春先になると多くの方を悩ませる花粉症。くしゃみや鼻水、目のかゆみといった一般的な症状に加えて、「めまい」を感じる方も少なくありません。一見すると関係がないように思える花粉症とめまいですが、実は密接な関係があることが分かっています。この記事では、花粉症が原因でめまいが起こるメカニズムや症状の特徴、そして効果的な対処法について詳しく解説いたします。
目次
- 花粉症とめまいの基本的な関係
- 花粉症がめまいを引き起こすメカニズム
- 花粉症によるめまいの症状と特徴
- めまいを伴う花粉症の診断方法
- 花粉症によるめまいの治療と対処法
- 日常生活でできる予防策
- 他の疾患との鑑別が必要なケース
- まとめ

この記事のポイント
花粉症患者の約20〜30%がめまいを経験し、主な原因は鼻づまりによる酸素不足・内耳への影響・自律神経の乱れ。治療は第二世代抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬が中心で、重症例には舌下免疫療法も有効。
🎯 花粉症とめまいの基本的な関係
花粉症は正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉がアレルゲン(アレルギーの原因物質)となって起こるアレルギー疾患です。一般的には鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が知られていますが、これらの症状に伴ってめまいを感じる患者さんも多く見受けられます。
めまいとは、自分自身や周囲が回転しているように感じたり、ふらつきや不安定感を覚えたりする症状の総称です。花粉症に伴うめまいは、主に鼻づまりによる酸素不足や、内耳への影響、自律神経の乱れなどが複合的に作用することで起こると考えられています。
日本国内では、花粉症患者の約20-30%がめまいの症状を訴えるという報告もあり、決して珍しい症状ではありません。特に花粉飛散量が多い年や、症状が重い患者さんほど、めまいを併発する傾向が高いことが知られています。
Q. 花粉症でめまいが起きる主な原因は何ですか?
花粉症でめまいが起きる主な原因は、鼻づまりによる酸素不足、耳管を通じた内耳への炎症波及、自律神経の乱れ、そして抗ヒスタミン薬などの薬の副作用です。これらが複合的に作用するため、花粉症患者の約20〜30%がめまいを経験するとされています。
📋 花粉症がめまいを引き起こすメカニズム
🦠 鼻づまりによる酸素不足
花粉症の主要な症状の一つである鼻づまりは、めまいの最も直接的な原因となります。鼻腔内の粘膜が炎症を起こして腫れることで、鼻での呼吸が困難になり、口呼吸に頼らざるを得なくなります。この状態が続くと、体内への酸素供給量が減少し、脳への酸素不足が生じます。
脳は全身で消費される酸素の約20%を使用する臓器であり、酸素不足には非常に敏感です。軽度の酸欠状態でも、集中力の低下、頭痛、そしてめまいなどの症状が現れることがあります。特に睡眠中の口呼吸は、睡眠の質を低下させ、翌日の体調不良やめまい感を引き起こす要因となります。
👴 内耳への影響
耳と鼻は耳管(ユースタキオ管)という細い管でつながっており、鼻の炎症が内耳にも波及することがあります。花粉症による鼻腔内の炎症が耳管にも及ぶと、中耳の気圧調整がうまく機能しなくなり、内耳のバランス機能に悪影響を与える可能性があります。
内耳には三半規管という平衡感覚を司る器官があり、この機能が障害されると回転性のめまいや平衡感覚の異常を感じることがあります。また、耳管機能不全により中耳に陰圧が生じると、耳の閉塞感や軽度の聴力低下とともに、ふらつき感を伴うめまいが生じることもあります。
🔸 自律神経系の乱れ
花粉症は慢性的なアレルギー反応であり、長期間にわたって体にストレスを与え続けます。このストレス状態は自律神経系のバランスを乱し、交感神経と副交感神経の調和が取れなくなることがあります。自律神経の乱れは、血圧の変動、心拍数の変化、血管の収縮・拡張の異常などを引き起こし、これらがめまいの原因となります。
特に起立性低血圧や血管迷走神経反射などの自律神経系の異常は、立ち上がった際のめまいやふらつきの原因となります。また、花粉症の症状によって睡眠の質が低下することで、自律神経のバランスがさらに乱れやすくなる悪循環も生じます。
💧 薬物による影響
花粉症の治療に使用される薬物の中には、副作用としてめまいを引き起こすものがあります。特に第一世代の抗ヒスタミン薬は、中枢神経系への作用が強く、眠気とともにめまいやふらつきを起こすことが知られています。
また、鼻づまりを改善するために使用される血管収縮薬(点鼻薬)を長期間使用すると、薬剤性鼻炎を引き起こし、結果的にめまいが悪化することもあります。さらに、一部の鼻炎薬に含まれるカフェインやエフェドリンなどの成分は、血圧や心拍数に影響を与え、めまいの原因となることがあります。
