
生まれつきの大きいほくろ、放っておいて本当に大丈夫?
💬 「これってがんになるの?」「手術したほうがいい?」…そんな不安、ありますよね。
実は、生まれつきのほくろ(医学的には「先天性色素性母斑」)は、後天的なほくろとはまったく別物。サイズによっては悪性黒色腫(メラノーマ)への移行リスクが最大10%に達することもあります。
この記事を読めば、「自分のほくろが危険かどうか」「いつ病院に行けばいいか」が明確にわかります。
⚠️ 読まないまま放置すると、発見が遅れて取り返しのつかないことになるリスクも。
目次
- 📌 生まれつきの大きいほくろとは何か
- 📌 先天性色素性母斑の分類とサイズの目安
- 📌 生まれつきの大きいほくろができる原因
- 📌 大きいほくろに伴うリスクと注意すべき症状
- 📌 悪性黒色腫(メラノーマ)との関係
- 📌 子どもの大きいほくろ:いつ受診すべきか
- 📌 医療機関での診断方法
- 📌 大きいほくろの治療法
- 📌 治療を受ける際のタイミングと注意点
- 📌 日常生活でのセルフチェック方法
- 📌 まとめ
💡 この記事のポイント
生まれつきの大きいほくろ(先天性色素性母斑)はサイズにより悪性黒色腫リスクが異なり、大型(20cm以上)では生涯リスクが5〜10%に達する。専門医による定期的な経過観察と早期相談が重要。
💡 1. 生まれつきの大きいほくろとは何か
ほくろは医学的に「色素性母斑(melanocytic nevus)」と呼ばれ、皮膚にあるメラノサイト(色素細胞)が集まって形成された良性の病変です。出生時または生後まもない時期から存在するほくろは「先天性色素性母斑」と分類されます。生後すぐに目立つものもあれば、生後数カ月のうちに徐々に明確になってくるものもあります。
一般的なほくろは直径数ミリ程度のものが多いですが、先天性色素性母斑の中には直径1センチを超えるものや、中には体の広範囲にわたるものまで存在します。特に大きなものは外見上の問題だけでなく、健康上のリスクも考慮する必要があります。
後天性のほくろは思春期以降に紫外線の影響や皮膚への刺激などで徐々に増えていくものが多いのに対し、先天性のものは胎児期の発生段階においてメラノサイトの遊走(移動)に何らかの異常が生じた結果できると考えられています。この点で、先天性色素性母斑は後天性のほくろとは根本的に異なる成り立ちを持っています。
Q. 先天性色素性母斑はサイズでどう分類される?
先天性色素性母斑は直径1.5cm未満の「小型」、1.5〜20cm未満の「中型」、20cm以上の「大型(巨大先天性色素性母斑)」の3種類に分類されます。サイズが大きいほど悪性化リスクや神経系への影響リスクが高まるため、分類は治療方針を決める重要な指標となります。
📌 2. 先天性色素性母斑の分類とサイズの目安
先天性色素性母斑はサイズによって大きく3つに分類されます。この分類は将来的なリスクや治療方針を考えるうえで重要な指標となります。
まず「小型(小型先天性色素性母斑)」は、直径が1.5センチ未満のものを指します。外見上はやや大きめのほくろとして見えることが多く、多くの場合は定期的な経過観察が推奨されます。
次に「中型(中型先天性色素性母斑)」は、直径が1.5センチから20センチ未満のものです。このカテゴリーに入るほくろは見た目上も存在感があり、色や形にバリエーションがあることが多いです。悪性化リスクや整容的な問題から、医療機関での精査が強く推奨されます。
そして「大型(巨大先天性色素性母斑)」は、直径20センチ以上のものを指します。英語では「Giant Congenital Melanocytic Nevus(GCMN)」と呼ばれ、体幹部や頭部を広く覆うものも存在します。このタイプは悪性化のリスクが最も高く、また神経系への影響(神経皮膚黒色症)なども懸念されます。
