
かかとがガサガサしていると、「これって乾燥?それとも水虫?」と迷う方はとても多いです。実際、かかとの水虫(足白癬の角質増殖型)と乾燥肌は見た目がよく似ており、市販の保湿クリームを塗り続けても一向に改善しないというケースがあります。間違ったケアを続けると症状が悪化したり、家族への感染リスクが高まったりすることもあるため、正しく見分けることがとても大切です。この記事では、かかとの水虫と乾燥を見分けるためのポイントを、症状の特徴や見た目の違いを写真のようにイメージできる言葉で丁寧に解説していきます。
目次
- かかとの水虫とは?基本的な知識を整理しよう
- かかとの乾燥とは?症状の特徴を知ろう
- 水虫と乾燥、見た目の違いを写真イメージで解説
- 見分けるための7つのチェックポイント
- かかと水虫を見逃しやすい理由
- 自己判断が危険な理由と正しい診断方法
- かかと水虫の治療方法
- 乾燥かかとの正しいケア方法
- 再発・感染予防のためにできること
- まとめ
この記事のポイント
かかとの水虫(角質増殖型足白癬)と乾燥肌は見た目が酷似し、かゆみが出にくいため見逃されやすい。保湿ケアで改善しない場合は自己判断せず、皮膚科でKOH検査による確定診断を受けることが重要。
🎯 かかとの水虫とは?基本的な知識を整理しよう
水虫は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビの一種)が皮膚に感染することで引き起こされる感染症です。医学的には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれます。足の水虫には大きく分けて3つのタイプがあります。
1つ目は趾間型(しかんがた)で、足の指の間がジュクジュクしたり、白くふやけたり、皮がむけたりするタイプです。最も一般的で、かゆみを伴うことが多いです。
2つ目は小水疱型(しょうすいほうがた)で、足の裏や足の縁に小さな水ぶくれができるタイプです。かゆみが強く、水ぶくれが破れると皮がむけます。
3つ目が角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)で、かかとを中心に皮膚が厚く硬くなり、ひび割れが生じるタイプです。この角質増殖型が、乾燥肌と最も見分けにくいタイプとなっています。かゆみが少ない、またはほとんどないのが特徴で、「水虫らしさ」が感じられないため見過ごされやすいのです。
白癬菌は高温多湿の環境を好みます。そのため、靴の中のように蒸れた環境で繁殖しやすく、公共の浴場や更衣室などで感染するケースがよくあります。菌が皮膚に付着してから感染が成立するまでには24時間程度かかるといわれており、清潔を保つことが予防の基本です。
日本では約2500万人が水虫に感染していると推定されており、決して珍しい病気ではありません。しかしかかとタイプの角質増殖型は、全体の水虫患者の中でも比較的少なく、乾燥肌と混同されやすいため、適切な治療が遅れてしまうことがよくあります。
