
「もしかして自分はワキガかもしれない」と気になっているけれど、どうやって確かめればいいのかわからない、という方は少なくありません。ワキガは体質によるものであり、誰でもなりうる可能性がありますが、自分では気づきにくいという特徴があります。においというのは慣れが生じやすく、自分の体臭は特に感じにくいものです。この記事では、ワキガかどうかを確かめる具体的な方法を、自宅でできるセルフチェックから医療機関での診断まで幅広く紹介します。正しい知識を持って自分の状態を把握することが、適切なケアや治療への第一歩になります。
目次
- ワキガとはどのような状態か
- ワキガか確かめる方法①:においを直接確認する
- ワキガか確かめる方法②:耳垢の状態を確認する
- ワキガか確かめる方法③:衣類の汚れや黄ばみを確認する
- ワキガか確かめる方法④:家族に確認してもらう
- ワキガか確かめる方法⑤:脇毛の状態を確認する
- ワキガか確かめる方法⑥:汗の量や性質を確認する
- ワキガのセルフチェックリスト
- 医療機関でのワキガ診断について
- ワキガの程度(グレード)について知っておこう
- ワキガと間違いやすいにおいの原因
- ワキガと診断されたらどうすればよいか
- まとめ
この記事のポイント
ワキガの確認には、湿性耳垢・衣類の黄ばみ・家族歴などのセルフチェックが有効だが、確定診断には皮膚科での専門的診察が必要。治療法はボトックス注射・ミラドライ・手術など程度に応じて選択できる。
🎯 ワキガとはどのような状態か
ワキガ(腋臭症)とは、わきの下から発生する独特の強いにおいのことを指します。この独特なにおいの原因は、アポクリン汗腺という汗腺から分泌される汗にあります。人間の体には主に二種類の汗腺があります。エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。
エクリン汗腺は全身に分布しており、体温調節のために主に水分を分泌します。この汗はほぼ無臭です。一方、アポクリン汗腺はわきの下、陰部、乳首周辺など特定の部位に集中して存在しており、タンパク質や脂質、アンモニアなどを含む粘り気のある汗を分泌します。この汗自体はほぼ無臭ですが、皮膚表面の細菌によって分解されると独特の強いにおいが発生します。これがワキガのにおいの正体です。
アポクリン汗腺の数は遺伝によって決まることが多く、片親がワキガの場合は約50〜75%、両親ともにワキガの場合はほぼ100%の確率でワキガ体質になるといわれています。そのため、ワキガは病気というよりも体質・遺伝的な特性として捉えられています。
なお、ワキガは思春期以降に発症することが多く、これはアポクリン汗腺が性ホルモンの影響を受けて活発になるためです。加齢とともにアポクリン汗腺の働きが低下するため、高齢になるとワキガのにおいが弱まることもあります。
