪化しやすい傾向があります。もともと肌が敏感な子どもも注意が必要です。
さらに、体型として丸みがあり、首や脇、股などに皮膚のしわが多い赤ちゃんは、そのしわの中に汗が溜まりやすく、あせもが集中しやすいことが知られています。肥満傾向のある子どもも同様に注意が必要です。
👴 あせもが発症しやすい時期
あせもは一般的に気温が高く湿度の高い夏季(6月〜9月ごろ)に多く見られます。しかし、日本の住環境では冬でも暖房が効いた室内で過度に着込ませたり、厚手の肌着や衣類を重ね着させることで、冬にもあせもが生じることがあります。季節を問わず、「汗をかきやすい環境」があれば発症することを覚えておきましょう。
また、発熱時も大量に汗をかくためあせもが起きやすくなります。子どもが風邪や感染症で高熱を出した際にも、皮膚の状態に注意が必要です。
💊 あせもの種類と症状の違い
あせもは、汗腺が詰まっている深さによっていくつかの種類に分けられます。それぞれ外見や症状に違いがありますので、正しく把握しておきましょう。
🔸 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
最も軽症のタイプで、皮膚の最表層(角質層)に汗が溜まった状態です。直径1〜2mm程度の透明または白色の小さな水ぶくれが現れます。かゆみや炎症はほとんどなく、触るとやや柔らかい感触があります。新生児や乳児に多く見られ、多くの場合は自然に消失します。「つぶつぶ」というよりも「水ぶくれ」のような見た目です。
💧 紅色汗疹(こうしょくかんしん)
一般的に「あせも」といわれる際、多くの場合はこの紅色汗疹を指しています。汗腺が皮膚の少し深い部分(表皮内)で詰まることで炎症が起き、赤みを帯びた小さなぶつぶつが生じます。かゆみを伴うことが多く、子どもがかきむしってしまう原因になります。悪化すると膿疱(のうほう)が形成されることもあります。もっとも頻繁に見られるタイプです。
✨ 深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
汗腺が皮膚のより深い部分(真皮)で詰まったタイプです。皮膚色に近い硬い丘疹(きゅうしん)が現れ、かゆみは比較的少ないですが、汗をかきにくくなるという特徴があります。熱帯地方や長期間高温環境に置かれた場合に起きやすく、日本の子どもでは比較的まれです。
📌 膿疱性汗疹(のうほうせいかんしん)
紅色汗疹が悪化し、細菌感染が重なって膿(うみ)を含んだ状態です。黄色や白色の膿疱が見られ、痛みや腫れを伴うことがあります。この状態は放置すると「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの感染症に発展する可能性があるため、早めに皮膚科を受診することが重要です。
Q. あせもの種類にはどのようなものがありますか?
あせもは汗腺が詰まる深さによって4種類に分類されます。角質層に汗が溜まる「水晶様汗疹」は透明な水ぶくれでかゆみがほぼなく軽症です。最も一般的な「紅色汗疹」は赤いぶつぶつでかゆみを伴います。さらに深部で詰まる「深在性汗疹」、細菌感染が重なった「膿疱性汗疹」があります。
🏥 こどものあせもができやすい部位
あせもは汗が溜まりやすい部位に集中して現れます。子どもの場合、特に以下の部位に注意が必要です。
まず首まわりは、赤ちゃんが特にあせもができやすい代表的な部位です。首の皮膚にはしわが多く、汗が蒸発せずに溜まりやすい環境になっています。日中の授乳や抱っこの際に保護者との接触が増えることも、首まわりの蒸れにつながります。
次に頭皮・額・こめかみも注意が必要です。特に赤ちゃんは頭部の体表面積が大きく、頭から多くの汗をかきます。仰向けで寝ているときに後頭部が枕や寝具に触れていると、熱がこもりやすくなります。
脇の下も皮膚が重なりやすく汗が溜まりやすい部位で、あせもが生じやすい場所のひとつです。股の内側やおしり周辺もおむつで覆われることで蒸れやすく、あせもやかぶれが起きやすい部位です。おむつかぶれと区別がつきにくいこともあります。
