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荒れた唇に効くリップの選び方と唇荒れを根本から改善する方法

唇が荒れて皮がめくれたり、ひび割れて痛みを感じたりした経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。リップクリームを塗っても一時的にしか改善しない、何度も繰り返してしまうという悩みを抱える方も少なくありません。唇の荒れは単なる乾燥だけでなく、体の内側の状態や生活習慣、使っているリップ製品の成分なども深く関係しています。この記事では、荒れた唇に効くリップの選び方や成分の見方、さらに唇荒れの根本的な原因と改善策について、医療的な観点からわかりやすく解説します。


目次

  1. 唇が荒れる原因とは
  2. 唇の構造と皮膚との違い
  3. 荒れた唇に効くリップの成分と選び方
  4. 避けるべきリップの成分
  5. リップの正しい使い方と塗り方
  6. 唇荒れを悪化させるNG習慣
  7. 食事・栄養素と唇荒れの関係
  8. 病気が原因の唇荒れ
  9. 皮膚科・クリニックで受けられる治療
  10. まとめ

この記事のポイント

唇荒れの原因は乾燥・紫外線・栄養不足・疾患など多岐にわたる。ワセリンやセラミド配合リップを選び、香料・メントール・アルコールは避けるべき。ビタミンB群の摂取も重要で、改善しない場合は皮膚科受診を推奨。

🎯 唇が荒れる原因とは

唇が荒れる原因はひとつではなく、複数の要因が重なって生じることがほとんどです。主な原因を理解することで、適切なケアや予防につながります。

🦠 乾燥・空気の乾燥

季節の変わり目や冬場に唇が荒れやすいのは、気温や湿度の低下によって唇の水分が奪われやすくなるためです。唇には皮脂腺がほとんどなく、顔の他の部位と比べて皮膚のバリア機能が弱い構造をしています。そのため、乾燥した空気にさらされると急速に水分が失われやすくなります。

👴 紫外線によるダメージ

紫外線は唇にもダメージを与えます。唇の皮膚は薄く、メラニンを産生する細胞(メラノサイト)の量も少ないため、紫外線によるダメージを受けやすい部位です。日焼け止めを顔に塗っていても、唇はケアを忘れられがちです。夏場だけでなく、一年を通じてUVカット機能のあるリップを使うことが大切です。

🔸 口呼吸・よだれによる接触

口呼吸をする習慣がある方や、就寝中によだれが口の周りについてしまう方は、唇荒れが起きやすい傾向があります。唾液には消化酵素が含まれており、これが繰り返し唇に触れることで皮膚を刺激し、炎症を引き起こすことがあります。口の端に炎症が起きる「口角炎」の原因のひとつとしても知られています。

💧 リップをなめる習慣

唇が乾燥すると反射的になめてしまう方が多いですが、これは唇荒れを悪化させる大きな原因のひとつです。唇をなめることで一時的に潤いを感じますが、唾液が蒸発する際に唇本来の水分まで一緒に奪ってしまいます。さらに前述のように唾液中の酵素が刺激になります。

✨ ストレス・睡眠不足・免疫力の低下

体の免疫力が低下すると、唇荒れが起きやすくなります。特にストレスや睡眠不足が続くと、体内の炎症を抑える機能が低下し、口の周りに症状が現れやすくなります。「疲れると唇が荒れる」という方は、体全体の調子が唇に出ているサインかもしれません。


Q. 唇が荒れやすい構造上の理由は何ですか?

唇は角質層の厚さが顔の皮膚の約3分の1しかなく、皮脂腺・汗腺・毛包もほぼ存在しません。そのため天然の皮脂膜を形成できず、バリア機能が非常に弱い部位です。外部から保湿成分を補うケアが不可欠です。

📋 唇の構造と皮膚との違い

唇がなぜ荒れやすいのかを理解するためには、唇の構造を知ることが重要です。唇は「皮膚」と「粘膜」の中間的な性質を持つ「移行上皮」と呼ばれる部位です。顔の皮膚と比べると以下のような特徴があります。

