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気温は高くないのに大量に汗が出る」「手のひらがいつもびっしょり」「夜中に寝具が濡れるほど汗をかく」…それ、病気のサインかもしれません。

🚨

この記事を読まないと…

  • ⚡ 異常発汗の原因がわからないまま放置してしまう
  • 悪性腫瘍や糖尿病などの深刻な病気を見逃すリスクがある
  • ⚡ いつ・どこに受診すればよいかわからず不安が続く
💡

この記事でわかること

  • ✅ 「異常な発汗」と「普通の汗」の違い
  • ✅ 多汗症・甲状腺・糖尿病など病気別の発汗サイン
  • 今すぐ受診すべき症状チェック
  • ✅ どの診療科に行けばいいか迷わなくなる
👩

「最近、ちょっと動いただけで汗がすごくて…これって普通? 受診した方がいいのかな?」

👨‍⚕️

「普通の汗」と「異常な発汗」は明確に違います。この記事を読んで、あなたの汗が”受診すべきサイン”かどうか確認してみましょう!


目次

  1. 汗をかく仕組みとその役割
  2. 「異常な発汗」とはどのような状態か
  3. 多汗症(原発性多汗症・続発性多汗症)
  4. 甲状腺の病気と発汗の関係
  5. 糖尿病と汗の関係
  6. 自律神経の乱れと発汗異常
  7. 更年期障害とホットフラッシュ
  8. 感染症・悪性腫瘍と夜間発汗
  9. 褐色細胞腫・カルチノイド腫瘍など内分泌疾患
  10. 薬の副作用による発汗
  11. 汗が出にくい病気(無汗症・低汗症)
  12. 異常な発汗があるときに受診すべき診療科
  13. 日常生活でできる発汗対策
  14. まとめ

この記事のポイント

異常な発汗は多汗症・甲状腺機能亢進症・糖尿病・悪性腫瘍など多様な疾患のサインとなり得る。夜間発汗や発熱・体重減少を伴う場合は早期受診が必要。アイシークリニックでは多汗症相談にも対応している。

💡 汗をかく仕組みとその役割

汗は、皮膚の中に存在する「汗腺(かんせん)」から分泌される水分を主成分とした液体です。汗腺には大きく分けて「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。

エクリン汗腺は全身に約200〜400万個存在しており、体温が上昇したときや精神的な緊張を感じたときに汗を分泌します。このエクリン汗腺から出る汗は主に体温調節に使われます。一方、アポクリン汗腺は脇の下や陰部など特定の部位に集中しており、思春期以降に活発になります。アポクリン汗腺の汗はにおいの原因となりやすいのが特徴です。

汗をかく主な役割は体温調節です。運動や高温環境によって体温が上がると、脳の視床下部にある体温調節中枢がその情報を受け取り、汗腺に指令を出します。汗が皮膚の表面で蒸発するときに気化熱を奪うことで、体温を下げる仕組みです。このほかにも、精神的ストレスや恐怖を感じたときに手のひらや足の裏に汗をかく「精神性発汗」と呼ばれるものもあります。これは古来から「戦うか逃げるか」の反応に関係していると考えられています。

汗の分泌は自律神経(主に交感神経)によってコントロールされています。そのため、自律神経の働きが乱れるとさまざまな発汗の異常が生じることがあります。健康なときでも1日に約0.5〜1リットルの汗を無意識のうちにかいており(不感蒸泄)、運動時や高温環境では数リットルに達することもあります。

Q. 異常な発汗とはどのような状態を指しますか?

異常な発汗とは、気温や運動量に見合わない大量の汗が出る状態や、睡眠中に寝具が濡れるほどの寝汗が続く状態を指します。汗とともに動悸・震え・体重減少などの症状を伴う場合も異常な発汗に該当し、何らかの病気のサインである可能性があります。

📌 「異常な発汗」とはどのような状態か

発汗の量は個人差が大きく、「どこからが異常か」を一概に決めることは難しいのが現実です。ただし、以下のような状況のときに出る汗は、医学的な観点から「異常な発汗」として注意が必要です。