Q. 花粉症によるめまいの症状にはどんな特徴がありますか?
花粉症によるめまいは、ふわふわと浮くような「浮動性めまい」が最も多く見られます。朝の起床時に症状が強く出やすく、頭痛・倦怠感・集中力低下を伴うことが多いです。また、晴天で風が強い日など花粉飛散量の多い日ほど症状が悪化する傾向があります。
💊 花粉症によるめまいの症状と特徴
✨ めまいの種類と特徴
花粉症に伴うめまいには、いくつかの特徴的なパターンがあります。最も多いのは「浮動性めまい」と呼ばれるタイプで、ふわふわと宙に浮いているような感覚や、足元がふらつく感じが特徴です。このタイプのめまいは、酸素不足や自律神経の乱れによって起こることが多く、花粉症患者さんで最も頻繁に見られます。
一方で、内耳への影響が強い場合には「回転性めまい」が起こることもあります。この場合、自分自身や周囲がグルグルと回転しているような感覚を覚え、立っていることが困難になることもあります。ただし、花粉症による回転性めまいは、メニエール病や前庭神経炎などの内耳疾患に比べて比較的軽度であることが多いです。
また、「立ちくらみ」のような症状も花粉症患者さんでよく見られます。これは起立性低血圧の影響で、座った状態から急に立ち上がったときなどに起こりやすく、一時的に血圧が下がることで脳への血流が不足して起こります。
📌 随伴症状
花粉症によるめまいは、単独で起こることは少なく、多くの場合、他の症状を伴います。最も多い随伴症状は頭痛で、特に前頭部や側頭部の鈍い痛みが特徴的です。これは鼻づまりによる副鼻腔の圧迫や、酸素不足による血管性頭痛が原因と考えられています。
集中力の低下や倦怠感も頻繁に見られる症状です。鼻づまりによる睡眠の質の低下や、慢性的な酸素不足により、日中の活動力が著しく低下することがあります。また、耳の閉塞感や軽度の聴力低下を伴うこともあり、これは耳管機能不全による中耳の陰圧が原因となります。
吐き気を伴うことも珍しくありません。特に回転性めまいが強い場合や、自律神経の乱れが顕著な場合に見られることが多く、重症例では実際に嘔吐することもあります。
▶️ 症状の時間的変化
花粉症によるめまいには、特徴的な時間的変化があります。多くの場合、朝起床時に症状が強く現れる傾向があります。これは、夜間の口呼吸により酸素不足が蓄積されることや、起床時の自律神経の切り替えがうまく機能しないことが原因と考えられています。
また、花粉の飛散量と症状の強さは密接に関係しており、天候や風の強さによって日々の症状の程度が変化します。晴天で風の強い日には花粉飛散量が増加するため、めまいの症状も悪化しやすくなります。逆に雨の日には花粉飛散量が少なくなるため、症状が軽快することが多いです。
さらに、花粉症シーズンの初期と後期では症状の現れ方が異なることもあります。シーズン初期には急激なアレルギー反応によって強いめまいが起こることがある一方で、シーズン後期には慢性的な疲労や自律神経の乱れによる持続的なふらつき感が主体となることが多いです。
🏥 めまいを伴う花粉症の診断方法
🔹 問診と病歴の聴取
花粉症によるめまいの診断では、詳細な問診が最も重要な要素となります。まず、めまいの発症時期と花粉症の症状出現時期の関係を確認します。花粉飛散シーズンに一致してめまいが起こる場合、花粉症が原因である可能性が高くなります。
めまいの性質についても詳しく聞き取ります。回転性なのか浮動性なのか、持続時間、誘発因子、随伴症状などを把握することで、他の疾患との鑑別に役立ちます。また、使用している薬物についても確認し、薬物性のめまいの可能性も検討します。
既往歴や家族歴も重要な情報です。以前から花粉症の診断を受けているか、他のアレルギー疾患の既往があるか、メニエール病や突発性難聴などの内耳疾患の既往がないかなども確認します。
📍 身体診察
身体診察では、まず鼻腔内の観察を行います。鼻粘膜の腫脹、鼻汁の性状、副鼻腔の圧痛などを確認し、花粉症による鼻炎の程度を評価します。また、鼓膜の観察により中耳の状態も確認し、耳管機能不全の有無を調べます。
神経学的検査も重要です。眼振の有無、歩行状態、バランステスト(ロンベルグテストやマン検査など)を行い、中枢性のめまいや重篤な内耳疾患を除外します。血圧測定、特に起立性低血圧の有無も確認します。
眼科的な観察も行い、結膜の充血やかゆみの程度を確認することで、花粉症の重症度を評価します。これらの所見を総合することで、めまいと花粉症の関連性を判断します。
💫 検査
必要に応じて血液検査を行い、アレルゲン特異的IgE抗体価を測定します。スギ、ヒノキ、ブタクサなど、季節に応じたアレルゲンに対する反応を調べることで、花粉症の確定診断が可能です。また、総IgE値や好酸球数の測定により、アレルギーの程度を評価することもできます。
めまいの原因を詳しく調べるために、聴力検査や平衡機能検査を行うこともあります。純音聴力検査により聴力低下の有無を確認し、必要に応じて重心動揺検査やカロリックテストなどの詳細な平衡機能検査を実施します。
画像検査については、副鼻腔CTにより副鼻腔炎の合併の有無を確認することがあります。また、中枢性のめまいが疑われる場合には、頭部MRIを行って脳血管障害や腫瘍などを除外することもあります。
