
⚡ 背中にしこりを発見したら、それは「アテローム(粉瘤)」かもしれません。自分では見えない場所だからこそ、気づいたときには大きくなっていた…というケースが非常に多い症状です。
🚨 「そのうち治るだろう」と放置していると、炎症・化膿・拡大のリスクがあります。
この記事を読まずに放置し続けた結果、手術の傷が大きくなる・入院が必要になるケースも。
📌 この記事でわかること:
✅ 背中のしこりがアテロームかどうかの見分け方
✅ 放置すると起きる怖いリスクの具体的な内容
✅ 早期治療ほど小さな傷・短い回復期間で済む理由
目次
- アテローム(粉瘤)とはどんな病気か
- 背中にアテロームができやすい理由
- 背中のアテロームの主な症状と見た目の特徴
- アテロームができる原因
- アテロームと間違えやすい他の疾患
- 背中のアテロームを放置するとどうなるか
- アテロームの診断方法
- 背中のアテロームの治療法
- 手術後のケアと再発について
- 受診の目安とクリニック選びのポイント
- まとめ
💡 この記事のポイント
背中のアテローム(粉瘤)は良性の皮膚嚢腫ですが、放置すると炎症・拡大・まれに悪性化のリスクがあります。根治には外科的摘出が必要で、早期治療ほど小さな傷で済みます。気になるしこりは皮膚科・形成外科への早期受診が推奨されます。
💡 1. アテローム(粉瘤)とはどんな病気か
アテロームは、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。日本では「粉瘤(ふんりゅう)」という名前のほうが一般的に知られています。皮膚の下に袋(嚢腫)ができ、その中に皮膚の垢や皮脂が蓄積されることで生じます。
アテロームという名前は、ギリシャ語の「粥(かゆ)」を意味する言葉に由来しており、腫瘍の内容物が白色〜黄白色の粥状の物質であることからこう呼ばれています。この内容物は皮脂や角質が変性したものであり、強い臭いを伴うことがあります。
良性腫瘍であるため、アテローム自体がすぐに命に関わるものではありませんが、適切な治療を受けなければ増大したり、炎症を起こして痛みや腫れが生じたりするリスクがあります。また、まれに悪性化するケースも報告されているため、軽視せずに専門医に診てもらうことが重要です。
アテロームは体のどこにでもできますが、顔・首・背中・耳の後ろ・頭皮などに多く見られます。特に背中は皮脂腺が多く存在し、洋服による摩擦も受けやすいため、アテロームが発生しやすい部位の一つとして知られています。
Q. 背中にアテロームができやすいのはなぜですか?
背中は皮脂腺が豊富に分布しており、特に肩甲骨周辺や中央部に集中しています。また衣服による慢性的な摩擦で毛包が塞がれやすく、汗もかきやすい部位です。さらに自分では見えないため発見が遅れ、気づいた時には大きくなっているケースも多い好発部位です。
📌 2. 背中にアテロームができやすい理由
背中がアテロームの好発部位とされる理由にはいくつかの要因が挙げられます。
まず、背中には皮脂腺が豊富に分布しています。皮脂腺は皮脂を分泌する器官であり、皮脂の分泌量が多い部位ではアテロームの原因となる嚢腫が形成されやすくなります。特に背中の上部(肩甲骨周辺)や中央部は皮脂腺が集中しているため、注意が必要です。
次に、背中は衣服による摩擦が慢性的に起こる部位です。衣類との接触によって皮膚に微細な傷がつき、毛包(毛根を包む組織)の開口部が塞がれることで嚢腫が形成されやすくなると考えられています。リュックサックのベルトが当たる部分や、下着のゴムが当たる部分などは特に刺激を受けやすい場所です。
