
手のひらや指に突然水ぶくれができると、「これは何だろう」「このまま放っておいて大丈夫だろうか」と不安になる方は少なくありません。水ぶくれ(水疱)は見た目にもわかりやすい症状であるため、気になってつい触ってしまいたくなることもあるでしょう。しかし、水ぶくれにはさまざまな原因があり、自己判断で対処することで症状が悪化したり、他の人にうつしてしまったりするリスクもあります。この記事では、手に突然できる水ぶくれの主な原因、それぞれの特徴、適切な対処法、そして受診の目安について詳しく解説します。
目次
- 手に水ぶくれができるとはどういう状態か
- 手に突然水ぶくれができる主な原因
- 汗疱(異汗性湿疹)について詳しく解説
- 接触性皮膚炎による水ぶくれ
- ウイルス感染が原因の水ぶくれ
- 水疱性疾患(自己免疫疾患)による水ぶくれ
- 水ぶくれを自分でつぶしてはいけない理由
- 手の水ぶくれへの正しい対処法
- どのくらいで治る?症状の経過と目安
- こんな症状があれば早めに受診を
- 予防のためにできること
- まとめ
この記事のポイント
手の水ぶくれは汗疱・接触性皮膚炎・ヘルペス・帯状疱疹など原因が多様で、自己判断でつぶすと感染リスクが高まるため、2週間以上続く・急速に広がる・発熱や強い痛みを伴う場合は早めに皮膚科を受診することが重要。
🎯 手に水ぶくれができるとはどういう状態か
水ぶくれとは、皮膚の層の間や皮膚表面に液体(漿液・リンパ液・血液など)が溜まった状態のことをいいます。医学的には「水疱(すいほう)」と呼ばれ、大きさによって1センチ未満のものを「小水疱」、1センチ以上のものを「大水疱」と分類することがあります。
水ぶくれができる場所は体のさまざまな部位にわたりますが、手のひらや指の側面・指先に生じる場合には、特有の疾患が関係していることが多いです。それは、手のひらの皮膚が手の甲とは異なる構造を持っており、汗腺の密度が高く、外部からの刺激を受けやすいという特徴があるためです。
水ぶくれの中身は透明なことが多いですが、白く濁っていたり、黄色みがかっていたり、血が混じっているように見える場合もあります。どのような液体が入っているかによって、原因や重症度が異なります。
Q. 手の水ぶくれを自分でつぶしてはいけない理由は?
水ぶくれの皮膚は外部の細菌から傷を守るバリアとして機能しており、つぶすと細菌が侵入して二次感染を起こすリスクが高まります。ヘルペスや手足口病などウイルス性の場合は、周囲や他者への感染拡大にもつながるため、自己処置は避け皮膚科を受診することが重要です。
📋 手に突然水ぶくれができる主な原因
手に突然水ぶくれができる原因はひとつではなく、さまざまな疾患や状況が考えられます。大きく分けると以下のような原因が挙げられます。
まず、皮膚の炎症によるものとして、汗疱(異汗性湿疹)、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の増悪などがあります。これらはアレルギーや刺激物質への反応、あるいは汗腺の異常などが関係しており、手のひらや指に小さな水ぶくれが多発することが特徴です。
次に、ウイルスや細菌などの感染症によるものとして、単純ヘルペスウイルス感染症(ヘルペス)、帯状疱疹、手足口病、とびひ(伝染性膿痂疹)などがあります。感染症による水ぶくれは他の人にうつる可能性があるため、特に注意が必要です。
また、物理的な刺激(摩擦・熱・凍傷など)によって皮膚が傷ついて生じる水ぶくれや、虫刺されのアレルギー反応によるものもあります。さらに、天疱瘡や類天疱瘡のような自己免疫疾患が原因となることも稀ではありますが存在します。
それぞれの原因について、以下で詳しく説明していきます。
