
「目の周りが赤くなっている」「カサカサして粉が吹いたような状態になっている」こうした症状に悩む方は少なくありません。目の周りの皮膚は顔の中でも特に薄く繊細なため、さまざまな刺激や体の内側からの変化に敏感に反応してしまいます。かゆみや腫れを伴うこともあり、見た目の変化が気になるだけでなく、日常生活でも不快感を覚えることがあるでしょう。この記事では、目の周りが赤くなったりカサカサしたりする原因から、症状ごとの特徴、自宅でできるケア、そして病院受診の目安まで、幅広く解説していきます。
目次
- 目の周りの皮膚が持つ特徴
- 目の周りが赤い・カサカサする主な原因
- 症状から考える原因の違い
- アトピー性皮膚炎と目の周りの症状
- 接触性皮膚炎(かぶれ)について
- 脂漏性皮膚炎と目の周り
- 乾燥による皮膚炎
- 季節・環境と目の周りの皮膚
- 自宅でできるケアと注意点
- 病院受診の目安と診療科
- まとめ
この記事のポイント
目の周りの赤み・カサカサは乾燥・アトピー・接触性皮膚炎・脂漏性皮膚炎が主な原因。保湿・コスメ見直し・摩擦回避が基本ケアで、1〜2週間以上症状が続く場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 目の周りの皮膚が持つ特徴
目の周りの皮膚は、私たちの体の中でもとりわけ薄い部位のひとつです。顔全体の皮膚の厚さはおよそ1〜2mmといわれていますが、まぶたや目の周りはその中でも約0.5〜0.6mmほどと非常に薄くなっています。この薄さは、外部からの刺激を受けやすいことを意味しており、摩擦・乾燥・紫外線・化学物質などのあらゆる刺激が影響を及ぼしやすい部位といえます。
また、目の周りには皮脂腺が比較的少なく、皮脂による自然な保護機能が弱い傾向があります。皮脂は皮膚の表面を覆って水分の蒸発を防ぐ役割を果たしていますが、その分泌量が少ないと皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。さらに、まばたきや表情の変化によって目の周りの皮膚は一日に何千回も動き続けており、物理的な刺激が加わりやすい環境でもあります。
このような特徴から、目の周りはスキンケアや化粧品を使用する際も特に注意が必要な部位です。同時に、全身の健康状態やアレルギー体質なども症状に影響しやすく、皮膚の変化が現れやすい場所でもあります。
Q. 目の周りの皮膚が特に刺激を受けやすい理由は?
目の周りの皮膚は厚さ約0.5〜0.6mmと顔の中でも特に薄く、皮脂腺が少ないためバリア機能が弱い部位です。さらにまばたきや表情の変化により一日に何千回も動くため、乾燥・摩擦・化学物質など様々な刺激に敏感に反応しやすい構造となっています。
📋 目の周りが赤い・カサカサする主な原因
目の周りが赤くなったり、カサカサした状態になったりする原因はひとつではなく、複数の要因が絡み合っていることも多くあります。代表的な原因を以下に挙げていきます。
🦠 乾燥
空気の乾燥は目の周りの皮膚に直接的なダメージを与えます。特に冬場や冷暖房が効いた室内では湿度が低くなりやすく、皮膚の水分が奪われてバリア機能が低下します。その結果、皮膚が赤くなったりカサカサと乾燥したりする「乾燥性皮膚炎」が起こりやすくなります。
👴 アレルギー・アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を持つ方は、目の周りに症状が出やすいことが知られています。皮膚のバリア機能が生まれつき弱く、外部からのアレルゲンや刺激に過剰反応しやすい体質を持っているためです。目の周りの赤みやカサカサ、かゆみは、アトピー性皮膚炎の典型的な症状のひとつです。
