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アブに刺された跡の画像と症状・正しい対処法を解説

夏のアウトドアやキャンプ、川遊びなどで突然感じる鋭い痛み。振り返るとそこにアブがいた、という経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。アブは蚊と違い、皮膚を「噛み切る」ように血を吸うため、刺された直後から強い痛みが走り、その後に特徴的な跡が残ります。しかしアブに刺された跡は、蚊やハチに刺された跡と混同されやすく、「これは本当にアブ?」と判断に迷うことも多いはずです。本記事では、アブに刺された跡の特徴を詳しく説明するとともに、適切な応急処置の方法、病院を受診すべきタイミング、そして長引く跡に悩む方へのスキンケアについても解説します。


目次

  1. アブとはどんな虫?生態と被害が多い時期・場所
  2. アブに刺された跡の特徴とは(画像で確認できるポイント)
  3. 症状の時間的経過:刺された直後から数日間の変化
  4. 蚊・ハチ・ブユに刺された跡との見分け方
  5. アブに刺された直後の正しい応急処置
  6. 病院を受診すべき症状・タイミング
  7. アナフィラキシーについて知っておくべきこと
  8. 跡が長く残るケースとスキンケアのポイント
  9. アブに刺されないための予防策
  10. まとめ

この記事のポイント

アブに刺された跡は中心に出血点と広範囲の腫れが特徴で、蚊より症状が強い。応急処置は流水洗浄・冷却・市販薬使用が基本。全身じんましんや呼吸困難はアナフィラキシーの疑いがあり即救急受診が必要。

🎯 1. アブとはどんな虫?生態と被害が多い時期・場所

アブは双翅目アブ科に属する昆虫で、日本国内にはウシアブ・メクラアブ・ヤマトアブなど70種以上が生息しています。体長はおよそ8〜25mm程度で、ハエに近い仲間ですが、ずっと大型で体が頑丈です。見た目はずんぐりとした体つきで、複眼が大きく目立ち、透明から褐色の翅を持っています。ハチのような縞模様を持つ種もあり、一見するとハチと見間違えることもあります。

アブが人を刺す(正確には噛む)のはメスだけで、産卵に必要なタンパク質を得るために哺乳類の血液を吸血します。蚊のように針を刺して吸血するのではなく、鋭い口器で皮膚を切り裂き、そこに唾液を注入して血を集める「噛み切り型」の吸血方法をとるのが特徴です。この方法のために、刺された瞬間から強い痛みを感じます。

被害が多い時期は主に6月から9月の夏季で、特に7月から8月にかけてがピークです。生息場所は河川沿い・湿地・牧草地・林の縁など、水辺や草木が豊富なエリアが中心です。キャンプ場や登山道の沢沿い、田んぼのそばなども好まれます。日中に活動し、特に晴れた日の午前から午後にかけて活発になります。人間や動物が発する体温・二酸化炭素・動きに反応して近づいてくるため、屋外での活動中に気づかないうちに近寄られていることも少なくありません。

Q. アブに刺された跡の外見的な特徴は?

アブに刺された跡は、中心に小さな出血点や傷口があり、その周囲に直径5cm以上の赤い腫れが広がるのが特徴です。腫れは熱感を伴い立体的に盛り上がり、強いアレルギー反応では水疱が形成されることもあります。蚊の跡より明らかに広範囲で症状が強く出ます。

📋 2. アブに刺された跡の特徴とは(画像で確認できるポイント)

アブに刺された跡は、いくつかの特徴的な見た目を持っています。実際の画像を検索すると、以下のような状態が確認できます。画像を見るにあたって事前に知っておくとよい、代表的な視覚的特徴を挙げていきます。

刺された直後から数時間以内に現れる跡の特徴として、まず中心に小さな傷口または出血点が確認できることが挙げられます。蚊の場合は傷口がほぼ見えませんが、アブの場合は皮膚を切り裂いているため、中心部に赤い点状の小出血や浅い傷のような痕跡が残ることがあります。この点が、アブかどうかを判断する重要な手がかりの一つです。

次に、中心の傷口を取り囲む形で赤い腫れ(発赤・腫脹)が広がります。この赤みは境界がやや不明瞭なことが多く、5cm以上の範囲に及ぶこともあります。蚊に刺された跡よりも明らかに広範囲で赤みが強いのが特徴です。

