
「かかとがカサカサしてひび割れている」「白くなってボロボロ剥がれる」そんな症状に悩んでいませんか。かかとの皮膚トラブルの中でも、実は水虫(白癬菌による感染症)が原因となっているケースは少なくありません。かゆみが少ないため気づきにくく、「ただの乾燥肌だろう」と放置してしまう方が多いのも特徴です。この記事では、かかと水虫の症状を詳しく説明するとともに、他の皮膚疾患との見分け方、原因、治療法について分かりやすく解説します。正確な情報をもとに、適切なケアや受診の判断に役立ててください。
目次
- かかと水虫とは?基礎知識を整理しよう
- かかと水虫の症状を画像でイメージする
- 水虫の種類と「角質増殖型」の特徴
- かかと水虫と間違えやすい皮膚疾患
- かかと水虫の原因と感染経路
- かかと水虫になりやすい人・なりにくい人
- かかと水虫の診断方法
- かかと水虫の治療法
- かかと水虫のセルフケアと予防法
- いつ皮膚科を受診すべきか
- まとめ
この記事のポイント
かかと水虫(角質増殖型足白癬)はかゆみが少なく乾燥肌と混同されやすいが、皮膚科での顕微鏡検査で確定診断でき、抗真菌薬を2〜6ヶ月継続することで改善が期待できる。
🎯 1. かかと水虫とは?基礎知識を整理しよう
水虫は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビの一種)が皮膚に感染することで起こる皮膚疾患です。医学的には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれ、日本人の約5人に1人が感染していると言われるほど非常に一般的な病気です。
足の水虫には大きく分けて3つのタイプがあります。指の間に生じる「趾間型(しかんがた)」、小さな水ぶくれが繰り返しできる「小水疱型(しょうすいほうがた)」、そして足の裏やかかと全体が厚くなってひび割れる「角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)」です。かかとに多く見られるのは、この角質増殖型です。
角質増殖型はかゆみを伴わないことが多いため、「乾燥しているだけ」と思い込んで受診しない方が非常に多くいます。しかし放置すると症状が悪化するだけでなく、家族や周囲の人への感染リスクも高まるため、早めに対処することが重要です。
Q. かかと水虫の主な症状は何ですか?
かかと水虫(角質増殖型足白癬)の主な症状は、かかとの皮膚が白く厚くなる、亀裂状のひび割れが生じる、皮膚が粉っぽく剥がれ落ちる、などです。かゆみがほとんどない点が大きな特徴で、乾燥肌と混同されやすく、気づかないまま放置されるケースが多くあります。
📋 2. かかと水虫の症状を画像でイメージする
実際の画像を見ると症状の特徴をより鮮明に把握できます。以下では、かかと水虫(角質増殖型)の典型的な見た目を言葉で詳しく説明します。皮膚科を受診する際や、自己チェックの参考にしてください。
🦠 かかとの皮膚が白く厚くなる
最もわかりやすい特徴の一つが、かかと全体が白っぽく厚みを増した状態です。角質層が異常に増殖するため、皮膚が分厚くなり、見た目にも明らかな変化が生じます。靴下を脱いだときにかかとが白く粉を吹いたように見える場合は、角質増殖型水虫の可能性があります。
👴 ひび割れ(亀裂)が生じる
皮膚が厚くなると柔軟性が失われ、歩くたびの圧力や摩擦によってひび割れが生じます。このひび割れは見た目が亀の甲羅のように深く刻まれた状態になることもあり、出血を伴うこともあります。痛みが出た段階でようやく気づく方も少なくありません。
🔸 皮膚が粉っぽく剥がれ落ちる
増殖した角質が剥がれ落ちる様子も、かかと水虫のサインです。靴下の裏側や床に白い粉のような皮膚の破片が付着していることがあります。この剥がれた皮膚の中に白癬菌が含まれているため、素足で床を歩いた家族に感染するリスクがあります。
