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「水いぼって子どもがなるものじゃないの?」と思っている大人の方も多いかもしれません。しかし実際には、大人でも水いぼに感染することがあり、その原因や症状・治療法は子どもの場合と少し異なる点もあります。水いぼはウイルスによる感染症であり、免疫力の状態や生活環境によって誰にでも発症する可能性があります。この記事では、大人が水いぼになる原因を中心に、感染経路・症状の特徴・治療法・日常生活での注意点まで、医療的な視点からわかりやすく解説していきます。気になる症状がある方や、パートナーや子どもから感染しないか心配な方もぜひ参考にしてください。


目次

  1. 水いぼとはどんな病気か
  2. 大人が水いぼになる主な原因
  3. 大人の水いぼの感染経路
  4. 大人の水いぼの症状と特徴
  5. 子どもの水いぼとの違い
  6. 水いぼになりやすい人の特徴
  7. 大人の水いぼの診断方法
  8. 大人の水いぼの治療法
  9. 治療せずに放置するとどうなるか
  10. 水いぼの予防策と日常生活の注意点
  11. まとめ

この記事のポイント

大人の水いぼは免疫力低下や皮膚バリア機能の低下が主因で、性的接触による感染も多い。陰部発症時は他の性感染症との鑑別が必要なため、自己判断せず早めに皮膚科を受診することが重要。

🎯 水いぼとはどんな病気か

水いぼは、医学的には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれる皮膚感染症です。英語では「Molluscum contagiosum(モラスカム・コンタジオサム)」と表記され、世界中に見られる一般的な皮膚疾患のひとつです。

この病気の原因となるのは、ポックスウイルス科に属する「伝染性軟属腫ウイルス(MCV:Molluscum Contagiosum Virus)」です。このウイルスは人間の皮膚にのみ感染し、動物には感染しないという特徴があります。感染すると皮膚の表面に特徴的なイボ状の小さな皮疹(ひしん)ができ、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと増えていくことがあります。

伝染性軟属腫ウイルスには1型から4型まで種類があり、子どもに多く見られるのは1型で、大人の場合は性的接触による感染で2型が多いとされています。ただし実際には大人でも1型の感染は起こるため、感染経路や型の判別は外見だけではできません。

水いぼは良性の疾患であり、健康な免疫機能を持つ人であれば自然に治癒することも多いのですが、症状が長引いたり、広がったりするケースもあるため、適切な対応が必要です。

Q. 大人が水いぼになりやすい原因は何ですか?

大人が水いぼを発症する主な原因は、伝染性軟属腫ウイルスへの接触に加え、免疫力の低下と皮膚バリア機能の低下です。過労・ストレス・睡眠不足が免疫を弱め、アトピー性皮膚炎や皮膚の乾燥があるとウイルスが侵入しやすくなります。

📋 大人が水いぼになる主な原因

大人が水いぼになる最大の原因は、伝染性軟属腫ウイルスへの感染です。ただし、ウイルスに接触したからといって必ずしも発症するわけではなく、そこには免疫機能の状態が大きく関わっています。

人間の皮膚には自然免疫の働きがあり、ウイルスが侵入しても多くの場合は体がそれを排除します。しかし、何らかの理由で免疫力が低下していると、ウイルスが皮膚に定着しやすくなり、水いぼとして発症してしまうことがあります。

大人の水いぼの原因として特に注目されるのが、免疫力の低下です。過労や睡眠不足、栄養の偏り、強いストレスが続く生活は免疫機能を低下させ、ウイルス感染に対する抵抗力を弱めます。また、アトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚疾患を抱えている方は皮膚のバリア機能が損なわれているため、ウイルスが侵入しやすくなっています。

さらに、免疫抑制剤を使用している患者さんや、HIV感染症などによって免疫機能が著しく低下している方は、水いぼが広範囲に広がったり、通常より大きな病変を形成したりするリスクが高いとされています。このような方では、水いぼの治療に際しても注意が必要です。

また、皮膚に細かな傷がある場合もウイルスが侵入しやすくなります。かみそりによる皮膚の細かな傷、乾燥による皮膚のひび割れ、運動やスポーツによる擦り傷などがウイルスの侵入口になり得ます。