また、刺された部位は熱感を持ち、触れると炎症による熱さを感じます。腫れも立体的に盛り上がっており、周囲の皮膚より明らかに隆起していることが多いです。画像で確認すると、中央のやや凹んだ傷口と、その周囲のドーム状に盛り上がった赤い腫れが対比的に見えるのが特徴です。

数時間から翌日にかけては、腫れがさらに拡大して硬結(硬いしこりのような状態)を形成することもあります。皮膚が内側から張ったように感じられ、見た目にも腫れが目立つようになります。腫れの直径が5〜10cmに達するケースも珍しくありません。腕や足に刺された場合、その部位全体がむくんだように見えることもあります。

さらに水疱(みずぶくれ)が形成されることもあります。これはアブの唾液に対する強いアレルギー反応が起きたサインであり、中心部やその周囲に透明〜白濁した小さな水疱が集まっているように見えます。こうした水疱が見られる場合は、症状がより強く出ているサインのため、適切な対処が必要です。

💊 3. 症状の時間的経過:刺された直後から数日間の変化

アブに刺された後の症状の経過は、大まかに以下のように分けられます。個人差やアレルギーの有無によっても異なりますが、典型的な流れを把握しておくことで、症状が重症化していないかどうかの判断に役立ちます。

刺された直後(0〜30分)は、鋭い痛みが最初のサインです。蚊に刺された場合は気づかないことも多いですが、アブの場合は刺された瞬間に「痛い!」と感じることがほとんどです。この痛みは数分から十数分続くことがあり、その後に強いかゆみへと変化していきます。傷口周囲はすぐに赤く腫れ始め、小さな出血点が中心に確認できる場合があります。

刺されてから1〜6時間ほどで、腫れはより顕著になります。かゆみも強くなり、熱感を伴います。この時期に掻いてしまうと、傷口からの細菌感染リスクが高まるため注意が必要です。アレルギー体質の方や過去にアブに刺されたことがある方では、この段階でより強い局所反応が起きやすくなります。

刺されてから6〜24時間は最も腫れが強くなる時期です。腫れの範囲が最大になり、硬結を伴うことも多いです。水疱が形成される場合もこの時期から翌日にかけてです。かゆみはピークに達しており、夜間の睡眠に影響するほど強くなることもあります。

刺されてから2〜3日目以降は、適切な対処を行っていれば徐々に腫れが引いてきます。しかし、かゆみや色素沈着(赤黒い跡)はこの後も続くことがあります。特にアレルギー反応が強かった場合は、1〜2週間程度、赤みや硬結が残ることもあります。

数週間以上経過しても跡が残る場合は、色素沈着によるシミのような状態になっていることがほとんどです。これは皮膚の炎症後に起こるメラニンの増加によるもので、自然に薄くなるのを待つか、適切なスキンケアで改善を図ることになります。

Q. アブに刺された直後の正しい応急処置は?

アブに刺されたらまず速やかにその場を離れ、流水と石けんで患部をやさしく洗い流します。その後、タオルに包んだ保冷剤で10〜15分冷やして炎症を抑えます。ステロイドや抗ヒスタミン成分配合の市販虫刺され薬も有効です。かゆくても掻くと二次感染リスクが高まるため避けてください。

🏥 4. 蚊・ハチ・ブユに刺された跡との見分け方

アブに刺された跡を正確に判断するためには、ほかの虫刺されとの比較が役に立ちます。それぞれの特徴を整理します。

蚊に刺された跡との違いについては、まず痛みの有無が大きな違いです。蚊は刺された瞬間にほぼ無痛で、後からかゆみが出てきます。アブの場合は刺された瞬間から強い痛みを感じます。腫れの大きさも異なり、蚊の場合は直径1〜2cm程度の小さな膨疹が中心ですが、アブでは5cm以上に広がることが多いです。また、蚊の場合は中心に傷口のような痕跡はほぼ見られませんが、アブでは中心に小さな出血点や傷跡が確認されることがあります。