まず、気温や運動量に見合わない量の汗が出る場合です。涼しい環境で安静にしているにもかかわらず大量の汗が出るのであれば、何らかの病気が隠れている可能性があります。次に、汗をかくタイミングが通常とは異なるケースです。特に夜間、睡眠中に大量の汗をかく「寝汗」が続く場合は、感染症や悪性疾患など見逃せない病気のサインであることがあります。また、汗とともに動悸や震え、体重減少などほかの症状を伴う場合も注意が必要です。

異常な発汗は大きく「全身性」と「局所性」に分けられます。全身性の発汗は全身からまんべんなく汗が出るもので、内分泌疾患や感染症などが背景にあることが多いです。局所性の発汗は手のひら、脇の下、顔面、頭部など特定の部位に限定して過剰な汗が出るもので、多汗症に多いパターンです。

✨ 多汗症(原発性多汗症・続発性多汗症)

多汗症は、日常生活に支障をきたすほど過剰に汗が出る状態を指します。日本人の約5〜12%に多汗症があるといわれており、決して珍しい病気ではありません。多汗症には「原発性多汗症」と「続発性多汗症」の2種類があります。

原発性多汗症は、特定の原因疾患がないにもかかわらず過剰な発汗が生じるものです。主に手のひら(手掌多汗症)、脇の下(腋窩多汗症)、足の裏(足底多汗症)、顔面(顔面多汗症)に症状が現れることが多く、これらの部位に限定されている場合を「局所性原発性多汗症」と呼びます。

原発性多汗症の診断基準として、明らかな誘因なく6か月以上にわたって局所的な過剰発汗が続いており、以下の項目のうち2つ以上を満たすことが目安とされています。左右対称の発汗パターンがある、週に1回以上発汗のエピソードがある、日常生活への支障がある、25歳以下で発症している、家族に同様の症状がある、睡眠中は発汗しない、といった項目です。

一方、続発性多汗症は何らかの基礎疾患や薬剤の影響によって引き起こされる多汗症です。甲状腺機能亢進症、糖尿病、褐色細胞腫などの内分泌疾患や、感染症、悪性腫瘍、神経疾患、薬剤性などが原因として挙げられます。続発性多汗症の場合は、原因となっている疾患の治療を行うことが根本的な対処法になります。

原発性多汗症の治療としては、塩化アルミニウム溶液を用いた外用療法が第一選択となることが多く、重症例ではボツリヌス毒素注射や内視鏡的胸部交感神経遮断術(ETS)なども選択肢に入ります。脇の下の多汗症に対しては、ミラドライと呼ばれるマイクロ波治療なども用いられます。

🔍 甲状腺の病気と発汗の関係

甲状腺は喉仏の下あたりに位置する蝶形の器官で、体の代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌しています。この甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態が「甲状腺機能亢進症」です。代表的な疾患はバセドウ病(グレーブス病)です。

甲状腺機能亢進症になると、体全体の代謝が過剰に亢進し、熱が産生されすぎた状態になります。その結果、体温調節のための発汗が増加し、大量の汗をかくようになります。甲状腺機能亢進症の主な症状としては、発汗過多・暑がり・動悸・頻脈・体重減少・手の震え・眼球突出(バセドウ病に特有)・下痢・イライラ感などが挙げられます。

これらの症状が複数重なっている場合は甲状腺疾患の可能性を考え、内科や内分泌科での受診が勧められます。血液検査でTSH(甲状腺刺激ホルモン)やFT3・FT4(遊離甲状腺ホルモン)を測定することで診断が可能です。

逆に、甲状腺ホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」では代謝が低下するため、汗が少なくなり、むくみや倦怠感、体重増加、寒がりなどの症状が現れます。橋本病(慢性甲状腺炎)が代表的な疾患です。

Q. 褐色細胞腫が疑われる発汗の特徴は何ですか?

褐色細胞腫が疑われる発汗の特徴は、突然の激しい頭痛・大量の発汗・動悸の3つが発作性に繰り返される点です。副腎髄質に発生するこの腫瘍はアドレナリン等を過剰分泌し、急激な血圧上昇も引き起こします。未治療では脳卒中など生命に関わる危険があるため速やかな受診が必要です。