🔸 化粧品・スキンケア製品によるかぶれ
アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイクリームなど、目の周りに使用する製品に含まれる成分が皮膚に刺激を与えることがあります。これを接触性皮膚炎(かぶれ)といい、特定の成分に対するアレルギー反応や、成分そのものの刺激によって引き起こされます。
💧 紫外線の影響
紫外線は皮膚の老化を促進させるだけでなく、皮膚へのダメージを引き起こします。目の周りは日焼け止めを塗りにくい部位でもあるため、紫外線によるダメージが蓄積されやすく、赤みや皮膚の荒れを招くことがあります。
✨ 摩擦・物理的刺激
アイメイクの落とし方が荒い、目をよくこする習慣がある、花粉症などでかゆみが生じて無意識に目の周りを触ってしまう、といった場合に、皮膚への摩擦が繰り返されることで赤みやカサカサが生じます。薄い皮膚はわずかな摩擦でもバリア機能が傷つきやすいため注意が必要です。
📌 脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が多い部位を中心に起こる炎症性の皮膚炎です。主に頭皮や顔に発症しやすく、眉毛や目の周辺にも影響を与えることがあります。マラセチアという皮膚常在菌が関与しているとされており、赤みと白い鱗屑(フケのようなもの)が特徴的です。
▶️ 内科的な疾患や全身の状態
甲状腺の機能低下症(橋本病など)では、皮膚が乾燥したり、目の周りが腫れぼったくなったりすることがあります。また、免疫機能の低下や栄養不足も皮膚に影響を及ぼすことがあります。
💊 症状から考える原因の違い
目の周りの赤みやカサカサにもさまざまなパターンがあり、症状の出方によって原因を推測することができます。ここでは代表的な症状の組み合わせと考えられる原因について解説します。
🔹 赤みとかゆみが同時にある場合
赤みとかゆみが同時に現れる場合は、アレルギーや炎症が関与していることが多いです。アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、花粉症による皮膚への影響などが考えられます。特定の化粧品を使い始めたタイミングで症状が出た場合は、接触性皮膚炎の可能性が高くなります。
📍 カサカサしているが、かゆみはほとんどない場合
かゆみを伴わずに皮膚がカサカサと乾燥している場合は、単純な乾燥による症状が考えられます。季節の変わり目や冬場に多く見られ、保湿ケアで改善することが多いです。ただし、乾燥が長期間続くと炎症へと移行することがあるため、早めのケアが重要です。
💫 腫れを伴う場合
目の周りが腫れて赤みやカサカサが伴う場合は、蜂窩織炎(皮膚の深い層の感染症)や強いアレルギー反応(血管性浮腫)、甲状腺疾患など、より深刻な原因が隠れている可能性もあります。このような症状は自己判断せず、医療機関を受診することが望ましいです。
🦠 片側だけに症状が出る場合
左右どちらか一方だけに症状が限定されている場合は、接触性皮膚炎(特定のアイテムに触れた側のみ)や、まぶたの皮膚炎(眼瞼皮膚炎)の可能性があります。また、帯状疱疹(ヘルペスウイルスによる疾患)でも片側のみに症状が出ることがあります。帯状疱疹の場合は痛みやピリピリとした感覚を伴うことが多く、水ぶくれができることもあります。
👴 目の縁(まつ毛の生え際)に症状が集中する場合
まつ毛の生え際あたりに赤みや鱗屑が集中している場合は、「眼瞼縁炎(がんけんえんえん)」と呼ばれる状態が考えられます。細菌感染やマラセチア、脂漏性変化などが原因となることが多く、目やにが増えることもあります。
