
リュックを背負って通勤や通学をしていると、背中がびっしょりと濡れてしまった経験はありませんか?夏はもちろん、涼しいはずの季節でも、リュックを下ろすたびに背中の汗染みが気になってしまうという方は少なくありません。背中の汗は見た目の問題だけでなく、臭いや肌荒れの原因にもなるため、しっかりとした対策が必要です。この記事では、リュックを背負ったときに背中が汗をかきやすい理由を医学的な観点から解説するとともに、日常生活でできる効果的な汗対策をご紹介します。さらに、汗の量が極端に多い場合に疑われる多汗症についても詳しく説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
- なぜリュックを背負うと背中に汗をかきやすいのか
- 背中の汗が引き起こすトラブル
- リュック選びで差がつく!汗をかきにくいリュックの特徴
- 日常生活でできるリュック背中の汗対策
- 衣類・インナー選びで汗を抑える方法
- 汗対策グッズを上手に活用する
- 背中の汗が異常に多い場合は多汗症かもしれない
- 多汗症の診断と治療法について
- まとめ
この記事のポイント
リュック背中の汗は通気性低下と体温上昇が主因。速乾インナーやメッシュリュックの活用が効果的。対策後も改善しない過剰発汗は多汗症の可能性があり、ボツリヌス注射など専門治療で改善できるため、アイシークリニックへの相談が推奨される。
🎯 なぜリュックを背負うと背中に汗をかきやすいのか
リュックを背負うと背中が汗をかきやすくなる理由を理解するためには、まず人体の汗のメカニズムを知ることが大切です。人間は体温を一定に保つために発汗という機能を持っています。体温が上昇すると、自律神経の働きによって汗腺(エクリン腺)が刺激され、汗が分泌されます。この汗が蒸発するときに気化熱を奪うことで、体温を下げる仕組みになっています。
リュックを背負った場合、背中とリュックの背面が密着することで、本来であれば汗が蒸発するべき空間がふさがれてしまいます。これが背中の汗がたまりやすい最大の原因です。通常の衣類であれば、布地の隙間や身体の動きによって空気が循環し、汗の蒸発を助けてくれます。しかしリュックの背面パッドが背中全体をカバーしてしまうと、その通気性が著しく損なわれます。
加えて、リュックの重さも発汗を促す原因になります。荷物を背負うことで体に負荷がかかり、筋肉がより多く働くことでエネルギーを消費します。エネルギー消費が増えると体内で発熱が起こり、体温を下げるためにさらに汗をかくという悪循環に陥ります。特に長距離を歩いたり、坂道を上ったりする際にはこの傾向が顕著になります。
また、季節や気温も大きく関係しています。夏場は外気温が高いために体温が上がりやすく、発汗量も増加します。冬場でも厚着をしてリュックを背負うと、背中の熱がこもりやすくなり、思いのほか汗をかくことがあります。さらに、ナイロン素材など通気性の低いリュックを使用している場合は、季節を問わず背中の蒸れが起きやすくなります。
心理的なストレスや緊張も発汗を促すことがあります。これは交感神経が活性化することで汗腺が刺激されるためです。通勤ラッシュや人混みの中でリュックを背負っている状況では、身体的な要因だけでなく精神的な要因も重なって、より多くの汗をかいてしまうことがあります。