💪 糖尿病と汗の関係

糖尿病は血糖値のコントロールがうまくいかなくなる病気ですが、汗とも深い関係があります。糖尿病における発汗異常には大きく2つのパターンがあります。

一つ目は「低血糖による発汗」です。インスリンや飲み薬などの治療によって血糖値が下がりすぎると、低血糖状態になります。低血糖が起きると交感神経が刺激され、冷や汗・動悸・手の震え・顔面蒼白・意識の混濁などの症状が現れます。この冷や汗は典型的な低血糖の症状の一つであり、糖尿病治療中の方が急に大量の冷や汗をかいた場合は低血糖を疑う必要があります。

二つ目は「糖尿病性自律神経障害による発汗異常」です。糖尿病が長年にわたって血糖コントロール不良の状態が続くと、神経に障害が起きます(糖尿病性神経障害)。自律神経が障害されると汗の調節がうまくいかなくなり、上半身では大量に汗をかく一方で下半身では汗が出にくいといった偏った発汗パターンが生じることがあります。また、食事をするだけで顔や首に大量の汗をかく「味覚性発汗」も糖尿病性自律神経障害で見られる特徴的な症状です。

糖尿病に関連した発汗異常を防ぐためには、日頃からの血糖管理が非常に重要です。

🎯 自律神経の乱れと発汗異常

汗の分泌は自律神経、特に交感神経によってコントロールされています。そのため、自律神経のバランスが崩れると発汗に異常が生じやすくなります。

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れた状態を指します。過剰なストレス、睡眠不足、不規則な生活習慣、心理的な問題などが引き金となります。自律神経失調症の症状は非常に多彩ですが、発汗異常もその一つです。具体的には、気温に関係なく急に大量の汗をかく、手のひらや足の裏がいつも湿っている、少し動いただけで大量に汗をかくといった症状が見られます。

また、パニック障害では発作時に突然の強い不安感とともに大量の汗・動悸・息切れ・震えが現れます。これも自律神経の過剰反応によるものです。

自律神経の乱れによる発汗異常に対しては、生活習慣の改善(規則正しい睡眠、バランスのよい食事、適度な運動)が基本となります。症状が強い場合は心療内科や精神科での受診も選択肢となります。

💡 更年期障害とホットフラッシュ

女性の更年期(一般的に45〜55歳ごろ)には、卵巣機能の低下に伴いエストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が急激に減少します。このホルモンバランスの変化が視床下部の体温調節中枢に影響を与え、「ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)」と大量の発汗が起きやすくなります。

ホットフラッシュは、突然顔や首・胸が熱くなり赤くなる症状で、その後に大量の汗をかきます。夜間に症状が出ると寝汗として現れ、睡眠の質を大きく低下させることがあります。このような発汗は1回あたり数分程度続き、1日に何度も繰り返されることがあります。

男性でも、加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)が低下することで「男性更年期障害(LOH症候群)」が生じ、発汗・ほてり・倦怠感・性機能低下などの症状が現れることがあります。

更年期の発汗症状に対しては、ホルモン補充療法(HRT)が有効であることが多く、婦人科や内科で相談することができます。漢方薬(加味逍遥散・桂枝茯苓丸など)も選択肢の一つです。

Q. 糖尿病と発汗にはどのような関係がありますか?

糖尿病と発汗には主に2つの関係があります。1つは治療による低血糖時に冷や汗・動悸・震えが現れるケースです。もう1つは長期間の血糖コントロール不良による自律神経障害で、上半身に多汗・下半身に無汗といった偏った発汗パターンや、食事時に顔や首に汗をかく味覚性発汗が生じるケースです。

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📌 感染症・悪性腫瘍と夜間発汗

夜間に大量の汗をかく「夜間発汗(ナイトスウェット)」は、特に注意が必要な症状です。寝具や衣服がびっしょりと濡れるほどの寝汗が続く場合は、以下のような疾患の可能性を考える必要があります。