Q. ワキガの可能性を示す最も信頼性の高いセルフチェック方法は?
ワキガのセルフチェックで信頼性が高いのは耳垢の状態確認です。綿棒で耳の入り口を軽くふき取り、湿ってベタついた「湿性耳垢」であればアポクリン汗腺が発達している可能性があります。日本人の約80〜90%は乾性耳垢のため、湿性耳垢はワキガ体質の重要な指標とされています。
📋 ワキガか確かめる方法①:においを直接確認する
最も直接的な確認方法は、わきの下のにおいを自分で嗅いでみることです。ただし、先述のように人間は自分の体臭に慣れやすいため、判定が難しい場合もあります。より正確に確認するためにはいくつかのポイントがあります。
まず、シャワーを浴びてから何も制汗剤や香水をつけずに数時間過ごした後に確認するのが効果的です。においが最もわかりやすいのは、適度に汗をかいた後、特に運動後や蒸し暑い環境にいた後です。衣類の脇部分のにおいを嗅いでみることでも確認できます。着用した後のシャツやTシャツの脇の部分は、体臭がつきやすいため判断材料になります。
ワキガのにおいはよく「酸っぱいにおい」「スパイシーなにおい」「獣のようなにおい」などと表現されます。汗臭さとは少し異なる独特のにおいがする場合は、ワキガの可能性があります。一方で、単純に蒸れたにおいや汗の酸っぱいにおいはエクリン汗腺由来のものであることが多く、ワキガとは区別されます。
においを確認する際に便利なのが、ガーゼや清潔なコットンをわきに数分挟んで、そのにおいを嗅ぐ方法です。この方法であれば体のポジションに関わらずにおいを採取しやすく、より客観的に確認することができます。
💊 ワキガか確かめる方法②:耳垢の状態を確認する
ワキガかどうかを確かめる非常に信頼性の高い方法の一つが、耳垢の状態を確認することです。耳の中にもアポクリン汗腺に似た分泌腺(アポクリン腺)が存在しており、アポクリン汗腺が多い人は耳垢が湿っている(湿性耳垢)ことが多いとされています。
耳垢には大きく分けて二種類あります。乾いてポロポロとした「乾性耳垢(乾型)」と、湿ってベタついた「湿性耳垢(湿型)」です。日本人は乾性耳垢の人が多く、全体の約80〜90%を占めるといわれています。一方、湿性耳垢の人はアポクリン汗腺が発達していることが多く、ワキガ体質である可能性が高いとされています。
ただし、湿性耳垢だからといって必ずワキガというわけではありません。あくまでもアポクリン汗腺が発達している傾向があるという指標であり、においの強さは個人差があります。湿性耳垢であってもにおいが気にならない程度の方もいます。逆に言えば、耳垢が乾燥タイプの方はワキガの可能性が比較的低いと考えることができます。
耳垢の確認は比較的簡単にできるセルフチェック方法であるため、最初の確認ステップとして活用するとよいでしょう。綿棒で耳の入り口付近を軽くふき取るだけで確認できます。
🏥 ワキガか確かめる方法③:衣類の汚れや黄ばみを確認する
長期間着用している白いシャツやTシャツの脇の部分に、黄色や茶色がかった黄ばみが生じている場合、これもワキガの可能性を示唆するサインの一つです。アポクリン汗腺から分泌される汗には脂質やタンパク質などの有機物が含まれており、これが繊維に付着して酸化・変色することで黄ばみが生じます。
この黄ばみは通常の洗濯では落ちにくいことが多く、繰り返し着用することで蓄積されます。衣類の脇部分が頑固に黄変している場合は、アポクリン汗腺の分泌が活発であることが考えられます。
また、黄ばみだけでなく、洗濯後も衣類の脇部分に独特のにおいが残る場合も注目ポイントです。エクリン汗腺由来の汗であれば、適切に洗濯することでにおいはほぼ取れますが、アポクリン汗腺由来の分泌物は繊維に浸透しやすく、においが残りやすいという特徴があります。
なお、黄ばみは制汗剤(特にアルミニウム化合物を含むもの)と汗の成分が反応することでも生じることがあります。そのため、黄ばみだけでワキガと断定することは難しいですが、他のチェック項目と合わせて判断する材料の一つとなります。
