
ふと気がつくと、耳の横や耳の周辺にしこりができていた、という経験はありませんか?
こんな不安、ありませんか?
「触ると硬い…これ大丈夫?」
「悪いものだったらどうしよう」
耳の横のしこりは、良性のものからすぐ受診が必要なものまで原因がさまざま。
自己判断は危険です。この記事を読めば、あなたのしこりが「様子見OK」か「今すぐ病院へ」かがわかります。
🚨 放置するとこうなるかも…
顔面麻痺・急速な腫れ・全身症状が出てからでは手遅れになるケースも。
「たかがしこり」と油断しないでください。
📋 この記事を読むとわかること
- ✅ 耳の横のしこりの主な原因と見分け方
- ✅ 良性・悪性の違いと受診すべきサイン
- ✅ 何科を受診すればいいかがすぐわかる
- ✅ 診断・検査・治療の流れ
目次
- 耳の横のしこりとは?どんな場所にできる?
- 耳の横にしこりができる主な原因
- 良性のしこりと悪性のしこりの違いとは
- 注意が必要な症状・受診のサイン
- 耳の横のしこりは何科を受診すればよい?
- 耳の横のしこりの診断と検査
- 治療方法について
- しこりを自己判断しないことの重要性
- まとめ
この記事のポイント
耳の横のしこりは粉瘤・リンパ節炎・耳下腺腫瘍など原因が多様で、顔面麻痺・急速な増大・全身症状がある場合は緊急受診が必要。自己判断は危険で、まず耳鼻咽喉科への受診が推奨される。
💡 耳の横のしこりとは?どんな場所にできる?
耳の横にできるしこりとは、耳介(外から見える耳の部分)の周囲、耳たぶの近く、耳の前方(前耳部)、耳の後ろ(耳後部)、あるいは耳の下あたりにできる「こぶ」「膨らみ」「腫れ」を指します。大きさは数ミリ程度の小さなものから、数センチに及ぶものまでさまざまです。
しこりができる場所によって考えられる原因が異なるため、「どのあたりにあるか」を把握することが診断の大きな手がかりになります。たとえば、耳の前方(耳前部)にしこりがある場合は耳下腺(唾液腺のひとつ)に関わる病気の可能性があり、耳の後ろにある場合はリンパ節の腫れや粉瘤(アテローム)が疑われることが多くあります。
また、しこりが単発なのか複数あるのか、痛みがあるかどうか、発熱などの全身症状を伴うかどうかによっても原因の絞り込みに役立ちます。自分でしこりを触って確認することは大切ですが、自己判断で放置したり対処したりすることは避け、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが重要です。
Q. 耳の横にしこりができる主な原因は何ですか?
耳の横にできるしこりの主な原因には、粉瘤(アテローム)・リンパ節炎・耳下腺腫瘍・脂肪腫・耳介血腫・副耳・帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)・悪性リンパ腫・転移性リンパ節腫脹などがあります。しこりの場所や硬さ、痛みの有無によって原因が異なるため、専門医による診断が重要です。
📌 耳の横にしこりができる主な原因
耳の横にしこりができる原因は多岐にわたります。以下に代表的なものを挙げて解説します。
✅ 粉瘤(アテローム)
粉瘤とは、皮膚の下に袋状の組織ができ、その中に角質や皮脂が溜まることで生じるしこりです。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれます。耳の後ろや耳たぶの近くに比較的よくみられる良性の病変です。
粉瘤は基本的に痛みがなく、皮膚の表面を触るとぐりぐりと動くことがあります。中心部に黒い点(開口部)が見えることもあります。炎症を起こすと赤く腫れ上がり、強い痛みを伴うことがあるため注意が必要です。炎症を繰り返したり、大きくなったりする場合は手術による摘出が行われます。
📝 リンパ節の腫れ(リンパ節炎)