また、背中は自分で見ることが難しいため、小さなしこりができても気づかずに放置してしまいがちです。その結果、発見時にはすでに相当大きくなっていたり、炎症を起こしていたりするケースも少なくありません。
さらに、背中は汗をかきやすい部位でもあります。汗や皮脂の分泌が多い環境では、毛穴が詰まりやすくなり、アテロームの形成リスクが高まります。特に夏場や運動後などは背中の皮膚環境が変化しやすいため、注意が必要です。
✨ 3. 背中のアテロームの主な症状と見た目の特徴
背中のアテロームは、初期の段階では目立った症状がないことが多く、たまたま触れた際に皮膚の下のしこりに気づくというパターンが一般的です。ここでは、アテロームの典型的な見た目の特徴と症状を詳しく解説します。
見た目の特徴として、アテロームは皮膚の下にドーム状のふくらみとして現れます。大きさは数ミリから数センチとさまざまで、表面の皮膚は正常な色のことが多いですが、中央部に黒い点(毛穴の開口部)が見えることがあります。この黒い点はアテロームを見分ける特徴的なサインとして知られています。
触感については、手で触れると弾力のあるゴム状の感触があり、周囲の組織とは比較的独立して動かすことができます。ただし、炎症を起こしている場合は周囲の組織と癒着して動かしにくくなることがあります。
炎症がない状態(非炎症性アテローム)では、多くの場合、痛みや腫れはありません。しかし、細菌感染や物理的刺激によって炎症が生じると、急に赤く腫れ上がり、強い痛みを伴うようになります。この状態を「炎症性アテローム」と呼びます。炎症性アテロームは内部に膿がたまることがあり、自然に破裂して内容物(白色〜黄色の粥状物質)が排出されることもあります。
アテロームから排出される内容物は独特の不快な臭いを持つことが多く、これが患者さんにとって精神的な悩みとなる場合もあります。
大きさの変化については、アテロームは一般的にゆっくりと増大する傾向があります。数年かけて少しずつ大きくなることが多く、急速に大きくなる場合は炎症や他の疾患との鑑別が必要になります。
Q. アテロームを放置するとどうなりますか?
アテロームは自然治癒せず、放置するとゆっくり増大します。細菌感染による急激な炎症・膿瘍形成のリスクがあり、炎症後は手術が複雑になり再発率も高まります。また非常にまれですが長期放置により有棘細胞癌などへ悪性化した報告もあるため、早期の専門医受診が推奨されます。
🔍 4. アテロームができる原因
アテロームの根本的な原因は、皮膚の表皮細胞が皮膚の内側(真皮)に迷入して袋状の構造を形成することにあります。通常、皮膚の細胞は表面に向かって移動し、最終的に剥がれ落ちますが、何らかの原因でこの細胞が皮膚の内側に入り込んでしまうと、そこで増殖を続け、角質や皮脂などの産物が蓄積されて嚢腫を形成します。
具体的なきっかけとしては、いくつかの要因が考えられています。
毛包の閉塞は最も一般的な原因の一つです。毛包の開口部が皮脂や角質によって詰まると、内部に皮脂や角質が蓄積されて嚢腫が形成されます。ニキビ(毛包炎)が悪化・慢性化した結果、アテロームに発展することもあります。
外傷やピアスも原因となることがあります。皮膚に傷がつくと、表皮細胞が傷の内側に迷入して嚢腫を形成することがあります。ピアスの穴や手術の傷跡の周辺にアテロームができることもあり、これは外傷性嚢腫と呼ばれることがあります。
遺伝的な要因も関与していると考えられています。家族にアテロームができやすい体質の人がいる場合、同様の体質を持つ可能性があります。ただし、アテロームの発生に関する遺伝的なメカニズムは完全には解明されていません。