Q. ワキガは親から子に遺伝しますか?
ワキガには強い遺伝的要素があり、アポクリン汗腺の数は遺伝によって決まることが多いとされています。片親がワキガの場合は約50〜75%、両親ともにワキガの場合はほぼ100%の確率でワキガ体質になるといわれています。そのためワキガは病気ではなく、体質・遺伝的特性として捉えられています。
⚠️ ワキガか確かめる方法④:家族に確認してもらう
前述のように、人は自分のにおいに慣れてしまいやすいため、自己判断では正確な評価が難しいことがあります。そのため、信頼できる家族や親しい人に確認してもらうことが、においの有無を判断するうえで非常に有効な方法です。
特に同居している家族は、日常的に体臭に触れているため気づきにくい部分もあります。できれば、普段あまり一緒にいない親戚や友人に確認してもらうとより客観的な意見を得やすいです。確認する際は、入浴後に何も制汗剤や香水をつけない状態で、適度に過ごした後が適切です。
他者に確認してもらうことに抵抗感がある方も多いかと思いますが、親に確認してもらうという方法も有効です。特にワキガには遺伝的な要素があるため、親がワキガかどうかを確認することでも、自分がワキガ体質かどうかの参考になります。両親ともにワキガであれば、自分もワキガ体質である可能性が非常に高いといえます。
また、過去に他者からにおいについて指摘されたことがある場合は、ワキガの可能性が高いと考えられます。こうした経験は非常に傷つくものですが、早期に対処を検討するきっかけにもなります。
🔍 ワキガか確かめる方法⑤:脇毛の状態を確認する
脇毛の状態もワキガの確認に活用できる方法の一つです。アポクリン汗腺の分泌が活発な方は、脇毛に白い粉状または黄色っぽいベタつきが付着していることがあります。これはアポクリン汗腺から分泌された成分が脇毛に付着し、皮膚の常在菌によって分解された後の残留物と考えられています。
脇毛の量が多い場合も、においが強くなりやすい傾向があります。脇毛はアポクリン汗腺の分泌物が付着しやすく、表面積が広いため細菌が繁殖しやすい環境を作ります。そのため、脇毛が多くてにおいも気になる場合は、ワキガの可能性を検討してみてもよいでしょう。
ただし、脇毛の状態はあくまでも参考程度のものです。脇毛がほとんどない方でもワキガの方はいますし、脇毛に付着物があっても単なる汗や皮脂によるものである場合もあります。他のチェック方法と組み合わせて総合的に判断することが大切です。
📝 ワキガか確かめる方法⑥:汗の量や性質を確認する
アポクリン汗腺から分泌される汗は、エクリン汗腺からの汗と比べてやや粘り気があり、白みがかった色をしていることがあります。純粋な水分が主成分のエクリン汗腺の汗とは異なり、脂質やタンパク質を含むため、皮膚の上に残った際にわずかに粘り気を感じることがあります。
汗の量については、必ずしも多いからワキガとは言い切れません。ワキガの程度はアポクリン汗腺の数と細菌の作用によるものであり、汗の量の多さとは必ずしも連動しません。ただし、アポクリン汗腺の分泌が多い場合は、においが発生しやすくなるため、両者は関連していることがあります。
また、わきの下に汗をかいた後、そのままにしていると独特のにおいが発生するかどうかも確認してみてください。エクリン汗腺由来の汗は細菌によって分解されても比較的マイルドなにおいですが、アポクリン汗腺の分泌物は強いにおいを生じやすいため、汗をかいた数時間後に確認することで違いを感じられることがあります。
Q. 白いシャツの脇が黄ばむのはワキガのサインですか?
衣類の脇部分の黄ばみはワキガの可能性を示唆するサインの一つです。アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる脂質やタンパク質が繊維に付着・酸化することで黄ばみが生じます。ただし制汗剤の成分が反応する場合もあるため、黄ばみのみで断定せず、耳垢や家族歴など他の項目と合わせて総合的に判断することが重要です。