💧 かかとの色が変わる
長期間放置すると、かかとの皮膚が黄みがかった色や灰白色に変化することがあります。また、角質の奥に汚れや細菌が入り込むと、茶色っぽく変色することもあります。全体的にくすんで見える場合も注意が必要です。
✨ かゆみはほとんどない
角質増殖型の特徴として、かゆみがほとんどない点が挙げられます。趾間型や小水疱型ではかゆみが強いことが多いのに対し、かかとに生じる角質増殖型ではかゆみが少ないため、症状に気づくまでに時間がかかるケースがほとんどです。
💊 3. 水虫の種類と「角質増殖型」の特徴
水虫の3つのタイプについて改めて整理しておきましょう。それぞれの症状の違いを理解することで、自分の状態がどのタイプに近いかを把握しやすくなります。
📌 趾間型(しかんがた)
足の指の間(特に薬指と小指の間)に生じるタイプです。皮膚が白くふやけてジュクジュクする、または赤くなってかゆみが強いのが特徴です。水虫の中で最もよく知られているタイプであり、初期には指の間がかゆい、皮膚が剥ける、白くふやけるといった症状から始まります。蒸れやすい夏に悪化しやすいです。
▶️ 小水疱型(しょうすいほうがた)
足の裏やふちに直径1〜2ミリ程度の小さな水ぶくれが多発するタイプです。強いかゆみを伴い、水ぶくれが破れた後は皮が剥けます。季節の変わり目に悪化しやすく、再発を繰り返すことが特徴です。
🔹 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
かかとを中心に足の裏全体の角質が厚くなり、白くなって剥がれ落ちるタイプです。前述の通り、かゆみがほとんどなく、乾燥と混同されやすいのが最大の特徴です。慢性的に進行し、気がつくと何年も放置していたというケースも少なくありません。また、爪の水虫(爪白癬)を合併していることが多く、爪が黄色く濁って厚くなるという変化を伴うことがあります。
角質増殖型は他の2タイプと比べて治りにくい傾向があります。皮膚が厚い分、外用薬が患部に浸透しにくいため、治療に時間がかかるのが特徴です。場合によっては内服薬が必要になることもあります。
Q. かかとの水虫と乾燥肌はどう見分けますか?
かかとの水虫と乾燥肌の違いを見分けるポイントは、保湿ケアへの反応と症状の左右差です。乾燥肌は保湿剤を数週間継続すると改善しやすく、両足に対称的に現れる傾向があります。一方、水虫は片足だけに症状が出ることもあり、保湿剤では改善しません。正確な判断には皮膚科での顕微鏡検査が必要です。
🏥 4. かかと水虫と間違えやすい皮膚疾患
かかとのひび割れやカサカサは、水虫以外の原因によって生じることも多くあります。自己判断で市販の水虫薬を使い続けると、正しい診断と治療が遅れることがあるため、他の疾患との違いを把握しておくことが大切です。
📍 乾燥性皮膚炎・踵皮膚炎
最も混同されやすいのが、単純な乾燥によるかかとのひび割れです。特に秋冬の乾燥した季節に多く見られ、保湿ケアによって改善することが多いのが特徴です。見た目は水虫と似ていますが、保湿剤を継続的に使っても症状が改善しない場合は、水虫を疑う必要があります。また、乾燥性皮膚炎は両足に対称的に現れることが多く、水虫は片足だけに現れることもあるという違いも参考になります。
💫 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏に膿を持った小さな水ぶくれ(膿疱)が繰り返しできる炎症性疾患です。扁桃炎や虫歯などの病巣感染が関係していると言われています。水ぶくれが特徴的であることから小水疱型水虫と混同されることがありますが、水虫薬では改善しません。皮膚科での正確な診断が必要です。
🦠 接触性皮膚炎(かぶれ)