ひざの裏や肘の内側も皮膚が重なり合うため蒸れやすく、アトピー性皮膚炎と合併している場合は特に悪化しやすい部位です。背中や胸も、衣類との摩擦や蒸れによってあせもが生じやすい場所です。抱っこひもを使用しているときは、特に蒸れに注意が必要です。
⚠️ あせもと間違えやすい皮膚疾患
子どもの肌に赤いぶつぶつが出た場合、すべてがあせもとは限りません。見た目が似ている他の皮膚疾患と混同してしまうと、適切なケアができずに症状が悪化することがあります。ここでは、あせもと間違えやすい代表的な皮膚疾患を紹介します。
▶️ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は慢性的に皮膚に炎症が繰り返される疾患で、強いかゆみを伴います。あせもと異なり、一年中症状が続いたり、特定の部位(頬、首、肘・膝の内側など)に繰り返し現れるという特徴があります。家族歴がある場合や、乾燥肌、アレルギー体質を持つ子どもに多く見られます。あせもと合併していることもあるため、判断が難しい場合は皮膚科を受診することをお勧めします。
🔹 おむつかぶれ(接触性皮膚炎)
おむつかぶれはおむつの当たる部位(おしり、股、陰部周辺)に限定して赤みが出るのが特徴です。おむつの素材、尿や便の刺激、蒸れなどが原因で起こります。あせもとの違いは「発疹の分布」にあります。おむつに覆われていない部位にはほとんど出現しません。あせもはおむつの外側にも現れる場合があります。
📍 とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは黄色ブドウ球菌や化膿性レンサ球菌などの細菌感染によって生じる疾患です。水ぶくれや膿疱、かさぶたが急速に広がるのが特徴で、かゆみがあるためかきむしることで別の部位にも「飛び火」するように広がります。あせもが悪化してとびひになることもあるため、あせもの二次感染として重要です。抗生物質による治療が必要です。
💫 突発性発疹
主に1歳前後の乳幼児に見られる、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)または7型(HHV-7)による感染症です。高熱が3〜4日続いた後に熱が下がると同時に体に赤い発疹が現れます。あせもと似た見た目になることがありますが、発熱の経過や発疹の出方が特徴的で、かゆみがほとんどないことが多いです。
🦠 湿疹・乳児湿疹
乳児湿疹とは、生後まもない乳児の顔・頭・体に見られるさまざまな湿疹の総称です。脂漏性湿疹や乾燥性湿疹なども含まれます。あせもと異なり、皮脂の過剰分泌や乾燥が原因となることが多く、見た目だけでは区別が難しいことがあります。
Q. 子どものあせもを自宅でケアする方法を教えてください。
自宅でのあせもケアは「清潔・保湿・かきむしり防止」が基本です。汗をかいたらぬるま湯で優しく洗い流し、柔らかいガーゼで押さえるように拭きます。保湿剤は香料・アルコール不使用のものを選び、かゆみには濡れタオルで冷やす方法が有効です。乳幼児にはミトンで患部保護も推奨されます。
🔍 自宅でできるあせものケア方法
軽度のあせもであれば、自宅での適切なケアで改善できることが多いです。子どもの肌に合ったケアを実践しましょう。
👴 清潔を保つ
あせもケアの基本は「清潔にすること」です。汗をかいたらシャワーや入浴で汗を洗い流しましょう。ぬるま湯でやさしく洗い、石けんはしっかり泡立ててから使用し、すすぎ残しがないよう十分に流してください。
こすりすぎは皮膚への刺激になるため、柔らかいガーゼや手のひらで優しく洗うことが大切です。外出先などでシャワーが難しい場合は、濡らしたタオルやガーゼで汗を優しく拭き取るだけでも効果があります。
🔸 肌を冷やす・保湿する
洗浄後は清潔なタオルで優しく水分を押さえるように拭き取り、必要に応じて保湿剤を塗布します。あせもがある部位はすでに炎症が起きているため、刺激の少ないシンプルな保湿剤を選ぶことが重要です。アルコールや香料が含まれないものが適しています。