💊 汗疱(異汗性湿疹)について詳しく解説
手のひらや指先に突然小さな水ぶくれが多数現れた場合に最も多い原因のひとつが、「汗疱(かんぽう)」と呼ばれる皮膚疾患です。正式名称は「異汗性湿疹(いかんせいしっしん)」といい、以前は汗腺の異常が直接の原因と考えられていましたが、現在は必ずしも汗だけが原因ではないとされています。
汗疱は手のひら・足の裏・指の側面に好発し、小さくて透明な水ぶくれが多数まとまって出現するのが特徴です。水ぶくれ自体に強い痛みはないことが多いですが、かゆみを伴う場合があります。そのかゆさのために掻きむしってしまうと、水ぶくれが破れて皮がめくれ、ただれや二次感染を起こすことがあります。
汗疱は春から夏にかけての発汗が多い時期に悪化しやすい傾向がありますが、季節を問わず発症する方も多くいます。また、ストレスや疲労、金属アレルギー(ニッケル・コバルト・クロムなど)、特定の食品摂取が誘因となることもわかっています。
発症から数週間で水ぶくれが乾燥し、皮膚が剥がれ落ちていくというサイクルを繰り返すことが多く、慢性的に再発しやすい点が汗疱の特徴でもあります。
治療には、ステロイド外用薬が中心的に用いられます。炎症を抑えることでかゆみを軽減し、悪化を防ぐ効果があります。重症の場合は内服薬が使用されることもあります。また、金属アレルギーが関係していると疑われる場合は、パッチテストを行って原因物質を特定し、食事や日常生活での暴露を避けることが再発予防につながります。
Q. 汗疱(異汗性湿疹)が繰り返しできる主な原因は?
汗疱は発汗・ストレス・疲労のほか、ニッケルやコバルトなどの金属アレルギーが誘因となることが知られています。春から夏に悪化しやすい傾向がありますが、季節を問わず再発する方も多くいます。アイシークリニックではパッチテストで原因物質を特定し、再発予防につなげる治療を行っています。
🏥 接触性皮膚炎による水ぶくれ
特定の物質に触れたことで皮膚が炎症を起こす「接触性皮膚炎」も、手に水ぶくれができる主な原因のひとつです。接触性皮膚炎には、アレルギー反応による「アレルギー性接触皮膚炎」と、強い刺激物質による「刺激性接触皮膚炎」の2種類があります。
アレルギー性接触皮膚炎は、過去にその物質に触れたことで感作(アレルギーの記憶が形成されること)が起き、再度同じ物質に触れたときに遅延型アレルギー反応が生じるものです。洗剤・ゴム手袋の成分(ラテックス)・金属・化粧品・植物などが原因となることが多いです。
刺激性接触皮膚炎は、酸・アルカリ・有機溶剤などの強い刺激物質に触れたことで皮膚のバリア機能が壊され、炎症が起きるものです。アレルギーがなくても誰でも起こりうる反応です。
接触性皮膚炎による水ぶくれは、原因物質が触れた部位に一致して赤みやかゆみ、水ぶくれが現れることが多く、境界が比較的はっきりしている場合があります。原因物質に繰り返し触れることで症状が悪化するため、まずは何が原因かを特定することが重要です。
治療はステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服などが中心となり、原因物質の特定にはパッチテストが有効です。日常生活での原因物質への接触を避けることが再発予防の基本となります。
⚠️ ウイルス感染が原因の水ぶくれ
手に水ぶくれができる原因として、感染症、特にウイルス感染を見逃してはいけません。感染症による水ぶくれは他の人にうつる可能性があり、早期に正確な診断を受けることが非常に重要です。