ハチに刺された跡との違いについては、ハチも刺された瞬間に強い痛みを感じる点はアブと共通しています。しかし、ハチに刺された場合は刺し傷の跡が明確で、刺さった針(ミツバチの場合)が残っていることもあります。腫れの広がり方はアブに似ていますが、ハチの場合はより急速に広範囲に腫れが広がることがあり、アナフィラキシーリスクも高いとされています。ハチの場合は刺された後に「チクッ」とした刺し傷感があるのに対し、アブは噛み切るような鈍い痛みが続く傾向があります。

ブユ(ブヨ)に刺された跡との違いについては、ブユもアブと同様に皮膚を噛み切って吸血するため、症状が似ている部分があります。ブユの場合は刺されている最中に気づかないことが多く(麻酔作用のある唾液を注入するため)、しばらくしてから強いかゆみと腫れが現れます。アブの場合は刺された瞬間から痛みを感じる点が異なります。また、ブユは体が非常に小さく(体長1〜5mm程度)、アブよりずっと小型です。ブユに刺された跡は中心に出血点が見られることが多く、アブに似ていますが、アブほど大きく腫れないことが多いです。

マダニに刺された跡との違いについては、マダニは吸血している間、皮膚に食いついたまま離れないため、跡よりも虫体が付いていることで気づくことが多いです。アブのように瞬間的に吸血して飛び去ることはありません。マダニに刺された跡は中心に丸い傷跡が残り、周囲に赤い輪が広がる「遊走性紅斑」と呼ばれる特徴的な発疹が現れることもあります(ライム病などの感染症を示すことがあります)。

⚠️ 5. アブに刺された直後の正しい応急処置

アブに刺された後の応急処置を正しく行うことで、症状の悪化や感染症のリスクを下げることができます。焦らず、以下の手順を参考にしてください。

最初に行うべきことは、その場を離れることです。アブはしばしば群れで行動することがあり、また同じアブが再び近づいてくることもあります。刺されたと気づいたら、まず素早くその場を離れましょう。アブを手で払おうとすると、かえって刺激して再度噛まれるリスクがあるため、払う際も素早く行いましょう。

次に傷口を洗い流します。清潔な水(できれば流水)で、刺された部位をやさしく丁寧に洗います。アブの唾液には抗凝固物質・血管拡張物質・炎症を引き起こす成分が含まれており、これらをできるだけ洗い流すことが大切です。石けんを使って洗うとより効果的です。ただし、強くこすることは傷口を広げてしまう恐れがあるため、やさしく洗うことを意識しましょう。

洗浄後は冷やすことが有効です。清潔なタオルに包んだ保冷剤や氷、あるいは冷たい水で濡らしたタオルなどを使って、患部を冷やします。冷やすことで、血管を収縮させて腫れや炎症を抑える効果が期待できます。アイシング(冷却)は10〜15分を目安に行い、直接皮膚に氷を当て続けることは避けてください(低温やけどのリスクがあります)。

市販薬の使用も有効です。虫刺されに対応したかゆみ止め・炎症止めのクリームや液体薬が市販されています。ステロイド成分(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)が配合されたものは炎症とかゆみを抑えるのに効果的です。抗ヒスタミン成分が配合されたものもかゆみ軽減に役立ちます。薬局で購入する際は、薬剤師に相談するとよいでしょう。

掻かないことも非常に重要です。強いかゆみを感じても、掻くことは百害あって一利なしです。掻くことで皮膚のバリアが破壊され、細菌が侵入して二次感染(とびひや蜂窩織炎など)を起こすリスクが高まります。また、掻くことでかゆみの悪循環(掻く→皮膚が傷つく→炎症が強くなる→さらにかゆくなる)が生じます。特にお子さんの場合は掻かないよう注意が必要で、ガーゼや包帯で患部を保護することも有効です。

Q. アブ刺傷でアナフィラキシーが疑われる症状は?

アブに刺されて数分〜30分以内に、全身のじんましん・顔や喉の腫れ・息苦しさ・めまい・意識が遠のく感覚などが現れた場合はアナフィラキシーが疑われます。これらは命に関わる緊急事態のため、直ちに119番へ連絡し救急受診が必要です。エピペンを処方されている方は速やかに使用してください。