耳の周囲にはリンパ節が多数存在しており、風邪や感染症、炎症などが起きるとリンパ節が反応して腫れることがあります。これをリンパ節炎と呼びます。耳の後ろや耳の下(顎の下あたり)にしこりのような腫れを感じた場合、リンパ節の腫れが原因であることは非常に多いです。
急性リンパ節炎は、細菌やウイルスの感染によって引き起こされます。発熱、のどの痛み、倦怠感などの全身症状を伴うことが多く、感染が落ち着くとともに腫れも引いていくことがほとんどです。一方、数週間以上にわたって腫れが続く場合は慢性リンパ節炎や別の原因が疑われるため、医師への相談が必要です。
🔸 耳下腺腫瘍(じかせんしゅよう)
耳下腺は耳の前から顎にかけて位置する最大の唾液腺で、ここにできる腫瘍を耳下腺腫瘍といいます。耳の前方や耳たぶの下あたりに硬いしこりとして触れることがあります。
耳下腺腫瘍の多くは良性の「多形性腺腫(たけいせいせんしゅ)」ですが、悪性腫瘍が含まれるケースもあります。良性の場合も放置すると大きくなることがあり、また悪性化するリスクもゼロではないため、早期に専門医への受診と精密検査が推奨されます。特に顔面神経の障害(顔面麻痺)を伴う場合は悪性腫瘍の可能性が高まるため、早急な対処が必要です。
⚡ 外耳道炎・耳介炎による腫れ
外耳道(耳の穴から鼓膜までの部分)や耳介(外耳)の炎症によって、周囲が腫れることがあります。耳を触ったり引っ張ったりすると痛みが強くなるのが特徴で、耳垂れ(耳だれ)を伴うこともあります。耳かきのやりすぎや水が入ることで細菌感染が起きやすくなります。炎症が強い場合は抗菌薬による治療が行われます。
🌟 耳介血腫(じかいけっしゅ)
耳介血腫は、耳介(外側から見える耳)が強い衝撃を受けることで耳介の皮膚と軟骨の間に血液が溜まる状態です。スポーツ(ラグビーや柔道など)での衝突が原因になることが多く、耳が赤紫色に腫れ上がって柔らかくなります。適切な処置を行わないと軟骨が変形し、いわゆる「カリフラワー耳」になってしまうことがあります。
💬 副耳(ふくじ)
副耳とは、耳の前方(耳前部)に生まれつきある小さな突起状の皮膚組織のことです。軟骨を含む場合と含まない場合があります。生まれつきのものであるため成長とともに変化することはほとんどありませんが、見た目が気になる場合は手術で取り除くことが可能です。副耳は悪性ではなく健康上の問題はありませんが、他の先天性の異常を伴うことがあるため、医師による確認が望ましいです。
✅ 脂肪腫(しぼうしゅ)
脂肪腫は皮下の脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍で、体のどこにでも生じます。耳の周囲にできることもあり、柔らかく、触ると動くことが多いのが特徴です。通常は痛みがなく、ゆっくりと大きくなることがあります。悪性化することはほとんどありませんが、大きくなったり場所によって不快感がある場合には摘出手術が行われます。
📝 帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
水痘・帯状疱疹ウイルスが顔面神経に沿って再活性化した場合、ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれる状態になることがあります。耳の周囲や耳介に水疱(水ぶくれ)が生じ、耳の痛み、難聴、めまい、顔面麻痺などを引き起こします。初期には皮膚の変化が目立たず、しこりのように感じられることもあります。早期治療(抗ウイルス薬)が後遺症を防ぐ上で非常に重要です。
🔸 悪性リンパ腫
悪性リンパ腫はリンパ球が悪性化する血液のがんで、リンパ節が腫れる症状が出ることがあります。耳の周囲のリンパ節が腫れる場合もあり、一般的には痛みが少なく、しこりが複数箇所に生じるのが特徴です。発熱、体重減少、寝汗などの全身症状を伴うことがあります。早期発見と適切な治療が非常に重要な病気です。