靴の素材や靴下、洗剤などに触れてアレルギー反応が起きる接触性皮膚炎も、かかとに炎症や皮膚の変化を引き起こすことがあります。症状が始まった時期と新しい靴や洗剤の使用を開始した時期が一致する場合は、接触性皮膚炎を疑いましょう。
👴 乾癬(かんせん)
皮膚が赤くなり、その上に白い鱗屑(りんせつ)が付着する炎症性の皮膚疾患です。かかとや足の裏に生じることもあり、角質増殖型水虫と見た目が似ていることがあります。乾癬は全身に病変が現れることが多く、頭皮や肘、膝などにも症状が見られる場合は乾癬を疑います。
🔸 老人性角化症
加齢とともにかかとの角質が厚くなっていく自然な変化です。特に高齢者に多く見られ、保湿ケアによってある程度改善することがあります。ただし、水虫が合併していることも珍しくないため、症状が改善しない場合は検査を受けることをおすすめします。
⚠️ 5. かかと水虫の原因と感染経路
かかと水虫を引き起こす白癬菌は、どのようにして足に感染するのでしょうか。原因と感染経路を正しく理解することが、予防につながります。
💧 白癬菌とは
白癬菌はケラチンというタンパク質を栄養源とする真菌(カビ)の一種です。皮膚の最表面にある角質層にはケラチンが豊富に含まれているため、白癬菌が繁殖しやすい環境となります。水虫の原因となる白癬菌にはいくつかの種類があり、足の水虫では主に「トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)」という菌が関与していることが多いとされています。
✨ 感染経路
白癬菌は感染している人の皮膚から剥がれ落ちた鱗屑(皮膚の破片)の中に潜んでいます。素足で歩く場所、例えば銭湯やプール、スポーツジムのロッカールーム、ホテルの廊下、家の共用スペースなどに白癬菌が落ちていることがあります。そのような場所を素足で歩いたときに足に白癬菌が付着し、皮膚の状態や免疫力によっては感染が成立します。
ただし、白癬菌が足に付着しても、すぐに感染するわけではありません。菌が付着してから感染が成立するまでには一定の時間(数時間以上)がかかると言われており、帰宅後に足を洗うことで感染を防げる場合があります。
📌 家庭内感染
家族の誰かが水虫に感染している場合、バスマットやスリッパ、床などを介して他の家族に感染するリスクがあります。特に角質増殖型の水虫は、剥がれ落ちた皮膚に白癬菌が多く含まれているため、家庭内での感染源になりやすいとされています。
▶️ 感染しやすい環境
白癬菌は高温多湿の環境を好みます。蒸れた靴の中は菌が増殖しやすい環境であるため、革靴や長靴を長時間履く職業の方は特にリスクが高まります。また、足に傷や湿疹がある場合は、菌が皮膚内に入り込みやすくなります。
🔍 6. かかと水虫になりやすい人・なりにくい人
水虫は誰でもかかる可能性がありますが、なりやすい条件や体質があります。以下に当てはまる方は特に注意が必要です。
🔹 なりやすい人の特徴
長時間靴を履く仕事をしている方、足に汗をかきやすい方、糖尿病などの免疫機能が低下しやすい全身疾患を持っている方は、水虫に感染しやすいとされています。また、スポーツ選手や軍人のように素足で共用施設を使うことが多い方もリスクが高くなります。高齢者も皮膚のバリア機能が低下しやすいため、感染しやすい傾向があります。
また、すでに一度水虫に感染したことがある方は再感染しやすく、爪の水虫(爪白癬)を持っている方は足の水虫が繰り返されやすいとされています。
📍 なりにくい人の特徴
足を清潔に保ち、乾燥させる習慣がある方は感染しにくいとされています。また、免疫機能が正常に働いている健康な方は、仮に白癬菌が付着しても感染が成立しにくい傾向があります。日頃から足のケアを行い、皮膚のバリア機能を維持することが感染予防につながります。