なお、これらの分類の境界値については研究者によって若干の違いがありますが、上記はおおむね国際的に用いられている分類基準に沿ったものです。大切なのは、サイズが大きいほどリスクが高まる傾向にあるということです。
✨ 3. 生まれつきの大きいほくろができる原因
先天性色素性母斑がなぜできるのかについては、現在も研究が続いていますが、そのメカニズムの多くが明らかになってきています。
胎児の発生過程において、皮膚の色素を作るメラノサイトは「神経堤(しんけいてい)」と呼ばれる部分から生まれ、皮膚へと移動していきます。この移動の過程で何らかのエラーが生じ、特定の場所にメラノサイトが過剰に集積したり、異常増殖したりすることで先天性色素性母斑が形成されると考えられています。
遺伝子レベルでは、NRAS遺伝子やBRAF遺伝子などの変異が関連していることが報告されています。特にNRAS遺伝子の変異は大型の先天性色素性母斑に多く見られることが研究によって示されています。ただし、これらの遺伝子変異が必ずしも遺伝するわけではなく、体細胞レベルでの変異(ソマティック変異)として胎児期に偶発的に起こることがほとんどです。
親から子への遺伝という形で受け継がれるケースは非常にまれであり、多くの場合は家族に同様のほくろがいなくても先天性色素性母斑が生じることがあります。妊娠中の母親の生活習慣や環境要因との関連は今のところ明確には証明されておらず、「何かをしたからほくろができた」という単純な因果関係はないと考えるのが医学的に適切です。
Q. 生まれつきのほくろができる原因は何?
先天性色素性母斑は、胎児期にメラノサイトが神経堤から皮膚へ移動する過程で異常が生じ、特定部位に過剰集積することで形成されます。NRAS遺伝子などの体細胞レベルの変異が関与しており、親からの遺伝はまれです。妊娠中の生活習慣との明確な因果関係は現時点では証明されていません。
🔍 4. 大きいほくろに伴うリスクと注意すべき症状
生まれつきの大きいほくろには、いくつかのリスクが伴います。最も注意が必要なのは悪性黒色腫(メラノーマ)への移行リスクですが、それ以外にも心理社会的な影響や神経系の問題なども考慮する必要があります。
まず身体的なリスクとして、大型の先天性色素性母斑では皮膚のみならず、皮下組織や脂肪組織にまでメラノサイトが存在することがあります。これにより、病変部位の皮膚が通常より硬くなったり、毛が密に生えたりすることもあります。
神経皮膚黒色症(neurocutaneous melanocytosis)は、大型の先天性色素性母斑に合併しうる状態で、脳や脊髄などの中枢神経系にもメラノサイトが浸潤している場合を指します。このような場合、頭痛やてんかん発作、水頭症など神経学的な症状が現れることがあります。すべての大型先天性色素性母斑にこの合併症があるわけではありませんが、特に頭部・体幹部に大型のほくろがある場合や、複数の衛星母斑(周囲に散在する小型のほくろ)を伴う場合には注意が必要です。
次に心理社会的なリスクも無視できません。顔や手足など目立つ部位に大きなほくろがある場合、子どもが成長する過程で外見に関するコンプレックスを持ったり、いじめなどの対人関係の問題を経験したりすることがあります。こうした心理的な影響は本人の生活の質に直結するため、医療的な対応とあわせて心理的なサポートも重要です。