まとめると、大人が水いぼになる主な原因は次の3つに整理できます。

  • 伝染性軟属腫ウイルスへの直接・間接的な接触
  • 免疫力の低下(疲労、ストレス、基礎疾患など)
  • 皮膚のバリア機能の低下(アトピー性皮膚炎、乾燥、傷など)

💊 大人の水いぼの感染経路

水いぼの感染経路は大きく分けると「直接接触」と「間接接触」の2種類に分けられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

🦠 直接接触による感染

水いぼの最も一般的な感染経路は、感染している人の皮膚病変に直接触れることです。水いぼの中には伝染性軟属腫ウイルスが含まれており、これが他の人の皮膚に接触することで感染が成立します。

大人の場合、特に注目されるのが性的接触による感染です。陰部や鼠径部・下腹部など、性的接触が起こりやすい部位に水いぼが生じた場合には、性感染症(STI)の一種として扱われることもあります。日本皮膚科学会のガイドラインでも、大人の陰部周辺の水いぼは性感染症の文脈で記載されています。

また、プールやスポーツ施設での皮膚どうしの接触、マッサージ、格闘技などの身体接触も感染の機会となり得ます。

👴 間接接触による感染

ウイルスは感染した人が使用したタオル、衣類、バスタオル、スポンジ、プール用品などを介して他の人へ伝わることがあります。これを間接接触感染(媒介物感染)と呼びます。

特にプールや温泉・銭湯、スポーツジムなどの共用施設では、タオルや脱衣所のベンチなどを通じた感染が起こりやすいとされています。水いぼウイルスは水の中では比較的短時間で感染力を失いますが、タオルや衣類に付着した場合は一定時間感染力を維持することがあります。

🔸 自家接種(自己感染)

水いぼがすでに体にある場合、患部を掻いたり触ったりした手で別の部位を触れることで、自分自身の体の別の箇所に感染が広がることがあります。これを自家接種(じかせっしゅ)と呼びます。特にかゆみが強い場合には無意識に掻いてしまうため、自家接種による拡大が起こりやすくなります。

Q. 大人の水いぼはどのように感染しますか?

大人の水いぼの感染経路は主に3つあります。感染者の皮膚への直接接触(性的接触を含む)、タオルや衣類を介した間接接触、そして患部を触った手で自分の別の部位に広げる自家接種です。特に性的接触による陰部への感染は、大人特有の感染経路として重要視されています。

🏥 大人の水いぼの症状と特徴

水いぼの症状は子どもと大人でほぼ共通していますが、大人の場合はできる部位に特徴があります。

外見的には、直径2〜5mm程度の半球状に盛り上がった小さなイボが特徴です。表面はなめらかで光沢があり、中央に臍(へそ)のような小さなくぼみがあることが多いです。色は皮膚と同じ肌色から淡いピンク色、白みがかった色をしていることが多く、中に白っぽい内容物(ウイルスを含む組織)が詰まっています。

自覚症状としては、多くの場合かゆみはほとんどありませんが、炎症を起こした場合には赤みや痛みを伴うこともあります。アトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある方では、皮膚のかゆみが強く、掻くことでウイルスが広がりやすい状態になっていることがあります。

大人の場合、水いぼができやすい部位として以下が挙げられます。

  • 陰部・鼠径部・下腹部(性的接触が主な感染経路の場合)
  • 脇の下・肘の内側・膝の裏(皮膚が擦れやすい部分)
  • 顔・首・体幹(直接接触や自家接種による場合)

陰部周辺に水いぼができた場合、尖圭コンジローマ(HPVによるイボ)や単純ヘルペスなど他の性感染症と見た目が似ていることがあるため、自己判断せずに皮膚科を受診することが重要です。

病変の数は個人差が大きく、数個のみの場合もあれば、数十個以上に広がることもあります。免疫力が低下した状態では特に広がりやすく、巨大な水いぼが形成されることもあります。

⚠️ 子どもの水いぼとの違い

水いぼは子どもに多いイメージがありますが、大人と子どもでは感染経路や発症部位、経過にいくつかの違いがあります。

まず感染経路についてですが、子どもの場合はプールや幼稚園・保育園など集団生活の場での接触感染が多く見られます。一方、大人では性的接触が感染経路となるケースが多く、発症部位も陰部や鼠径部に多い傾向があります。