Q. 接触性皮膚炎を引き起こしやすいコスメの成分は?
目の周りで接触性皮膚炎を引き起こしやすい原因として、アイシャドウ・アイライナーに含まれる色素・香料・防腐剤、マスカラの成分、つけまつ毛の接着剤(ホルムアルデヒドやコロホニウムを含むもの)、コンタクトレンズの保存液などが挙げられます。新しいコスメ使用後に症状が出た場合は使用を一時中止してください。
🏥 アトピー性皮膚炎と目の周りの症状
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な体質と環境因子が組み合わさって発症する慢性の炎症性皮膚疾患です。皮膚のバリア機能が生まれつき低下していることが多く、外部からのアレルゲン(花粉、ダニ、食物など)や刺激物質が皮膚から侵入しやすい状態になっています。その結果、免疫系が過剰に反応し、慢性的な炎症とかゆみが引き起こされます。
アトピー性皮膚炎では、目の周りは好発部位のひとつとして知られています。特に幼児期から思春期にかけての患者さんでは、目の周りに赤みやカサカサが現れやすく、かゆみのために目の周りをこする行動が見られます。この「こする」行動が症状をさらに悪化させる悪循環を引き起こすことが多いため、かゆみのコントロールが重要なポイントとなります。
また、アトピー性皮膚炎が目の周りに長期間存在すると、摩擦による色素沈着が起こり、目の周りが黒ずんでしまうことがあります(「アトピーの黒ずみ」とも呼ばれます)。さらに重症の場合は、白内障や網膜剥離などの目のトラブルに発展することもあるため、眼科との連携が必要な場合もあります。
アトピー性皮膚炎の治療は、主に皮膚科で行われます。ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(プロトピック)などの薬物療法、スキンケアの指導が中心となります。目の周りへのステロイド塗布は眼圧上昇のリスクがあることが知られているため、医師の指示のもとで適切に使用することが重要です。
⚠️ 接触性皮膚炎(かぶれ)について
接触性皮膚炎は、特定の物質が皮膚に触れることによって引き起こされる皮膚の炎症です。大きく分けて「刺激性接触性皮膚炎」と「アレルギー性接触性皮膚炎」の2種類があります。
🔸 刺激性接触性皮膚炎
刺激性接触性皮膚炎は、物質そのものが皮膚に直接ダメージを与えることで起こります。アレルギー反応ではなく、物質の刺激性の強さと接触時間・頻度によって誰にでも起こり得ます。目の周りでは、メイクリムーバーや洗顔料の成分が適切に洗い流されなかった場合や、使用方法が荒い場合などに起こりやすいです。
💧 アレルギー性接触性皮膚炎
アレルギー性接触性皮膚炎は、特定の物質に対して免疫系が過剰反応を起こすことで発症します。最初に接触した際には症状が出ないことが多く、繰り返し接触するうちに体が「異物」として認識するようになり(感作)、その後同じ物質に触れるたびに症状が出るようになります。
目の周りで接触性皮膚炎を引き起こしやすい原因としては、アイシャドウやアイライナーに含まれる色素・香料・防腐剤、マスカラの成分、アイクリームや化粧水の成分、つけまつ毛の接着剤(特にホルムアルデヒドやコロホニウムを含むもの)、コンタクトレンズの保存液などが挙げられます。また、ネイルポリッシュに含まれる成分でも、手で目を触ることでかぶれが起こることがあります。
接触性皮膚炎の診断には、「パッチテスト」という検査が有効です。疑われる物質を少量、皮膚に貼り付けて一定時間後に反応を確認する方法で、アレルギーの原因物質を特定することができます。原因物質が特定できれば、その物質を避けることが最も効果的な予防・治療となります。
🔍 脂漏性皮膚炎と目の周り
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位を中心に発症する炎症性皮膚疾患です。頭皮に発症したものは「フケ症」として知られています。顔では、眉毛や鼻の周囲、耳の周辺などに多く見られますが、目の周りや眉毛の縁にも症状が現れることがあります。
症状の特徴としては、皮膚が赤くなり、油分を含んだ黄色みがかった鱗屑(うろこ状の皮膚の剥がれ)が付着することが挙げられます。かゆみを伴うこともあります。見た目はアトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎と似ていることがあるため、区別が難しいこともあります。
脂漏性皮膚炎の発症にはマラセチアと呼ばれる真菌(カビの一種)が関与しているとされており、皮脂を栄養源として増殖するこの菌が過剰に増えると炎症が起こると考えられています。ただし、完全なメカニズムは未だ解明されていない部分もあります。
治療には抗真菌薬の外用や、軽度のステロイド外用薬が用いられます。また、生活習慣の見直し(睡眠の確保、ストレス管理、栄養バランスの改善)も症状のコントロールに役立ちます。脂漏性皮膚炎は再発しやすい傾向があるため、長期的な管理が必要になることが多いです。