注意すべき症状としては、以下のような変化が挙げられます。ほくろの色が変わった(特に濃くなった、一部が異なる色になった)、形や輪郭が変化した、急激に大きくなってきた、出血・じくじく・かさぶたができるようになった、かゆみや痛みが生じた、といった変化があった場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。
💪 5. 悪性黒色腫(メラノーマ)との関係
大きいほくろが生まれつきある場合に多くの方が最も気にするのが、メラノーマへの移行リスクではないでしょうか。ここでは現在の医学的知見に基づいて、そのリスクについて正確にお伝えします。
メラノーマは皮膚がんの一種で、メラノサイトが悪性化することで生じます。先天性色素性母斑からメラノーマが発生するリスクは、母斑のサイズに比例して高くなる傾向があります。
小型の先天性色素性母斑(直径1.5センチ未満)からメラノーマが発生するリスクは非常に低く、後天性のほくろとほぼ変わらないか、やや高い程度とされています。一般人口における生涯のメラノーマ発症リスクは約1〜2%程度とされており、小型先天性色素性母斑ではそれよりわずかに高い程度と考えられています。
中型の先天性色素性母斑(直径1.5〜20センチ未満)では、研究によってリスクの推定値にばらつきがありますが、小型よりはリスクが高いとされています。定期的な皮膚科での経過観察が推奨されます。
大型の先天性色素性母斑(直径20センチ以上)では、メラノーマ発症リスクが最も高くなります。複数の研究をまとめたデータでは、大型先天性色素性母斑からメラノーマが発生するリスクは生涯で5〜10%程度と推定されており、一般人口よりも明らかに高いとされています。また、小さな子どものうちに発生するケースもあることから、幼少期からの定期的な医療管理が特に重要です。
ただし、これらのリスク数値はあくまでも統計的な推定値であり、すべての大きなほくろが必ずメラノーマになるわけではありません。多くの先天性色素性母斑は生涯を通じて良性のまま経過します。大切なのは、リスクを正しく理解したうえで専門医による定期的な観察を受けることです。
メラノーマが疑われる変化として、皮膚科学でよく使われる「ABCDEルール」が参考になります。A(Asymmetry:非対称性)、B(Border:境界の不規則性)、C(Color:色の不均一性)、D(Diameter:直径6ミリ以上)、E(Evolution:変化・進行)のいずれかに当てはまる変化があれば、早めに皮膚科を受診してください。

🎯 6. 子どもの大きいほくろ:いつ受診すべきか
お子さんに生まれつき大きなほくろがある場合、親御さんとしていつ・どこに受診すれば良いかは非常に気になるところです。
出生時にすでに目立つ大きさのほくろが確認された場合は、生後数カ月以内に小児科もしくは皮膚科を受診することが推奨されます。特に大型(直径20センチ以上)のものや、頭部・背部に存在するもの、周囲に衛星母斑が多数ある場合は、神経皮膚黒色症の有無を確認するため、MRI検査などを行うことがあります。
中型のほくろがある場合も、遅くとも就学前には皮膚科専門医の診察を受け、今後の経過観察や治療の計画を立てることが望ましいとされています。ほくろの性質や部位によっては、小児期のほうが治療を行いやすいケースもあるためです。
小型のほくろでも、急激な変化(大きくなる・色が変わる・形が変わるなど)が見られた場合は早期に受診してください。
受診先としては、皮膚科専門医(特にダーモスコピーなどの専門機器を備えているクリニックや病院)が適しています。大型の場合は形成外科との連携が必要になることもあります。かかりつけの小児科医に相談したうえで適切な専門科への紹介を受けることも一つの方法です。