🔍 6. 病院を受診すべき症状・タイミング

アブに刺された多くのケースでは、適切な応急処置と市販薬の使用で症状が改善していきます。しかし、以下のような場合は医療機関を受診することをお勧めします。

まず、刺された直後から数分以内に全身症状が現れた場合は、ためらわず救急受診が必要です。具体的には、じんましんが全身に広がる・顔や喉が腫れる・呼吸が苦しくなる・声がかすれる・めまいや意識が遠のく感じがする・血圧が急激に下がる(ショック)、などのアナフィラキシー症状が疑われるサインです。これらは命に関わる緊急事態です。

局所の腫れが非常に強い場合も受診が必要です。刺された部位の腫れが急速に広がり、直径10cm以上になる場合や、腕・足全体がむくむほど腫れている場合は、強いアレルギー反応が起きている可能性があります。また、腫れた部位が固く熱を持ち、強い痛みが続く場合も同様です。

感染症のサインが現れた場合も受診が必要です。刺されて数日後から腫れがひかず、むしろ悪化している・傷口から膿が出ている・赤みが広がり続けている・発熱がある、などは細菌感染(蜂窩織炎など)のサインである可能性があります。これらは抗菌薬による治療が必要なため、早めに皮膚科や外科を受診してください。

水疱が大きくなったり破れたりした場合も要注意です。水疱が複数できていたり、自然に破れてじくじくした状態になっている場合は、二次感染のリスクが高まっています。無理に破かずに、早めに医療機関を受診しましょう。

なお、受診する診療科は症状によって異なりますが、皮膚科が最も対応しやすいことが多いです。アナフィラキシーが疑われる緊急時は、救急外来または119番への連絡が最優先です。

📝 7. アナフィラキシーについて知っておくべきこと

アナフィラキシーとは、特定の物質(アレルゲン)に対する急激で重篤な全身性アレルギー反応のことです。アブに刺されることでアナフィラキシーが起こる可能性は、ハチほど高頻度ではありませんが、ゼロではありません。特に過去にアブに刺されて強い反応を経験したことがある方や、アレルギー体質の方は注意が必要です。

アナフィラキシーの症状は、刺されてから数分以内(多くは15〜30分以内)に現れることが多いです。皮膚症状としては全身のじんましん・顔面の腫れ・強いかゆみなどが現れます。呼吸器症状としては喉の締め付け感・喉の腫れ・息苦しさ・喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューする音)が起こります。消化器症状としては吐き気・嘔吐・腹痛などが見られることもあります。そして循環器症状として血圧低下・脈が速くなる・顔面蒼白・意識を失う(アナフィラキシーショック)といった状態になることがあります。

これらの症状のうち、複数が組み合わさって急速に現れた場合はアナフィラキシーを強く疑います。このような状態では、すぐに水平に寝かせて(呼吸が苦しい場合は少し上体を起こす)、119番に連絡することが最優先です。エピネフリン(アドレナリン)自己注射薬(エピペン)を処方されている方は、速やかに使用してください。

アブに刺されて過去に強い反応を経験したことがある方や、蜂アレルギーがある方は、アブの生息地に出かける際にあらかじめアレルギー専門医を受診し、対策について相談しておくことをお勧めします。エピペンの処方についても相談できます。

Q. アブ刺傷の跡が長期間消えない原因と対策は?

アブ刺傷の跡が長く残る主な原因は「炎症後色素沈着」で、強い炎症後にメラニン色素が過剰産生されて茶褐色のシミ状に残ります。対策として日焼け止めや衣類による紫外線対策・保湿ケアが有効です。それでも改善しない場合は皮膚科への相談をおすすめします。アイシークリニック東京院でも専門的なケアを提供しています。

💡 8. 跡が長く残るケースとスキンケアのポイント

アブに刺された跡が数週間から数ヶ月経っても消えない、あるいは黒ずんだシミのような痕が残って気になる、という方は少なくありません。このような状態は、炎症後色素沈着と呼ばれる皮膚の変化によるものです。

炎症後色素沈着とは、皮膚に強い炎症が起きた後に、メラニン色素が過剰に産生されて沈着することで生じる茶色から黒褐色の色素斑です。虫刺されに限らず、ニキビや湿疹などの後にも起こります。特に肌の色が濃い方や日焼けしやすい体質の方、傷口を掻いてしまって炎症が長引いた方などに起こりやすい傾向があります。