Q. かかと水虫はどのように感染しますか?
かかと水虫の原因菌である白癬菌は、感染者の剥がれ落ちた皮膚の中に潜んでいます。銭湯・プール・スポーツジムのロッカールームなどの共用施設の床や、家庭内のバスマット・スリッパを介して感染します。菌が付着しても帰宅後すぐに足を丁寧に洗うことで、感染リスクを下げることが可能です。
📝 7. かかと水虫の診断方法
かかとの症状が水虫かどうかを正確に判断するには、皮膚科での検査が必要です。自己判断で水虫薬を使用し始めると、症状が一時的に変化して診断が難しくなることがあるため、まず専門医に相談することを強くおすすめします。
💫 顕微鏡検査(直接鏡検法)
水虫の診断の基本となる検査です。かかとから採取した角質(皮膚の一部)をガラス板に乗せ、水酸化カリウム(KOH)という溶液で処理した後、顕微鏡で観察します。白癬菌の菌糸(細長い糸状の構造物)が確認できれば水虫と診断されます。痛みはなく、数分で結果がわかる検査です。
ただし、採取する部位や量によっては菌が検出されないこともあるため、1回の検査で陰性だったとしても水虫が完全に否定されるわけではありません。症状が続く場合は再検査が行われることがあります。
🦠 培養検査
採取した皮膚を培養して菌を育てる検査です。顕微鏡検査より感度が高い場合がありますが、結果が出るまでに数週間かかるため、外来では顕微鏡検査が主に用いられます。菌の種類を特定する際などに用いられることがあります。
👴 受診前に注意すること
市販の水虫薬を使用中の場合、薬の成分が残っていると正確な検査結果が得られないことがあります。受診の数日前から市販薬の使用を中止しておくと、より正確な診断につながります。受診の際には、いつから症状が始まったか、現在使用中の薬があるかどうかを医師に伝えましょう。
💡 8. かかと水虫の治療法
水虫の治療は、原則として抗真菌薬を使用することが基本です。角質増殖型のかかと水虫は治療に時間がかかることが多く、医師の指示に従って根気よく続けることが重要です。
🔸 外用抗真菌薬
水虫の治療の中心となるのが、外用(塗り薬)抗真菌薬です。一般的に使用される成分としては、テルビナフィン、ルリコナゾール、ラノコナゾール、ケトコナゾールなどがあります。これらはクリーム剤、軟膏、液剤などの剤型があり、部位や症状に応じて使い分けられます。
かかとの角質増殖型水虫では、皮膚が厚いために薬が浸透しにくいという問題があります。そのため、入浴後に角質が軟らかくなったタイミングで塗布することが効果的です。症状が改善してからも、菌が完全に死滅するまで塗り続けることが必要です。自己判断で途中に塗るのをやめると再発のリスクが高まります。
💧 内服抗真菌薬

角質増殖型水虫が重症の場合や、爪白癬を合併している場合には、内服薬(飲み薬)が用いられます。テルビナフィンやイトラコナゾールが代表的な薬剤です。内服薬は全身に作用するため外用薬より効果が高いとされていますが、肝機能障害などの副作用リスクがあるため、定期的な血液検査が必要です。他の薬との相互作用もあるため、必ず医師の指示のもとで使用してください。
✨ 角質除去との組み合わせ
治療効果を高めるために、厚くなった角質をやさしく除去することが有効な場合があります。市販の角質除去専用のグッズ(軽石、フットファイルなど)を使って、ケア後に抗真菌薬を塗布することで薬が浸透しやすくなります。ただし、強くこすりすぎると皮膚が傷ついて感染リスクが高まるため、やりすぎには注意が必要です。医師に相談した上で取り入れるのが安全です。
📌 治療の期間の目安
外用薬での治療の場合、一般的には2〜3ヶ月以上の継続が必要とされています。角質増殖型は特に長期間の治療が必要で、半年以上かかることもあります。症状が治まったと感じた後も、皮膚の奥に残っている菌を完全に排除するために、医師から指定された期間まで治療を続けることが大切です。