Q. 花粉症のめまいにはどのような治療法がありますか?
花粉症によるめまいの治療は、まず花粉症自体を抑えることが基本です。眠気やめまいの副作用が少ない第二世代抗ヒスタミン薬や、鼻粘膜の炎症を抑える点鼻ステロイド薬が中心となります。薬物療法で十分な効果が得られない重症例には、スギ花粉症に保険適用がある舌下免疫療法も有効な選択肢です。
⚠️ 花粉症によるめまいの治療と対処法
🦠 薬物療法
花粉症によるめまいの治療では、まず原因となっている花粉症自体の治療が最も重要です。第二世代抗ヒスタミン薬は、眠気やめまいなどの中枢神経系への副作用が少なく、第一選択薬として使用されます。ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジンなどが代表的な薬剤です。
鼻づまりが強い場合には、点鼻ステロイド薬が効果的です。フルチカゾン、モメタゾン、ベクロメタゾンなどが使用され、鼻粘膜の炎症を抑制することで鼻づまりを改善し、結果的にめまいの軽減にもつながります。ただし、血管収縮薬を含む点鼻薬は長期使用により薬剤性鼻炎を引き起こす可能性があるため、使用期間に注意が必要です。
めまい症状が特に強い場合には、めまい専用の薬物を併用することもあります。ジフェンヒドラミン、メクリジン、ベタヒスチンなどの抗めまい薬が使用されることがありますが、これらの薬剤も眠気を引き起こす可能性があるため、日常生活への影響を考慮して使用します。
👴 非薬物療法
薬物療法と並行して、非薬物療法も重要な治療手段となります。鼻洗浄(鼻うがい)は、花粉やアレルゲンを物理的に除去するとともに、鼻粘膜の炎症を軽減する効果があります。生理食塩水や市販の鼻洗浄液を使用して、1日2-3回程度行うことが推奨されます。
呼吸法の改善も効果的です。鼻づまりにより口呼吸になりがちですが、意識的に鼻呼吸を心がけ、深呼吸を行うことで酸素供給量を改善できます。ヨガや気功などの呼吸法を取り入れることで、自律神経のバランス改善にも役立ちます。
睡眠環境の改善も重要な要素です。寝室の空気清浄機の使用、枕の高さの調整、湿度の管理などにより、夜間の症状を軽減し、翌日のめまいを予防できます。また、規則正しい生活リズムを保つことで、自律神経の安定化を図ることも大切です。
🔸 アレルゲン免疫療法
重症の花粉症に対しては、アレルゲン免疫療法(減感作療法)が検討される場合があります。この治療法は、原因となる花粉エキスを段階的に投与することで、アレルギー反応を徐々に軽減させる根本的な治療法です。
現在、スギ花粉症に対しては舌下免疫療法が保険適用となっており、自宅で治療を継続できる利便性があります。治療期間は3-5年程度と長期にわたりますが、症状の根本的な改善が期待できるため、薬物療法で十分な効果が得られない患者さんにとって有効な選択肢となります。
免疫療法により花粉症の症状が改善されることで、めまいの症状も軽減されることが期待されます。ただし、治療開始初期にはアレルギー反応が一時的に悪化することもあるため、専門医による適切な管理のもとで行う必要があります。
🔍 日常生活でできる予防策
💧 花粉の回避
花粉症によるめまいを予防するためには、まず原因となる花粉への曝露を最小限に抑えることが重要です。花粉飛散情報を定期的に確認し、飛散量の多い日は外出を控えるか、外出時間を短縮することが効果的です。
外出時にはマスクや眼鏡、帽子を着用し、花粉の吸入や付着を防ぎます。特に高性能フィルター付きのマスクや、花粉症用の眼鏡は効果的です。また、外出から帰宅した際には、玄関先で衣服についた花粉をしっかりと払い落とし、手洗い、うがい、洗顔を徹底することで、体内への花粉の侵入を防げます。
室内環境の管理も重要です。窓や扉の開放を最小限に抑え、空気清浄機を活用して室内の花粉濃度を低く保ちます。洗濯物は室内乾燥を心がけ、布団も外に干さずに布団乾燥機を使用することで、花粉の付着を防げます。
✨ 生活習慣の改善
規則正しい生活リズムは、自律神経のバランスを整え、めまいの予防に効果的です。毎日同じ時間に起床・就寝し、十分な睡眠時間を確保することが大切です。特に花粉症シーズンは症状により睡眠の質が低下しやすいため、寝室環境の整備に特に注意を払う必要があります。
栄養バランスの取れた食事も重要な要素です。ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に摂取することで、アレルギー反応の軽減が期待できます。また、十分な水分摂取により鼻粘膜の乾燥を防ぎ、症状の悪化を予防できます。