一部の遺伝性疾患との関連も知られています。「ガードナー症候群」という遺伝性疾患では、多発性のアテローム(粉瘤)が特徴的な症状として現れることがあります。ガードナー症候群は大腸ポリープや骨腫瘍を伴う疾患であり、多発する場合は専門的な精査が必要です。
紫外線やウイルス感染(ヒトパピローマウイルスなど)もアテロームの発生に関与するという報告があります。ただし、背中の日光への暴露は顔や腕などに比べて少ないため、背中のアテロームにおける紫外線の関与は比較的小さいと考えられています。
💪 5. アテロームと間違えやすい他の疾患
背中のしこりがすべてアテロームというわけではありません。他の疾患と見た目が似ている場合があり、自己判断は危険です。ここでは、アテロームと間違えやすい代表的な疾患を紹介します。
脂肪腫(リポーマ)は、皮膚の下の脂肪組織が増殖してできる良性腫瘍です。アテロームと同様に柔らかいしこりとして感じられますが、脂肪腫は脂肪細胞の塊であり内容物はありません。また、中央部に黒い点は見られず、表面の皮膚はほとんど正常です。アテロームより一般的に深い位置に存在し、より柔らかくて動きやすい傾向があります。
石灰化上皮腫(カルシファイングエピセリオーマ)は、毛包由来の良性腫瘍で、硬い石のような触感が特徴です。アテロームと異なり、内部に石灰化した組織が含まれています。子どもから若い成人に多く見られ、背中や顔、腕などに発生します。
ガングリオンは、関節包や腱鞘から派生する嚢腫で、ゼリー状の内容物を含みます。手首や足などに多く見られますが、まれに背中にもできることがあります。アテロームと異なり、関節の動きと連動することがあります。
悪性腫瘍との鑑別も重要です。急速に大きくなる、硬い、動かない、表面の皮膚が変色しているなどの場合は、悪性腫瘍の可能性を考慮して早急に専門医を受診する必要があります。背中にできたしこりを自己判断でアテロームと決めつけることは危険です。

🎯 6. 背中のアテロームを放置するとどうなるか
アテロームは良性腫瘍であり、すぐに生命に関わるものではないため、「放置しても大丈夫」と考える方もいます。しかし、放置することによるリスクは少なくありません。
まず、アテロームは基本的に自然治癒しません。体の免疫機能によって消えることはなく、時間の経過とともにゆっくりと大きくなっていきます。小さいうちに治療すれば手術の傷も小さくて済みますが、大きくなってから治療すると、より大きな切開が必要になり、術後の傷跡も目立ちやすくなります。
最も注意すべき合併症は炎症・感染です。アテローム内の内容物は細菌にとって良い培地となるため、何らかのきっかけで細菌が侵入すると急速に炎症を起こします。炎症性アテロームになると、急激な赤みと腫れ、強い痛みが現れます。さらに悪化すると膿瘍(膿のたまり)を形成し、抗生物質の投与や膿の排出処置が必要になります。
炎症を起こした状態でのアテローム摘出手術は、非炎症時と比べて難易度が上がります。炎症によって嚢腫の壁が薄くなったり周囲の組織と癒着したりするため、嚢腫壁を完全に取り除くことが難しくなり、再発リスクが高まります。このため、多くの医師は炎症が落ち着いてから手術を行うことを推奨しています。
また、炎症を繰り返すことで周囲の組織に線維化(瘢痕化)が起こり、手術がさらに複雑になる場合があります。
まれではありますが、アテロームが悪性化する可能性も否定できません。アテロームが長期間放置されると、嚢腫壁から悪性腫瘍(有棘細胞癌など)が発生することが報告されています。発生頻度は非常に低いとされていますが、ゼロではないため、早期の治療が望ましいといえます。