まず、角質層が非常に薄いという点が挙げられます。皮膚の角質層は外部の刺激から体を守るバリア機能を担っていますが、唇の角質層はその厚さが顔の皮膚の約3分の1程度しかありません。そのため、乾燥や紫外線、外部の刺激に対して非常にデリケートな部位です。

次に、皮脂腺がほとんど存在しないという点です。通常の皮膚には皮脂腺があり、皮脂膜(皮脂と汗が混ざった膜)によって水分の蒸発を防いでいます。しかし唇にはこの皮脂腺がほぼなく、天然の保湿膜を作ることができません。そのため外部から保湿成分を補う必要があります。

また、唇には毛包もなく、汗腺もほとんど存在しないため、皮膚の自己保湿機能が非常に限られています。こうした解剖学的な特徴があることから、唇は全身の中でも特に乾燥やダメージを受けやすい部位のひとつと言えます。


💊 荒れた唇に効くリップの成分と選び方

市販されているリップ製品にはさまざまな種類がありますが、荒れた唇を改善するためには成分の確認が重要です。以下に、荒れた唇に特に有効とされる成分を解説します。

📌 ワセリン(白色ワセリン・黄色ワセリン)

ワセリンは石油由来の成分で、皮膚の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぐ「エモリエント(閉塞性保湿)効果」に優れています。刺激が少なく、アレルギーを起こしにくいため、皮膚科でも広く推奨されている成分です。ただし、水分を補う作用はないため、保湿力のある成分と組み合わせて使うか、水分を含ませた状態でワセリンを塗ると効果的です。荒れた唇には最初に水分を補い、その上からワセリンを薄く塗るという方法が有効です。

▶️ ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は1gで6リットルもの水を保持できると言われる高い保水力を持つ成分です。唇に水分を引きつけて保持する「保湿(吸湿性)効果」があり、乾燥による皮むけや荒れに対して有効です。ただし、ヒアルロン酸はサイズが大きい分子のため、皮膚の深部への浸透は限定的と言われています。表面の潤い維持に役立てる成分として考えるとよいでしょう。

🔹 セラミド

セラミドは皮膚のバリア機能を担う脂質成分です。角質細胞間の隙間を埋めて水分の蒸発を防ぐとともに、外部の刺激から皮膚を守る役割を持っています。唇のバリア機能が低下して荒れている状態では、セラミドを配合したリップは特に効果的です。敏感肌向けのスキンケアにも多く使われる成分で、安全性も高いとされています。

📍 ビタミンE(トコフェロール)

ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ成分で、血行を促進する効果もあるとされています。紫外線や乾燥によって生じた酸化ダメージを軽減し、唇の回復をサポートします。また、皮膚の水分を保持するバリア機能の維持にも関与しているとされています。荒れた唇の修復を助ける成分として、多くのリップ製品に配合されています。

💫 スクワラン

スクワランはサメの肝油や植物(オリーブ、アマランサスなど)から得られる成分で、皮脂に近い構造をしているため肌なじみが良く、保湿効果が高い成分です。軽いテクスチャーで伸びがよく、べたつきにくいため使いやすいという特徴があります。皮脂腺がない唇に対して、皮脂膜の代わりとなって水分の蒸発を防ぐ効果が期待できます。

🦠 シアバター・ホホバオイル

植物由来のシアバターやホホバオイルは、保湿効果が高く、皮膚に馴染みやすい成分です。シアバターはアフリカ産のシアの木の種子から作られ、脂肪酸やビタミンEを豊富に含みます。ホホバオイルは人の皮脂に構造が似たワックスエステルを多く含んでおり、唇に潤いを与えながらバリア機能をサポートします。どちらも刺激が少なく、敏感な唇にも使いやすい成分です。

👴 グリセリン

グリセリンは水分を引きつけて保持する吸湿性保湿成分(ヒュメクタント)のひとつです。保湿効果が高く、多くのリップ製品や化粧品に広く使われています。ただし、極端に乾燥した環境では大気中の水分が少ないため、皮膚の水分を逆に引き出してしまうこともあるとされているため、ワセリンなどの閉塞系成分と組み合わせて使うとより効果的です。