発症年齢については、水いぼは2〜12歳の小児に多く、特に幼稚園・小学校低学年の時期にピークがあります。大人では比較的まれですが、性的活動が活発な20〜40代に多く見られます。また、高齢になって免疫力が低下した方や、基礎疾患による免疫抑制状態の方にも発症することがあります。

自然治癒の傾向については、子どもの場合は免疫が発達することで自然治癒することが多く、数ヶ月から1〜2年で消えることがあります。大人の場合も自然治癒は起こりますが、免疫機能の低下がある場合には長期間にわたって持続したり、広がったりするリスクがあります。

また、大人の水いぼは性感染症としての側面もあるため、パートナーへの感染予防の観点からも早期の対処が重要です。子どもの場合と違い、感染部位が陰部である場合は特にデリケートな問題となるため、医療機関での適切な診断と治療が勧められます。

🔍 水いぼになりやすい人の特徴

水いぼは誰にでも感染する可能性がありますが、特になりやすい人には共通した特徴があります。自分が当てはまるかどうか確認してみましょう。

💧 アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方

アトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が低下しているためウイルスが侵入しやすい状態にあります。また、かゆみによる掻破(そうは)行為が自家接種による拡大を助長するため、水いぼが広範囲に広がりやすい傾向があります。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、水いぼの個数が多く、治療にも時間がかかることが多いです。

✨ 免疫が低下している方

免疫抑制剤(ステロイドの全身投与、臓器移植後の免疫抑制療法など)を使用している方や、HIV感染症・白血病などの基礎疾患によって免疫機能が低下している方は、水いぼが重症化・難治化しやすいとされています。このような方では、非常に大きな水いぼ(直径1cm以上に及ぶことも)が形成されるケースも報告されています。

📌 過労・ストレスが続いている方

慢性的な睡眠不足や仕事上のストレス、栄養の偏りなどが続いている方は、免疫機能が一時的に低下した状態になりやすく、感染症に対する抵抗力が弱まります。ウイルス感染に対しては特に細胞性免疫が重要な役割を果たしており、ストレスはこの機能に悪影響を与えることが知られています。

▶️ 皮膚が乾燥しやすい方

皮膚の乾燥は角質層のバリア機能を低下させます。特に秋冬の乾燥しやすい季節や、エアコンの効いた環境で長時間過ごす方は皮膚が乾燥しがちで、ウイルスの侵入を許しやすい状態になっています。保湿ケアを怠っている方は注意が必要です。

🔹 スポーツや格闘技をしている方

レスリング、柔道、サッカーなど皮膚の直接接触が多いスポーツや、水泳など共用施設を利用するスポーツを行っている方は、感染の機会が多くなります。特に皮膚に傷がある状態でのスポーツは感染リスクを高めます。

Q. 水いぼを放置するとどうなりますか?

水いぼを放置すると、自家接種によって病変が体の他の部位へ広がり、数が大幅に増えるリスクがあります。掻いた際に二次的な細菌感染が起こり、赤みや痛みが生じることもあります。また家族やパートナーへの感染リスクも高まるため、早めに皮膚科を受診することが推奨されます。

📝 大人の水いぼの診断方法

水いぼの診断は、多くの場合は視診(目で見て確認する診察)によって行われます。特徴的な外観(中央にへそのようなくぼみを持つ半球状の小丘疹)があれば、皮膚科医による視診で診断が可能です。

ただし、大人の場合、特に陰部周辺に発症した場合は他の皮膚疾患や性感染症との鑑別が必要になることがあります。鑑別が必要な主な疾患として以下が挙げられます。

  • 尖圭コンジローマ(ヒトパピローマウイルスによるイボ)
  • 単純ヘルペス(ヘルペスウイルスによる水疱・びらん)
  • 皮膚線維腫(良性の皮膚腫瘍)
  • 汗管腫(汗腺由来の良性腫瘍)
  • 稗粒腫(ひりゅうしゅ)
  • 脂漏性角化症(加齢性イボ)