Q. かかとの水虫と乾燥肌の見た目の違いは?
かかとの水虫(角質増殖型足白癬)と乾燥肌はどちらも皮膚が厚く硬くなりひび割れが生じるため、見た目の区別が非常に難しいです。水虫では細かい鱗屑や足底全体への広がりが見られることがあり、片足だけに強く症状が出る傾向があります。一方、乾燥は左右ほぼ対称に現れることが多いです。
📋 かかとの乾燥とは?症状の特徴を知ろう
かかとの乾燥は、皮膚のバリア機能が低下して水分が失われることで起こります。足の裏、特にかかとは皮脂腺が少ない部位であり、体の中でも乾燥しやすい箇所のひとつです。
乾燥によってかかとに起こる症状としては、まず皮膚表面がカサカサとした感触になります。軽い段階では白い粉を吹いたような見た目になることがあります。進行すると皮膚が厚くなり(角質化)、さらに悪化するとひび割れ(亀裂)が生じます。ひび割れが深くなると出血や痛みを伴うこともあります。
乾燥が起こりやすい状況としては、冬の乾燥した季節、長時間の立ち仕事、ヒールのある靴の使用、加齢による皮膚のターンオーバーの低下、入浴時の過度な洗いすぎなどがあります。また、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある方は、特にかかとの乾燥が起こりやすい傾向があります。
乾燥肌によるかかとのひび割れは、感染症ではないため他の人にうつる心配はありません。適切な保湿ケアや角質ケアで改善することがほとんどです。ただし、乾燥で傷ついた皮膚は細菌や真菌が入り込みやすい状態にあるため、乾燥を放置していると二次的に水虫や細菌感染を招くことがあります。
💊 水虫と乾燥、見た目の違いを写真イメージで解説
実際に皮膚科を受診される患者さんの多くが、「見た目だけでは区別がつかなかった」とおっしゃいます。ここでは、見た目の違いを言葉でイメージできるよう丁寧に解説します。
乾燥によるかかとの状態を写真でイメージすると、かかとの皮膚全体がうっすらと白みがかっており、触るとザラザラしている状態です。角質が厚くなっている部分は黄白色に見え、亀裂は線状に入ることが多いです。ひび割れの周辺の皮膚も乾いており、パサパサした印象を受けます。全体的にかかとの輪郭に沿って均一に変化が広がっているように見えることが多く、左右ほぼ同じような状態になっていることが特徴です。
一方、かかとの水虫(角質増殖型)を写真でイメージすると、皮膚が全体的に厚く硬くなり、表面が粉を吹いたようにザラついています。角質の色はやや黄みがかっており、乾燥の場合と見た目がとても似ています。ただし、よく観察すると皮膚の表面に細かい鱗屑(りんせつ:粉状や薄片状にはがれた角質)が見られることがあります。亀裂は乾燥と同様に入ることがありますが、皮膚の厚みが乾燥のものよりも顕著であることが多いです。
また、水虫の場合は足の裏全体に広がるように症状が進展していくことがあります。特に土踏まずを含む足底全体や、足の縁の部分にまで広がっているようであれば、水虫の可能性が高くなります。
さらに、角質増殖型の水虫は両足に同時に出ることもありますが、片足だけに症状が強く出ることもあります。一方、乾燥の場合は左右ほぼ対称に同じような状態になることが多い傾向があります。ただしこれはあくまで傾向であり、見た目だけで断定することはできません。
また水虫には、爪に感染する爪白癬(つめはくせん)を合併しているケースが多くあります。爪が黄色〜茶色に変色し、厚くなってもろくなる、爪の表面がデコボコになるといった変化が見られる場合は、水虫を強く疑う根拠の一つになります。
Q. かかとの水虫にかゆみがないことはありますか?
はい、かかとに発症する角質増殖型足白癬は、かゆみがほとんどない場合があります。白癬菌が角質層の深部に存在し炎症が起きにくいためです。「かゆくないから水虫ではない」という思い込みがこのタイプを見逃す最大の原因であり、アイシークリニックでもかゆみなしで受診し水虫と確定診断されるケースが多く報告されています。
🏥 見分けるための7つのチェックポイント