Q. リュックを背負うと背中に汗をかきやすい理由は?
リュックの背面が背中に密着すると、汗が蒸発するための空間がふさがれ通気性が大幅に低下します。さらに荷物の重さで筋肉への負荷が増し体温が上昇するため、体温調節のための発汗量がさらに増加します。冬の厚着時にも同様の蒸れが生じやすい点に注意が必要です。
📋 背中の汗が引き起こすトラブル
背中の汗はただ不快なだけでなく、さまざまなトラブルの引き金になることがあります。どのようなトラブルが起こりうるのかを理解しておくことで、汗対策の必要性をより深く認識できるでしょう。
まず挙げられるのが、汗染みと臭いの問題です。背中の汗がシャツや服に染み込むと、目立つ汗染みができてしまいます。白いシャツの場合は特に目立ちやすく、ビジネスの場では印象を損なうことにもなりかねません。また、汗そのものは無臭ですが、皮膚に存在する常在菌が汗を分解する際に不快な臭いを発生させます。背中は自分では気づきにくい部分であるため、臭いに気づかないまま過ごしてしまうリスクもあります。
次に、皮膚トラブルについてです。湿った状態が長く続くと、皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルが起こりやすくなります。背中のニキビや吹き出物が増える、あせもができる、かぶれや湿疹が発生するなどの症状が典型的な例です。特に蒸れた環境は雑菌や真菌(カビの一種)が繁殖しやすく、脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎(ニキビと見た目が似た真菌性の皮膚炎)を引き起こすことがあります。背中の肌荒れが繰り返し起こる場合は、こうした原因も疑ってみましょう。
さらに、精神的なストレスも無視できません。リュックを下ろすたびに汗染みを確認したり、臭いを気にしたりすることで、日常生活における自信や快適さが損なわれることがあります。特に人と接する機会が多い方にとっては、背中の汗の問題は心理的な負担になり得ます。
衣類の劣化も見落とせないポイントです。汗には塩分や老廃物が含まれており、繰り返し汗染みになることで衣類の生地を傷めたり、黄ばみの原因になったりします。お気に入りの服がリュックの背中部分だけ傷んでしまうというケースも珍しくありません。
💊 リュック選びで差がつく!汗をかきにくいリュックの特徴
背中の汗対策として最も根本的なアプローチのひとつが、リュックそのものを見直すことです。どのようなリュックを選ぶかによって、背中の蒸れや汗の量は大きく変わります。
まず注目したいのが、背面の構造です。通気性の高いリュックには、背面にメッシュ素材を採用しているものや、背中との接触面積を減らすためにフレームやパッドで空間を作る設計のものがあります。背中とリュックの間に空気の層ができることで、汗が蒸発しやすい環境が生まれます。アウトドアブランドのリュックにはこのような設計が多く見られ、ハイキングや登山向けの製品では特に通気性が重視されています。
素材の選択も重要です。ナイロンやポリエステルは耐久性が高く軽量ですが、通気性が低い傾向があります。一方、背面にメッシュ素材を使用した製品は空気の流れを確保しやすいため、汗をかいても蒸れが少ないのが特徴です。最近では、速乾性と通気性を兼ね備えた高機能素材を使ったリュックも増えており、日常使いにも適した選択肢が広がっています。
重量とサイズも考慮すべきポイントです。大きくて重いリュックは体への負担が大きく、それだけ多くの汗をかく原因になります。必要最小限の荷物だけを持ち、リュック自体の重さ(自重)が軽いものを選ぶことで、体に与える負荷を軽減できます。また、荷物を均等に詰めることで背中への圧力が分散され、特定の部位が集中的に汗をかくのを防ぐことにもつながります。
ウエストベルトやチェストベルトの有無も通気性に関わります。これらのベルトを使うことで、リュックの重心を腰や胸に分散させることができ、背中への密着度を下げる効果があります。長時間リュックを背負う場合は、これらの機能を積極的に活用しましょう。