適度な運動も効果的ですが、花粉飛散量の多い時期には屋外での運動は控え、室内でのストレッチやヨガなどを行うことが推奨されます。運動により血行が改善され、自律神経のバランスも整いやすくなります。
📌 ストレス管理
ストレスはアレルギー反応を悪化させ、自律神経のバランスを乱すため、めまいの症状を増強する可能性があります。花粉症シーズン中は特にストレス管理に注意を払い、リラクゼーション法や趣味の時間を確保することが大切です。
深呼吸や瞑想、アロマテラピーなどのリラクゼーション法は、副交感神経を活性化し、自律神経のバランス改善に役立ちます。また、音楽鑑賞や読書など、個人の好みに合ったリラックス方法を見つけることも重要です。
仕事や学業でのストレスが避けられない場合は、適度な休憩を取り、無理をしないことが大切です。症状が特に強い日は、可能な限り重要でない予定を調整し、体調管理を優先することが長期的な健康維持につながります。
Q. 花粉症のめまいと内耳疾患のめまいはどう見分けますか?
花粉症によるめまいは、花粉飛散シーズンと時期が一致し、鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど他の花粉症症状を伴うことが鑑別の目安です。一方、メニエール病は突然発症し数時間続く回転性めまいと難聴が特徴です。神経症状や突然の聴力低下を伴う場合は速やかに専門医を受診してください。
📝 他の疾患との鑑別が必要なケース
▶️ 内耳疾患
花粉症によるめまいと内耳疾患によるめまいを鑑別することは、適切な治療を行うために非常に重要です。メニエール病は、内耳のリンパ液の過剰により起こる疾患で、回転性めまい、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感を特徴とします。花粉症によるめまいとは異なり、症状は突然発症し、数時間から1日程度続くことが多いです。
前庭神経炎は、前庭神経の炎症により起こる疾患で、激しい回転性めまいが数日から数週間続きます。聴力低下は伴わないことが特徴で、花粉症の症状とは時期的な関連がないことも鑑別点となります。
突発性難聴に伴うめまいも重要な鑑別疾患です。突然の聴力低下とともにめまいが起こり、早期の治療が聴力回復に重要となるため、迅速な診断と治療が必要です。
🔹 中枢性疾患
脳血管障害や脳腫瘍などの中枢性疾患によるめまいは、生命に関わる重篤な疾患の可能性があるため、注意深い鑑別が必要です。中枢性めまいの特徴として、神経学的異常(運動麻痺、感覚障害、言語障害など)を伴うことが多く、花粉症の症状とは明らかに異なります。
椎骨動脈循環不全症は、首の動きに関連してめまいが誘発される疾患で、高齢者に多く見られます。頸部の回旋や伸展によりめまいが誘発される場合は、この疾患を疑う必要があります。
偏頭痛に伴うめまいも重要な鑑別疾患です。偏頭痛性めまいは、頭痛とは独立してめまいが起こることもあり、光や音に対する過敏性を伴うことが特徴的です。
📍 心血管系疾患
起立性低血圧、不整脈、心不全などの心血管系疾患によるめまいも鑑別が必要です。これらの疾患によるめまいは、体位変換や運動により誘発されることが多く、花粉症の症状とは明確な関連性がありません。
貧血によるめまいも考慮すべき疾患です。特に女性では月経過多による鉄欠乏性貧血が原因となることがあり、血液検査により容易に診断可能です。
薬物性のめまいも重要な鑑別点です。降圧薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などの副作用によるめまいは、薬物の使用歴と症状の関連性を詳しく聞き取ることで鑑別可能です。
💫 鑑別診断のアプローチ
これらの疾患との鑑別を行うためには、めまいの性質、持続時間、誘発因子、随伴症状を詳細に聞き取ることが重要です。花粉症によるめまいの場合、花粉飛散時期との明確な関連性があり、他の花粉症症状(鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど)を伴うことが特徴的です。