Q. 目の周りの乾燥ケアで避けるべき行動は?
目の周りの乾燥ケアでは、保湿剤を塗る際にこすらず優しく押さえるように使用することが重要です。香料・アルコール・防腐剤が少ない製品を選び、熱いお湯での洗顔や刺激の強い洗顔料の使用も避けましょう。また市販のステロイド外用薬を長期使用すると眼圧上昇リスクがあるため、症状が続く場合は医師に相談してください。
📝 乾燥による皮膚炎
乾燥は目の周りの赤みやカサカサを引き起こす最も一般的な原因のひとつです。「乾燥性皮膚炎」または「皮脂欠乏性皮膚炎」とも呼ばれ、皮脂と水分が不足して皮膚バリアが崩れることで起こります。
乾燥が原因の場合、皮膚表面がカサカサして粉を吹いたような状態になり、細かいひび割れが見られることもあります。赤みを伴うこともあり、ひどくなるとかゆみも出てきます。特に加齢に伴って皮脂の分泌量は自然と減少するため、中高年の方に多く見られる傾向があります。
乾燥を促進させる要因としては、空気の乾燥(冬場や冷暖房の多用)、長時間の入浴や熱いお湯での洗顔、刺激の強い洗顔料の使用、スキンケアの不足、栄養バランスの乱れ(特にビタミンやミネラルの不足)、水分摂取量の不足などが挙げられます。また、加齢そのものも皮膚の水分保持能力を低下させます。
乾燥性皮膚炎のケアには、適切な保湿が最も重要です。ただし、目の周りは敏感なため、使用する保湿剤の成分にも注意が必要です。刺激の少ない、香料や防腐剤の含有量が少ない製品を選ぶことが大切です。
💡 季節・環境と目の周りの皮膚
目の周りの皮膚の状態は、季節や生活環境によって大きく左右されます。それぞれの季節・環境の特徴と、目の周りへの影響について解説します。
✨ 冬(乾燥の季節)
冬は気温と湿度が下がり、皮膚が乾燥しやすい季節です。また、暖房器具の使用により室内の湿度がさらに低下することがあります。目の周りのカサカサや赤みが最も多く見られる季節であり、適切な保湿ケアが不可欠です。
📌 春(花粉シーズン)
花粉の多い春は、花粉症による目のかゆみが起こりやすく、無意識に目を触ったりこすったりすることで目の周りの皮膚が刺激を受けやすくなります。また、花粉そのものが皮膚に接触することで接触性皮膚炎を引き起こすことも知られています。花粉皮膚炎とも呼ばれるこの状態は、顔全体、特に目の周りや鼻の周囲に赤みやかゆみを引き起こします。
▶️ 夏(紫外線と汗)
夏は紫外線量が多く、皮膚へのダメージが大きくなります。また、汗による皮膚の刺激や、日焼け止めなどの製品を多用することによる接触性皮膚炎のリスクも高まります。エアコンによる室内の乾燥も注意が必要です。
🔹 室内環境
長時間のパソコン作業やスマートフォン使用は、まばたきの回数を減らし、目の乾燥(ドライアイ)を引き起こすことがあります。ドライアイは目の不快感だけでなく、目の周りを触る機会を増やすことで皮膚への刺激につながる可能性があります。また、ハウスダストやダニが多い環境では、アレルギー体質の方を中心に皮膚症状が悪化しやすいです。