単純ヘルペスウイルス感染症は、ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)によって引き起こされます。口唇ヘルペスが有名ですが、手指にも感染することがあり、この場合は「ヘルペス性ひょう疽(ひょうそ)」と呼ばれます。指先に激しい痛みや灼熱感があり、その後に水ぶくれが集簇して現れるのが特徴です。医療従事者や保育士など、口腔内のウイルスが手指に感染するリスクが高い職業の方に見られることもあります。
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こります。子どもの頃に水痘(水疱瘡)にかかったあと、ウイルスが神経節に潜伏し、免疫力が低下したときに再び活性化して帯状疱疹を発症します。体の片側に帯状に水ぶくれが現れ、強い神経痛を伴うことが多いです。手や腕にも発症することがあります。
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる感染症で、主に乳幼児に多く見られますが、大人にも発症します。手のひら・足の裏・口の中に水ぶくれが現れるのが典型的な症状です。発熱を伴うこともあります。
これらのウイルス感染による水ぶくれは、皮膚科や内科でウイルスの種類に応じた抗ウイルス薬による治療が行われます。ヘルペスや帯状疱疹に対しては抗ヘルペス薬(アシクロビルなど)が有効で、早期に治療を始めるほど重症化を防ぐことができます。
🔍 水疱性疾患(自己免疫疾患)による水ぶくれ
あまり知られていませんが、自己免疫の異常によって皮膚に水ぶくれができる疾患があります。代表的なものとして「天疱瘡(てんぽうそう)」と「類天疱瘡(るいてんぽうそう)」が挙げられます。
天疱瘡は、体の免疫が皮膚細胞どうしをつなぐタンパク質(デスモグレイン)を攻撃することで、皮膚の内部に水ぶくれが生じる疾患です。水ぶくれは破れやすく、びらん(皮膚がただれた状態)になりやすいのが特徴です。口腔内にも症状が出ることが多いです。
類天疱瘡は、天疱瘡よりも比較的高齢者に多く、皮膚のより深い層(基底膜帯)に対する自己抗体が生じることで皮膚が水ぶくれを形成します。水ぶくれは大きく、内容液が張っていて破れにくいことが特徴です。
これらの自己免疫性水疱症は発症頻度は低いものの、適切な治療を行わないと重篤化することがあるため、専門医による診断と治療が欠かせません。治療はステロイド薬の全身投与や免疫抑制薬の使用が中心となります。
また、薬剤によるアレルギー反応として生じるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)も、広範な水ぶくれを引き起こす重篤な疾患です。これらは服薬後に突然発症することがあり、早急な医療対応が必要です。
Q. ウイルス感染による手の水ぶくれはどう治療する?
手の水ぶくれの原因がヘルペスや帯状疱疹などのウイルス感染である場合、アシクロビルなどの抗ウイルス薬による治療が有効です。特に帯状疱疹は発症から72時間以内に治療を開始することで重症化や神経痛の長期化を防ぐことができるため、早期の皮膚科受診が強く推奨されます。
📝 水ぶくれを自分でつぶしてはいけない理由
手に水ぶくれができると、気になってつぶしてしまいたくなる気持ちはよくわかります。しかし、多くの場合、水ぶくれを自分でつぶすことはすすめられません。その理由を説明します。
まず、水ぶくれの中には組織液が蓄積されており、この液体は皮膚の再生を助ける役割を担っています。水ぶくれの皮膚(水疱蓋)は、内部の皮膚が修復されるまでの間、外部からの細菌や刺激から傷を保護するバリアとして機能しています。つぶしてしまうとこのバリアが失われ、傷口が露出した状態になります。
次に、つぶす際に使う器具(針など)や手指を介して細菌が傷口に入ることで、二次感染が起きるリスクがあります。感染が起きると、痛みや腫れが悪化し、膿が形成されたり、壊疽(えそ)などの深刻な合併症につながったりすることがあります。