炎症後色素沈着を悪化させないためには、紫外線対策が重要です。メラニンの産生は紫外線によって促進されるため、患部が日光にさらされると色素沈着がより濃く・長く残ることがあります。日焼け止めを塗る・衣類で保護する・日傘を使うなどの対策を行いましょう。

保湿ケアも大切です。皮膚が乾燥していると、バリア機能が低下して炎症が長引きやすくなります。刺激の少ない保湿剤で患部をやさしくケアすることで、皮膚の回復を助けます。

ビタミンC・トラネキサム酸などのメラニン産生を抑える成分を含む薬や市販のスキンケア製品も、色素沈着のケアに活用できます。市販の美白化粧品のなかには、これらの成分を含むものもあります。ただし、まだ炎症が残っている状態での使用は刺激になることがあるため、炎症が落ち着いてから使用するのが原則です。

なかなか跡が消えない場合や、跡が気になって日常生活に支障が出ている場合は、皮膚科やクリニックへの相談も選択肢の一つです。トレチノインやハイドロキノンを使った治療、ケミカルピーリングやレーザー治療など、専門的なアプローチで改善できるケースもあります。アイシークリニック東京院では、こうした皮膚の悩みについても専門医が対応しています。気になる方はお気軽にご相談ください。

✨ 9. アブに刺されないための予防策

アブの被害を防ぐためには、生態を理解した上で予防策を講じることが大切です。以下の対策を参考にしてください。

服装による予防が最も基本的な対策です。肌の露出をできるだけ減らすことで、アブが直接皮膚に到達することを防げます。長袖・長ズボン・靴下・帽子などをしっかり着用しましょう。特に、色については白や明るい色の衣類がアブを引きつけにくいとされており、黒や紺など濃い色はアブが好む傾向があるため避けることをお勧めします。首元や手首など露出しやすい部分には、虫よけスプレーを使用しましょう。

虫よけ剤の使用も有効な手段です。DEET(ディート)を含む虫よけ剤は、蚊・アブ・ブユなど多くの吸血昆虫に対して忌避効果があります。日本では、12歳未満の子どもへの使用は濃度・使用回数に制限があるため、使用上の注意をよく読んだ上で使用してください。イカリジンを主成分とした虫よけ剤も年齢制限がなく、子どもにも使いやすい製品として広まっています。こうした製品を露出部分にしっかり塗布することで、アブの接近を防ぐ効果が期待できます。

行動面での対策も重要です。アブが活発になる時間帯(日中・特に晴れた日の午前〜午後)に、アブが多い場所(河川沿い・湿地・牧草地・林の縁など)での活動は注意が必要です。また、強い香水や花の香りの化粧品はアブを引き付けることがあるため、アウトドアでは控えるとよいでしょう。食べ物の甘い香りも昆虫を引き付けるため、飲み物を開けたままにしないなどの注意も必要です。

屋外での休憩時には、できるだけ開けた風通しのよい場所を選ぶとよいです。アブは風が弱い場所を好む傾向があるため、風が吹いている場所ではやや被害が少なくなります。また、テントやシェルターを使用する際は、入り口を確認して虫が入らないようにすることも大切です。

万が一アブに刺された場合に備えて、アウトドア先には応急処置セット(流水での洗浄用の水・虫刺され薬・冷却グッズ)を持参しておくと安心です。過去にアレルギー反応が強く出たことがある方は、かかりつけ医に相談し、エピペンの携帯も検討してください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「夏季のアウトドア後にアブに刺された跡を「蚊に刺されたもの」と思い込んで対処が遅れ、腫れが悪化した状態でご来院される患者さまを多く拝見します。アブは皮膚を噛み切る特性から腫れや炎症が強く出やすく、掻き壊しによる二次感染(蜂窩織炎など)に至るケースも少なくないため、刺された直後からの丁寧な洗浄・冷却・市販薬の使用が症状の悪化を防ぐ大切な第一歩です。全身のじんましんや呼吸困難など気になる症状が少しでも現れた場合はためらわず救急を受診いただき、腫れや色素沈着が長引いてお悩みの場合も、お気軽に皮膚科へご相談ください。」

📌 よくある質問

アブに刺された跡は蚊に刺された跡とどう違いますか?