Q. 荒れた唇に効果的なリップの成分は何ですか?

荒れた唇には、水分蒸発を防ぐワセリン、高い保水力を持つヒアルロン酸、バリア機能を補うセラミド、抗酸化作用のあるビタミンEが有効です。まず水分を補い、その上からワセリンを薄く重ね塗りする方法が特に効果的とされています。

🏥 避けるべきリップの成分

荒れた唇のケアを考えるとき、どんな成分を選べばよいかと同様に、どんな成分を避けるべきかも重要な視点です。以下の成分が含まれるリップ製品は、荒れた唇には刺激になる可能性があります。

🔸 香料・着色料

香料や着色料は接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になることがあります。唇は皮膚のバリアが薄いため、成分を吸収しやすく、また口に触れる機会も多いため、刺激になりやすい成分は避けることが望ましいです。特に荒れが強いときや皮膚が敏感になっているときは、無香料・無着色のシンプルなリップを選ぶとよいでしょう。

💧 メントール・カンフル(ハッカ成分)

スーッとする清涼感が特徴のメントールやカンフルは、使用感は爽快ですが、実際には皮膚への刺激になることがあります。冷感成分は血管を収縮させる作用があり、繰り返し使うことで唇が乾燥しやすくなると指摘する専門家もいます。「塗るとスーッとして気持ちいい」と感じてもリップ依存が生じやすくなるとも言われており、荒れた唇には避けた方が無難です。

✨ アルコール(エタノール)

アルコールは皮膚の水分を蒸発させる作用があり、乾燥した唇にはさらなる乾燥を招く可能性があります。また、アルコールは皮膚バリアを一時的に弱める作用もあるため、敏感になっている唇には刺激になります。成分表示でエタノールが含まれていないかを確認しましょう。

📌 サリチル酸・AHA(フルーツ酸)

角質をはがすピーリング効果を持つサリチル酸やAHAは、スキンケアでは使われることがありますが、荒れた唇には刺激が強すぎます。唇に炎症がある状態でこれらの成分を含むリップを使用すると、症状を悪化させる可能性があります。


⚠️ リップの正しい使い方と塗り方

リップを選んでも正しい使い方をしないと、十分な効果が得られないことがあります。以下のポイントを押さえてリップを活用しましょう。

▶️ 適切なタイミングで塗る

リップは乾燥してから塗るよりも、予防的に定期的に塗ることが大切です。特に以下のタイミングでの塗布が効果的です。朝の洗顔後や歯磨き後に塗ることで日中の乾燥を予防できます。外出前に塗ることで風や空気による乾燥と紫外線から保護できます。就寝前に塗ることで睡眠中に修復を促す効果が期待できます。食事前後は唇に触れる機会が多いため、食後に塗り直すのが効果的です。

🔹 塗る量と方法

リップは薄く塗るよりもしっかりと膜を作るようにたっぷり塗ることが保湿効果を高めます。特に就寝前は厚めに塗って、寝ている間に成分が唇に浸透するようにすると翌朝の潤いが違ってきます。塗る際は指先やコットンで優しく押さえるように塗ると、摩擦が少なくなり荒れた唇への刺激を最小限にできます。

📍 ピーリングの取り扱い注意

唇が荒れているときは、むやみに皮をめくったり、スクラブで角質を取り除こうとしたりするのは避けましょう。炎症が起きている状態でこれをすると、さらにバリア機能を破壊してしまいます。皮がひどく浮いている場合は、ぬるま湯で濡らした清潔なコットンで優しく押さえて柔らかくしてから、自然にはがれかけているものだけを取り除くようにしましょう。

💫 衛生面に注意する

リップスティックやリップクリームは直接唇に触れる製品です。使用期限を守り、古くなったものは使用しないようにしましょう。また、他の人との共有は細菌や感染症の原因になるため避けてください。リップ製品を清潔な環境で保管することも大切です。


Q. 唇荒れを悪化させる食習慣や栄養不足はありますか?

ビタミンB2・B6・ビタミンAの不足は、口唇炎や口角炎を引き起こしやすくします。レバー・卵・乳製品・ほうれん草・カツオなどをバランスよく摂ることが重要です。また鉄分・亜鉛不足も唇の修復を遅らせるため、牡蠣・赤身肉・豆類の摂取も推奨されます。