かゆみが強い場合は、患部を冷たいタオルなどで冷やすことでかゆみを和らげる効果があります。氷を直接当てることは避け、濡れタオルを使うのが適切です。
💧 衣類の選び方
衣類は通気性・吸湿性に優れた素材を選ぶことが重要です。綿素材のものが肌への刺激が少なく適しています。ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は通気性が劣り、蒸れやすいため避けるのがよいでしょう。
サイズは体にぴったりしすぎるものよりも、やや余裕があり空気の流れを確保できるものが望ましいです。また、衣類の洗濯には赤ちゃん用・子ども用の刺激の少ない洗剤を使用し、柔軟剤の使い過ぎにも注意が必要です。
✨ 市販薬の活用
軽度のあせもに対しては、市販のあせも用ローション、クリーム、パウダーなどを使用することも有効です。一般的にあせも向けの製品にはカラミンローション(炎症を和らげる効果)や酸化亜鉛を含むものがあります。ただし、子どもに使用する際は年齢に応じた製品を選び、使用上の注意をよく確認してください。
ベビーパウダーについては、粉末を吸い込むリスクがあるとして注意が必要とされています。特に赤ちゃんの顔まわりへの使用は避け、使用する場合は手に取ってから塗布する方法が推奨されます。
📌 かきむしりを防ぐ工夫
子どもはかゆみがあるとついかきむしってしまいます。爪を短く切り、特に乳幼児の場合はミトン型の手袋を使って患部への直接接触を防ぐことが有効です。また、衣類で患部を覆うことも有効ですが、蒸れないように薄手・通気性の良い素材を選ぶことが重要です。
📝 あせもを防ぐための予防策
あせもは発症してからケアするよりも、発症を予防することが理想的です。日常生活の中でできる予防策を取り入れましょう。

▶️ 室温・湿度の管理
子どもが過ごす室内環境を適切に保つことがあせも予防の基本です。夏季は室温26〜28℃程度、湿度50〜60%が目安とされています。エアコンを効果的に活用し、特に就寝中も快適な温度・湿度を維持しましょう。エアコンの使用が心配な場合もありますが、熱中症リスクを防ぐためにも適切な冷房使用は推奨されています。
ただし、エアコンの風が子どもに直接当たらないよう配慮することも大切です。直接冷風が当たると皮膚の乾燥につながることがあります。
🔹 適切な着せ方
「子どもは大人より1枚少なめ」というのは一般的なガイドラインです。保護者の感覚で「少し暑いかな」と感じるくらいが子どもにとってはちょうどよい場合があります。特に就寝時は寝返りをうつことで体温が上がりやすいため、過度に厚着にならないよう注意しましょう。
外出時は直射日光を避けることで体温上昇を抑えることができます。日よけカバーや帽子の活用も効果的です。抱っこひもを使用する場合は、保護者との密着部分が蒸れやすいため、抱っこひも専用のよだれカバーや、通気性の高い素材のスタイを活用することをお勧めします。
📍 こまめな汗のケア
汗をかいたらそのままにせず、できるだけ早く拭き取ることが重要です。やわらかいガーゼやタオルで優しくたたくように拭き取りましょう。こすってしまうと皮膚への刺激になるため注意が必要です。
外出時は清潔なガーゼハンカチや赤ちゃん用おしりふき(アルコールなし)を持ち歩くと便利です。汗を吸収するガーゼを背中や首まわりに挟んでおき、汗をかいたらガーゼだけを取り換えるという方法も有効です。
💫 入浴・シャワーの習慣
汗をかきやすい時期は、1日1〜2回の入浴やシャワーが推奨されます。特に就寝前に汗を洗い流して清潔な状態で寝ることは、あせも予防に非常に効果的です。石けんを使う際は刺激の少ない子ども用を選び、泡立てて優しく洗い、しっかりとすすぐことが基本です。
🦠 寝具・ベッド環境の工夫
就寝時の環境も重要です。通気性の良い素材の寝具を選び、必要以上に厚手の掛け布団を使わないことが大切です。夏季はガーゼや綿素材の軽い毛布やバスタオルで十分な場合もあります。マットレスや布団は定期的に干して清潔に保つことも、蒸れ防止につながります。