Q. 目の周りの症状はどのタイミングで受診すべき?
目の周りの赤みやカサカサが1〜2週間以上続く・悪化している場合、かゆみが強く日常生活に支障をきたす場合、腫れ・水ぶくれ・じゅくじゅくがある場合、発熱や視力変化を伴う場合は早めの受診が推奨されます。皮膚炎やかぶれが疑われる場合は皮膚科が最適です。
✨ 自宅でできるケアと注意点
目の周りの赤みやカサカサを改善・予防するために、日常生活の中でできるケアを実践することが大切です。ただし、症状の程度や原因によっては自己ケアだけでは対処しきれないこともあるため、無理をせず医療機関への相談も検討してください。
📍 保湿ケアを丁寧に行う

乾燥が原因の場合、適切な保湿が最も基本的なケアとなります。目の周りの皮膚は非常に薄いため、保湿剤を塗る際はやさしく押さえるようにして使用し、こすらないことが大切です。成分としては、ヒアルロン酸、セラミド、グリセリンなどの保湿成分を含むものが一般的に推奨されます。香料・アルコール・防腐剤(特にパラベン類)が少ない、または無添加の製品を選ぶと刺激を抑えられます。
💫 洗顔・クレンジングを見直す
目の周りの皮膚を傷める原因のひとつが、メイク落としや洗顔の際の摩擦です。クレンジングは目の周りにやさしいタイプを選び、ゴシゴシこするのではなく、やさしくなじませてふき取るようにしましょう。洗顔後は必ず保湿を行うことも重要です。
🦠 使用しているコスメを見直す
新しいコスメを使い始めたタイミングで症状が現れた場合は、そのアイテムが原因である可能性があります。一度使用をやめてみて、症状が改善するかどうか確認しましょう。複数のアイテムを同時に変えると原因の特定が難しくなるため、ひとつずつ確認することが望ましいです。また、成分表示を確認し、過去にかぶれたことのある成分が含まれていないかチェックする習慣をつけましょう。
👴 目をこすらない
かゆみがあると目の周りをこすりたくなりますが、こすることで皮膚のバリアがさらに傷つき、症状が悪化するという悪循環に陥りやすくなります。かゆみがひどい場合は、冷たい保冷剤や濡れタオルを目の上に当てて冷やすと、かゆみを一時的に和らげることができます。
🔸 室内の湿度管理
加湿器を使って室内の湿度を50〜60%程度に保つことで、皮膚の乾燥を防ぐ効果が期待できます。特に冬場や冷暖房使用時は湿度が下がりやすいため、意識して管理するとよいでしょう。
💧 紫外線対策
日焼け止めは顔全体に塗ることが理想的ですが、目の周りは特に刺激を感じやすい部位です。目の周りに使えると明記されたUVカットのアイクリームや、刺激の少ないノンケミカルタイプの日焼け止め(紫外線散乱剤使用のもの)を選ぶとよいでしょう。サングラスや帽子の使用も有効な紫外線対策となります。
✨ 食生活・生活習慣の改善
皮膚の健康には、内側からのケアも重要です。ビタミンA(皮膚の粘膜を守る)、ビタミンC(コラーゲン生成を助ける)、ビタミンE(抗酸化作用)、亜鉛(皮膚の修復に関与)などの栄養素をバランスよく摂ることを心がけましょう。十分な水分補給も皮膚の保湿につながります。また、睡眠不足やストレスは免疫機能と皮膚のバリア機能を低下させるため、規則正しい生活リズムを保つことが皮膚の状態改善に役立ちます。
📌 ステロイド外用薬の取り扱いに注意
市販のステロイド外用薬(ヒドロコルチゾンなどを含む薬)は、目の周りへの使用に注意が必要です。目の周りへの長期使用は眼圧上昇(緑内障)や白内障のリスクを高める可能性があるとされています。市販薬を目の周りに使用する場合は、使用上の注意をよく読み、用法・用量を守ることが大切です。症状が長引く場合や悪化する場合は医師への相談を優先してください。
📌 病院受診の目安と診療科
自宅でのケアで改善が見られない場合や、症状が強い場合には医療機関への受診を検討してください。以下のような状況では早めに受診することをお勧めします。
▶️ 受診を検討するべきサイン
症状が1〜2週間以上続いている、または悪化している場合。かゆみが強く、日常生活に支障をきたしている場合。腫れが著しい、または腫れが片側だけに見られる場合。水ぶくれや滲出液(じゅくじゅく)がある場合。発熱や全身症状を伴う場合。視力の変化や目の充血が同時に起きている場合。これらは単純な乾燥や軽い接触性皮膚炎ではなく、より専門的な対応が必要な状態のサインである可能性があります。
🔹 受診する診療科について
目の周りの赤みやカサカサは、症状の性質によって適切な受診科が異なります。皮膚炎やかぶれ、アトピー性皮膚炎などが疑われる場合は皮膚科が最適です。皮膚科では皮膚の状態を専門的に診断し、外用薬の処方やパッチテスト、必要に応じた内服治療などを行います。目の充血や視力変化など眼科的な症状が同時に現れている場合は眼科への受診も必要です。また、全身的な症状(倦怠感、体重変化など)がある場合は内科での精査が必要となることもあります。
迷った場合は、まず皮膚科または総合診療科を受診することをお勧めします。専門医が状態を見た上で、必要に応じて他科への紹介を行います。