🔍 唇荒れを悪化させるNG習慣

日常のちょっとした癖や習慣が唇荒れを悪化させていることがあります。以下のような行動は意識して控えましょう。

🦠 唇をなめる・噛む・触る

先述のように唇をなめると一時的に潤いを感じますが、蒸発する際に水分が奪われるため逆効果です。唇を噛む習慣も物理的な刺激で炎症を引き起こします。また、ストレスや緊張で口元を触る癖がある方は、手についた雑菌が唇に触れることで感染のリスクも高まります。

👴 マスクの長時間着用

マスク内は高温多湿になりやすく、蒸れた状態が続くことで肌のバリア機能が低下します。また、外したときの急激な乾燥も唇へのダメージになります。マスクを長時間着用する際は、定期的に外して唇を休ませたり、保湿をこまめに行うことが大切です。

🔸 水分不足(脱水)

体内の水分が不足すると、唇の水分も失われやすくなります。1日を通じて十分な水分補給(一般的に1.5〜2リットル程度)を心がけることが、唇の潤いを内側から維持するために重要です。特に冬場は暖房により室内が乾燥しやすいため、意識して水を飲む習慣をつけましょう。

💧 紫外線対策の怠り

唇の紫外線ケアは見落とされがちですが、UV対策をしないと蓄積されたダメージが唇の老化や荒れの原因になります。UVカット機能付きのリップを日頃から使う習慣をつけましょう。

✨ 荒れた皮をむしる

唇の皮がめくれてくると気になってついむしってしまいたくなりますが、これは非常に危険な行為です。まだつながっている皮を無理にはがすと、生きた皮膚まで一緒にはがれてしまい、傷口ができてしまいます。出血したり、そこから細菌が入ったりするリスクもあります。どうしても気になる場合は、保湿してから自然にはがれるのを待ちましょう。


📝 食事・栄養素と唇荒れの関係

唇荒れの改善には、外側からのケアだけでなく、内側からの栄養補給も非常に重要です。特定の栄養素が不足すると唇荒れが起きやすくなることが知られています。

📌 ビタミンB2(リボフラビン)

ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を維持するために欠かせない栄養素です。不足すると口角炎や口唇炎(唇の炎症)が起きやすくなることが知られています。ビタミンB2を多く含む食品としては、レバー、うなぎ、卵、乳製品、ほうれん草、アーモンドなどがあります。

▶️ ビタミンB6(ピリドキシン)

ビタミンB6も皮膚や粘膜の代謝に関与しており、不足すると皮膚炎や口角炎を引き起こすことがあります。ビタミンB6を多く含む食品には、カツオ、マグロ、鶏肉、バナナ、じゃがいも、ほうれん草などがあります。

🔹 ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜の正常な代謝を保つために必要な栄養素です。不足すると皮膚が乾燥しやすくなり、粘膜の再生能力が落ちます。ビタミンAを多く含む食品としては、レバー、うなぎ、卵、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどがあります。

📍 鉄分・亜鉛

鉄分が不足すると貧血になり、口の中や唇の粘膜に変化が現れることがあります。亜鉛は皮膚の修復や免疫機能に関係する重要なミネラルで、不足すると皮膚の再生が遅れ、唇荒れが治りにくくなることがあります。牡蠣、赤身肉、豆類、ナッツ類などに多く含まれています。

💫 水分摂取

繰り返しになりますが、水分補給は体内の全ての細胞機能に関係しており、唇の潤いにも直結します。コーヒーやアルコールには利尿作用があり、過剰に飲むと脱水を引き起こす可能性があるため、水やノンカフェインの飲み物を中心に水分を補給することが望ましいです。


Q. リップで改善しない唇荒れは何科を受診すべきですか?

何週間使用しても改善しない唇荒れや、水疱・白い病変・強い痛みを伴う場合は皮膚科の受診を推奨します。アイシークリニックでは、口唇ヘルペスへの抗ウイルス薬、接触性口唇炎へのパッチテスト、乾燥にはヘパリン類似物質など、原因に応じた適切な治療を提供しています。