かかとの水虫と乾燥を自分でチェックするための7つのポイントをご紹介します。ただし、これらはあくまで参考であり、確定診断には医療機関での検査が必要です。
チェックポイント1:かゆみはあるか
乾燥の場合、かかとがヒリヒリしたり、皮膚が引っ張られるような不快感を覚えることはありますが、強いかゆみは比較的少ないです。一方、水虫は全般的にかゆみを伴うことが多いのですが、角質増殖型の水虫は例外的にかゆみが少ないか、ほとんどないことがあります。つまり「かゆくないから水虫じゃない」とは言い切れないのがこのタイプの特徴です。
チェックポイント2:足の指の間の状態はどうか
かかとだけでなく、足の指の間も確認してみましょう。指の間が白くふやけていたり、皮がむけていたり、ジュクジュクしている場合は、趾間型の水虫を合併している可能性があります。乾燥の場合は指の間の皮膚が特に変化することは少ないです。
チェックポイント3:爪の状態はどうか
足の爪が黄色や白色に変色していないか、爪が厚くなっていないか、爪がもろく崩れやすくなっていないかを確認します。爪白癬が合併している場合は、水虫の可能性がかなり高くなります。爪の変化は乾燥だけでは起こりません。
チェックポイント4:保湿クリームで改善するか
市販の保湿クリームや尿素入りクリームを数週間継続して使用しても改善しない場合、乾燥だけが原因ではない可能性があります。乾燥であればある程度の保湿ケアで改善が見られることが多いです。一方、水虫の場合は抗真菌薬なしには根本的な改善が難しく、保湿ケアだけでは症状が続きます。
チェックポイント5:症状が片足だけに強く出ていないか
先ほども触れましたが、片足だけに症状が目立つ場合は水虫の可能性を考える必要があります。乾燥は生活習慣や環境の影響を受けるため、両足に均等に起こることが多い傾向があります。
チェックポイント6:家族や周りに水虫の人がいるか
水虫は感染症です。一緒に生活している家族に水虫の人がいる場合、感染している可能性が高まります。バスマットやスリッパを共有している場合は特に注意が必要です。
チェックポイント7:症状が長期間続いているか
夏になると水虫は悪化しやすく、冬は少し落ち着くこともありますが、乾燥は逆に冬に悪化して夏に改善することが多いです。季節に関わらず年中症状が続いている、または夏に特に悪化するという場合は水虫を疑う材料になります。
⚠️ かかと水虫を見逃しやすい理由
角質増殖型の足白癬(かかとの水虫)が見逃されやすい理由はいくつかあります。これらを知ることで、早期発見・早期治療につなげることができます。
最大の理由は、かゆみがないことです。水虫というと強いかゆみのイメージがありますが、角質増殖型はほぼかゆみがないため、「水虫のはずがない」と自己判断してしまう人が多くいます。実際には白癬菌が角質層の深部に存在しており、炎症反応が起きにくいためにかゆみを感じにくいだけで、感染はしっかりと起きています。
次に、乾燥の季節(冬)に症状が目立ちやすいという点があります。乾燥は冬に悪化しやすいため、かかとのガサガサが乾燥のせいだと思い込んでしまいます。実際には白癬菌の感染が基盤にあり、その上に冬の乾燥が重なっているというケースも少なくありません。
また、高齢者の方では加齢による皮膚の老化でかかとが硬くなりやすいため、「年のせいだから仕方ない」と受け入れてしまうことがあります。しかし高齢者は免疫機能が低下しやすく、実は白癬菌に感染しているというケースが多いです。
さらに、糖尿病の方もかかとの乾燥・角質化が起きやすいため、水虫との鑑別が難しくなります。糖尿病神経障害があると痛みやかゆみを感じにくいこともあり、症状が進んでから気づくことがあります。糖尿病の方は特に注意が必要です。
保湿クリームを継続使用しているという点も見逃しにつながります。保湿クリームを塗ることで皮膚の見た目が一時的にきれいになったり、ひび割れが改善したりすることがあります。これにより「良くなっている」と感じますが、白癬菌自体は生き続けており、根本的な解決にはなっていません。