視診だけでは判断が難しい場合には、ダーモスコピー(皮膚鏡)を用いた拡大観察が行われることがあります。ダーモスコピーでは、水いぼの特徴的な内部構造(白色の葉状構造や中央のくぼみなど)を確認することができ、診断精度が向上します。

さらに確定診断が必要な場合には、組織生検(皮膚の一部を取り出して顕微鏡で検査する方法)が行われることもありますが、実際には視診とダーモスコピーで診断がつくことがほとんどです。

大人で陰部に水いぼが見られる場合には、HIVを含む他の性感染症の検査も併せて受けることが勧められる場合があります。水いぼ単独の検査では他のSTIは分かりませんので、リスクがある場合は医師に相談することが大切です。

💡 大人の水いぼの治療法

水いぼの治療方法は複数あり、患者さんの状態や病変の数・部位・年齢・基礎疾患の有無などを考慮して選択されます。大人の場合は子どもと比べて自然治癒が遅いことや、性感染症としての側面があることから、積極的な治療が選択されることが多い傾向があります。

📍 ピンセット(摘除法)による物理的除去

最も一般的な治療法が、先端の細いピンセットを使って水いぼの内容物を取り出す「摘除法」です。専用のトラコーマ鑷子(せっし)を使って病変を一つずつ摘み取っていきます。この方法は確実性が高く、即効性がありますが、処置時に痛みを伴います。

大人の場合、痛みに対して麻酔テープ(リドカイン含有テープ)を処置前に貼付して局所麻酔を行ってから摘除するケースが多いです。病変の数が多い場合には複数回に分けて治療が行われます。処置後は出血や一時的な赤みが生じることがありますが、多くは数日で回復します。

💫 液体窒素による冷凍凝固療法

液体窒素(約マイナス196度)を綿棒やスプレーで病変に当てて凍結させ、ウイルスに感染した細胞を破壊する方法です。いぼ治療全般に広く用いられており、水いぼにも効果があります。処置中は冷凍焼けのような痛みを感じることがあり、処置後に水疱(水ぶくれ)が生じることもあります。

1回の処置で全ての病変が消えることは少なく、2〜4週間ごとに複数回の治療が必要になることが一般的です。痕(あと)が残る可能性はピンセット法よりも低いとされていますが、場合によっては色素沈着や瘢痕(はんこん)が残ることもあります。

🦠 外用薬による治療

薬を塗布して水いぼを治療する方法もあります。代表的なものとしては以下があります。

サリチル酸絆創膏やサリチル酸溶液は、角質を溶かす作用を持ち、水いぼの病変を徐々に小さくする効果があります。ただし、水いぼへの保険適用がある薬剤は限られているため、医師の判断のもとで使用されます。

カンタリジン(斑猫エキス)は、海外では広く使用されている水疱形成剤で、病変に塗布することで水疱を形成させてウイルスを排除する方法です。日本では保険適用外ですが、一部の医療機関で使用されています。

ポタッシウムヒドロキシド(水酸化カリウム)溶液も外用治療として使用されることがあります。これも日本では保険適用外ですが、有効性を示す研究があります。

👴 レーザー治療

炭酸ガスレーザーやパルス色素レーザーを使用して水いぼを焼灼(しょうしゃく)する方法もあります。病変が多数ある場合や、摘除法や冷凍凝固療法が困難な部位にある場合に選択されることがあります。精度が高く、一度で多くの病変を処置できる利点がありますが、保険適用外となることが多く、費用が高くなる場合があります。

🔸 経過観察(自然治癒を待つ)

病変の数が少なく、症状がほとんどない場合や、免疫が正常な状態であれば、積極的な治療を行わずに自然治癒を待つという選択肢もあります。水いぼは適切な免疫機能があれば、数ヶ月から数年のうちに自然消退することがあります。

ただし大人の場合、特に陰部の水いぼはパートナーへの感染のリスクがあるため、経過観察を選択する際はパートナーへの感染予防についても医師と相談することが重要です。

Q. 大人の水いぼにはどんな治療法がありますか?

大人の水いぼの主な治療法には、ピンセットで病変を摘み取る摘除法、液体窒素で凍結させる冷凍凝固療法、サリチル酸などの外用薬、レーザー焼灼の4種類があります。アイシークリニックでは病変の部位・数・患者の状態に応じて最適な治療法を提案しており、大人では自然治癒が遅いため積極的な治療が選ばれる傾向があります。