Q. 背中の汗が引き起こす皮膚トラブルにはどんなものがある?
背中が長時間湿った状態になると皮膚のバリア機能が低下し、ニキビ・あせも・湿疹などが起こりやすくなります。特に蒸れた環境では雑菌や真菌が繁殖しやすく、マラセチア毛包炎や脂漏性皮膚炎を引き起こすこともあります。背中の肌荒れが繰り返す場合はこれらの原因を疑いましょう。
🏥 日常生活でできるリュック背中の汗対策
リュックを変えることが難しい場合や、すでにお気に入りのリュックをお使いの場合でも、日常生活の中でできる汗対策はたくさんあります。生活習慣や行動を少し工夫するだけで、背中の汗を大幅に減らすことが可能です。
まず取り組みたいのが、こまめにリュックを外すことです。電車の中や目的地に着いたときなど、長時間同じ姿勢でリュックを背負い続けることを避け、背中に空気を当てることで熱と湿気を逃がすことができます。電車内では混雑状況に応じてリュックを前に抱えたり、足元に置いたりするだけでも背中の温度を下げる効果があります。
背筋を伸ばして正しい姿勢を保つことも効果的です。猫背になるとリュックが背中にべったりと密着しやすくなるため、蒸れが起きやすくなります。一方、背筋を伸ばして歩くことで、リュックと背中の間にわずかな隙間が生まれ、空気の流れが生まれやすくなります。良い姿勢は見た目の印象を良くするだけでなく、汗対策にも有効です。
食事や水分補給も汗の量と質に関係しています。辛い食べ物やアルコールは発汗を促進するため、リュックを背負う機会が多い日は控えめにするのがおすすめです。また、体内の水分バランスを保つために、こまめな水分補給は欠かせませんが、一度に大量の水を摂取するのではなく、少量をこまめに飲む習慣をつけると良いでしょう。
体温を上げすぎないための工夫も大切です。歩くペースを少しゆっくりにする、エスカレーターや電梯を活用して体への負担を減らす、直射日光を避けるなど、体温の上昇を抑えることで発汗量を減らすことができます。特に夏場は、日傘や帽子を活用して太陽の熱を直接受けないようにすることが効果的です。
定期的な入浴と清潔の維持も汗対策の基本です。背中は自分では洗いにくい部分ですが、背中専用のボディブラシやシャワーヘッドを活用して丁寧に洗うことで、汗や皮脂の蓄積を防ぐことができます。清潔な肌は細菌の繁殖を抑え、臭いや肌荒れの予防にも役立ちます。
⚠️ 衣類・インナー選びで汗を抑える方法
リュックと背中の間に着用する衣類の選択も、汗対策において非常に重要な役割を果たします。適切な素材や形状のウェアを選ぶことで、汗の不快感を大幅に軽減することができます。
素材の面では、速乾性と吸水性を兼ね備えたものが理想的です。綿素材は吸水性が高いものの、一度濡れると乾きにくいという欠点があります。汗をかいても素早く乾くポリエステルやナイロン系の機能性素材、あるいはレーヨンやテンセルといった植物由来の繊維は、吸水性と速乾性を両立しているため、背中の汗対策に適しています。スポーツブランドが展開する吸汗速乾インナーをアウターの下に着用するだけでも、快適さが大きく変わります。
インナーの形状にも工夫が必要です。背中全体を覆うタンクトップタイプのインナーは、汗を吸収する面積が広いため、アウターへの汗の染み出しを防ぐ効果があります。背中がメッシュになっているインナーは通気性に優れており、汗を効率よく蒸発させることができます。最近では、背中の汗を防ぐことを目的に設計された汗取りインナーも販売されており、こうした専用製品を活用するのも一つの手です。
アウターの選択も見逃せません。厚手の素材や熱がこもりやすい素材は、背中の蒸れを悪化させます。麻(リネン)素材は通気性が高く、夏場のアウターとして優秀な素材です。また、バックプリントがない、もしくはシンプルなデザインの服を選ぶことで、汗染みが目立ちにくくなります。ネイビーや黒などの濃い色は汗染みが目立ちにくい一方、熱を吸収しやすいため体温が上がりやすいというトレードオフがあります。グレーやアイスブルーなどの中間色は汗染みがやや見えにくく、熱の吸収も比較的穏やかで、汗対策という観点ではバランスの取れた選択肢といえます。
冬場の重ね着についても注意が必要です。暖かくしようと厚着をしすぎると、逆に背中の熱がこもって大量の汗をかくことがあります。重ね着をする場合は、それぞれの衣類の素材と通気性を意識し、脱ぎ着しやすいレイヤリング(重ね着)スタイルを心がけましょう。