💡 ワキガのセルフチェックリスト
ここまで紹介した確認方法を踏まえ、ワキガの可能性を判断するためのセルフチェックリストをまとめます。以下の項目のうち、当てはまるものが多いほどワキガの可能性が高いと考えられます。
耳垢が湿っていてベタついている、あるいは柔らかい。白いシャツなど衣類の脇部分に黄ばみや着色が生じやすい。わきの下に汗をかいた後、独特のにおいがする。洗濯後も衣類の脇部分ににおいが残りやすい。脇毛に白い粉や黄色いベタつきが付着していることがある。家族(特に親)がワキガである、あるいはワキガ気質である。過去に他者からにおいを指摘されたことがある。わきの下の汗が粘り気があるように感じる。緊張や興奮したときにわきのにおいが特に気になる。
これらの項目のうち、特に「耳垢が湿っている」「衣類が黄ばみやすい」「家族がワキガ」という3点は信頼性の高いサインとされています。複数の項目が該当する場合は、医療機関への相談を検討することをおすすめします。
一方で、1〜2項目しか当てはまらない場合は、ワキガではなく通常の体臭や生活習慣によるにおいである可能性が高いです。ワキガと一般的な体臭は別物であり、正確な判断のためには医療機関での診察が最も確実です。
✨ 医療機関でのワキガ診断について
自己チェックである程度の判断はできますが、確実にワキガかどうかを知るためには医療機関での診察を受けることが最も確実です。ワキガの診断は主に皮膚科やクリニックで受けることができ、専門医が視診や問診を通じて判断します。
医療機関での診断では、まず問診が行われます。においの程度や発症時期、家族歴(親やきょうだいにワキガがいるか)、生活習慣などについて確認されます。次に、視診・触診が行われます。わきの下の皮膚の状態、アポクリン汗腺の発達度、脇毛の状態などが確認されます。
においの客観的な評価として、いくつかの方法が用いられることがあります。嗅診と呼ばれる方法では、医師がにおいを直接確認します。また、ろ紙を使ってわきに挟み、においを採取・評価する方法もあります。さらに専門的な検査では、においの成分を分析する機器を使用することもあります。
「医師ににおいを嗅がれるのが恥ずかしい」と感じる方もいるかもしれませんが、専門医はワキガの診察に慣れており、患者さんのプライバシーに配慮しながら適切に診察を行います。ワキガの診察は恥ずかしいことではなく、悩みを解決するための大切な一歩です。
診察を受ける際は、なるべく制汗剤や香水を使用せず、激しい運動もせずに来院することが推奨されます。ただし、においが気になって来院をためらわないように、通常通りに過ごしてから来院しても診察は可能です。
📌 ワキガの程度(グレード)について知っておこう
ワキガのにおいの強さには個人差があり、医療現場では一般的にグレード分類が用いられています。この分類を知っておくことで、自分の状態の目安を把握しやすくなります。
グレード1(軽度)は、自分では気になる場合があるが、他者がほとんど気づかない程度のにおいです。汗をかいた後に近距離でわずかに感じられる程度であり、日常生活への影響は少ない状態です。
グレード2(中等度)は、本人も他者も気づく程度のにおいがある状態です。夏場や運動後に特に気になり、混雑した場所などでも周囲に気づかれることがあるレベルです。日常生活において不便を感じることが多くなります。
グレード3(重度)は、明らかに強いにおいがあり、衣類越しでも感じられる場合があります。常時においがあり、周囲への影響も大きいため、生活の質に大きく関わるレベルです。
グレードによって、適切なケアや治療法が異なります。軽度の場合は生活習慣の改善や市販の制汗剤などで対処できることもありますが、中等度以上の場合は医療的な治療を検討することが推奨されます。