日常生活への影響という観点からも、背中の大きなアテロームは衣服への圧迫で不快感を生じさせたり、睡眠中の寝返りで痛みを感じさせたりすることがあります。
Q. アテロームの手術方法にはどんな種類がありますか?
主な術式はくり抜き法と切除法の2種類です。くり抜き法は2〜4mm程度の小さな穴から嚢腫壁を取り除く低侵襲な方法で傷跡が目立ちにくい利点があります。切除法は嚢腫全体を紡錘形に切開して摘出する従来法で、大きなアテロームや炎症後のケースに適しています。いずれも局所麻酔の日帰り手術です。
💡 7. アテロームの診断方法
アテロームの診断は、多くの場合、視診と触診によって行われます。経験豊富な皮膚科医や外科医であれば、見た目と触感だけでアテロームと診断できることがほとんどです。
診断の際に確認するポイントとしては、しこりの大きさ・硬さ・可動性(動くかどうか)・表面の状態(黒い点の有無)・周囲の皮膚の変化(発赤・腫脹など)などがあります。特に中央部の黒い点(開口部)はアテロームの特徴的なサインとして重要視されます。
他の疾患との鑑別が必要な場合には、超音波検査(エコー)が有用です。超音波検査では腫瘤の内部構造や深さ、周囲の組織との関係を非侵襲的に評価できます。アテロームは超音波検査で内部に均一な低エコー像を示すことが多く、脂肪腫や石灰化上皮腫などとの鑑別に役立ちます。
MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)は、アテロームの通常の診断には必要ありませんが、腫瘤が深い位置にある場合や悪性腫瘍との鑑別が難しい場合に使用されることがあります。
確定診断は摘出した腫瘤の病理組織検査によって行われます。手術で摘出した組織を顕微鏡で観察することで、アテロームであることが確認されます。また、病理検査によって悪性変化がないかも確認できるため、摘出した組織は必ず病理検査に提出することが推奨されています。
自己診断については、インターネットの情報などを参考に自己判断することは推奨されません。背中のしこりには様々な原因があり、専門的な診察なしにアテロームと断定することは危険です。気になる症状がある場合は、皮膚科や形成外科、外科を受診することをお勧めします。
📌 8. 背中のアテロームの治療法
アテロームの根治的な治療法は手術による摘出です。薬物療法などで完治させることは難しく、外科的に嚢腫全体を取り除くことが唯一の根治的治療法とされています。
手術の方法にはいくつかの種類があります。
くり抜き法(くりぬき法)は、近年広く普及している低侵襲な手術方法です。皮膚に小さな穴(2〜4mm程度)を開け、そこから内容物を絞り出した後に嚢腫の壁(袋)を取り除く方法です。切開の傷が小さいため、術後の傷跡が目立ちにくく、縫合が不要なことも多いというメリットがあります。ただし、炎症を繰り返しているアテロームや大きなアテロームには適さない場合があります。
切除法(従来法)は、アテロームを含む皮膚を紡錘形(楕円形)に切開して嚢腫全体を摘出する方法です。嚢腫の壁を完全に取り除きやすいため、再発リスクが低いとされています。切開の傷は縫合して閉じますが、くり抜き法に比べると術後の傷跡はやや大きくなります。大きなアテロームや炎症後のアテロームには切除法が適していることが多いです。
炎症性アテロームに対しては、状況に応じた対応が必要です。急性炎症期には抗生物質の内服や外用で炎症をコントロールします。膿が形成されている場合は、切開排膿(切開して膿を出す処置)を行います。ただし、切開排膿は根治的治療ではなく、炎症が落ち着いた後に改めて摘出手術を行う必要があります。
背中という部位の特性として、背中のアテローム手術は自分で術後の傷を確認・管理することが難しいという点があります。術後のケアについては医師の指示に従い、定期的な受診で傷の状態を確認してもらうことが大切です。
手術は局所麻酔で行われることがほとんどで、多くの場合は外来(日帰り)で処置が完結します。手術時間は小さなアテロームであれば15〜30分程度で終わることが多く、大きなアテロームや炎症後のケースでは時間がかかることがあります。
手術にかかる費用については、アテロームの摘出は保険診療の対象となることがほとんどです。腫瘤の大きさや術式によって費用は異なりますが、保険適用の場合は3割負担で数千円〜数万円程度が目安となります(状況により異なります)。なお、美容目的の場合は自費診療となることがあります。