さらに、ウイルス感染(ヘルペスや手足口病など)によって生じた水ぶくれの場合、つぶすことで周囲にウイルスが広がり、感染が拡大する可能性があります。また、他の人への感染リスクも高まります。
日常生活の中でどうしても水ぶくれが邪魔で破れてしまいそうな場合や、すでに破れてしまった場合は、清潔なガーゼで覆って保護し、早めに医療機関を受診することが大切です。医師の指示のもとで処置を行うことが、安全で早い回復への近道です。
💡 手の水ぶくれへの正しい対処法
手に水ぶくれができたときに、家庭でできる正しい対処法についてお伝えします。ただし、これらはあくまで応急処置であり、症状が続く場合や悪化する場合は医療機関への受診が必要です。
まず、患部を清潔に保つことが基本です。手洗いをしっかり行い、患部を不必要に触らないようにしましょう。水ぶくれを傷つけないよう、ゆっくりと優しく洗い、清潔なタオルで押さえるようにして水気をとります。
皮膚が乾燥していると症状が悪化することがあるため、保湿クリームを使って保湿ケアを行うことが有効な場合もあります。ただし、感染が疑われる場合にはクリームの使用について医師に確認してください。
かゆみがある場合は、なるべく掻かないようにしましょう。市販の抗ヒスタミン薬(飲み薬)がかゆみの軽減に役立つことがありますが、使用前に薬剤師や医師に相談するのが安心です。
接触性皮膚炎が疑われる場合は、原因と思われる物質(洗剤・金属・ゴムなど)への接触をできる限り避けましょう。洗い物などをする際はゴム手袋(ただしラテックスアレルギーがある場合はニトリルなど代替品)を使用し、皮膚への刺激を最小限にすることが大切です。
患部が日常生活で摩擦を受けやすい場所にある場合は、清潔なガーゼや絆創膏などで保護することを検討してください。ただし、絆創膏は密閉状態が長く続くとかえって蒸れて悪化することもあるため、こまめに交換することが大切です。
市販のステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン含有のもの)を使用する場合は、説明書に従い適切な量と期間を守ることが重要です。強い成分のステロイド外用薬は医師の処方が必要であり、自己判断で長期使用することは避けてください。
✨ どのくらいで治る?症状の経過と目安
手の水ぶくれがどのくらいで治るかは、原因によって大きく異なります。一般的な経過の目安をご紹介します。
汗疱(異汗性湿疹)の場合、水ぶくれは通常2〜3週間で乾燥し、皮膚が剥がれ落ちながら回復していきます。ただし、再発しやすい疾患であり、同じ季節や同じような状況で繰り返すことがよくあります。適切な治療を続けることで症状をコントロールすることができます。
接触性皮膚炎は、原因物質への接触をやめることで通常1〜2週間程度で改善してきます。ステロイド外用薬を使用することで回復が早まる場合があります。ただし、原因物質への接触が続く限り症状は改善しないため、原因の特定と除去が最優先です。
単純ヘルペスによる水ぶくれは、抗ウイルス薬で治療した場合、通常7〜10日程度で治ります。治療せずに放置しても自然治癒することはありますが、時間がかかり痛みが続くことが多いため、早期の治療が推奨されます。初感染の場合は症状が重くなりやすく、再発の場合は比較的軽症であることが多いです。
帯状疱疹の場合、水ぶくれ自体は2〜4週間で治癒しますが、神経痛(帯状疱疹後神経痛)が長期間残ることがあります。特に高齢者では神経痛が数ヶ月から数年続くこともあり、痛みのコントロールが重要になります。抗ウイルス薬を発症早期(72時間以内)に開始することが重症化予防に有効です。