まず感染症です。結核は日本でも現在も決して珍しくない感染症で、慢性的な咳・微熱・体重減少・倦怠感とともに夜間の大量発汗が典型的な症状の一つです。また、HIVの感染に伴う症状としても夜間発汗が現れることがあります。細菌性心内膜炎などの他の感染症でも夜間発汗が見られます。

次に悪性腫瘍(がん)です。特にリンパ腫(ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫)は、「B症状」と呼ばれる夜間の大量発汗・発熱・体重減少(6か月以内に10%以上の体重減少)を特徴的な症状として持ちます。白血病やその他のがんでも夜間発汗が見られることがあります。

また、結合組織疾患(膠原病)でも夜間発汗が生じることがあります。関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などが該当します。

原因不明の夜間発汗が2週間以上続く場合、特に発熱・体重減少・倦怠感・リンパ節の腫れなどを伴う場合は、早めに内科を受診することが大切です。

✨ 褐色細胞腫・カルチノイド腫瘍など内分泌疾患

内分泌系の腫瘍の中にも、著しい発汗を引き起こすものがあります。代表的なものが「褐色細胞腫(フェオクロモサイトーマ)」です。

褐色細胞腫は副腎髄質に発生する腫瘍で、アドレナリン・ノルアドレナリンなどのカテコールアミンを過剰に分泌します。その結果、突然の激しい頭痛・発汗・動悸・顔面蒼白・高血圧発作などの症状が発作性に現れます。この「三主徴」と呼ばれる頭痛・発汗・動悸が繰り返し起きる場合は褐色細胞腫を疑います。

診断には尿中や血中のカテコールアミン・メタネフリンの測定、CT検査・MRI検査などの画像診断が行われます。治療は基本的に外科的手術による腫瘍の摘出です。未治療のまま放置すると高血圧クリーゼや脳卒中など生命に関わる危険もあるため、疑いのある症状がある場合は速やかに受診することが必要です。

カルチノイド腫瘍は主に消化管や肺に発生するホルモン産生腫瘍で、セロトニンなどを過剰に分泌します。「カルチノイド症候群」と呼ばれる状態では、顔面紅潮・下痢・喘鳴・発汗などの症状が現れます。

先端巨大症(下垂体腫瘍によるGH過剰分泌)でも著しい発汗が見られることがあり、特に手足の末端が大きくなる、顔貌が変化するといった特徴的な変化とともに発汗が増加します。

🔍 薬の副作用による発汗

病気そのものだけでなく、薬の副作用として発汗異常が起きることもあります。代表的なものをいくつか紹介します。

抗うつ薬(特にSSRI・SNRI)は、発汗を増加させる副作用を持つことが知られています。治療開始後や増量後に大量の汗が出るようになった場合は、主治医に相談することが大切です。

解熱鎮痛薬(アスピリン・アセトアミノフェンなど)は、発熱を抑えるために体温を急激に下げる作用があり、その過程で大量の発汗が起きることがあります。

オピオイド系鎮痛薬(がんの疼痛管理などに使われるモルヒネなど)も発汗を増加させることがあります。また、糖尿病治療薬(特にインスリンや経口血糖降下薬)は低血糖を引き起こすことで発汗を誘発します。

タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬などのホルモン療法薬(乳がん治療など)もホットフラッシュや発汗を副作用として引き起こすことがあります。ステロイド薬の急な減量・中止でも発汗が生じることがあります。

薬の副作用による発汗が疑われる場合は、自己判断で服用を中止するのではなく、必ず処方した医師や薬剤師に相談してください。

Q. 多汗症の原発性と続発性の違いは何ですか?

原発性多汗症は特定の原因疾患がなく、手のひら・脇の下・足の裏・顔面などに限定して過剰な発汗が生じる状態です。一方、続発性多汗症は甲状腺機能亢進症・糖尿病・悪性腫瘍などの基礎疾患や薬剤が原因で起こります。続発性の場合は原因疾患の治療が根本的な対処法となります。

💪 汗が出にくい病気(無汗症・低汗症)