アブに刺された跡は、中心に小さな傷口や出血点があり、その周囲に5cm以上の広範囲な赤い腫れと熱感が生じるのが特徴です。蚊の場合は傷口がほぼ見えず、腫れも直径1〜2cm程度にとどまります。また、アブは刺された瞬間から強い痛みを感じる点も、蚊との大きな違いです。

アブに刺された直後に行うべき応急処置は何ですか?

まずその場を素早く離れ、次に流水と石けんで患部をやさしく洗い流します。その後、タオルに包んだ保冷剤などで10〜15分ほど冷やして炎症を抑えましょう。市販のステロイドや抗ヒスタミン成分配合の虫刺され薬も有効です。強いかゆみがあっても掻くと二次感染のリスクが高まるため、できる限り我慢することが重要です。

アブに刺された後、どのような症状が出たら病院を受診すべきですか?

全身にじんましんが広がる・顔や喉が腫れる・息苦しくなる・めまいや意識が遠のくなどアナフィラキシーが疑われる場合は、直ちに救急受診が必要です。また、腫れが直径10cm以上に広がる・傷口から膿が出る・発熱があるなど感染症のサインが見られる場合も、皮膚科や外科への早めの受診をお勧めします。

アブに刺された跡がなかなか消えないのはなぜですか?

強い炎症の後にメラニン色素が過剰産生される「炎症後色素沈着」が原因です。特に患部を掻いて炎症が長引いた場合や、紫外線にさらされた場合に悪化しやすくなります。日焼け止めや衣類での紫外線対策・保湿ケアが有効です。それでも跡が気になる場合は、アイシークリニック東京院など皮膚科への相談をお勧めします。

アブに刺されないようにするための効果的な予防策はありますか?

長袖・長ズボンなど肌の露出を減らす服装が基本です。服の色は白など明るい色を選び、黒や紺は避けましょう。DEETやイカリジン配合の虫よけ剤を露出部分に塗布することも効果的です。アブが活発な日中の河川沿いや湿地での活動時は特に注意し、強い香りの香水や化粧品の使用も控えることをお勧めします。

🎯 まとめ

アブに刺された跡は、中心に小さな傷口や出血点があり、その周囲に広範囲の赤い腫れと熱感を伴うのが特徴です。蚊に刺された跡よりも腫れが大きく、刺された瞬間からの強い痛みが特徴的なため、「アブかもしれない」と気づくことができます。症状は刺された直後から徐々に悪化し、24時間以内に最大になることが多く、適切な対処をすれば多くの場合1週間程度で改善していきます。

正しい応急処置として、まず流水で傷口を洗い、冷やして炎症を抑え、市販の虫刺され薬を使用することが基本です。掻くことは症状を悪化させるため、できる限り我慢しましょう。アナフィラキシーの症状(全身のじんましん・呼吸困難・血圧低下など)が現れた場合は命に関わるため、即座に救急受診が必要です。

また、跡が長く残る場合は炎症後色素沈着が原因であることが多く、紫外線対策・保湿・美白ケアなどで改善を図れます。それでも気になる場合は、皮膚科・クリニックへの相談をお勧めします。

夏のアウトドアを安全に楽しむためにも、アブの生態や被害の特徴を正しく知り、予防と応急処置の知識を身につけておくことが大切です。適切な服装・虫よけ剤の使用・応急処置セットの携帯など、事前準備をしっかりと行って、アブの被害を最小限に抑えましょう。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 虫刺されの応急処置・予防策・受診の目安など、アブを含む吸血昆虫による皮膚障害への対処法に関する公的ガイダンスの参照
  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚症状(発赤・腫脹・水疱・炎症後色素沈着など)の診断・治療・スキンケアに関する学会公式見解の参照
  • 国立感染症研究所 – アブ刺傷に関連するアナフィラキシー反応、蜂窩織炎等の二次感染、およびマダニ媒介感染症(ライム病等)との鑑別に関する感染症疫学情報の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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