神経学的検査、聴力検査、血液検査、必要に応じて画像検査を行うことで、他の疾患を除外し、適切な診断に到達することができます。複数の疾患が合併している可能性もあるため、総合的な判断が必要となります。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院でも春先になると、花粉症の症状と共にめまいを訴える患者様が多くいらっしゃいます。特に鼻づまりが強い方ほど、朝起床時のふらつきや日中の集中力低下を感じられる傾向があり、記事で解説されているように鼻呼吸の改善が症状軽減の鍵となることを実感しています。花粉症によるめまいは決して珍しい症状ではありませんので、お一人で悩まず適切な治療を受けることで快適な日常生活を取り戻すことができます。」
💡 よくある質問
花粉症によるめまいの主な原因は、鼻づまりによる酸素不足、内耳への炎症の波及、自律神経の乱れ、薬の副作用などが複合的に作用するためです。特に鼻づまりで口呼吸になると脳への酸素供給が減少し、めまいを引き起こします。
最も多いのは「浮動性めまい」で、ふわふわと宙に浮いているような感覚やふらつき感が特徴です。朝の起床時に症状が強く現れやすく、頭痛や集中力低下、倦怠感を伴うことが多く、花粉飛散量と症状の強さが連動します。
花粉症によるめまいは花粉飛散時期に一致して起こり、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなど他の花粉症症状を伴うことが特徴です。突然の激しいめまいや聴力低下、神経症状を伴う場合は内耳疾患や脳の病気の可能性があるため専門医受診が必要です。
まず花粉症自体の治療が重要で、第二世代抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬を使用します。鼻洗浄、深呼吸法、睡眠環境の改善なども効果的です。重症例では舌下免疫療法による根本治療も選択肢となります。当院でも患者様の症状に応じた適切な治療を行っています。
花粉への曝露を最小限に抑えることが基本です。外出時はマスクや花粉症用眼鏡を着用し、帰宅時は玄関で花粉を払い落とし手洗い・うがいを徹底します。室内では空気清浄機を使用し、規則正しい生活リズムとストレス管理も重要です。

✨ まとめ
花粉症によるめまいは、決して珍しい症状ではなく、多くの花粉症患者さんが経験する症状の一つです。主な原因として、鼻づまりによる酸素不足、内耳への影響、自律神経系の乱れ、使用薬物の副作用などが挙げられ、これらが複合的に作用することでめまいが生じます。
症状の特徴として、浮動性めまいが最も多く、朝の起床時に症状が強く現れる傾向があります。また、花粉飛散量と症状の強さが関連しており、天候や季節的な変化により症状の程度が変動することも重要な特徴です。
治療においては、まず原因となっている花粉症自体の治療が最も重要であり、第二世代抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬による薬物療法が中心となります。同時に、鼻洗浄や呼吸法の改善、睡眠環境の整備などの非薬物療法も効果的です。
予防策としては、花粉への曝露を最小限に抑えることが基本となり、マスクの着用、室内環境の管理、規則正しい生活習慣の維持、適切なストレス管理などが重要です。
ただし、めまいの原因は多岐にわたるため、内耳疾患、中枢性疾患、心血管系疾患など他の重篤な疾患との鑑別診断も重要です。症状が重篤な場合や、花粉症の症状と明確な関連が認められない場合は、専門医による詳細な検査を受けることが推奨されます。
花粉症によるめまいは、適切な診断と治療により症状の軽減が期待できる疾患です。症状に悩まされている方は、一人で抱え込まずに医療機関を受診し、専門医と相談しながら最適な治療法を見つけることが大切です。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 花粉症の基本的な症状、メカニズム、治療法に関する公的な医療情報。季節性アレルギー性鼻炎の定義や患者数データ、アレルゲン免疫療法の保険適用に関する情報
- 日本耳鼻咽喉科学会 – 花粉症と鼻づまり、内耳への影響、耳管機能不全に関する専門的な医学情報。めまいと耳鼻咽喉科疾患の関連性についての学会見解
- PubMed – 花粉症患者におけるめまい症状の有病率、鼻づまりによる酸素不足とめまいの関連性、アレルギー性鼻炎と自律神経系への影響に関する国際的な医学研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務