汗の異常は「多すぎる」だけでなく「少なすぎる・出ない」という方向でも起きます。汗が極端に少ない状態を「低汗症」、まったく出ない状態を「無汗症」といいます。

汗をかけないと体温調節ができなくなるため、暑い環境では重大な熱中症(熱射病)のリスクが高まります。

無汗症・低汗症の原因としては、神経障害、皮膚の萎縮や瘢痕(やけど後など)、自己免疫疾患、薬剤性(抗コリン薬など)、先天性疾患(無汗型外胚葉形成不全など)などが挙げられます。

また、糖尿病や多発性硬化症などの神経疾患でも汗の分泌異常が生じることがあります。皮膚科や神経内科での専門的な評価が必要です。

「最近あまり汗をかかなくなった」「暑い環境でも汗が出ない」「体の一部だけ汗が出ない」といった症状がある場合も、医療機関への相談を検討してください。

🎯 異常な発汗があるときに受診すべき診療科

発汗異常がある場合、どの診療科を受診すればよいか迷われる方も多いと思います。症状や状況に応じた受診先の目安を整理します。

まず、脇の下や手のひら・足の裏などの局所的な多汗症が主な悩みの場合は、皮膚科が主な相談先となります。皮膚科では塩化アルミニウム溶液の外用療法や、重症の場合はボツリヌス毒素注射なども行っています。

動悸・体重減少・手の震えなどを伴う全身性の発汗増加がある場合は、甲状腺疾患や糖尿病、その他の内分泌疾患を疑い、内科または内分泌科への受診が勧められます。

発熱・体重減少・リンパ節の腫れを伴う夜間の大量発汗がある場合は、感染症や悪性腫瘍が疑われるため、内科への早急な受診が必要です。

発作性の激しい頭痛・動悸・高血圧を伴う発汗がある場合は、褐色細胞腫などの可能性を考え、内科または内分泌科を受診してください。

更年期のほてりや発汗が主訴であれば、女性は婦人科、男性は泌尿器科または内科への受診が適しています。

精神的ストレスや不安感が強く、自律神経の乱れが疑われる場合は、心療内科や精神科が対応します。

どの科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけの内科や総合病院の総合診療科に相談し、必要に応じて専門科に紹介してもらうのが安心です。

💡 日常生活でできる発汗対策

病気による発汗異常は医療機関での治療が基本ですが、日常生活での工夫によって症状の緩和や予防につながることもあります。

まず、体を清潔に保つことが大切です。汗をかいたらこまめに拭き取り、着替えを行うことで、皮膚トラブルやにおいを防ぎます。シャワーや入浴でこまめに汗を洗い流すことも重要です。

汗をかきやすい部位には、吸湿性・速乾性の高い素材の衣服を選ぶと快適に過ごしやすくなります。脇汗が気になる場合は、制汗剤やデオドラント製品を活用することも一つの方法です。

自律神経の乱れによる発汗には、規則正しい生活リズムを保つことが基本となります。毎日同じ時刻に起床・就寝する習慣をつけ、バランスのよい食事を心がけ、適度な有酸素運動(ウォーキング・水泳など)を継続することが自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

ストレス管理も非常に重要です。深呼吸や瞑想、ヨガ、趣味の活動など、自分に合ったリラクゼーション方法を見つけて実践することで、精神性発汗を軽減できることがあります。

辛い食べ物・アルコール・カフェインなどは発汗を促進することがあります。発汗が気になる場合はこれらの摂取を控えめにすることも一つの対策です。

夜間発汗に対しては、寝室を適切な温度・湿度に保ち(室温18〜22℃、湿度50〜60%が目安)、吸湿性の高い寝具や衣類を使用することで、睡眠の質を改善できる場合があります。

また、体重管理も重要です。肥満は発汗を増加させる要因となるため、適正体重の維持が異常発汗の予防につながります。

ただし、これらの日常的な対策はあくまでも補助的なものです。上述したような病気のサインとなる発汗がある場合は、まず医療機関を受診して原因を明らかにすることが先決です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「汗が多くて恥ずかしい」「寝汗がひどくて眠れない」といったお悩みを抱えながらも、長期間受診をためらっていた患者様が多くいらっしゃいます。異常な発汗は多汗症だけでなく、甲状腺疾患や褐色細胞腫など見逃せない疾患が背景に隠れていることもあるため、自己判断で放置せず早めにご相談いただくことが大切です。最近の傾向として、生活の質に大きく影響する多汗症への認知が広まりつつあり、適切な治療によって日常生活が改善される患者様も増えておりますので、気になる症状があればどうぞお気軽にご来院ください。」

📌 よくある質問

夜間に大量の寝汗が続く場合、どんな病気が考えられますか?

