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「湯たんぽを使ったら皮膚が赤くなった…これって跡が残る?」
そのお悩み、放置すると色素沈着や瘢痕(はんこん)として長期間残ってしまう可能性があります。

低温やけどは体温より少し高い程度の熱源でも、長時間接触するだけで皮膚の深部まで損傷する、じわじわ進行する怖いやけど。通常のやけどとは異なり、気づいたときにはすでに深刻な状態になっていることも。

この記事を読めば、跡を最小限に抑えるための正しいケア方法と、クリニックで受けられる最新治療まで、まるっとわかります。
💡 「もう少し様子を見よう」が一番危険。正しい知識で、きれいな肌を取り戻しましょう。


目次

  1. 📌 低温やけどとはどんなやけど?
  2. 📌 低温やけどの跡が残りやすい理由
  3. 📌 低温やけどの跡の種類と特徴
  4. 📌 低温やけどの跡を悪化させるNG行動
  5. 📌 自宅でできるアフターケアの基本
  6. 📌 クリニックで受けられる治療法
  7. 📌 低温やけどの跡が消えるまでの期間の目安
  8. 📌 低温やけどを予防するために知っておきたいこと
  9. 📌 まとめ

✅ この記事のポイント

低温やけどは44〜50℃の熱源でも長時間接触で深部損傷を起こし、色素沈着や肥厚性瘢痕などの跡が残りやすい。早期受診・保湿・紫外線対策が跡を最小限に抑える鍵で、改善にはレーザーやステロイド注射などの専門治療も有効。

💡 低温やけどとはどんなやけど?

低温やけどとは、44℃〜50℃程度の比較的低い温度の熱源が、長時間皮膚に接触し続けることで起こるやけどのことです。一般的に「やけど」というと、高温のものに触れた瞬間に感じる鋭い痛みを想像しますが、低温やけどの場合は痛みが少なく、気づかないまま損傷が進行していくことが特徴です。

人間の皮膚は、44℃の熱源でも3〜4時間接触すると深部にまでダメージが及ぶことが医学的に知られています。50℃であれば、わずか2〜3分でやけどが生じる可能性があります。つまり、「ちょっと温かい程度」でも長時間使い続けると、深刻な皮膚損傷につながるのです。

低温やけどの主な原因として挙げられるのは、湯たんぽ、電気毛布、ホットカーペット、貼るカイロ、電気あんか、ノートパソコンの底面などです。特に就寝中は感覚が鈍くなるため、長時間同じ部位に熱が当たり続けても気づけず、翌朝起きたときに初めてやけどに気づくというケースが非常に多く見られます。

また、糖尿病や末梢神経障害などの基礎疾患を持つ方、高齢者、乳幼児は感覚が鈍いため、特に低温やけどのリスクが高いとされています。飲酒後や睡眠薬を服用した後も、感覚が鈍くなるため注意が必要です。

Q. 低温やけどはどんな仕組みで皮膚を傷つけるの?

低温やけどは44〜50℃程度の熱源に長時間接触することで起こる。皮膚表面より内部の真皮や皮下組織が徐々に壊死するため、見た目では損傷の深さが判断しにくい。44℃でも3〜4時間で深部にダメージが及び、就寝中など感覚が鈍い状況で進行しやすい。

📌 低温やけどの跡が残りやすい理由

低温やけどの跡が残りやすいのには、このやけどの独特な進行メカニズムが深く関わっています。通常の高温やけどは皮膚の表面から深部へと損傷が進みますが、低温やけどは皮膚内部で徐々に細胞が壊死していくため、表面だけを見ると「たいしたことない」と思いがちなのが問題です。

皮膚は表面から、表皮・真皮・皮下組織という層構造になっています。低温やけどでは、表皮に大きな損傷がなくても、真皮や皮下組織にまでダメージが及んでいることがあります。真皮には色素を作るメラノサイトや、皮膚の弾力を保つコラーゲン線維、汗腺や毛包などの皮膚付属器が存在します。これらが損傷を受けると、色素沈着や瘢痕形成が起きやすくなるのです。