Q. 汗をかきにくいリュックを選ぶポイントは?
背面にメッシュ素材を採用したリュックや、フレーム・パッドで背中との間に空気層を作る設計のものが効果的です。リュック自体の自重が軽いものを選ぶと体への負荷も減ります。ウエストベルトやチェストベルトを活用して重心を分散させることも、背中への密着度を下げる有効な方法です。

🔍 汗対策グッズを上手に活用する
衣類やリュックの工夫に加えて、汗対策専用のグッズを活用することでさらに効果的に背中の汗をコントロールすることができます。市場にはさまざまな汗対策グッズが販売されており、用途や目的に応じて上手に選んでみましょう。
まず、制汗剤・デオドラント剤の使用を検討してみましょう。制汗剤は汗腺の働きを抑えることで発汗量を減らし、デオドラント剤は汗に含まれる細菌を抑制して臭いを防ぐ効果があります。背中用のスプレータイプや、ロールオンタイプの制汗剤を外出前に使用することで、汗の量や臭いを効果的にコントロールできます。ただし、使用する際は皮膚に異常がないことを確認し、肌への刺激が強すぎると感じたら使用を中止しましょう。
リュック専用の通気スペーサーも便利なグッズです。これはリュックと背中の間に装着することで物理的に空間を作り出し、空気の流れを生み出すアクセサリーです。既存のリュックに後付けできるものも多く、コストを抑えながら通気性を改善できる実用的なアイテムです。アウトドアショップやオンラインショップで手軽に入手できます。
汗取りパッドも活用できます。背中の汗を吸収するための汗取りパッドをシャツの背面に貼り付けることで、汗が直接アウターに滲み出るのを防ぐことができます。使い捨てタイプのものが多く、衛生的に使用できます。ただし、長時間の使用では吸収量に限界がある点は念頭に置いておきましょう。
保冷グッズの活用も効果的です。特に夏場は、首や背中に当てる保冷剤や冷却タオルを使うことで体温を下げ、発汗量を抑えることができます。最近では、持ち運びに便利な小型の保冷グッズが多数販売されており、通勤や通学の際に手軽に使用できます。
爽快感をもたらすクーリングスプレーも一つの選択肢です。衣類や皮膚に直接スプレーするタイプのものは、気化熱によって瞬時に涼しい感覚をもたらします。特にメントール成分が含まれているものは清涼感が高く、汗をかいた後の不快感を和らげる効果があります。
📝 背中の汗が異常に多い場合は多汗症かもしれない
ここまで紹介した対策を試してみても改善が見られない場合、あるいは他の人と比較して明らかに汗の量が多いと感じる場合は、多汗症の可能性を考えてみましょう。多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて過剰に発汗する状態を指し、日常生活や社会生活に支障をきたすことがある疾患です。
多汗症には大きく分けて、原発性多汗症と続発性多汗症の2種類があります。原発性多汗症は特定の疾患や薬剤が原因ではなく、脇の下、手のひら、足の裏、顔面、頭部などの特定の部位に過剰な発汗が起こるタイプです。通常、精神的な緊張や暑さによって症状が悪化し、睡眠中は発汗が少ないという特徴があります。続発性多汗症は、甲状腺機能亢進症や糖尿病、感染症、一部の薬剤などが原因となって発汗が増加するタイプで、全身性であることが多いとされています。
背中の汗については、原発性多汗症よりも続発性多汗症や、全身的な体質として現れることが多いとされていますが、背中の発汗が著しく多い場合は医療機関を受診して原因を調べてもらうことをおすすめします。
多汗症の診断基準として一般的に使われるのは、以下のような状況です。まず、明らかな理由なく過剰な発汗が6ヶ月以上続いていること。次に、左右対称性の発汗が見られること。また、週に1回以上発汗のエピソードがあること。さらに、発汗によって日常生活や仕事、社会的な活動に支障が生じていることなどが挙げられます。これらの項目に複数当てはまる場合は、皮膚科や形成外科などの専門医を受診することをご検討ください。
多汗症は決して珍しい疾患ではありません。日本では人口の約5〜12%に多汗症の症状があるとも言われており、適切な治療によって症状を大幅に改善することが可能です。「汗っかきは体質だから仕方ない」とあきらめず、専門家に相談してみましょう。