Q. 大型の先天性色素性母斑のメラノーマリスクは?
直径20cm以上の大型先天性色素性母斑からメラノーマ(悪性黒色腫)が発生する生涯リスクは、複数の研究データに基づき5〜10%程度と推定されており、一般人口より明らかに高い水準です。ただし多くは良性のまま経過するため、専門医による定期的な経過観察を継続することが最も重要な対策となります。
💡 7. 医療機関での診断方法
大きいほくろの診断には、視診だけでなく複数の検査方法が用いられます。
まず「ダーモスコピー(dermoscopy)」は、皮膚病変を10〜100倍程度に拡大して観察できる専用の機器を用いた検査です。肉眼では見えない色素の分布パターンや血管構造などを確認することができ、良性・悪性の鑑別に非常に有用です。痛みはなく、多くの皮膚科クリニックで実施されています。
次に「病理組織検査(生検)」は、ほくろの一部または全部を切除し、顕微鏡でその細胞の性質を詳しく調べる検査です。良性か悪性かを最終的に確定するためには、この組織検査が最も信頼性の高い方法です。局所麻酔を使用して行われるため、痛みへの配慮がなされます。
大型の先天性色素性母斑で神経系への影響が心配される場合には、「MRI(磁気共鳴画像)検査」が行われることがあります。特に脳や脊髄におけるメラノサイトの浸潤(神経皮膚黒色症)の有無を確認するために使用されます。小さなお子さんの場合、検査中に動かないようにするために鎮静剤を使用することがあります。
近年では「リフレクタンス・コンフォーカル顕微鏡(RCM)」という、皮膚を切らずに細胞レベルの観察が可能な非侵襲的な検査技術も開発されており、一部の専門施設で導入が始まっています。
また「写真による記録と経過観察」も重要な管理方法の一つです。ほくろの状態を定期的に写真で記録することで、長期的な変化を客観的に評価することができます。デジタルダーモスコピーを用いることで、より精密な画像比較が可能になっています。
📌 8. 大きいほくろの治療法
生まれつきの大きいほくろに対する治療法は、ほくろのサイズ・部位・深さ・患者さんの年齢や全身状態、そして本人や家族の希望などを総合的に考慮して決定されます。治療の目的は大きく分けて、悪性化の予防・早期発見、整容的な改善、そして心理的な負担の軽減です。
治療を行わず、定期的な経過観察のみを選択するケースもあります。特に小型の先天性色素性母斑で変化がなく、悪性化のリスクが低い場合は、積極的な治療よりも慎重な観察が優先されることがあります。
外科的切除は、先天性色素性母斑の根本的な治療法として最も確実な方法です。ほくろを皮膚ごと切り取り、縫合する方法で、切除した組織は必ず病理検査に出されます。小型・中型のほくろであれば比較的シンプルな手術で対応できますが、大型の場合は一度の手術で全切除できないことも多く、複数回に分けて段階的に切除する方法がとられることがあります。また、皮膚の欠損が大きい場合は植皮術(皮膚移植)や皮弁形成術などの再建手術が必要になることもあります。
レーザー治療は、皮膚への侵襲が少なく整容面で優れた結果が期待されますが、ほくろの深部にまで届かないため完全な除去が難しいというデメリットがあります。また、病変が残存している場合にその後の変化を観察しにくくなるという問題もあります。特に悪性化リスクが高い大型の先天性色素性母斑にはレーザーだけでの対応には限界があり、外科的切除と組み合わせて使用されることが多いです。Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーなど、いくつかの種類のレーザーが使用されます。
「削皮術(dermabrasion)」は皮膚の表面を削ることで母斑を薄くする手技で、生後早期(生後数週間以内)に行われることがあります。この時期の皮膚は再生能力が高く、比較的良好な整容的結果が得られやすいとされています。ただしこの方法でも深部の母斑細胞を完全には除去できないため、リスクの低減効果については議論があります。
「組織拡張術(tissue expansion)」は、皮膚の下にバルーン(エキスパンダー)を挿入して徐々に膨らませることで皮膚を伸ばし、余分な皮膚を作り出してから母斑の切除・再建を行う方法です。大型の母斑を切除した後の皮膚欠損を補うために用いられることがあります。複数回の手術が必要ですが、植皮と比べて皮膚の色調や質感が周囲に近くなるという利点があります。
治療法の選択は非常に個別性が高く、一概に「この方法が最善」とは言えません。皮膚科・形成外科の専門医による詳細な評価と、本人・家族との十分な話し合いのもとで決定されるべきものです。