さらに、低温やけどは初期段階では損傷の深さが正確に判断しにくいという特徴があります。受傷後数日間は、皮膚の内部で壊死が進行することもあり、最初は浅いやけどだと思っていたものが、実際には深達性のやけどだったというケースも少なくありません。このように、損傷が深部に及んでいた場合、メラノサイトや真皮のコラーゲンが破壊されるため、治癒後も跡が残りやすくなります。

また、やけどが治癒する過程で炎症が長引いたり、二次感染を起こしたりすると、さらに色素沈着や肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)が形成されるリスクが高まります。適切な治療を受けずに自己処置だけで対応した場合に、こうした合併症が起きやすいとされています。

✨ 低温やけどの跡の種類と特徴

低温やけどが治癒したあとに残る「跡」には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴と、どのような状況で生じやすいかを理解しておくことが大切です。

✅ 色素沈着(炎症後色素沈着)

やけどの跡として最もよく見られるのが、色素沈着(炎症後色素沈着)です。やけどによる炎症が治まったあとも、メラノサイトが過剰にメラニン色素を産生し続けることで、茶色や黒褐色の色むらが皮膚に残ります。この色素沈着は浅いやけど(第1度・浅い第2度)の治癒後に多く見られ、時間の経過とともに薄くなっていくことが一般的ですが、紫外線に当たることでかえって濃くなることもあります。

色素沈着は、やけど後の皮膚が完全に再生しきれていない段階で紫外線を浴びたり、患部を擦ったりすることで悪化しやすいため、注意が必要です。

📝 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)

深いやけど(深達性第2度以上)が治癒するとき、コラーゲンが過剰に産生されて盛り上がった傷跡になることがあります。これを肥厚性瘢痕と呼びます。傷跡が赤みを帯び、硬く盛り上がり、かゆみや痛みを伴うこともあります。肥厚性瘢痕は傷の境界内にとどまる点が特徴で、時間の経過とともに徐々に平坦化していくことが多いですが、完全に消えることは少なく、治療が必要になるケースもあります。

🔸 ケロイド

肥厚性瘢痕と似ていますが、傷の境界を超えて周囲の正常な皮膚まで広がっていくのがケロイドの特徴です。ケロイドは体質的な素因(ケロイド体質)が大きく関係しており、すべてのやけど患者に生じるわけではありませんが、一度できると治療が難しく、手術後に再発することもあります。やけどの面積が広い場合や、感染を起こした場合にリスクが高まります。

⚡ 萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)

逆に、皮膚が薄く萎縮して凹んだ状態になる跡を萎縮性瘢痕と呼びます。皮膚の再生能力が十分でなかった場合や、深いやけどによって真皮が大きく損傷した場合に生じやすいとされています。皮膚の表面が薄く脆弱で、傷つきやすい状態が続きます。

🌟 拘縮(こうしゅく)

関節部分にやけどを受けた場合、瘢痕組織が形成される際に皮膚が引きつれて動きが制限される「拘縮」が生じることがあります。低温やけどでも深達性の損傷があれば、拘縮が起こる可能性があり、リハビリテーションや手術的治療が必要になることもあります。

Q. 低温やけどの跡にはどんな種類がある?

低温やけどの跡には主に5種類ある。炎症後に茶褐色の色むらが残る「色素沈着」、コラーゲンが過剰産生されて盛り上がる「肥厚性瘢痕」、周囲の正常皮膚まで広がる「ケロイド」、皮膚が凹む「萎縮性瘢痕」、関節部位で動きが制限される「拘縮」がある。

🔍 低温やけどの跡を悪化させるNG行動

低温やけどの跡を少しでも目立たなくするためには、やけどを受けた直後から治癒後のケアまで、避けるべき行動を知っておくことが重要です。以下に代表的なNG行動をまとめます。

💬 患部を擦ったり、かさぶたを無理に剥がしたりする

やけどの治癒過程でできるかさぶたは、新しい皮膚が形成されるための保護膜の役割を担っています。かさぶたを無理に剥がすと、まだ未熟な皮膚が露出してしまい、感染のリスクが上がるとともに、色素沈着や瘢痕が残りやすくなります。また、患部を擦ると炎症が再燃し、治癒が遅れる原因になります。