Q. 子どものあせもで皮膚科を受診すべき状態は?
以下の場合は早めに皮膚科への受診が必要です。①自宅ケアを1週間続けても改善しない、②膿疱(うみを含むぶつぶつ)が現れまたは広がっている、③発疹とともに発熱がある、④強いかゆみで眠れない・機嫌が著しく悪い、⑤発疹が体全体に広がっている。アイシークリニックでは乳幼児のあせも相談に対応しています。
💡 皮膚科を受診すべき目安
軽度のあせもであれば自宅ケアで改善することが多いですが、以下のような状態が見られた場合は早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
まず、1週間以上自宅ケアを続けても改善が見られない場合は、あせも以外の疾患が隠れている可能性や、適切な治療が必要な状態になっている可能性があります。自己判断でのケアを続けるのではなく、専門家に診てもらうことが大切です。
次に、患部に膿疱(うみを含んだぶつぶつ)が形成されている場合は、細菌感染が疑われます。特に膿疱が急速に広がっていたり、周囲の皮膚が赤く腫れている場合は、とびひや蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの感染症への移行が考えられます。この場合は早急な受診が必要です。
発疹とともに発熱がある場合も受診の目安となります。感染症や他の疾患が関与している可能性があります。強いかゆみで子どもが眠れない・機嫌が著しく悪い場合も、適切な薬物療法が必要なサインです。
発疹の範囲が広い場合や、顔全体・体全体に広がっている場合も受診を検討してください。特にアレルギー反応や感染症との鑑別が必要なことがあります。
保護者が「これはあせもではないかもしれない」と感じる直感も大切です。発疹の形や色、広がり方が通常のあせもと異なると感じた場合は、躊躇わず受診することをお勧めします。

✨ 皮膚科での治療内容
皮膚科では、子どものあせもの状態を正確に診断し、適切な治療を提案してもらうことができます。どのような治療が行われるのか、あらかじめ知っておくと受診時に役立ちます。
👴 外用薬(塗り薬)
あせもの治療で最もよく用いられるのが外用薬です。炎症やかゆみを抑えるためにステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイド外用薬と聞くと心配になる保護者の方もいますが、皮膚科医が子どもの年齢・体重・患部の状態に合わせて適切な強さと使用量を選択します。指示通りに使用すれば安全性は高く、短期間での使用が基本です。
かゆみが強い場合は、ステロイド外用薬に加えて非ステロイド系の抗炎症薬や、亜鉛華軟膏(酸化亜鉛を含む保護・収れん作用のある軟膏)が処方されることもあります。細菌感染を合併している場合は、抗菌外用薬が使われます。
🔸 内服薬
かゆみが非常に強い場合には、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)が内服薬として処方されることがあります。これによってかゆみを和らげ、かきむしりによる皮膚への二次的ダメージを防ぐことができます。
とびひなど細菌感染が合併している場合は、抗菌薬(抗生物質)の内服が必要になることがあります。自己判断で抗菌薬を使用することは避け、必ず医師の指示に従ってください。
💧 生活指導・スキンケア指導
皮膚科では薬の処方だけでなく、適切なスキンケア方法や生活環境の改善についても指導してもらうことができます。特に子どもの皮膚の特性に合わせた洗い方、保湿剤の選び方、衣類や環境の整え方など、実践的なアドバイスを得ることができます。
アトピー性皮膚炎など他の皮膚疾患が疑われる場合は、アレルギー検査や詳しい検査が行われることもあります。あせもを繰り返す子どもの場合は、根本的な体質改善のアドバイスも受けることができます。
✨ 受診時に伝えるべきこと
皮膚科を受診する際には、いつごろから症状が現れたか、どのように変化したか、かゆみや発熱などの全身症状があるかどうか、これまでに試したケアや市販薬について、アレルギーや他の皮膚疾患の既往歴などを事前にまとめておくと、診察がスムーズになります。