💡 病気が原因の唇荒れ

リップで対処しても改善しない場合や、長期間にわたって唇荒れが続く場合は、何らかの病気が原因である可能性を考える必要があります。以下に代表的な疾患を挙げます。

🦠 接触性口唇炎(かぶれ)

リップや口紅、歯磨き粉、食品などの特定の成分にアレルギー反応や刺激反応を起こすことで生じる口唇炎です。使用しているリップを変えても改善しない場合は、歯磨き粉や食品、歯科材料などが原因になっていることもあります。アレルギー性の場合はパッチテスト(貼付試験)で原因を特定することができます。

👴 口唇ヘルペス

単純ヘルペスウイルス(HSV-1)による感染症で、唇の端や周囲に水疱ができ、痛みを伴います。初めての感染時は症状が強く出ることがありますが、その後ウイルスが神経に潜伏し、疲れや免疫力低下などのタイミングで再活性化して繰り返す特徴があります。抗ウイルス薬による治療が必要なため、自己判断でリップを塗り続けていても改善しません。水疱や強い痛みを伴う場合は早めに受診しましょう。

🔸 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の方は唇も荒れやすく、慢性的な乾燥や炎症が続くことがあります。バリア機能の低下と免疫系の過敏反応が組み合わさって症状が出やすいため、皮膚科での適切な治療管理が必要です。

💧 口角炎

口の両端(口角)が赤く腫れたり、切れたりする症状が口角炎です。ビタミンB群の不足、カンジダ(真菌)感染、細菌感染、または免疫力の低下などが原因として挙げられます。再発を繰り返す場合は、感染の有無を確認してもらうために皮膚科を受診することをお勧めします。

✨ 扁平苔癬・白板症

唇や口の中に白い病変や網目状の模様が現れる扁平苔癬や、白い斑点が消えない白板症は、がんの前駆症状となる可能性のある疾患です。リップを塗っても改善しない白い変化が唇に現れている場合は、必ず医療機関を受診してください。

📌 全身疾患との関連

甲状腺機能低下症、貧血、栄養吸収障害(クローン病など)、糖尿病などの全身疾患が唇荒れの背景にあることもあります。繰り返す唇荒れや他の症状を伴う場合は、全身的な検査を受けることも検討してください。


✨ 皮膚科・クリニックで受けられる治療

市販のリップやセルフケアで改善が見られない唇荒れには、皮膚科やクリニックでの治療が有効な場合があります。どのような治療があるかを知っておくと、受診の際に参考になります。

▶️ ステロイド外用薬

炎症が強い場合には、ステロイドを含む外用薬が処方されることがあります。ステロイドは炎症を素早く抑える効果がありますが、長期連用すると皮膚が薄くなる副作用があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。唇への使用は特に注意が必要で、適切な強さと期間で使うことが求められます。

🔹 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

アレルギー性の口唇炎の場合は、内服の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が処方されることがあります。かゆみや炎症を抑え、アレルギー反応を軽減する効果があります。

📍 抗ウイルス薬

口唇ヘルペスの治療には、アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬が使用されます。症状が出始めた初期に服用すると効果が高く、症状の期間を短縮することができます。繰り返す方には予防投与が検討されることもあります。

💫 保湿外用薬(ヘパリン類似物質など)

医療機関では、ヒルドイド(ヘパリン類似物質)などの保湿薬が処方されることがあります。これは市販のリップより高い保湿効果があり、皮膚のバリア機能回復をサポートします。乾燥による唇荒れが強い場合に有効です。

🦠 美容皮膚科での治療

美容皮膚科では、唇のボリュームや形を整えるとともに、潤いを与える目的でヒアルロン酸注入が行われることがあります。ヒアルロン酸は唇の内部から水分を保持し、乾燥しにくい唇を作る効果が期待できます。また、レーザー治療やPRP(血小板由来成長因子)療法など、唇の質を改善するための治療も選択肢として存在します。いずれも医師に相談のうえ、適切な治療を選択することが重要です。