✅ 紫外線を浴びる

やけどが治癒したあとの皮膚は、メラノサイトが過敏になっているため、紫外線を浴びると色素沈着が著しく悪化します。特に夏場に露出する部位にやけどを受けた場合は、日焼け止めや遮光カバーでしっかりと紫外線対策を行うことが必要です。色素沈着がある皮膚は、日光に当たるたびにメラニンが増え、跡が長期間残る原因になります。

📝 自己判断で民間療法を試す

インターネット上には、やけどにアロエや味噌、醤油、歯磨き粉などを塗るといった民間療法の情報が散見されますが、これらは医学的根拠がなく、むしろ感染や炎症を悪化させるリスクがあります。また、市販の軟膏を自己判断で使い続けることも、かえって治癒を遅らせる場合があります。やけどが疑われる場合は、必ず医療機関を受診することをお勧めします。

🔸 受診を先送りにする

低温やけどは初期段階では損傷の深さが見た目ではわかりにくいため、「たいしたことない」と受診を先延ばしにしてしまうことがあります。しかし、損傷が深部にまで及んでいた場合、適切な処置をしないまま時間が経つと、感染や組織壊死が進み、最終的に手術(植皮など)が必要になるケースもあります。やけどに気づいたら、できるだけ早く皮膚科や形成外科を受診することが大切です。

⚡ 保湿を怠る

やけどが治癒した後も、皮膚のバリア機能は回復しきっていないことが多く、乾燥しやすい状態が続きます。乾燥した皮膚は炎症を起こしやすく、色素沈着の悪化や瘢痕の目立ちやすさにつながります。保湿は地味に見えますが、瘢痕ケアにおいて非常に重要なステップです。

💪 自宅でできるアフターケアの基本

低温やけどの跡を少しでも改善するために、自宅でできるケアをしっかりと続けることが大切です。ただし、自己判断でケアを行う前に、必ず医療機関で診察を受け、医師の指示に従ってください。以下は一般的なアフターケアの基本方針です。

🌟 保湿ケアを徹底する

やけど跡の皮膚は非常に乾燥しやすく、バリア機能が低下しています。刺激の少ない低アレルギー性の保湿剤(ヘパリン類似物質含有クリームや白色ワセリンなど)を1日に数回丁寧に塗布し、潤いを保つことが重要です。保湿により、瘢痕組織の柔軟性が保たれ、肥厚性瘢痕の改善にもつながるとされています。

💬 紫外線対策を徹底する

やけど跡は紫外線に非常に敏感で、色素沈着が悪化しやすい状態にあります。外出時には、やけど跡の部位にSPF30以上の日焼け止めを塗り、物理的にも衣服や日傘で遮光するようにしましょう。色素沈着がある間は、一年を通じてこの習慣を続けることが重要です。

✅ シリコンジェルシート・シリコンクリームの使用

薬局などで入手できるシリコンジェルシートやシリコンクリームは、肥厚性瘢痕やケロイドのケアに有効とされており、国際的な瘢痕治療ガイドラインでも推奨されています。シリコン素材が皮膚に密着することで、水分蒸発を防ぎ、瘢痕の過剰なコラーゲン産生を抑制する効果があると考えられています。医師の指導のもと、適切な方法で使用することをお勧めします。

📝 圧迫療法

肥厚性瘢痕に対しては、弾性包帯や圧迫用ガーメントを用いた圧迫療法が有効とされています。圧迫することで瘢痕への血流が制限され、過剰なコラーゲン産生が抑えられると考えられています。ただし、圧迫の程度や部位によって適切な方法が異なりますので、医師と相談しながら行うことが必要です。

🔸 患部のマッサージ

やけど跡が完全に上皮化(皮膚が再生して閉じた状態)してから、保湿剤を塗りながら患部を優しくマッサージすることで、瘢痕組織の柔軟性を高め、拘縮の予防や改善に役立てることができます。マッサージの開始時期や方法は、やけどの深さや部位によって異なりますので、医師や理学療法士の指導を受けてから行いましょう。