Q. かかと水虫の治療期間はどのくらいかかりますか?
かかと水虫(角質増殖型)の治療は、外用抗真菌薬を使用する場合、一般的に2〜3ヶ月以上の継続が必要で、重症例では半年以上かかることもあります。皮膚が厚く薬が浸透しにくいため、内服薬が必要になる場合もあります。症状が改善しても自己判断で中断すると再発するリスクがあるため、医師の指示通り治療を続けることが重要です。
✨ 9. かかと水虫のセルフケアと予防法
治療中のセルフケアと、感染を防ぐための予防法を実践することで、症状の改善を早め、再発を防ぐことができます。
▶️ 足を清潔に保つ
毎日の入浴時に足の指の間やかかとを石鹸でやさしく洗いましょう。ゴシゴシこすりすぎると皮膚が傷ついてしまうため、泡立てた石鹸で指の腹を使って丁寧に洗うことをおすすめします。洗った後はタオルで水分をしっかり拭き取ることが重要で、特に指の間の水分が残ったままにならないようにしましょう。
🔹 足を乾燥させる
白癬菌は湿った環境で増殖しやすいため、足を乾燥した状態に保つことが予防につながります。通気性の良い靴や靴下を選び、蒸れを防ぎましょう。同じ靴を毎日履き続けず、複数の靴を交互に使って乾燥させることも効果的です。靴の中に除湿剤を入れるのも良い方法です。
📍 適切な保湿ケア
水虫の治療中も、適切な保湿ケアは行うことができます(ただし、抗真菌薬を塗布した上から保湿剤を使う場合は医師に確認しましょう)。角質が硬くひび割れている状態では、薬の浸透も悪くなるため、適度な保湿でかかとを柔らかい状態に保つことが大切です。
💫 感染源を作らない
家族の中に水虫の人がいる場合は、バスマットをこまめに洗濯・乾燥させること、スリッパや足拭きタオルを個人ごとに分けることが家庭内感染の予防につながります。剥がれ落ちた角質には白癬菌が含まれているため、床の掃除も定期的に行いましょう。
🦠 公共施設での注意
銭湯、プール、スポーツジムなどの共用施設を利用した後は、必ず帰宅後に足を丁寧に洗いましょう。施設から帰った後、24時間以内に足を洗うことで感染のリスクを下げられると言われています。施設でのスリッパ着用も有効な予防策です。
👴 爪の管理
爪白癬(爪の水虫)は足の水虫の再発源になることがあります。爪が黄色く濁っていたり、厚みが増していたりする場合は、爪白癬を合併している可能性があります。爪の状態も含めて皮膚科に相談しましょう。爪は清潔に保ち、適切な長さに整えることも大切です。
📌 10. いつ皮膚科を受診すべきか
「市販薬を試してから受診しよう」と思う方も多いと思いますが、早めに皮膚科を受診することで治療期間の短縮と正確な診断を得ることができます。以下のような場合は、できるだけ早めに受診を検討してください。
🔸 早めに受診すべき症状
かかとのひび割れが深くなって出血している場合、痛みを伴うひび割れが日常生活に支障をきたしている場合、市販の保湿剤を数週間使用しても改善しない場合、爪が黄色く変色・厚みが増している場合などは、皮膚科を受診することをおすすめします。
糖尿病や免疫抑制剤を使用中の方は、水虫が悪化すると細菌感染を合併するリスクが高まります。このような方は軽い症状でも早めに受診することが大切です。
💧 市販薬を使う前に受診を
前述の通り、市販の水虫薬を使い始めると正確な診断が難しくなることがあります。また、水虫と見た目が似ている他の皮膚疾患(乾癬、接触性皮膚炎など)に水虫薬を使用しても効果がなく、かえって悪化する可能性があります。自己診断で治療を始める前に、一度皮膚科で確認を取ることが、結果的に早期回復への近道となります。
✨ 治療を中断しない