👴 パッチテスト(接触アレルギーの検査)

何度ケアしても改善しない唇荒れの原因がアレルギーかどうかを調べるためにパッチテストが行われることがあります。原因となる物質(アレルゲン)を特定することで、その成分を含む製品を避けられるようになります。


👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「リップクリームを繰り返し使っても改善しないとお悩みの方が多くご来院されますが、その背景にはヘルペスや接触性口唇炎、栄養不足など、外側のケアだけでは対処できない原因が隠れているケースも少なくありません。唇は体の内側の状態を映し出すバロメーターでもありますので、何週間たっても改善しない場合や水疱・白い病変を伴う場合は、自己判断せず早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。

📌 よくある質問

リップを塗っても唇荒れが繰り返す原因は何ですか?

リップを塗っても改善しない場合、単なる乾燥以外の原因が考えられます。口唇ヘルペスや接触性口唇炎、ビタミンB群の不足、アトピー性皮膚炎などが背景に隠れているケースも少なくありません。何週間たっても改善しない場合は、自己判断せず皮膚科への受診をお勧めします。

荒れた唇におすすめのリップ成分は何ですか?

荒れた唇には、ワセリン・ヒアルロン酸・セラミド・ビタミンE・スクワランなどの成分が有効です。特にワセリンは刺激が少なく皮膚科でも推奨される成分です。まず水分を補い、その上からワセリンを薄く重ねて塗る方法が保湿効果を高めるうえで効果的です。

唇荒れを悪化させる成分はリップに含まれていますか?

香料・着色料・メントール・アルコール(エタノール)・サリチル酸などは、荒れた唇への刺激になる可能性があります。特に炎症がある状態では、無香料・無着色のシンプルな処方のリップを選ぶことが大切です。成分表示を確認する習慣をつけましょう。

食事で唇荒れを改善することはできますか?

食事による栄養補給は唇荒れの改善に有効です。特にビタミンB2・B6・ビタミンAの不足は口唇炎や口角炎の原因になります。レバー・卵・乳製品・ほうれん草・カツオなどをバランスよく摂ることが大切です。また、十分な水分補給も唇の潤い維持につながります。

皮膚科ではどのような治療が受けられますか?

当院を含む皮膚科では、炎症にはステロイド外用薬、アレルギー性の場合は抗ヒスタミン薬、口唇ヘルペスには抗ウイルス薬、乾燥にはヘパリン類似物質などの保湿薬が処方されます。原因がわからない場合はパッチテストで特定することも可能です。症状に合わせた適切な治療を受けることが重要です。

🎯 まとめ

荒れた唇を改善するためには、適切なリップ製品の選択と正しいケア方法を実践することが基本です。ワセリンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分を含むリップを選び、香料や刺激成分を避けることが重要です。また、唇をなめる・むしるといったNG習慣を改善し、十分な水分補給とビタミンB群を中心とした栄養バランスの取れた食事を心がけることも大切です。

一方で、何週間もリップを使い続けても改善しない場合や、水疱・白い病変・強い痛みなど通常の乾燥とは異なる症状が現れている場合は、口唇ヘルペスや接触性口唇炎、アトピー性皮膚炎など医療的な対応が必要な状態である可能性があります。そうした場合は自己判断で対処しようとせず、皮膚科や医療機関を受診することをお勧めします。

唇は顔の印象を大きく左右する部位であると同時に、体の状態を反映するバロメーターでもあります。唇の状態を日頃から意識し、適切なケアと生活習慣の見直しを通じて、健康で潤いのある唇を維持していきましょう。唇荒れが慢性的に続く場合や、気になる症状がある方は、専門医療機関にお気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 口唇炎・口角炎・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・口唇ヘルペスなど唇荒れに関連する皮膚疾患の診療ガイドライン・治療指針
  • 厚生労働省 – ビタミンB2・B6・ビタミンA・鉄分・亜鉛など唇荒れに関係する栄養素の摂取基準および欠乏症に関する情報
  • 国立感染症研究所 – 口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の感染症情報・症状・治療に関する解説

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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