また、発疹の状態をスマートフォンなどで写真に残しておくと、受診時に症状の経過を医師に正確に伝えるうえで役立ちます。発疹は日によって変化することがあるため、複数の時点での写真があるとより有用です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏季を中心にお子さんのあせもに関するご相談を多くいただいており、特に乳幼児の保護者の方が「これはあせもなのか、それとも別の疾患なのか」と判断に迷われて受診されるケースが目立ちます。あせもは基本的なケアで改善することが多い一方、かきむしりによるとびひへの移行など、放置による悪化リスクもあるため、「なんとなくいつもと違う」と感じた際は早めにご相談いただくことをお勧めしています。お子さんの肌はとてもデリケートですので、どうぞ遠慮なくご来院ください。」
📌 よくある質問
軽度のあせも(特に水晶様汗疹)は、清潔・涼しい環境・通気性の良い衣類を心がけることで自然に改善するケースが多いです。ただし、1週間以上ケアを続けても改善しない場合や、膿疱が現れた場合は悪化のサインです。早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
子どものあせもは、汗が溜まりやすい部位に集中します。特に首まわり・頭皮・額・脇の下・股の内側・おしり周辺・ひざの裏・肘の内側・背中などに現れやすいです。赤ちゃんは首のしわに汗が溜まりやすく、特に注意が必要です。
あせもは汗腺が詰まって起こる炎症で、赤いぶつぶつやかゆみが主な症状です。一方、とびひは細菌感染による疾患で、水ぶくれや膿疱が急速に広がるのが特徴です。あせもをかきむしることでとびひに発展することがあるため、悪化を感じたら早めに皮膚科を受診してください。
日常的に「清潔・涼しさ・通気性」の3点を意識することが基本です。具体的には、室温26〜28℃・湿度50〜60%を目安に環境を整え、汗をかいたらこまめにガーゼで優しく拭き取り、綿素材など通気性の良い衣類を選びましょう。就寝前のシャワーや入浴も効果的です。
以下の場合は早めに皮膚科へご相談ください。①1週間以上自宅ケアを続けても改善しない、②膿疱(うみを含んだぶつぶつ)が現れた・広がっている、③発疹とともに発熱がある、④強いかゆみで眠れない・機嫌が著しく悪い、⑤発疹が体全体に広がっている。「いつもと違う」と感じたら、アイシークリニックへお気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
こどものあせもは、皮膚の未熟さや活発な発汗によって誰にでも起こりうる一般的な皮膚トラブルです。しかし、適切なケアと予防策を知っていれば、多くの場合は症状を軽くしたり、発症を防いだりすることができます。
基本はシンプルで、清潔・涼しさ・通気性の3つを意識することです。汗をかいたらこまめに拭いて清潔を保ち、室内環境を整えて子どもが過ごしやすい温度・湿度を維持し、通気性の良い素材の衣類を選ぶ。この3点を日常的に実践するだけで、あせものリスクを大きく下げることができます。
また、あせもと似た症状を持つ他の皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、とびひなど)との違いを知っておくことも大切です。自宅ケアで改善しない場合や、感染の兆候が見られる場合は躊躇わず皮膚科を受診してください。早期の適切な治療が、子どもの不快感を和らげ、二次感染のリスクを下げることにつながります。
子どもの皮膚は大人と比べてデリケートで、日々変化しています。日ごろから肌の状態に気を配り、何か気になることがあれば専門家に相談する習慣をつけることが、子どもの健康な肌を守るうえで最も重要なことです。アイシークリニック東京院では、お子さんの肌トラブルに関するご相談を随時受け付けております。お子さんの肌の状態が気になる場合は、どうぞお気軽にご来院ください。
📚 関連記事
- 子供のあせもに使う薬の選び方と正しいケア方法を解説
- ステロイドはあせもに使える?正しい治療法と注意点を解説
- 子供の白あせもとは?原因・症状・正しいケア方法を解説
- ベビーパウダーは大人のあせもに効果的?正しい使い方と注意点
- 手のひらのあせもの原因と対処法|かゆみや水ぶくれへの正しいケア
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・治療に関する皮膚科学的な診断基準および治療ガイドライン
- 厚生労働省 – 乳幼児の皮膚トラブル・スキンケアに関する母子保健施策および育児指導の情報
- 国立感染症研究所 – とびひ(伝染性膿痂疹)・突発性発疹など、あせもと鑑別が必要な小児感染症の疫学・症状に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務