水虫の治療で多い失敗パターンの一つが、症状が改善してきたと感じた段階で治療を自己中断してしまうことです。外見上の症状がなくなっても、皮膚の中に白癬菌が残っていることがあり、中断すると再発します。医師から「完治しました」と言われるまで、指示された薬を使い続けることが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、かかとのひび割れやカサカサを「ただの乾燥肌」と思って長年放置されていた方が、実は角質増殖型の水虫だったというケースを多く拝見しています。かゆみがほとんどないため自覚しにくい疾患ですが、顕微鏡検査で短時間に診断がつき、適切な治療を継続することで確実に改善が期待できますので、気になる症状がある方はどうぞお気軽にご相談ください。市販薬を試す前に一度受診していただくことが、結果的に早期回復への近道になることが多いです。」
🎯 よくある質問
かかとに多い「角質増殖型」水虫は、かゆみがほとんどない場合が多いため、乾燥肌と間違えやすいのが特徴です。指の間に生じる趾間型や、水ぶくれができる小水疱型ではかゆみが強いことが多いですが、角質増殖型では痛みを伴うひび割れが出るまで気づかないケースも少なくありません。
乾燥性のひび割れは保湿ケアを続けると改善することが多く、両足に対称的に現れる傾向があります。一方、水虫は片足だけに症状が出ることもあり、保湿剤を数週間使っても改善しない場合は水虫の可能性があります。正確な判断は皮膚科での顕微鏡検査が必要です。
市販の抗真菌薬で改善するケースもありますが、かかとの角質増殖型水虫は皮膚が厚く薬が浸透しにくいため、市販薬だけでは不十分な場合があります。また、水虫薬を使用すると正確な診断が難しくなることもあるため、まず皮膚科を受診して正しい診断を受けることをお勧めします。
外用薬(塗り薬)での治療は一般的に2〜3ヶ月以上の継続が必要で、角質増殖型は特に半年以上かかる場合もあります。症状が改善してきても皮膚の中に菌が残っていることがあるため、自己判断で途中中断せず、医師から完治と言われるまで治療を続けることが重要です。
はい、感染リスクがあります。角質増殖型水虫では剥がれ落ちた皮膚に白癬菌が多く含まれており、バスマットや床、スリッパなどを介して家族に感染する可能性があります。予防のためにバスマットのこまめな洗濯・乾燥、スリッパや足拭きタオルの個人別使用、床の定期的な掃除が効果的です。
📋 まとめ
かかと水虫(角質増殖型足白癬)は、かゆみが少なく乾燥肌と間違えやすいため、気づかないうちに長期間放置されてしまうことが多い皮膚疾患です。かかとの皮膚が白く厚くなる、ひび割れる、粉っぽく剥がれるといった症状が続いている場合は、乾燥だと決めつけず、水虫の可能性も念頭に置くことが大切です。
自己判断で市販の水虫薬や保湿剤を使い続けることには限界があり、適切な診断と治療なしに症状が改善しないケースも多くあります。皮膚科での顕微鏡検査は短時間で結果がわかり、正確な診断に基づいた治療を受けることで、確実な改善が期待できます。
治療を始めたら途中で中断せず、医師の指示通りに続けることが完治への最短ルートです。また、日常的な足の清潔管理、適切な保湿ケア、通気性の良い靴選びなどを習慣づけることで、感染予防と再発防止につながります。かかとのトラブルで気になることがあれば、ぜひ皮膚科専門医にご相談ください。
📚 関連記事
- 汗疱と水虫の違いを画像で解説|症状・原因・治療法を徹底比較
- 足の指の間が切れる原因は水虫以外にも!正しい見分け方と対処法
- 異汗性湿疹の原因とは?手のひら・足の裏に起こる水ぶくれの正体
- 手のひらの汗疱とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 足白癬(水虫)の種類・症状・診断・治療に関する公式ガイドライン情報。趾間型・小水疱型・角質増殖型の分類や抗真菌薬による治療法の根拠として参照。
- 厚生労働省 – 水虫(白癬)の一般向け解説ページ。感染経路・予防法・市販薬の適切な使用に関する公的情報として参照。
- 国立感染症研究所 – 白癬菌(Trichophyton rubrum等)の病原体情報・感染経路・疫学データ(日本人の約5人に1人が感染)の根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務