Q. ほくろのセルフチェックで注意すべき変化は?
日常的なセルフチェックでは「ABCDEルール」が参考になります。色が濃くなった・まだら状になった、輪郭が不規則になった、急に大きくなった、出血やじくじくが生じた、かゆみや痛みが出たといった変化が受診の目安です。月1回スマートフォンで写真記録すると変化を客観的に比較しやすくなります。
✨ 9. 治療を受ける際のタイミングと注意点
先天性色素性母斑の治療タイミングについては、専門家の間でも議論があります。一般的な考え方をご紹介します。
小児期(特に幼児期)に治療を行うメリットとしては、まず傷の治りが良いことが挙げられます。子どもの皮膚は再生能力が高く、手術後の瘢痕(傷跡)が成人よりも目立ちにくくなる傾向があります。また、幼いうちに治療を済ませることで、外見に関するコンプレックスを持つ時期を短くできる可能性があります。さらに、記憶に残りにくい時期に治療を行うことで、心理的なトラウマになりにくいという考え方もあります。
一方で、小児期の全身麻酔や手術には独自のリスクもあり、お子さんの体への負担を考慮する必要があります。また、ほくろ自体は年齢とともに変化することがあるため、ある程度成長を待ってから治療方針を見直したほうが良いケースもあります。
成人になってから治療を受ける場合のメリットとしては、全身麻酔のリスクが下がること、本人が治療の内容を十分に理解して同意できること、そしてほくろの性状が安定してきた段階での判断が可能なことなどが挙げられます。
治療にあたっての注意点として、大型の先天性色素性母斑の管理は一つの専門科だけでは対応できない場合があります。皮膚科・形成外科を中心に、必要に応じて小児科・神経内科・精神科・心理士などが連携した多職種チームによるアプローチが求められます。
また、治療後も定期的な経過観察は継続して行う必要があります。外科的切除を行った場合でも、取り残しや再発、あるいは別の部位からの悪性化の可能性はゼロではないため、手術後の定期検診は欠かせません。
治療費についても事前に医療機関に確認することをおすすめします。先天性色素性母斑の治療は、病変の性質や医療機関によって保険適用になる場合と自由診療になる場合があります。特に整容目的と判断された場合は自由診療扱いとなることが多く、費用は大きく異なります。
🔍 10. 日常生活でのセルフチェック方法

医療機関での定期的な診察に加えて、日常生活の中での自己観察(セルフチェック)も非常に重要です。変化に早期に気づくことが、万が一の際の早期発見・早期治療につながります。
月に1回程度、入浴後など皮膚が見やすい状態のときに全身の皮膚を確認する習慣をつけましょう。背中など自分では見えにくい部位は、手鏡と全身鏡を組み合わせて確認する方法や、家族に見てもらう方法が有効です。
先述のABCDEルールに照らしながら観察することが基本です。特に注意したいのは「E(Evolution:変化)」です。以前と比べて何かが変わった、という気づきが受診のきっかけになります。スマートフォンで定期的に写真を撮っておくことで、変化を客観的に比較しやすくなります。
具体的にチェックすべき変化としては、色が変わった(特定の部分が黒く濃くなった、まだら状になった)、輪郭が不規則になってきた、急に大きくなってきた気がする、盛り上がりが出てきた、表面がじくじく・かさかさになってきた、触ると痛い・かゆい、出血した、などが挙げられます。これらの変化は、慌てる必要はありませんが、なるべく早めに皮膚科専門医に相談するサインです。
紫外線対策も日常的に行うことが大切です。紫外線はメラノマの発症リスクを高めることが知られており、先天性色素性母斑がある場合はなおさら日焼け止めの使用や衣類・帽子による物理的な遮光を心がけましょう。ただし、日焼け止めを塗ることで観察が難しくなることがあるため、塗る前のチェックを習慣化すると良いでしょう。