物理的な刺激(摩擦・熱傷など)による水ぶくれは、感染を起こさなければ通常1〜2週間程度で自然に治ります。原因となった刺激を避け、清潔に保つことが回復を促します。
Q. 手の水ぶくれで救急受診が必要な症状は?
服薬後に突然水ぶくれが多発した場合や皮膚が広範囲に剥がれる症状は、スティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な薬剤性疾患が疑われるため、ただちに救急外来を受診してください。高熱・急速な水ぶくれの拡大・膿の形成・強い痛みを伴う場合も早急な医療対応が必要です。
📌 こんな症状があれば早めに受診を

手の水ぶくれは多くの場合、比較的軽症で自然に回復することもありますが、以下のような症状がある場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
水ぶくれが急速に広がっている場合や、全身に広がりを見せている場合は、感染症や重篤な皮膚疾患の可能性があります。特に発熱を伴う場合は感染症が疑われるため、すぐに受診が必要です。
水ぶくれの中身が濁っていたり、膿のような状態になっている場合は、細菌感染が起きている可能性があります。患部周囲の皮膚が赤く腫れ上がっていたり、熱感が強い場合も同様です。このような状態では抗生物質による治療が必要なことがあります。
激しい痛みを伴う水ぶくれは、ヘルペスや帯状疱疹などウイルス感染症の可能性があります。特に帯状疱疹は早期治療が重要であり、症状出現から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが推奨されています。
水ぶくれが2週間以上続いて改善しない場合や、繰り返し同じ部位に水ぶくれが生じる場合も、専門的な診察と検査を受けることが必要です。慢性的に繰り返す汗疱は、金属アレルギーや内臓疾患が背景にある場合があります。
また、服薬後に突然水ぶくれが多発した場合や、皮膚が広範囲に剥がれるような重篤な症状がある場合は、スティーブンス・ジョンソン症候群などの薬剤性の重篤な皮膚疾患の可能性があるため、ただちに救急外来を受診してください。
受診する診療科は、皮膚の症状に特化した「皮膚科」が最も適しています。感染症が強く疑われる場合や、発熱などの全身症状がある場合は内科でも対応可能です。どの科を受診すべきか迷う場合は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
🎯 予防のためにできること
手の水ぶくれを完全に予防することが難しい場合もありますが、日常生活の中でできる対策を取り入れることで、発症リスクを低減したり、再発を防いだりすることに役立ちます。
皮膚のバリア機能を維持するための保湿ケアは、乾燥による皮膚のひび割れを防ぎ、外部からの刺激や感染源から皮膚を守る基本的なケアです。ハンドクリームやローションを使って、こまめに保湿を行いましょう。特に手洗い後は皮膚が乾燥しやすいため、保湿を意識することが大切です。
刺激物への対策として、洗剤や化学薬品を扱う際は、適切な手袋を着用して直接皮膚が触れないようにしましょう。ただし、ラテックス(天然ゴム)アレルギーがある方は、ニトリル製の手袋を選ぶようにしてください。
汗疱が繰り返しある方は、過度な発汗を避けることが助けになる場合があります。気温の高い環境では適切に冷却し、通気性の良い素材の手袋や衣類を選ぶことを意識しましょう。
金属アレルギーが関係している方は、アクセサリーや時計など皮膚に直接触れる金属製品を見直すことが有効です。ニッケルフリーやチタン製のものを選ぶと皮膚への刺激を減らせます。
ウイルス感染症の予防としては、手洗いの徹底が最も基本的かつ効果的な対策です。外出後や食事前、トイレ後はしっかりと石けんで手を洗いましょう。帯状疱疹については、ワクチン(帯状疱疹ワクチン)が発症予防と重症化防止に有効であることが知られています。特に50歳以上の方や免疫が低下しやすい方には接種が推奨されています。
生活習慣の面では、十分な睡眠・バランスの良い食事・適度な運動によって免疫機能を整えることが、感染症を含むさまざまな皮膚トラブルの予防につながります。ストレスが汗疱やヘルペスの再発誘因となることがわかっているため、ストレス管理も重要な視点です。