Q. 低温やけどの跡を悪化させるNG行動は?

低温やけどの跡を悪化させる主なNG行動は5つある。かさぶたを無理に剥がす、紫外線を浴びる、アロエや味噌など医学的根拠のない民間療法を試す、受診を先延ばしにする、保湿を怠る、の5点だ。特に紫外線は色素沈着を著しく悪化させるため注意が必要である。

🎯 クリニックで受けられる治療法

自宅でのケアだけでは改善が難しい場合や、跡を早期に目立たなくしたい場合には、クリニックでの専門的な治療を検討することをお勧めします。低温やけどの跡に対して行われる主な治療法をご紹介します。

⚡ レーザー治療

やけどの跡の治療においてレーザーは非常に有効な選択肢の一つです。跡の種類や状態によって使用されるレーザーの種類が異なります。

色素沈着に対しては、メラニン色素に選択的に作用するQスイッチレーザー(ピコレーザー、ルビーレーザーなど)が使用されます。これらのレーザーはメラニンを破壊し、色素沈着を薄くする効果があります。複数回の照射が必要なことが多く、治療間隔は状態によって異なります。

肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりに対しては、血管に作用するパルス色素レーザー(PDL)や、フラクショナルレーザーが用いられます。フラクショナルレーザーは皮膚に微細な穴を多数形成することで、コラーゲンのリモデリングを促し、瘢痕の平坦化や色調改善を図ります。

🌟 ステロイド注射

肥厚性瘢痕やケロイドに対して、ステロイド薬(トリアムシノロンアセトニドなど)を瘢痕内に直接注射する治療法です。ステロイドには抗炎症作用とコラーゲン産生抑制作用があり、瘢痕を平坦化させ、赤みやかゆみを改善する効果が期待できます。副作用として注射部位の皮膚萎縮や色素脱失が起こることがあるため、医師による適切な管理が必要です。

💬 外用薬による治療

医師が処方するステロイド外用薬は、やけど跡の炎症を抑え、色素沈着や瘢痕の改善に役立てられることがあります。また、ハイドロキノン(美白剤)やレチノイン酸(トレチノイン)を含む外用薬は、色素沈着の改善に効果があるとされています。これらは医師の処方に基づいて使用することが重要です。

✅ ケミカルピーリング

グリコール酸や乳酸などの酸性溶液を皮膚に塗布して古い角質層を除去し、皮膚のターンオーバーを促進する治療法です。色素沈着の改善や、やけど跡の見た目の改善に用いられます。やけど跡の状態によって適応が異なりますので、医師による判断が必要です。

📝 手術的治療(植皮・瘢痕形成術)

やけどの深さが深かった場合(第3度やけど)や、低温やけどでも組織壊死が広範囲に及んだ場合には、植皮術(体の別の部位から皮膚を採取して移植する手術)が必要になることがあります。また、拘縮が生じた場合には、Z形成術などの瘢痕形成術によって引きつれを解除する手術が行われます。これらの外科的治療は、形成外科を受診して相談することが必要です。

🔸 注射治療(ヒアルロン酸・PRP)

萎縮性瘢痕(凹みのある跡)に対しては、ヒアルロン酸注射やPRP(多血小板血漿)注射を用いて、凹みを目立たなくする治療も行われています。ヒアルロン酸は凹んだ部位に充填して平坦化を図り、PRPは皮膚の再生を促す成長因子を活用して瘢痕改善を目指します。効果の持続期間や適応については、医師に詳しく確認することが大切です。

💡 低温やけどの跡が消えるまでの期間の目安

低温やけどの跡がどのくらいの期間で改善するかは、やけどの深さ・面積・受傷部位・治療方法・個人差などによって大きく異なります。一般的な目安を以下に示しますが、これはあくまで参考であり、個々の状況によって大きく前後することをご理解ください。