Q. 保湿ケアで改善しないかかとはどうすればよいですか?
市販の保湿クリームや尿素入りクリームを数週間継続しても改善しない場合、単純な乾燥ではなく角質増殖型足白癬(かかとの水虫)の可能性があります。水虫は抗真菌薬なしに白癬菌を除去できないため、保湿ケアのみでは根本解決になりません。早めに皮膚科を受診し、KOH検査(顕微鏡検査)で確定診断を受けることをお勧めします。
🔍 自己判断が危険な理由と正しい診断方法
かかとのガサガサや角質化を自己判断で「乾燥だ」と決めつけてケアを続けることには、いくつかのリスクがあります。
まず、感染を広げてしまうリスクがあります。水虫と気づかずに共用のバスマットやスリッパを使い続けることで、家族に感染を広げてしまう可能性があります。また、自分の手で足を触った後、手洗いをせずに体の他の部位に触れることで、股間(いんきんたむし)や体(たむし)に感染が広がることもあります。
次に、誤った治療による悪化のリスクがあります。逆に水虫を乾燥と勘違いして保湿クリームだけを使い続けると、白癬菌が繁殖しやすい環境を整えてしまうことにもなりかねません。また、水虫に市販のステロイド含有クリームを塗ってしまうと、免疫が抑制されて菌が増えてしまう「白癬菌ステロイドの罠」に陥ることがあります。
一方、乾燥を水虫と思い込んで市販の抗真菌薬を塗り続けることも問題です。抗真菌薬は皮膚への刺激があり、乾燥肌に使い続けると皮膚がさらに荒れてしまうことがあります。また、抗真菌薬を必要のない部位に塗り続けることで接触皮膚炎を起こすこともあります。
正しい診断方法は、皮膚科を受診して顕微鏡検査(KOH検査)を受けることです。この検査は皮膚の角質をごく少量採取し、水酸化カリウム(KOH)液で処理して顕微鏡で観察するものです。白癬菌の菌糸が確認されれば水虫と確定診断できます。検査自体は短時間で行え、痛みもほとんどありません。
保険適用の検査なので費用の心配もそれほど不要です。「水虫かな?」と思ったら、自己判断せずに一度皮膚科を受診することを強くお勧めします。特に、保湿ケアを続けても改善しない場合、爪の変色がある場合、家族に水虫の人がいる場合は、早めに受診しましょう。
📝 かかと水虫の治療方法
皮膚科で水虫と診断された場合、基本的な治療は抗真菌薬を使用することになります。かかとの水虫(角質増殖型)の治療は、他のタイプに比べて少し工夫が必要です。
外用薬(塗り薬)による治療が基本です。テルビナフィン塩酸塩(商品名:ラミシールなど)、ルリコナゾール(商品名:ルリコンなど)、ネチコナゾール塩酸塩など、様々な抗真菌外用薬があります。これらを患部に1日1〜2回、毎日継続して塗布します。
角質増殖型の場合、角質が厚いため薬が浸透しにくいという特徴があります。そのため、以下のような工夫が効果的です。まず、入浴やフットバスで皮膚をよく温めて柔らかくしてから薬を塗ること。次に、角質を除去(スクラブや軽石など)してから塗ることで薬の浸透を高められます。また、薬を塗った後にラップで覆うオクルージョン法(密封法)を行うと、より薬が浸透しやすくなります。ただしこれは医師の指示のもとで行うようにしてください。
外用薬だけでは効果が不十分な場合や、爪白癬を合併している場合には、内服薬(飲み薬)が処方されることがあります。内服薬にはテルビナフィン(1日1回・6ヶ月〜1年程度)や、イトラコナゾール(パルス療法:1週間服用・3週間休薬を3サイクル)などがあります。内服薬は肝機能に影響を与える可能性があるため、定期的な血液検査が必要です。
治療期間は外用薬のみの場合、最低でも2〜3ヶ月かかります。症状が改善して皮膚がきれいになっても、白癬菌は角質の中に潜んでいることがあるため、医師の指示があるまで治療を継続することが重要です。自己判断で治療を中断すると再発しやすくなります。