Q. 背中のしこりはアテローム以外の病気の可能性もありますか?
はい、背中のしこりにはアテローム以外にも脂肪腫・石灰化上皮腫・毛巣洞などの良性疾患や、悪性腫瘍の可能性があります。急速な増大・硬さ・皮膚の変色・動かないしこりは悪性腫瘍を疑うサインです。自己判断は危険なため、気になる症状があれば皮膚科や形成外科での専門的な診察を受けることが重要です。
✨ 9. 手術後のケアと再発について
アテロームの手術後は適切なアフターケアが重要です。術後のケアを怠ると感染や傷の離開(傷口が開くこと)などの合併症が起こる可能性があります。
術後の一般的な注意事項としては、まず傷口の清潔を保つことが挙げられます。医師の指示に従って傷のガーゼ交換や消毒を行い、縫合糸がある場合は抜糸まで定期的に受診します。
入浴については、手術当日は傷口を濡らさないようにすることが基本です。多くの場合、翌日以降はシャワー浴が許可されますが、傷口への直接的な水流は避けるように指示されます。湯船への入浴は抜糸後まで控えることが一般的です。
背中の手術後は、傷口への圧迫を避けるため、締め付けの少ない衣服を着用することが推奨されます。リュックサックなど背中への圧力がかかる荷物の使用は、傷が完全に治癒するまで控えましょう。
運動については、軽い運動は術後数日で再開できることが多いですが、激しい運動や背中を大きく動かす運動(水泳、ゴルフなど)は傷の治癒状況に応じて医師が判断します。
再発についてですが、アテロームは嚢腫の壁(袋)が完全に除去されれば再発しません。しかし、嚢腫壁の取り残しがあった場合は再発します。このため、手術で嚢腫壁を完全に摘出することが根治のために不可欠です。
炎症を繰り返した後の手術では、嚢腫壁が周囲の組織と癒着していることが多く、完全摘出が難しくなる場合があります。このような場合は再発リスクがやや高くなります。再発した場合は再度の手術が必要です。
また、アテロームが治癒したとしても、同じ体質を持つ人は別の部位に新たなアテロームができることがあります。これは再発ではなく新規発生ですが、皮脂腺が多い背中では繰り返し発生することがあるため、皮膚の清潔を保ち、定期的に体をチェックする習慣をつけることが大切です。
🔍 10. 受診の目安とクリニック選びのポイント

背中のしこりに気づいた場合、どのタイミングで受診すべきか迷う方も多いと思います。以下のような状況では、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
急いで受診すべき症状としては、しこりが急に赤く腫れて痛みが出てきた場合があります。これは炎症性アテロームを示している可能性が高く、早期に治療を受けることで症状の悪化を防ぐことができます。また、しこりが急速に大きくなっている場合や、表面の皮膚の色が変わってきた場合、しこりが硬くなってきた場合なども、良性腫瘍以外の疾患との鑑別が必要なため、早めの受診が必要です。発熱を伴う場合は感染が広がっている可能性があり、緊急性が高いといえます。
炎症がない状態でも、しこりが気になる・大きくなってきた・生活に支障が出ているという場合は、早めに受診して治療の選択肢について相談することをお勧めします。
受診科については、アテロームの治療は皮膚科・形成外科・外科で受けることができます。それぞれの特徴を理解したうえで選択するとよいでしょう。
皮膚科は皮膚疾患全般の専門科であり、アテロームの診断と治療に豊富な経験を持つ医師が多くいます。まず診断を確定させたい場合は皮膚科を受診するとよいでしょう。形成外科は傷跡をできるだけきれいに仕上げることを重視した手術を行う科であり、背中という目立ちにくい部位であっても、傷跡の仕上がりにこだわりたい方に適しています。外科は一般外科手術全般を担当しており、アテロームの摘出も行います。
クリニック選びのポイントとしては、アテロームや粉瘤の治療実績が豊富であることが重要です。くり抜き法など複数の術式に対応しているクリニックであれば、アテロームの大きさや状態に応じた最適な治療法を選択できます。また、術後のアフターケアが充実しているかどうかも重要なポイントです。背中の傷は自分で確認しにくいため、丁寧なフォローアップを行ってくれるクリニックを選ぶことが大切です。