✨ 治療せずに放置するとどうなるか

水いぼは良性疾患であり、自然治癒することもあるため、「放置しても大丈夫では?」と思う方もいるかもしれません。確かに一定割合の方では自然に消退しますが、放置することにはいくつかのリスクも伴います。

まず、放置することで病変が広がる可能性があります。水いぼは自家接種によって体の他の部位に広がりやすく、掻いたり触ったりすることで数が増えていくことがあります。最初は数個だったものが数十個以上になることも珍しくありません。

次に、周囲の人への感染リスクが高まります。水いぼは接触感染するため、家族やパートナーへの感染を防ぐためにも早めの対処が望まれます。特に子どもへの感染は、集団生活(プールや学校)での広がりにつながる可能性があります。

また、水いぼが炎症を起こして化膿するケースもあります。掻いたり、衣類との摩擦で刺激を受けたりすることで、二次感染(細菌感染)が起こり、患部が赤く腫れて痛みが出ることがあります。このような状態になると抗菌薬による治療が必要になることもあります。

さらに、大人の陰部の水いぼは他の性感染症との鑑別が必要なケースもあるため、放置せずに早めに皮膚科を受診することが推奨されます。

なお、免疫機能が低下した方では自然治癒が期待できず、放置するとかえって悪化することがあります。このような方では特に積極的な治療が必要です。

📌 水いぼの予防策と日常生活の注意点

水いぼを予防するためには、ウイルスへの接触機会を減らすことと、皮膚と免疫機能の状態を良好に保つことが基本となります。以下に具体的な予防策と日常生活での注意点をまとめます。

💧 タオルや衣類の共有を避ける

水いぼウイルスはタオルや衣類などを介して感染することがあります。家族に水いぼの方がいる場合は、タオルや下着・衣類を共有しないようにしましょう。スポーツジムやプールなどの施設でも、個人のタオルを必ず使用するようにしてください。

✨ 皮膚の保湿ケアを行う

皮膚のバリア機能を維持するために、日常的な保湿ケアが重要です。特にアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方は、医師の指示に従って適切なスキンケアを継続することが、水いぼの感染予防にもつながります。入浴後は速やかに保湿剤を塗布するよう習慣づけましょう。

📌 免疫力を低下させない生活習慣を心がける

規則正しい生活リズム、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など、基本的な健康習慣が免疫機能の維持につながります。過度なストレスや慢性的な疲労は免疫機能を低下させるため、仕事と休養のバランスを意識することも大切です。

▶️ 性行為での感染予防

大人の陰部の水いぼは性的接触によって感染することが多いとされています。コンドームの使用である程度感染リスクを下げることができますが、コンドームが接触しない部位(鼠径部・下腹部・陰嚢・外陰部周辺など)には十分な予防効果がない場合もあります。パートナーに水いぼが見られる場合は、皮膚科への受診を促すとともに、治癒するまでの間は性行為を控えるか、感染リスクを最小限に抑える対策をとることが大切です。

🔹 水いぼを触らない・掻かない

既に水いぼがある場合は、患部を触ったり掻いたりしないようにすることが重要です。掻くことで病変内のウイルスが体の他の部位や他の人に広がる可能性があります。かゆみが強い場合は皮膚科医に相談して、かゆみを抑える外用薬を処方してもらうことも検討してください。

📍 プールや温泉施設利用時の注意

水いぼがある状態でのプール利用については、プール施設のルールや状況によって対応が異なりますが、できるだけ患部を水着や防水テープなどで覆い、他の利用者への感染機会を減らす配慮が必要です。医師の指示に従って治療を進めながら、利用の可否を判断してください。

💫 早期受診・早期治療

気になる皮膚の変化に気づいたら、早めに皮膚科を受診することが最善の予防策のひとつです。水いぼが少数のうちに適切に治療することで、広がりや他者への感染を防ぐことができます。特に大人の陰部・鼠径部の場合は、他の性感染症との鑑別も含めて早期受診が重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「水いぼは子どもの病気」というイメージから受診をためらっていた大人の患者様が、症状が広がってから来院されるケースも少なくありません。特に陰部や鼠径部に生じた場合は他の性感染症との鑑別が重要であり、自己判断せずお早めにご相談いただくことをお勧めします。免疫力の低下や皮膚バリア機能の状態が発症に深く関わっているため、治療と並行して日々のスキンケアや生活習慣の見直しも丁寧にアドバイスさせていただいております。」

🎯 よくある質問

大人でも水いぼになることはありますか?