📍 クリニックでの治療の流れ
皮膚科クリニックを受診すると、まず問診と視診による診察が行われます。いつから症状が出ているか、使用している化粧品やスキンケア製品は何か、アレルギー歴や既往歴、家族歴などを詳しく確認されます。必要に応じてパッチテストや皮膚の一部を採取して調べる検査が行われることもあります。
治療においては、原因に合わせた外用薬(ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、抗ヒスタミン薬入りの外用薬、抗真菌薬など)が処方されます。かゆみが強い場合は内服の抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。また、スキンケアの指導や生活習慣のアドバイスも受けられることが多く、症状の再発予防にも役立ちます。
アトピー性皮膚炎については、近年では生物学的製剤(デュピルマブ等)という新しい治療選択肢も登場しており、従来の治療で十分な効果が得られなかった患者さんにも有効な場合があります。治療の選択肢については担当医師と相談するとよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、目の周りの赤みやカサカサを主訴にご来院される患者様の多くが、化粧品や洗顔料による接触性皮膚炎や乾燥性皮膚炎であることが多く、丁寧な問診と原因の特定が症状改善の大きな鍵となります。目の周りの皮膚は非常に繊細で、自己判断でステロイド外用薬を長期使用されると眼圧上昇などのリスクが生じる場合もあるため、症状が続く場合はぜひ早めにご相談ください。患者様おひとりおひとりの生活習慣やスキンケアの内容に合わせた、無理のない治療とケアのご提案を心がけております。」
🎯 よくある質問
目の周りの皮膚は厚さ約0.5〜0.6mmと顔の中でも特に薄く、皮脂腺が少ないためバリア機能が弱い部位です。さらに、まばたきや表情の変化により一日に何千回も動くため物理的な刺激も受けやすく、乾燥・摩擦・化学物質などあらゆる刺激に敏感に反応しやすい構造になっています。
皮膚炎やかぶれ、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は皮膚科の受診が最適です。目の充血や視力変化を伴う場合は眼科も必要です。迷った場合はまず皮膚科または総合診療科を受診してください。
あります。アイシャドウ・マスカラ・アイライナーに含まれる色素・香料・防腐剤や、つけまつ毛の接着剤、アイクリームの成分などが原因となる「接触性皮膚炎」が起こることがあります。新しいコスメを使い始めたタイミングで症状が出た場合は、使用を一時中止して様子を見ることをお勧めします。
保湿剤を塗る際はこすらず、やさしく押さえるように使用することが大切です。香料・アルコール・防腐剤が少ない刺激の少ない製品を選びましょう。また、市販のステロイド外用薬を目の周りに長期使用すると眼圧上昇のリスクがあるため、症状が続く場合は自己判断せず医師へご相談ください。
症状が1〜2週間以上続く・悪化している場合、かゆみが強く日常生活に支障をきたす場合、腫れや水ぶくれ・じゅくじゅくがある場合、発熱や視力変化を伴う場合は早めの受診をお勧めします。
📋 まとめ
目の周りの赤みやカサカサは、乾燥・アレルギー・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎など、さまざまな原因によって引き起こされます。目の周りの皮膚は非常に薄くデリケートなため、外部からの刺激や内部の体調変化を受けやすい部位です。
原因を特定し、それに応じた適切なケアを行うことが症状改善の基本となります。日常的なスキンケアの見直し、使用するコスメの確認、適切な保湿、紫外線対策、そして規則正しい生活習慣の維持など、できることから始めてみてください。自宅でのケアで改善が見られない場合や、症状が続いたり悪化したりする場合は、早めに皮膚科などの専門医を受診することが大切です。
目の周りは見た目にも影響しやすい部位であり、症状を放置すると色素沈着など長期的な皮膚の変化につながることもあります。日頃から目の周りのスキンケアに気を配り、気になる変化があれば早めに専門家に相談することを心がけましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎の診断基準・治療指針(ステロイド外用薬・タクロリムス軟膏・生物学的製剤の使用方法や目の周りへの影響を含む)
- 日本皮膚科学会 – 接触性皮膚炎(かぶれ)およびパッチテストに関する解説(化粧品・スキンケア製品による刺激性・アレルギー性接触性皮膚炎の診断・治療)
- 厚生労働省 – ステロイド外用薬の適正使用に関する情報(目の周りへの長期使用による眼圧上昇・白内障リスクを含む使用上の注意事項)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務