⚡ 転移性リンパ節腫脹
頭頸部(頭と首の領域)にある悪性腫瘍(喉頭がん、咽頭がん、甲状腺がん、皮膚がんなど)が耳周囲のリンパ節に転移することがあります。転移性リンパ節腫脹は、しこりが硬く固定されており、短期間で大きくなるのが特徴です。このような場合は早急な精密検査と治療が求められます。
✨ 良性のしこりと悪性のしこりの違いとは
しこりを触ったときの感触や特徴から、良性か悪性かをある程度推測することができます。ただし、これはあくまでも目安であり、自己判断での判定は難しいため、専門医による診断が不可欠です。
良性のしこりには、比較的柔らかく弾力がある、境界がはっきりしている、動かすことができる、ゆっくりと成長する(または成長しない)、痛みがないことが多い、といった特徴があります。粉瘤や脂肪腫、良性の耳下腺腫瘍などがこれにあたります。
一方、悪性のしこりには、硬くて固定されている(動かない)、境界が不明瞭、短期間で急速に大きくなる、周囲の組織と癒着している感じがある、皮膚の変色(赤み、紫色など)を伴う、痛みを伴うことがある(ただし痛みがない場合も多い)、全身症状(発熱、体重減少、倦怠感)を伴うといった特徴が見られることがあります。
しかし、これらの特徴はあくまでも傾向であり、見た目や触感だけで良悪性を断定することは医師にとっても困難な場合があります。しこりに気づいたら自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。
Q. 耳の横のしこりで緊急受診が必要な症状は?
顔面麻痺や顔のしびれを伴う場合、しこりが数日〜数週間で急速に大きくなる場合、発熱・体重減少・夜間の発汗などの全身症状がある場合、耳の痛みや難聴・めまいを伴う場合は緊急性が高いです。特に顔面麻痺は耳下腺悪性腫瘍やラムゼイ・ハント症候群の疑いがあり、迅速な受診が必要です。
🔍 注意が必要な症状・受診のサイン
耳の横にしこりを見つけた場合、以下のような状況では特に早めに受診することを強くお勧めします。
まず、しこりが急速に大きくなっている場合です。数日から数週間の短期間で明らかに大きくなっている場合は、炎症や悪性腫瘍の可能性があるため迅速な診察が必要です。
次に、しこりが硬くて動かない場合です。周囲の組織に固定されているように感じられるしこりは、悪性腫瘍の特徴の一つであるため注意が必要です。
しこりが複数ある場合も要注意です。首や耳周囲など複数箇所にしこりが確認される場合は、リンパ腫や転移性腫瘍の可能性があります。
顔面麻痺や顔のしびれを伴う場合は特に緊急性が高く、耳下腺の悪性腫瘍や顔面神経に関わる病気が疑われます。すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
発熱や体重減少、夜間の発汗が続く場合は、リンパ腫などの血液疾患のサインである可能性があります。全身症状と耳周囲のしこりが同時に見られる場合は早急な検査が必要です。
また、2〜4週間以上しこりが消えない場合も受診の目安になります。感染症によるリンパ節の腫れであれば通常は数週間で落ち着きますが、それ以上続く場合には別の原因を考える必要があります。
耳の痛み、難聴、めまいなどの耳の症状を伴う場合も、耳の疾患やラムゼイ・ハント症候群などが疑われるため、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
さらに、しこりの表面が潰れて分泌物が出ている場合や、皮膚に変色(赤み、紫色など)が見られる場合も注意が必要です。炎症性粉瘤や感染症、悪性腫瘍の可能性があります。

💪 耳の横のしこりは何科を受診すればよい?