はい、大人でも水いぼに感染することがあります。特に免疫力が低下している方や、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が弱まっている方は発症しやすい傾向があります。大人の場合は性的接触による感染も多く、陰部や鼠径部に発症するケースも見られます。

大人の水いぼはどこにできやすいですか?

大人の場合、性的接触が感染経路となることが多いため、陰部・鼠径部・下腹部に発症しやすい傾向があります。また、脇の下・肘の内側・膝の裏など皮膚が擦れやすい部位や、自家接種によって顔・首・体幹にできることもあります。陰部周辺の場合は他の性感染症との鑑別も必要です。

水いぼを放置するとどうなりますか?

放置すると、自家接種によって病変が体の他の部位へ広がったり、数が増えたりするリスクがあります。また、掻いて二次感染(細菌感染)が起こると赤く腫れて痛みが出ることもあります。さらに家族やパートナーへの感染リスクも高まるため、早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。

大人の水いぼの治療法にはどのようなものがありますか?

主な治療法として、ピンセットで病変を取り除く「摘除法」、液体窒素で凍結させる「冷凍凝固療法」、薬を塗布する「外用薬治療」、レーザーによる焼灼などがあります。当院では患者さんの病変の部位・数・状態に応じて最適な治療法をご提案しています。大人では自然治癒が遅いため、積極的な治療が選ばれることが多い傾向があります。

水いぼの感染を予防するにはどうすればよいですか?

タオルや衣類の共有を避けること、日常的な保湿ケアで皮膚のバリア機能を維持すること、十分な睡眠・バランスの良い食事など免疫力を低下させない生活習慣を心がけることが基本です。陰部の水いぼはコンドームである程度リスクを下げられますが、完全ではないため、パートナーに症状がある場合は当院へお早めにご相談ください。

📋 まとめ

水いぼは子どもだけの病気ではなく、大人でも発症することがあります。大人が水いぼになる原因の中心にあるのは、伝染性軟属腫ウイルスへの感染と、それを許してしまう免疫力の低下や皮膚バリア機能の低下です。性的接触による感染も大人特有の感染経路として重要であり、陰部に発症した水いぼは性感染症として扱われることもあります。

症状は特徴的な半球状のイボで、中央のへそのようなくぼみが診断の手がかりになります。しかし自己判断は禁物で、尖圭コンジローマや単純ヘルペスなど他の疾患との鑑別が必要なケースもあるため、気になる症状があれば皮膚科を受診するようにしましょう。

治療法はピンセットによる摘除法、液体窒素による冷凍凝固療法、外用薬、レーザーなど複数の選択肢があります。病変の部位・数・患者の状態に応じて最適な治療法が選ばれます。

予防のためには、皮膚の保湿ケアを続けること、タオルや衣類の共有を避けること、十分な睡眠・食事・運動による免疫力の維持が基本です。既に症状がある方は早めの受診で適切な治療を受けることが、自分自身と周囲の人を守ることにつながります。

アイシークリニック東京院では、水いぼをはじめとする皮膚の感染症に関するご相談を承っております。「これは水いぼかもしれない」「パートナーへの感染が心配」「治療法について詳しく聞きたい」という方は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 伝染性軟属腫(水いぼ)の診断基準・治療法・性感染症としての位置づけに関するガイドライン情報
  • 国立感染症研究所 – 伝染性軟属腫ウイルス(MCV)の種類・感染経路・疫学情報および感染症としての基本的特徴
  • CDC(米国疾病予防管理センター) – 水いぼの原因ウイルス・感染経路・免疫低下との関連・治療選択肢に関する国際的な医療機関の公式情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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