夜間の大量発汗が続く場合、結核などの感染症、ホジキンリンパ腫などの悪性腫瘍、関節リウマチなどの膠原病が疑われることがあります。特に発熱・体重減少・リンパ節の腫れを伴う場合は見逃せないサインです。2週間以上続く場合は早めに内科を受診することをおすすめします。

多汗症はどのような治療法がありますか?

多汗症の治療は、塩化アルミニウム溶液を用いた外用療法が第一選択です。症状が重い場合はボツリヌス毒素注射や内視鏡的胸部交感神経遮断術(ETS)も選択肢となります。脇の多汗症にはマイクロ波治療(ミラドライ)も用いられます。まずは皮膚科やアイシークリニックへご相談ください。

動悸や体重減少を伴う発汗は何科を受診すればよいですか?

動悸・体重減少・手の震えなどを伴う全身性の発汗増加がある場合は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や糖尿病などの内分泌疾患が疑われます。内科または内分泌科への受診が適切です。血液検査で甲状腺ホルモンなどを測定することで診断が可能です。

更年期の発汗(ホットフラッシュ)はどう対処すればよいですか?

更年期のホットフラッシュや発汗には、ホルモン補充療法(HRT)が有効であることが多く、婦人科や内科で相談できます。漢方薬(加味逍遥散・桂枝茯苓丸など)も選択肢の一つです。男性の場合は男性更年期障害(LOH症候群)の可能性もあるため、泌尿器科または内科への受診が適しています。

日常生活で異常な発汗を和らげる方法はありますか?

吸湿性・速乾性の衣服の着用、制汗剤の活用、規則正しい生活リズムの維持、適度な有酸素運動、ストレス管理(深呼吸・瞑想など)が有効です。また、辛い食べ物・アルコール・カフェインは発汗を促進するため控えめにしましょう。ただし病気が原因の場合は医療機関への受診が先決です。

✨ まとめ

汗をかくこと自体は健康な身体機能のあらわれですが、通常の範囲を大きく超えた発汗や、特定の状況で起きる異常な発汗は、さまざまな病気のサインである可能性があります。今回の記事でご紹介したように、多汗症・甲状腺機能亢進症・糖尿病・自律神経失調症・更年期障害・感染症・悪性腫瘍・褐色細胞腫など、発汗異常を引き起こす病気は多岐にわたります。

特に以下のような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。気温や運動量に見合わない大量の発汗が続いている、夜間の大量の寝汗が2週間以上続いている、発汗に加えて発熱・体重減少・動悸・リンパ節の腫れなどほかの症状を伴っている、発作性の強い頭痛や高血圧と発汗が繰り返される、といったケースです。

「汗っかきだから仕方ない」「年のせいだから」と自己判断で放置せず、気になる症状があれば専門家に相談することが大切です。アイシークリニック東京院では、多汗症に関するご相談にも対応しておりますので、発汗のお悩みがある方はお気軽にご相談ください。適切な診断と治療を受けることで、日常生活の質を改善できる可能性があります。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 多汗症(原発性局所多汗症)の診断基準・治療法(塩化アルミニウム外用・ボツリヌス毒素注射・ETS等)に関するガイドライン情報
  • 厚生労働省 – 結核をはじめとする感染症(夜間発汗・慢性咳嗽・体重減少を伴う疾患)に関する公式情報および受診・予防の目安
  • 国立感染症研究所 – 結核の典型症状(夜間発汗・微熱・体重減少)や疫学情報、日本国内における感染症としての現状に関する詳細情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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