耳の横にできたしこりについて、どの科を受診すればよいか迷われる方も多いかと思います。以下を参考にしてください。
🌟 耳鼻咽喉科
耳の横のしこりには、まず耳鼻咽喉科への受診が最も適切です。耳介や耳周囲の疾患、外耳道炎、耳下腺の病変、リンパ節の腫れなど、耳の横にできるしこりの多くの原因に対応できます。耳に関連する症状(耳鳴り、難聴、耳の痛みなど)を伴う場合は特に耳鼻咽喉科が適しています。
💬 皮膚科
粉瘤(アテローム)や脂肪腫など、皮膚や皮下組織に関連するしこりの場合は皮膚科での対応が可能です。皮膚の表面から触れて確認できる浅いしこりや、皮膚の変色・炎症を伴うしこりは皮膚科を受診するとよいでしょう。
✅ 形成外科・美容外科
粉瘤や脂肪腫、副耳の摘出手術を希望する場合は、形成外科や美容外科でも対応が可能です。特に見た目の改善を目的とした場合に受診されることが多い科です。アイシークリニック東京院でも粉瘤や副耳などの手術を行っています。
📝 内科・血液内科
全身症状(発熱、体重減少、倦怠感)を伴うリンパ節の腫れがある場合は、悪性リンパ腫などの血液疾患の可能性を排除するため、内科または血液内科への受診も検討してください。
受診先に迷った場合は、まず一般内科やかかりつけ医に相談し、適切な科を紹介してもらう方法も有効です。また、しこりの場所・大きさ・硬さ・期間などを記録しておくと、診察時に役立ちます。
Q. 耳の横のしこりは良性と悪性をどう見分けますか?
良性のしこりは柔らかく弾力があり、境界が明瞭で動かせることが多い傾向があります。悪性のしこりは硬く固定されており、短期間で急速に大きくなり、境界が不明瞭な場合があります。ただし触感や見た目だけでの判断は医師でも困難なため、気になるしこりは必ず専門医を受診してください。
🎯 耳の横のしこりの診断と検査
耳の横のしこりを受診した際、医師はどのような方法で診断を進めるのでしょうか。一般的な診察の流れを説明します。
🔸 問診
まず詳細な問診が行われます。しこりに気づいた時期、大きさや硬さの変化、痛みの有無、発熱などの全身症状、耳・鼻・喉の症状、過去の病気や感染症の既往歴などを確認します。問診は診断において非常に重要な情報源となるため、できるだけ正確に答えるようにしましょう。
⚡ 視診・触診
医師がしこりを目で確認し、指で触れて硬さ、大きさ、形、可動性(動くかどうか)、周囲の組織との癒着などを確認します。また、耳介、外耳道、鼓膜の状態も確認されます。
🌟 超音波検査(エコー検査)
超音波検査はしこりの内部の性状(液体が溜まっているか、固形の腫瘍か)を非侵襲的に確認できる検査です。耳下腺腫瘍やリンパ節腫脹の評価に特に有用で、外来で比較的簡単に行えます。
💬 CT・MRI検査
しこりの広がりや深さ、周囲の組織との関係を詳しく調べるために、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)検査が行われることがあります。悪性腫瘍が疑われる場合や耳下腺の深部に及ぶ腫瘍の評価に有用です。
✅ 細胞診・生検
しこりから細胞を採取して顕微鏡で調べる細胞診(穿刺吸引細胞診)や、しこりの一部を切り取って病理検査を行う生検(バイオプシー)が行われることがあります。特に悪性腫瘍が疑われる場合には確定診断のために必要となります。
📝 血液検査

感染症、炎症マーカー(CRP)、腫瘍マーカー、血球の異常などを確認するために血液検査が実施されることがあります。悪性リンパ腫や全身性の感染症のスクリーニングにも利用されます。
💡 治療方法について
耳の横のしこりの治療方法は、原因によって大きく異なります。以下に主な疾患ごとの治療法を解説します。
🔸 粉瘤(アテローム)の治療
粉瘤の根本的な治療法は手術による摘出です。炎症を起こしていない場合は日帰り手術で摘出することが可能で、局所麻酔下で袋ごとしこりを取り除きます。炎症を起こしている場合はまず抗菌薬や切開排膿で炎症を落ち着かせてから、後日摘出手術を行うことが多いです。再発を防ぐためには袋を完全に取り切ることが重要です。