治療中は、清潔を保つことも大切です。毎日足を洗い、水分をしっかりと拭き取ること、靴下は毎日替えること、通気性の良い靴を選ぶことなどを心がけましょう。
Q. かかとの水虫の治療期間と注意点は?
かかとの水虫(角質増殖型足白癬)を外用薬で治療する場合、最低でも2〜3ヶ月かかります。角質が厚く薬が浸透しにくいため、入浴後に皮膚を柔らかくしてから塗布する工夫が有効です。症状が改善して見た目がきれいになっても白癬菌が残存している場合があるため、医師の指示があるまで自己判断で治療を中断しないことが重要です。
💡 乾燥かかとの正しいケア方法
水虫ではなく、単純な乾燥によるかかとのガサガサやひび割れの場合は、適切なスキンケアで改善することができます。正しいケアの方法をご紹介します。
まず、角質のケアから始めましょう。入浴時に足全体をしっかり温めて角質を柔らかくします。その後、軽石やフットファイルなどを使って厚くなった角質をやさしく取り除きます。力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまうので、あくまでやさしくこするようにしましょう。毎回大量に削る必要はなく、少しずつ継続するのがコツです。
次に、保湿が最も重要なケアです。入浴後は皮膚がまだしっとりしているうちに(5分以内が理想)、保湿クリームを塗ることが効果的です。かかとには尿素配合(10〜20%)のクリームが特に効果的です。尿素には角質を柔らかくする作用があるため、厚くなった角質の改善に役立ちます。ただし、ひび割れが深くて出血や痛みがある場合は、尿素クリームが刺激になることがあるため、そのような場合はヘパリン類似物質配合クリームやワセリンなど、低刺激の保湿剤を使用するほうが良いでしょう。
保湿クリームを塗った後、就寝時にコットンソックスを履くことで、保湿効果が高まります。靴下が湿気を保つことで、クリームの成分がより深く浸透しやすくなります。
生活習慣の改善も大切です。長時間の立ち仕事をされている方は、適切なインソールや靴を使用してかかとへの過剰な圧力を分散させることが助けになります。ヒールが高い靴やサンダル・スリッパなど、かかとを保護しない靴は乾燥を悪化させやすいため、日頃から足に合った靴を選ぶことが重要です。
食事面では、皮膚のターンオーバーに関わるビタミンA・C・E、亜鉛、タンパク質などを意識してとることも皮膚の健康維持につながります。水分摂取も忘れずに行いましょう。
また、洗い過ぎにも注意が必要です。足を清潔に保つことは大切ですが、石鹸を使って過剰に洗いすぎると皮膚の天然の油脂(皮脂)まで落ちてしまい、乾燥が悪化します。泡立てた石鹸で優しく洗い、すすぎは十分に行うようにしましょう。
✨ 再発・感染予防のためにできること

水虫は治癒後も再感染するリスクがあります。また、乾燥したかかとは菌が入り込みやすい環境にあるため、予防のためのケアが大切です。日常生活で実践できる予防策をご紹介します。
足を毎日清潔に保つことが基本中の基本です。入浴時は足の指の間も含めてしっかりと洗い、洗い終わったら指の間の水分も丁寧に拭き取ります。白癬菌が付着していても、長時間放置しなければ感染は成立しにくいといわれています。帰宅後や入浴後に足をきれいにする習慣をつけましょう。
靴の管理も重要です。靴の中は白癬菌が繁殖しやすい環境(高温多湿)であるため、同じ靴を毎日履き続けることは避けましょう。複数の靴をローテーションして使用し、一日中履いた靴はシューキーパーを使って型崩れを防ぎながら乾燥させます。靴用の抗菌・消臭スプレーを使用することも有効です。靴の中が蒸れないよう、通気性の良い素材の靴を選ぶことも大切です。
靴下の選択も見直しましょう。吸湿性の高い綿素材の靴下がおすすめです。靴下は毎日取り替え、洗濯の際はしっかりと乾燥させます。スポーツをする場合や長時間歩く場合は、適度に靴下を交換することも有効です。
公共施設での注意も忘れずに。プール、銭湯、スポーツジムなどの公共施設の床には白癬菌が存在していることがあります。このような場所ではビーチサンダルや専用スリッパを履くことで、感染リスクを下げることができます。
家族への感染予防としては、バスマットを共有しないこと、スリッパを個人で使用すること、タオルを共有しないことが重要です。水虫が治療中の方が使ったバスマットは、こまめに洗濯・乾燥させるようにしましょう。
また、治療終了後も継続的な予防を心がけましょう。水虫は再発しやすい疾患です。治癒後も上記の予防策を継続することで、再感染のリスクを下げることができます。定期的に足の状態をチェックし、異常を感じたら早めに皮膚科を受診する習慣をつけておくと安心です。