初診の際には、しこりに気づいた時期・大きさの変化・痛みや炎症の有無・以前に同じような症状があったかどうかなどを医師に伝えると、診察がスムーズに進みます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、背中のしこりに気づかないまま数年が経過し、すでに炎症を繰り返した状態でご来院される患者様も少なくありません。アテロームは早期であればくり抜き法など傷の小さな術式で対応できるケースが多いため、「背中に何か触れる」と感じた段階で一度ご相談いただくことが、患者様ご自身の負担を最小限に抑えることにつながります。背中は自分では確認しづらい部位だからこそ、気になることがあれば一人で抱え込まずにお気軽に受診していただければと思います。」
💪 よくある質問
アテロームは自然治癒しません。体の免疫機能によって消えることはなく、時間の経過とともにゆっくりと大きくなっていきます。小さいうちに治療すれば手術の傷も小さく済みますが、放置して大きくなると切開範囲が広がり、術後の傷跡も目立ちやすくなります。気になる場合は早めにご相談ください。
アテロームの摘出手術は局所麻酔で行われ、多くの場合は外来(日帰り)で完結します。手術時間は小さなものであれば15〜30分程度です。費用は保険診療が適用されることがほとんどで、3割負担の場合は数千円〜数万円程度が目安となります。腫瘤の大きさや術式によって異なるため、受診時にご確認ください。
アテロームの特徴として、皮膚の下にドーム状のふくらみがあり、中央部に黒い点(毛穴の開口部)が見られることがあります。また、弾力のあるゴム状の感触で動かしやすい点も特徴です。ただし、脂肪腫や悪性腫瘍など似た疾患もあるため、自己判断は危険です。気になるしこりがあれば、専門医による診察を受けることをお勧めします。
赤く腫れて痛みが出てきた場合は、炎症性アテロームの可能性が高いため、早めに受診することをお勧めします。放置すると内部に膿がたまり、抗生物質の投与や切開排膿が必要になるケースもあります。また発熱を伴う場合は感染が広がっている可能性があり、緊急性が高いため速やかに医療機関を受診してください。
手術で嚢腫の壁(袋)を完全に除去できれば再発しません。ただし、壁の取り残しがあった場合や、炎症を繰り返して周囲の組織と癒着しているケースでは、完全摘出が難しくなり再発リスクが高まります。アイシークリニックでは、再発リスクを最小限に抑えるため、状態に応じた適切な術式を選択して対応しています。
🎯 まとめ
背中のアテローム(粉瘤)は、皮膚の下に嚢腫が形成される良性腫瘍です。背中は皮脂腺が豊富で衣服との摩擦を受けやすいため、アテロームができやすい部位の一つです。初期段階では痛みなどの症状がないことが多いですが、放置することで炎症を起こしたり、手術が複雑になったりするリスクがあります。
アテロームの根治的な治療法は手術による摘出であり、くり抜き法や切除法など複数の術式が存在します。早期に治療を受けることで、小さな傷で完治できる可能性が高まります。逆に、炎症を繰り返したり大きくなってから手術を受けたりすると、より大きな手術が必要になり、再発リスクも高まります。
背中は自分で確認することが難しい部位であるため、入浴時などに意識して触って確認する習慣をつけることが大切です。しこりを見つけた場合や、しこりが赤く腫れてきた場合は、早めに皮膚科・形成外科・外科などの専門医を受診するようにしましょう。アイシークリニック東京院では、アテロームを含む皮膚腫瘍の診断と治療を行っています。背中のしこりについてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アテローム(粉瘤・表皮嚢腫)の定義・症状・診断・治療法に関する公式情報。記事全体の医学的根拠として最も適切な国内皮膚科専門学会の情報源
- 日本形成外科学会 – 粉瘤(アテローム)の外科的治療法(くり抜き法・切除法)や術後ケア・再発に関する形成外科的観点からの情報。手術方法の解説セクションの根拠として活用
- PubMed – 表皮嚢腫(アテローム)の発生原因・炎症リスク・悪性化・ガードナー症候群との関連など、記事内で言及されている医学的エビデンスの国際的な査読済み文献データベース
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務