浅いやけど(第1度・浅い第2度)による色素沈着の場合、適切なケアと紫外線対策を継続すれば、数ヶ月から1年程度で徐々に薄くなっていくことが多いとされています。ただし、紫外線対策を怠ったり、患部を刺激したりすると改善に時間がかかります。

深いやけど(深達性第2度・第3度)による肥厚性瘢痕は、受傷後6ヶ月から2年程度かけて成熟し、平坦化・軟化・色調の改善が見られることがあります。ただし、完全に跡が消えることは少なく、ある程度の跡が残ることが多いです。治療を行うことで改善を早めたり、跡をより目立たなくしたりすることが可能です。

ケロイドは自然消退することが少なく、治療を行っても再発するリスクがあります。長期にわたる治療と経過観察が必要です。

いずれの場合も、やけどを受けてから早い段階で適切な治療を開始することが、跡を最小限に抑えるための最善策です。「様子を見てから」と受診を先延ばしにすることで、取り返しのつかない跡が残ってしまうリスクがあることを知っておいてください。

Q. クリニックで受けられる低温やけどの跡の治療法は?

低温やけどの跡に対してクリニックでは複数の治療法が選択できる。色素沈着にはピコレーザーなどQスイッチレーザー、肥厚性瘢痕にはパルス色素レーザーやステロイド注射、凹み跡にはヒアルロン酸注射、深部損傷には植皮術などが用いられる。跡の種類に応じて最適な治療法が異なるため、専門医への相談が重要だ。

📌 低温やけどを予防するために知っておきたいこと

低温やけどは適切な予防策を講じることで、大部分を防ぐことができます。跡に悩む前に、まずやけどをしないための知識を身につけることが最も重要です。

⚡ 湯たんぽの正しい使い方

湯たんぽは就寝中に最もやけどのリスクが高い暖房器具の一つです。湯たんぽはタオルや専用カバーで必ず包んで使用し、就寝前に布団から取り出すか、または直接皮膚に触れない位置に置くことが推奨されます。就寝中に無意識に体が動いて湯たんぽと接触するリスクを考慮することが重要です。

🌟 貼るカイロの使用上の注意

貼るカイロは必ず下着や衣服の上から使用し、素肌に直接貼ることは避けてください。特に就寝中の使用は非常に危険なため、避けることが望ましいです。また、カイロが同じ部位に長時間当たり続けないよう、定期的に位置を変えることも大切です。

💬 電気毛布・ホットカーペットの使い方

電気毛布は就寝前に布団を温める目的で使用し、就寝時には電源を切るか、就寝用の設定に切り替えることが安全です。ホットカーペットの上で同じ姿勢で長時間過ごすことも低温やけどのリスクを高めますので、定期的に体勢を変えるよう意識しましょう。

✅ 特に注意が必要な人

糖尿病による末梢神経障害がある方は、足の感覚が鈍くなっているため、知らないうちに低温やけどを負うリスクが特に高いとされています。また、高齢者は皮膚が薄く、体温調節機能も低下しているため注意が必要です。乳幼児は言葉で不快感を伝えられないため、保護者が細心の注意を払う必要があります。飲酒後や睡眠薬服用後も感覚が鈍くなるため、暖房器具の使用には注意が必要です。

📝 やけどに気づいたら

低温やけどに気づいたら、まず熱源を取り除き、患部を流水(15〜20℃程度の水道水)で15〜30分程度冷やすことが基本的な応急処置です。水ぶくれができている場合は、自分で潰さないようにしてください。冷却後は清潔なガーゼなどで患部を覆い、速やかに皮膚科または形成外科を受診してください。初期段階で適切な治療を受けることが、跡を最小限に抑えるために最も重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、低温やけどを受診される患者様の多くが「たいしたことないと思って様子を見ていた」とおっしゃるケースが目立ちます。しかし低温やけどは表面上の見た目よりも深部へのダメージが大きいことが多く、受診のタイミングが遅れるほど色素沈着や肥厚性瘢痕として跡が残りやすくなるため、少しでも気になる症状があれば早めにご相談いただくことを強くお勧めします。治癒後のアフターケアも含め、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療プランをご提案してまいりますので、跡のことでお悩みの方もどうぞ安心してご来院ください。」(アイシークリニック新宿院 皮膚科一般外来のみでの対応となります)

✨ よくある質問

低温やけどの跡はどのくらいで消えますか?