Q. 多汗症の治療法にはどのような選択肢がある?
多汗症の治療法は症状の程度に応じて異なります。軽度には医療用塩化アルミニウム溶液の塗布、手足にはイオントフォレーシスが選択されます。広く用いられるボツリヌス毒素注射は汗腺への神経伝達をブロックし、効果は4〜12か月持続します。アイシークリニックでは専門医が状態に合った治療法をご提案しています。
💡 多汗症の診断と治療法について

多汗症と診断された場合、どのような治療法があるのでしょうか。多汗症の治療は症状の程度や部位によって異なりますが、現在ではさまざまな選択肢が用意されています。
まず、軽度の多汗症に対しては、塩化アルミニウム溶液を含む医療用制汗剤が処方されることがあります。これは汗腺の開口部を物理的に塞ぐことで発汗量を減らす働きがあります。市販の制汗剤よりも濃度が高く、医師の処方のもとで使用します。就寝前に患部に塗布し、翌朝洗い流すという方法で使用することが多いです。効果に個人差はありますが、比較的簡便に始められる治療法です。
イオントフォレーシスは、手のひらや足の裏の多汗症に対して行われる治療法で、水を張った容器に手や足を浸した状態で微弱な電流を流し、汗腺の機能を抑制する方法です。繰り返しの治療が必要ですが、副作用が少なく安全性が高い治療法として知られています。
ボツリヌス毒素注射は、多汗症の治療として広く行われている方法の一つです。ボツリヌス毒素を汗をかきやすい部位の皮膚に注射することで、汗腺への神経伝達をブロックし、発汗を抑制します。効果の持続期間は一般的に4〜12ヶ月程度で、効果が薄れてきたら再度注射を行います。脇の下や手のひら、足の裏などの多汗症に広く使用されており、背中の多汗症に対しても適応が検討されることがあります。処置自体は比較的短時間で済み、即効性があることから人気の高い治療法です。
内服薬の使用も選択肢の一つです。抗コリン薬と呼ばれる薬は、汗腺を刺激する神経伝達物質の働きをブロックすることで全身の発汗を抑制します。ただし、口の渇き、便秘、視力のぼやけなどの副作用が出ることがあり、すべての患者さんに適しているわけではありません。必ず医師と十分に相談の上で使用を検討しましょう。
手術療法として、胸腔鏡下交感神経遮断術という方法もあります。これは脇の下や手のひらの重症多汗症に対して行われる手術で、発汗をコントロールする交感神経の一部を切断または遮断します。根本的な解決が期待できる反面、代償性発汗(手術後に他の部位で汗が増える現象)が起こることがあるため、慎重な判断が求められます。
最近では、マイクロ波を使って汗腺を破壊するミラドライという治療法も注目されています。脇の下の多汗症に対して効果が認められており、持続的な効果が期待できます。ただし、保険適用外の治療であることが多く、費用面での考慮が必要です。
多汗症の治療にあたっては、まず皮膚科や形成外科、美容皮膚科などの専門医に相談することが大切です。発汗の程度、部位、生活への支障の度合いなどを詳しく説明した上で、自分の状態に合った治療法を選ぶようにしましょう。また、多汗症は心理的なストレスによって悪化することが多いため、カウンセリングや生活習慣の改善を並行して行うことも有効です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、リュック使用による背中の蒸れや発汗にお悩みの患者様が季節を問わずご来院されており、中には長年「汗っかきな体質だから」と諦めてきた方が多汗症と診断されるケースも少なくありません。背中の汗はご自身では気づきにくい部位であるため、臭いや皮膚トラブルが生じてから初めて深刻さに気づかれる方も多い印象です。日常的な対策を取り入れながらも改善が見られない場合は、ぜひ一度専門医にご相談いただくことで、より快適な毎日への第一歩を踏み出していただけると思います。」