また、水ぶくれが繰り返し生じる場合は、アレルギーの原因物質を特定するためのパッチテストや血液検査を行うことで、根本的な原因へのアプローチが可能になります。皮膚科で相談しながら、自分に合った予防策を見つけることが再発防止の近道となります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、手の水ぶくれを主訴に来院される患者様のなかで、汗疱(異汗性湿疹)や接触性皮膚炎が原因であるケースが多く見受けられますが、なかにはヘルペスや帯状疱疹といったウイルス感染症が隠れていることもあるため、自己判断での対処には注意が必要です。最近の傾向として、水ぶくれをご自身でつぶしてしまってから受診される方も少なくなく、そのことで二次感染や治癒の遅延を招いてしまうケースも散見されますので、気になる症状があれば早めにご相談いただくことをおすすめします。原因を正確に見極めたうえで適切な治療を行うことが、早期回復と再発予防への近道ですので、どうぞ一人で抱え込まずにお気軽にご来院ください。」
📋 よくある質問
基本的には避けてください。水ぶくれの皮膚は内部の回復を助けるバリアとして機能しており、つぶすことで細菌感染のリスクが高まります。また、ヘルペスなどウイルス性の水ぶくれの場合、周囲や他の人への感染拡大につながる恐れもあります。すでに破れた場合は清潔なガーゼで保護し、早めに皮膚科を受診しましょう。
原因によって異なります。汗疱は2〜3週間、接触性皮膚炎は原因物質を除去すれば1〜2週間が目安です。ヘルペスは抗ウイルス薬で7〜10日程度、帯状疱疹は水ぶくれ自体は2〜4週間で治癒しますが、神経痛が長引くことがあります。2週間以上改善しない場合は皮膚科への受診をおすすめします。
ウイルス感染が原因の場合はうつる可能性があります。ヘルペス・帯状疱疹・手足口病などは感染力があり、水ぶくれの内容液にウイルスが含まれます。こうした感染症が疑われる場合は自己判断せず、早めに皮膚科を受診して正確な診断を受けることが重要です。手洗いの徹底も感染拡大防止に有効です。
汗疱は再発しやすい疾患で、発汗・ストレス・疲労のほか、ニッケルやコバルトなどの金属アレルギーが誘因となることがわかっています。春〜夏に悪化しやすい傾向がありますが、季節を問わず繰り返す方も多くいます。アイシークリニックではパッチテストで原因物質を特定し、再発予防につなげる治療を行っています。
服薬後に突然水ぶくれが多発した場合や、皮膚が広範囲に剥がれるような症状はスティーブンス・ジョンソン症候群など重篤な薬剤性疾患の可能性があり、ただちに救急外来を受診してください。また、高熱・急速な水ぶくれの拡大・膿の形成・強い痛みを伴う場合も早急な医療対応が必要です。
💊 まとめ
手に突然できる水ぶくれは、汗疱(異汗性湿疹)・接触性皮膚炎・ウイルス感染症(ヘルペス・帯状疱疹・手足口病)・自己免疫疾患など、さまざまな原因によって生じます。原因によって治療法や経過が大きく異なるため、自己判断だけで対処することには限界があります。
水ぶくれを自分でつぶすことは、感染リスクを高め、回復を遅らせる原因になるため基本的には避けるべきです。症状が2週間以上続く場合、急速に広がる場合、強い痛みや発熱を伴う場合、膿のような変化がある場合などは、早めに皮膚科を受診することが重要です。
日常生活においては、保湿ケアの徹底・刺激物への対策・手洗いの励行・生活習慣の改善などを通じて、水ぶくれの発症リスクを下げることができます。帯状疱疹が心配な方はワクチン接種についても医師に相談してみてください。
アイシークリニック東京院では、皮膚に関するさまざまなお悩みについて専門的な診察・治療を行っています。「手の水ぶくれが気になる」「繰り返す皮膚トラブルを根本から治したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。皮膚のトラブルは早期に適切な対処をすることで、回復を早め、再発を防ぐことにつながります。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 汗疱(異汗性湿疹)・接触性皮膚炎・天疱瘡・類天疱瘡などの水疱性疾患に関する診療ガイドラインおよび疾患情報
- 国立感染症研究所 – 手足口病・単純ヘルペスウイルス感染症・帯状疱疹(水痘帯状疱疹ウイルス)など感染症による水ぶくれの疫学・感染経路・予防に関する情報
- 厚生労働省 – 帯状疱疹ワクチンの接種推奨・感染症対策(手洗い励行など)およびスティーブンス・ジョンソン症候群を含む重篤な薬剤性皮膚障害に関する行政情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務