乾燥予防の観点からも、年間を通じた保湿ケアを習慣にすることをお勧めします。特に乾燥しやすい冬季だけでなく、夏でも保湿を続けることで皮膚のバリア機能を維持し、感染への抵抗力を高めることができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、かかとのガサガサを長期間「乾燥だろう」と思い込み、保湿ケアを続けてから受診される患者様が少なくありません。角質増殖型の足白癬はかゆみが出にくいため見逃されやすく、実際に顕微鏡検査(KOH検査)を行うと白癬菌が確認されるケースも多く経験しています。自己判断せずに皮膚科を受診していただくことで、短時間の検査で確実に原因を特定できますので、ケアを続けても改善が感じられない場合はどうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
見た目だけで見分けることは非常に難しく、専門家でも難しい場合があります。どちらも皮膚が厚くなりひび割れが起きる似た症状が出ます。自己判断は誤ったケアにつながるリスクがあるため、保湿ケアを続けても改善しない場合や爪の変色がある場合は、皮膚科での顕微鏡検査(KOH検査)による確定診断をお勧めします。
はい、かかとに起こる「角質増殖型」の水虫はかゆみがほとんどない場合があります。白癬菌が角質層の深部に存在し炎症が起きにくいためです。「かゆくないから水虫ではない」という思い込みが診断の遅れにつながりやすく、このタイプが最も見逃されやすい水虫とされています。
保湿クリームを数週間継続しても改善しない場合、単純な乾燥ではなく水虫(角質増殖型足白癬)が原因の可能性があります。水虫は抗真菌薬なしに根本的な改善が難しく、保湿ケアだけでは白癬菌は消えません。改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診して原因を特定されることをお勧めします。
水虫は感染症のため、バスマットやスリッパの共有を通じて家族にうつる可能性があります。予防のためにバスマット・スリッパ・タオルは個人専用にすること、入浴後は足の水分をしっかり拭き取ること、通気性の良い靴を選ぶことが効果的です。治療中の方が使ったバスマットはこまめに洗濯・乾燥させましょう。
外用薬(塗り薬)による治療の場合、最低でも2〜3ヶ月かかります。角質増殖型は角質が厚く薬が浸透しにくいため、入浴後に皮膚を柔らかくしてから塗布するなどの工夫が必要です。症状が改善しても白癬菌が残っている場合があるため、医師の指示があるまで自己判断で治療を中断しないことが重要です。
🎯 まとめ
かかとの水虫(角質増殖型足白癬)と乾燥肌は、見た目がとてもよく似ているため、自己判断で見分けることは非常に難しい状況です。どちらも皮膚が厚くなり、ひび割れや粉をふいたような見た目になりますが、原因が全く異なるため、正しい対処法も違ってきます。
「かゆみがないから水虫ではない」「保湿クリームを塗っているから大丈夫」という思い込みは危険です。角質増殖型の水虫はかゆみが出にくく、見逃されやすいタイプです。保湿クリームで一時的に見た目が改善しても、白癬菌が消えるわけではありません。
今回ご紹介した7つのチェックポイント(かゆみの有無・指の間の状態・爪の状態・保湿クリームへの反応・左右差・家族の状態・季節との関係)を参考に、まずは自分の足の状態を観察してみましょう。そして少しでも水虫の可能性が疑われる場合や、保湿ケアを継続しても改善が見られない場合は、自己判断せずに皮膚科を受診することをお勧めします。
皮膚科では顕微鏡検査(KOH検査)によって数分で水虫の有無を確認することができます。確定診断をもとに適切な治療やケアを行うことが、症状の改善と再発防止への近道です。アイシークリニック東京院では、皮膚のトラブルに関する相談を受け付けています。かかとの状態が気になる方は、お気軽にご相談ください。
📚 関連記事
- 汗疱と水虫の違いを画像で解説|症状・原因・治療法を徹底比較
- 足の指の間が切れる原因は水虫以外にも!正しい見分け方と対処法
- 手のひらの汗疱とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説
- 大人になってから発症するアトピー後天性の原因・症状・治療法を解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 足白癬(水虫)の診断基準・治療ガイドライン・KOH検査法・抗真菌薬の使用方法など、角質増殖型足白癬を含む水虫全般の医学的根拠として参照
- 厚生労働省 – 水虫(白癬)の感染予防・市販薬の適正使用・公衆衛生上の注意事項など、感染予防と自己判断リスクに関する公的情報として参照
- PubMed – 角質増殖型足白癬と乾燥肌の鑑別診断・抗真菌薬の有効性・治療期間に関する国際的な臨床研究論文の根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務