⚡ リンパ節炎の治療
細菌感染によるリンパ節炎には抗菌薬が使用されます。ウイルス感染による場合は対症療法(解熱剤など)が中心となり、多くは自然に回復します。膿が溜まっている場合は切開排膿が必要になることもあります。
🌟 耳下腺腫瘍の治療
耳下腺腫瘍の治療は手術が基本です。良性腫瘍の場合も将来的な悪性化リスクがあるため、手術による摘出が推奨されます。顔面神経の近くに位置するため、手術には高い技術が必要で、顔面神経を保護しながら丁寧に摘出します。悪性腫瘍の場合は、手術に加えて放射線治療や化学療法が組み合わされることがあります。
💬 脂肪腫の治療
脂肪腫は小さく症状がない場合は経過観察が可能です。大きくなったり不快感がある場合は、手術による摘出が行われます。局所麻酔下での日帰り手術で対応できることが多いです。
✅ 耳介血腫の治療
耳介血腫の治療は、溜まった血液を注射器で吸引・排出するか、小さく切開して排出します。軟骨の変形を防ぐために再発防止の圧迫処置を行うことが重要です。繰り返す場合や重症例では手術が必要になることもあります。
📝 ラムゼイ・ハント症候群の治療
ラムゼイ・ハント症候群の治療には抗ウイルス薬(アシクロビルなど)とステロイド薬が使用されます。早期に治療を開始することが後遺症(顔面麻痺や難聴)の軽減に非常に重要です。症状が出てから72時間以内の投与開始が推奨されています。
🔸 悪性腫瘍・悪性リンパ腫の治療
悪性リンパ腫や転移性腫瘍の治療は、種類やステージによって異なります。化学療法、放射線治療、手術、免疫療法など、専門医のもとで総合的な治療計画が立てられます。早期発見・早期治療が予後に大きく影響するため、悪性が疑われる場合は迅速な対応が求められます。
Q. 耳の横のしこりの診断にはどんな検査が行われますか?
耳の横のしこりの診断では、まず問診・視診・触診が行われます。その後、しこりの内部構造を確認する超音波検査(エコー)、広がりや深さを調べるCT・MRI検査、悪性腫瘍が疑われる場合は細胞診や生検(バイオプシー)が実施されます。感染症や血液疾患のスクリーニングに血液検査が用いられることもあります。
📌 しこりを自己判断しないことの重要性
インターネットで症状を調べると、様々な情報が出てきます。しこりの原因として粉瘤やリンパ節の腫れなど良性疾患が多く見つかると、「おそらく大丈夫だろう」と自己判断して様子を見てしまう方も少なくありません。しかし、しこりを自己判断で放置することには大きなリスクがあります。
まず、見た目や触感だけでは良性か悪性かを区別することは難しく、医師でさえ画像検査や病理検査なしに確定診断を下せないケースがあります。自己判断による「大丈夫だろう」という思い込みは、悪性腫瘍の早期発見の機会を逃してしまうことにつながります。
また、粉瘤や耳介血腫などの良性疾患であっても、適切な時期に治療を行わないと炎症の悪化や軟骨の変形など、不可逆的な変化が生じることがあります。特に耳介血腫は早期処置が重要で、放置すると「カリフラワー耳」と呼ばれる耳介の変形が生じることがあります。
さらに、ラムゼイ・ハント症候群のような疾患では治療の開始が数日遅れるだけで、顔面麻痺や難聴などの後遺症が残るリスクが大きく高まります。
しこりに気づいたら、まずは「少し様子を見てみよう」と放置するのではなく、少しでも気になるのであれば早めに医療機関を受診することを強くお勧めします。受診することで原因が良性と判明すれば安心できますし、万が一注意が必要な病気であれば早期発見・早期治療につながります。
特に、しこりが急速に大きくなっている、2〜4週間以上消えない、硬くて動かない、全身症状を伴うといった場合は迷わず受診してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の横のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが、粉瘤やリンパ節の腫れといった良性疾患であることが多いですが、中には早急な対応が必要なケースも見受けられます。しこりは見た目や触感だけでは良悪性の判断が難しく、「しばらく様子を見ていたら大きくなってきた」とおっしゃって受診される方も少なくないため、気になった段階でまずお気軽にご相談いただくことが大切だと考えています。特に顔面麻痺や急速な増大など気になるサインがある場合は、できるだけ早く専門医を受診されることを強くお勧めします。」