なお、このグレード分類はあくまでも目安であり、実際の診断は医師が行います。自己判断でグレードを決めるよりも、医療機関での評価を受けることが重要です。
Q. ワキガの医療的な治療法にはどのような選択肢がありますか?
ワキガの医療的治療法は主に3種類あります。ボトックス注射はアポクリン汗腺の活動を数カ月間抑制する方法です。ミラドライはマイクロ波で汗腺を破壊する非侵襲的な治療で1〜2回の施術で長期効果が期待できます。手術(剪除法・吸引法)は汗腺を直接除去する根本的な治療法です。症状の程度に応じて適切な治療法を医師と相談して選択することが重要です。
🎯 ワキガと間違いやすいにおいの原因

わきのにおいが気になっても、すべてのケースがワキガというわけではありません。ワキガと混同されやすいにおいの原因がいくつかあります。これらを区別することで、より適切な対処法を選択することができます。
まず、多汗症による体臭があります。エクリン汗腺からの過剰な発汗によって皮膚の表面で細菌が繁殖し、においが生じることがあります。これはワキガのにおいとは異なりますが、汗臭さとして感じられることがあります。多汗症とワキガが合併している場合もあります。
次に、加齢臭があります。加齢に伴い、皮脂の酸化物(ノネナールという成分)が増加することで生じる独特のにおいです。ワキガのにおいとは異なりますが、「体のにおいが気になる」という点で混同されることがあります。加齢臭は主に首筋や耳後ろ、頭皮などに出やすいとされています。
食事由来のにおいも影響することがあります。にんにくや玉ねぎ、肉類、アルコールなどを多く摂取した際には、その成分が汗や呼気から排出されてにおいが生じることがあります。これは一時的なものであり、食事内容を見直すことで改善できます。
衛生習慣によるにおいも考えられます。わきの下を適切に洗浄していない場合や、長時間制汗剤を使わずに過ごした場合には、エクリン汗腺の汗と皮膚常在菌が反応してにおいが生じることがあります。これはワキガではなく、衛生習慣の改善で対処できます。
また、ストレスや緊張による発汗も体臭を強くすることがあります。精神的な緊張時にはアポクリン汗腺も活発になるため、ワキガ体質の方は特ににおいが強くなりやすいですが、そうでない方でもにおいが気になる場合があります。
皮膚の疾患(皮膚炎、カンジダ症など)がわきの下のにおいの原因になることもあります。皮膚に炎症や感染症がある場合は、専門医への相談が必要です。
📋 ワキガと診断されたらどうすればよいか
ワキガと確認できた場合、あるいはセルフチェックでワキガの可能性が高いと判断された場合には、どのような対処法があるのでしょうか。ワキガへの対処法は、日常的なケアから医療的な治療まで段階的に選択できます。
日常的なケアとしては、まず清潔を保つことが基本です。わきの下を毎日しっかりと洗浄し、細菌の増殖を抑えることが重要です。制汗剤や消臭剤を活用することも効果的です。市販の制汗剤には、アルミニウムクロリドヒドレートなどの成分がアポクリン汗腺の分泌を抑制する効果があるとされています。
脇毛の処理も対策の一つです。脇毛を剃ることで細菌が繁殖しにくい環境を作り、においを軽減する効果があります。また、通気性の良い衣類を選ぶことも大切です。化学繊維よりも綿素材の衣類の方が蒸れにくく、においが生じにくいとされています。
食生活の見直しも有効な場合があります。脂肪分の多い食事や肉類の過剰摂取、アルコールの大量摂取はにおいを強くする可能性があります。野菜や大豆製品を積極的に取り入れ、バランスの良い食事を心がけることがにおい対策につながります。
医療的な治療としては、いくつかの選択肢があります。まず、ボトックス注射(ボツリヌス毒素注射)があります。わきの下に注射することでアポクリン汗腺の活動を一時的に抑制する方法です。効果は数カ月程度持続します。比較的手軽に受けられる治療ですが、効果は一時的であり定期的な施術が必要です。
次に、ミラドライ(マイクロ波治療)があります。マイクロ波(電磁波)を使ってアポクリン汗腺を破壊する医療機器を使った治療です。メスを使わない非侵襲的な治療であり、1〜2回の施術で効果が期待できます。アポクリン汗腺を物理的に破壊するため、長期的な効果が見込めます。
手術(剪除法・吸引法)も選択肢の一つです。わきの下の皮膚を切開してアポクリン汗腺を直接取り除く方法(剪除法)や、特殊な器具でアポクリン汗腺を吸引・除去する方法(吸引法)があります。根本的な治療であり高い効果が期待できますが、手術であるためダウンタイムが必要です。
塩化アルミニウム外用薬(処方薬)は、市販の制汗剤よりも高濃度のアルミニウム成分を含む医薬品で、アポクリン汗腺の分泌を抑制します。軽度から中等度のワキガに対して処方されることがあります。