お子さんの場合は、親御さんが定期的に観察を行い、気になる変化があれば迷わず受診することが大切です。「気のせいかもしれない」と思っても、専門医に確認することで安心が得られます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、生まれつきの大きなほくろについてご不安を抱えてご来院される患者様やご家族が多く、「放っておいて大丈夫なのか」というご心配の声を日々お聞きしています。先天性色素性母斑はそのサイズや部位によってリスクや対応が大きく異なるため、まずは専門医による丁寧な評価を受けていただくことが、安心への第一歩となります。過度に心配しすぎる必要はありませんが、早めにご相談いただくことで、お一人おひとりに合った管理計画をご提案できますので、気になることがあればどうぞお気軽にお越しください。」
💪 よくある質問
生まれつきのほくろ(先天性色素性母斑)は、胎児期にメラノサイトが皮膚へ移動する過程で異常が生じてできるものです。一方、後天性のほくろは思春期以降に紫外線や皮膚への刺激で徐々に増えるものです。成り立ちが根本的に異なり、先天性はサイズが大きくなるほど医学的なリスクも高まる傾向があります。
サイズによって異なります。小型(1.5cm未満)は一般の方とほぼ同程度のリスクです。大型(20cm以上)になると、生涯でメラノーマ(悪性黒色腫)が発生するリスクは5〜10%程度と推定されており、一般人口より明らかに高くなります。ただし多くの場合は良性のまま経過するため、専門医による定期的な経過観察が重要です。
出生時から目立つ大きさのほくろがある場合は、生後数カ月以内に小児科または皮膚科への受診が推奨されます。特に直径20cm以上のものや頭部・背部にあるものは、神経系への影響を確認するためMRI検査が必要になることもあります。中型の場合も遅くとも就学前には皮膚科専門医への相談をお勧めします。
主な治療法として、①外科的切除(最も確実な方法)、②レーザー治療(侵襲が少ないが深部への効果に限界あり)、③削皮術(生後早期に行うことがある)、④組織拡張術(大型切除後の皮膚再建に使用)などがあります。また経過観察のみを選択するケースもあります。治療法は部位・サイズ・年齢などを考慮して専門医と十分相談のうえ決定します。
「ABCDEルール」を参考にセルフチェックしましょう。具体的には、色が濃くなったり不均一になった、輪郭が不規則になった、急に大きくなった、盛り上がりや出血・じくじくが出てきた、かゆみや痛みが生じた、といった変化が目安です。月に1回程度、スマートフォンで写真を撮って記録しておくと変化に気づきやすくなります。気になる変化があれば、当院へお気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
生まれつきの大きいほくろ(先天性色素性母斑)は、そのサイズや部位によってリスクが異なります。小型のものは後天性のほくろとほぼ変わらないリスクですが、中型・大型になるにつれてメラノーマへの移行リスクや神経系への影響など、医学的な注意が必要な点が増えてきます。
最も大切なのは、過度に心配しすぎず、しかし適切に医療機関でのフォローを受けることです。生まれつき大きなほくろがあることが分かったら、できるだけ早めに皮膚科専門医に相談し、リスクの評価と今後の管理計画を立ててもらうことをおすすめします。
治療が必要かどうかは個々の状況によって大きく異なります。外科的切除・レーザー治療・経過観察など、それぞれにメリット・デメリットがあるため、専門医との十分な相談のもとで判断することが重要です。また、治療を行った後も定期的な経過観察を続け、日常的なセルフチェックの習慣を維持することが、長期的な健康管理につながります。
アイシークリニック東京院では、生まれつきのほくろに関するご相談にも対応しております。ほくろの性質や状態を詳しく評価し、お一人おひとりの状況に合わせた適切なアドバイスと治療法をご提案いたします。気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 先天性色素性母斑(生まれつきのほくろ)の定義・分類・悪性黒色腫(メラノーマ)との関係・診断基準(ABCDEルール)・経過観察の指針に関する専門的情報
- 日本形成外科学会 – 先天性色素性母斑に対する外科的切除・植皮術・組織拡張術・削皮術などの治療法および形成外科的アプローチに関する情報
- PubMed – 巨大先天性色素性母斑(GCMN)におけるメラノーマ発症リスク・NRAS遺伝子変異・神経皮膚黒色症に関する国際的な臨床研究・統計データ
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務