✨ よくある質問
リュックの背面が背中に密着することで、汗が蒸発するための空間がふさがれ、通気性が著しく低下するためです。さらに、荷物の重さによる体への負荷増加や体温上昇も発汗を促します。夏場だけでなく、冬の厚着時にも同様の蒸れが起こりやすい点に注意が必要です。
背面にメッシュ素材を使用しているものや、フレーム・パッドで背中との間に空間を作る設計のリュックが効果的です。また、リュック自体の重量が軽いものを選んだり、ウエストベルトやチェストベルトで重心を分散させたりすることで、発汗量を抑えることができます。
吸水性と速乾性を兼ね備えたポリエステル・ナイロン系の機能性素材や、レーヨン・テンセルなどの植物由来繊維がおすすめです。綿素材は吸水性が高い一方で乾きにくいため不向きです。スポーツブランドの吸汗速乾インナーや、背中の汗対策専用に設計されたインナーも有効です。
明らかな理由なく6ヶ月以上過剰な発汗が続く、週1回以上発汗のエピソードがある、日常生活や仕事に支障が出ているなどの状況が複数当てはまる場合は、多汗症の可能性があります。「体質だから仕方ない」とあきらめず、皮膚科などの専門医に相談することをおすすめします。
症状の程度に応じて、医療用制汗剤(塩化アルミニウム溶液)の塗布、イオントフォレーシス、ボツリヌス毒素注射、抗コリン薬の内服などの治療法があります。アイシークリニックでは専門医が診察し、患者様の状態に合った最適な治療法をご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。
📌 まとめ
リュックを背負ったときの背中の汗は、通気性の低下、荷物による体への負荷増加、体温上昇など複数の要因が絡み合って起こります。この問題に対処するためには、リュックの素材・構造の見直し、通気性を高める工夫、適切な衣類の選択、汗対策グッズの活用など、さまざまなアプローチを組み合わせることが効果的です。
日常生活での対策としては、こまめにリュックを外して背中を乾かすこと、正しい姿勢を保つこと、速乾性のあるインナーを活用することなどが基本となります。加えて、制汗剤や冷却グッズ、リュック用の通気スペーサーなどを上手に活用することで、さらなる効果が期待できます。
一方で、これらの対策を試みても改善が見られない場合や、汗の量が明らかに多すぎると感じる場合は、多汗症の可能性を視野に入れてください。多汗症は適切な治療によって改善できる疾患であり、医療機関を受診することで生活の質を大幅に向上させることができます。ボツリヌス毒素注射をはじめとする治療法は、多くの患者さんに効果をもたらしており、「汗っかきだから仕方ない」とあきらめる必要はありません。
背中の汗の問題でお悩みの方、あるいは多汗症の症状についてより詳しく知りたい方は、アイシークリニック東京院にお気軽にご相談ください。専門の医師が丁寧に診察し、それぞれの状態に合った最適な治療法をご提案いたします。汗の悩みから解放されて、快適な毎日を送りましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 多汗症の診断基準・治療法(塩化アルミニウム、ボツリヌス毒素注射、イオントフォレーシス等)および皮膚トラブル(マラセチア毛包炎、脂漏性皮膚炎など)に関する医学的根拠として参照
- 厚生労働省 – 自律神経の働きによる発汗メカニズム、体温調節機能に関する説明、および多汗症を含む皮膚・神経系疾患の一般的な医療情報として参照
- PubMed – 原発性・続発性多汗症の疫学データ(有病率5〜12%)、ボツリヌス毒素や交感神経遮断術の臨床的エビデンス、ミラドライ等の新治療法に関する国際的な査読論文として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務