浅いやけどによる色素沈着は、適切なケアと紫外線対策を続ければ数ヶ月〜1年程度で薄くなることが多いです。深いやけどによる肥厚性瘢痕は6ヶ月〜2年かかり、完全に消えないこともあります。早期受診と適切なケアが改善の鍵です。

低温やけどの跡に市販薬や民間療法は効果がありますか?

アロエや味噌・歯磨き粉などの民間療法は医学的根拠がなく、感染や炎症を悪化させるリスクがあります。市販軟膏の自己判断での使用も治癒を遅らせる場合があります。跡のケアには必ず医療機関を受診し、医師の指示に従った治療・外用薬を使用することをお勧めします。

低温やけどの跡にはどんなクリニック治療が受けられますか?

跡の種類に応じて複数の治療法があります。色素沈着にはピコレーザーなどのQスイッチレーザー、肥厚性瘢痕にはパルス色素レーザーやステロイド注射、凹み跡にはヒアルロン酸注射などが用いられます。当院では患者様の状態に合わせた治療プランをご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。

低温やけどの跡を悪化させないために避けるべきことは?

主に5つのNG行動があります。①かさぶたを無理に剥がす、②紫外線を浴びる、③民間療法を試す、④受診を先延ばしにする、⑤保湿を怠る、です。特に紫外線は色素沈着を著しく悪化させるため、やけど跡が残っている間はSPF30以上の日焼け止めと遮光対策を徹底してください。

低温やけどを予防するための湯たんぽやカイロの正しい使い方は?

湯たんぽは必ずタオルや専用カバーで包み、就寝前に布団から取り出すか直接肌に触れない位置に置きましょう。貼るカイロは素肌に直接貼らず、就寝中の使用は避けてください。電気毛布は就寝時に電源を切ることが安全です。感覚が鈍くなる飲酒後や睡眠薬服用後は特に注意が必要です。

🔍 まとめ

低温やけどは、「温かい程度」の熱源でも長時間皮膚に触れ続けることで深刻な損傷を引き起こす、気づきにくいやけどです。その跡は、色素沈着・肥厚性瘢痕・ケロイド・萎縮性瘢痕・拘縮など様々な形で残ることがあり、やけどの深さや受傷後のケア方法によって改善の程度が大きく変わります。

跡を残さないためにまず大切なのは、やけどに気づいたら速やかに医療機関を受診することです。自己判断で民間療法を試したり、受診を先延ばしにしたりすることは、跡を悪化させる原因になります。治癒後も保湿・紫外線対策・シリコンジェルの使用などのアフターケアを継続することが、跡の改善に向けて有効です。

すでに跡が気になっている方には、レーザー治療・ステロイド注射・外用薬・手術的治療など、クリニックで受けられる様々な治療法があります。アイシークリニックでは、やけどの跡でお悩みの方に対して、状態に合わせた適切な治療をご提案しております。「この跡、消えるのかな」とお悩みの方は、ぜひ一度専門家にご相談ください。早めの対応が、より良い改善結果につながります。(アイシークリニック新宿院 皮膚科一般外来のみでの対応となります)

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 低温やけど(熱傷)の深さ・分類・治療方針に関する皮膚科学的な基準、色素沈着や瘢痕形成のメカニズム、炎症後色素沈着の診断と治療ガイドラインの参照
  • 日本形成外科学会 – 熱傷(やけど)の深度分類(第1度〜第3度)、肥厚性瘢痕・ケロイド・拘縮の治療法(ステロイド注射・シリコンジェル・圧迫療法・植皮術・瘢痕形成術)に関する専門的情報の参照
  • 厚生労働省 – 低温やけどを引き起こす湯たんぽ・カイロ等の暖房器具使用上の注意、高齢者・乳幼児・糖尿病患者など高リスク群への注意喚起、応急処置(流水冷却)に関する公衆衛生的情報の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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