✨ よくある質問
耳の横のしこりは、まず耳鼻咽喉科への受診が最も適切です。耳介や耳下腺、リンパ節など、耳周囲のしこりの多くの原因に対応できます。粉瘤や脂肪腫など皮膚・皮下組織のしこりは皮膚科や形成外科でも対応可能です。受診先に迷う場合は、かかりつけ医に相談して適切な科を紹介してもらう方法も有効です。
自己判断での良悪性の判定は非常に困難です。一般的に、悪性のしこりは硬くて動かない、短期間で急速に大きくなる、境界が不明瞭といった特徴がありますが、これらはあくまで傾向です。医師でも画像検査や病理検査なしに確定診断できないケースがあるため、気になるしこりは必ず専門医を受診してください。
耳の後ろにできるしこりは、リンパ節の腫れ(リンパ節炎)や粉瘤(アテローム)が原因であることが多いです。風邪などの感染症が原因のリンパ節の腫れは、感染が落ち着くと自然に引くことがほとんどです。ただし、2〜4週間以上腫れが続く場合や、硬くて動かない場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。
以下の症状がある場合は特に早急な受診が必要です。顔面麻痺や顔のしびれを伴う場合、しこりが急速に大きくなっている場合、発熱・体重減少・夜間の発汗などの全身症状を伴う場合、耳の痛みや難聴・めまいがある場合などです。特に顔面麻痺はラムゼイ・ハント症候群や耳下腺悪性腫瘍の可能性があり、迅速な対応が必要です。
粉瘤は良性の病変ですが、放置すると炎症を起こして赤く腫れ上がり、強い痛みを伴うことがあります。根本的な治療は手術による摘出で、炎症がない状態であれば局所麻酔での日帰り手術が可能です。炎症を繰り返したり大きくなったりする場合は早めの手術が推奨されます。アイシークリニックでも粉瘤の診察・手術に対応していますので、お気軽にご相談ください。
🔍 まとめ
耳の横にできるしこりには、粉瘤・リンパ節炎・耳下腺腫瘍・脂肪腫・帯状疱疹・悪性リンパ腫など、多くの原因が考えられます。それぞれに特徴や治療法が異なるため、自己判断に頼らず専門医による診察を受けることが何よりも大切です。
良性のしこりは柔らかく動きやすい傾向があり、悪性のしこりは硬く固定されていることが多いといわれていますが、見た目や触感だけで確実に判断することはできません。しこりに気づいたら、その特徴(大きさ、硬さ、動き、痛みの有無、期間など)をメモしておき、耳鼻咽喉科・皮膚科・形成外科などを受診しましょう。
特に、急速な成長・顔面麻痺・全身症状・複数箇所の腫れがある場合は緊急性が高い場合があります。早期発見・早期治療が、症状の改善や後遺症の予防に直結します。「これくらいなら大丈夫だろう」と思わず、気になる症状があればぜひ早めに医療機関を受診してください。アイシークリニック東京院では、粉瘤や脂肪腫などの皮下腫瘍の診察・手術に対応しています。耳の横のしこりでお悩みの方は、まずは気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫などの皮膚・皮下腫瘍の診断基準および治療ガイドラインに関する情報
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・副耳・耳介血腫などの形成外科的疾患の概要および手術適応・治療方針に関する情報
- 国立感染症研究所 – 帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群を含む)の病態・感染機序・治療および予防に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務