どの治療法が自分に適しているかは、ワキガの程度や生活スタイル、希望する効果の持続性などによって異なります。医療機関でしっかりと相談したうえで、最適な治療法を選択することが重要です。アイシークリニック東京院では、ワキガに関する相談・診察から治療まで対応しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「自分はワキガかもしれないけれど、確かめる方法がわからない」とお悩みになってご来院される患者様が多くいらっしゃいます。記事でもご紹介しているように、耳垢の状態や衣類の黄ばみなどのセルフチェックはある程度の目安になりますが、においの問題はご自身では客観的に判断しにくいことが多いため、気になる症状が複数ある場合はぜひ専門医にご相談ください。ワキガは適切な診断と治療によって改善できる状態ですので、一人で抱え込まず、まずは気軽に相談していただけると幸いです。」
💊 よくある質問
耳垢の状態確認が比較的信頼性の高いセルフチェック方法とされています。綿棒で耳の入り口付近を軽くふき取り、湿ってベタついた「湿性耳垢」であればアポクリン汗腺が発達している可能性があります。ただし、湿性耳垢だからといって必ずワキガとは限らないため、他のチェック項目と組み合わせて総合的に判断することが大切です。
ワキガには強い遺伝的要素があります。片親がワキガの場合は約50〜75%、両親ともにワキガの場合はほぼ100%の確率でワキガ体質になるといわれています。ただし、体質であることと実際のにおいの強さは個人差があります。親がワキガかどうかを確認することも、自分の体質を知る参考になります。
衣類の脇部分の黄ばみは、ワキガの可能性を示唆するサインの一つです。アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる脂質やタンパク質が繊維に付着・酸化することで黄ばみが生じます。ただし、制汗剤の成分と汗が反応して黄ばむ場合もあるため、黄ばみだけで断定せず、他のチェック項目と合わせて判断することをおすすめします。
医療機関では、においの程度や家族歴などを確認する問診、わきの下の皮膚やアポクリン汗腺の状態を確認する視診・触診が行われます。においの評価としては、医師が直接確認する嗅診やろ紙を使った採取・評価などの方法が用いられます。当院でも、患者様のプライバシーに配慮しながら丁寧に診察を行っております。
ワキガの治療法は程度によって異なります。軽度であれば制汗剤の活用や衛生習慣の改善で対処できる場合があります。中等度以上では、アポクリン汗腺の活動を一時的に抑えるボトックス注射、マイクロ波で汗腺を破壊するミラドライ、汗腺を直接除去する手術(剪除法・吸引法)などの医療的治療が選択肢となります。当院では症状に合わせた治療法をご提案しております。
🏥 まとめ
ワキガかどうかを確かめる方法には、においの直接確認、耳垢の状態確認、衣類の黄ばみ確認、家族への確認、脇毛の状態確認、汗の性質確認など、複数のアプローチがあります。これらのセルフチェックを組み合わせることで、自分がワキガである可能性をある程度把握することができます。
中でも、耳垢が湿っているかどうかは比較的信頼性の高い指標とされています。また、家族にワキガがいる場合は遺伝的な要素から自分もワキガ体質である可能性が高くなります。
ただし、セルフチェックにはどうしても限界があります。自分では気づきにくいにおいの問題に対して、最も確実な方法は医療機関での専門的な診断を受けることです。ワキガを確認できた場合でも、軽度から重度までさまざまな程度があり、それぞれに適した対処法があります。
ワキガは体質によるものであり、決して恥ずかしいことではありません。また、適切なケアや治療によって改善できるものです。自分のにおいが気になっている、またはワキガかもしれないと感じている方は、一人で悩まずに専門の医師に相談することをおすすめします。早めに正確な状態を把握し、自分に合った対処法を選ぶことが、においの悩みを解消するための最善の道です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ワキガ(腋臭症)の診断基準・グレード分類・治療法に関するガイドラインおよび皮膚科学的な知見(アポクリン汗腺の構造・機能、湿性耳垢との関連性など)の参照
- 日本形成外科学会 – 腋臭症に対する外科的治療法(剪除法・吸引法)の適応・術式・効果に関する学術的情報、および形成外科的アプローチによる治療の参照
- PubMed – 腋臭症(axillary osmidrosis)におけるアポクリン汗腺の遺伝的要因・耳垢型との関連・治療効果に関する国際的な査読済み論文の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務