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はじめに

喉の痛みは日常的によく経験する症状の一つですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、喉が痛いと感じた時に「もしかしてコロナかもしれない」と不安に感じる方が増えています。実際、喉の痛みは新型コロナウイルス感染症の初期症状の一つとして知られていますが、風邪やインフルエンザ、扁桃炎など、他の多くの疾患でも同様の症状が現れます。

本記事では、喉の痛みと新型コロナウイルス感染症の関係について、最新の医学的知見をもとに詳しく解説します。症状の特徴や他の疾患との見分け方、受診のタイミング、自宅でのケア方法まで、患者様が適切な判断と行動ができるよう、わかりやすくお伝えします。

新型コロナウイルス感染症と喉の痛みの関係

喉の痛みはコロナの代表的な症状の一つ

厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染症の主な症状には、発熱、咳、倦怠感とともに喉の痛みが含まれています。喉の痛みは、新型コロナウイルス感染症患者の約10〜50%に認められる症状であり、感染初期から出現することが多いとされています。

新型コロナウイルスは、主に気道の細胞に感染します。ウイルスが喉の粘膜に付着し、細胞内に侵入して増殖する過程で炎症が起こり、これが喉の痛みとして感じられます。特に、ウイルスが咽頭や扁桃の周辺で増殖すると、局所的な炎症反応が強まり、痛みや不快感が生じやすくなります。

変異株による症状の変化

新型コロナウイルスは変異を繰り返しており、変異株によって症状の出現頻度や特徴が変化してきました。国立感染症研究所の報告によれば、オミクロン株以降の変異株では、従来株と比較して上気道症状が前面に出る傾向があり、喉の痛みを訴える患者の割合が増加しています。

オミクロン株やその亜系統では、喉の痛みが初発症状となることも多く、風邪症状との区別がより困難になっています。一方で、肺炎などの重症化リスクは従来株と比較して低下している傾向が見られます。

喉の痛みの程度と持続期間

新型コロナウイルス感染症による喉の痛みは、軽度から中等度のことが多く、通常は発症から3〜7日程度で改善することが一般的です。ただし、個人差が大きく、軽い違和感程度から、飲み込むことが困難になるほどの強い痛みを感じる場合まで様々です。

喉の痛みに加えて、喉の乾燥感、イガイガ感、声のかすれなどを伴うこともあります。これらの症状は、ウイルスによる炎症だけでなく、発熱による脱水や口呼吸の増加なども関与しています。

新型コロナウイルス感染症と他の疾患の見分け方

風邪との違い

一般的な風邪と新型コロナウイルス感染症は、初期症状が非常に似ているため、症状だけで確実に区別することは困難です。しかし、いくつかの特徴的な違いがあります。

風邪の場合、喉の痛みに加えて鼻水や鼻づまりが比較的早期から顕著に現れることが多く、症状は通常3〜5日程度で軽快し始めます。発熱があっても比較的軽度で、38度を超えることは少ない傾向があります。

一方、新型コロナウイルス感染症では、喉の痛みとともに倦怠感や関節痛、頭痛などの全身症状が強く出ることが特徴です。また、味覚・嗅覚障害が出現することがあり、これは風邪ではほとんど見られない症状です。発熱も38度以上の高熱となることがあります。

インフルエンザとの違い

インフルエンザも喉の痛みを伴う疾患ですが、新型コロナウイルス感染症とは発症様式が異なります。

インフルエンザは突然の高熱(38〜40度)で発症し、悪寒、強い倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状が顕著です。喉の痛みは比較的軽度で、症状の中心ではないことが多いです。また、インフルエンザでは咳が強く出る傾向があります。

新型コロナウイルス感染症は、比較的緩徐に発症することが多く、初期は軽い喉の痛みや微熱から始まり、徐々に症状が増悪していくパターンが見られます。ただし、個人差が大きいため、これだけで判断することはできません。

扁桃炎・咽頭炎との違い

細菌性の扁桃炎や咽頭炎は、強い喉の痛みを特徴とする疾患です。溶連菌感染症などでは、喉を見ると扁桃が著しく腫れて白い膿が付着していることがあり、高熱を伴います。

新型コロナウイルス感染症では、扁桃の著明な腫脹や膿の付着は通常見られません。また、細菌性扁桃炎では抗菌薬が有効ですが、新型コロナウイルス感染症は抗菌薬では治療できません。

アレルギー性疾患との違い

花粉症やアレルギー性鼻炎でも喉の痛みや不快感を感じることがあります。しかし、アレルギー性疾患では発熱することはほとんどなく、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状が前面に出ます。

また、アレルギー症状は特定の季節や環境で悪化する傾向があり、抗アレルギー薬が有効です。一方、新型コロナウイルス感染症は急性の感染症であり、環境との関連性はありません。

新型コロナウイルス感染症が疑われる時の判断基準

医療機関を受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、新型コロナウイルス感染症の可能性を考慮し、医療機関への相談や受診を検討すべきです。

喉の痛みに加えて、以下のいずれかの症状がある場合:

  1. 37.5度以上の発熱が続く場合
  2. 強い倦怠感や息苦しさがある場合
  3. 味覚や嗅覚の異常を感じる場合
  4. 同居家族や身近な人に新型コロナウイルス感染者がいる場合
  5. クラスターが発生した場所に行った履歴がある場合
  6. 高齢者や基礎疾患がある場合

特に、呼吸困難や胸痛、唇や顔面の蒼白、意識障害などの症状がある場合は、重症化のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診するか、救急車を要請してください。

検査を受けるタイミング

新型コロナウイルス感染症の診断には、抗原検査やPCR検査が用いられます。厚生労働省のガイドラインでは、症状がある場合や濃厚接触者となった場合に検査を推奨しています。

検査を受けるタイミングとしては、症状出現から適切な時期を選ぶことが重要です。抗原検査は発症初期から有効ですが、ウイルス量が少ない場合は偽陰性となることもあります。症状がある場合は、かかりつけ医や発熱外来、検査センターなどに相談しましょう。

市販の抗原検査キットを使用する場合も、使用方法を正しく守り、陽性の場合は医療機関に相談することが重要です。陰性だった場合でも、症状が続く場合や悪化する場合は、改めて医療機関を受診しましょう。

自宅待機の判断

軽度の喉の痛みや微熱程度で、呼吸困難や重篤な症状がない場合は、まずは自宅で安静にし、経過を観察することも選択肢の一つです。ただし、以下の点に注意が必要です。

  1. 症状が悪化した場合は速やかに医療機関に相談する
  2. 家族や同居者への感染拡大を防ぐため、できる限り隔離する
  3. こまめに体温や症状を記録する
  4. 水分摂取を心がけ、十分な休息をとる

自己判断に迷う場合は、各自治体の相談窓口や、かかりつけ医に電話で相談することをお勧めします。

喉の痛みがある時の自宅でのケア方法

基本的な対処法

喉の痛みを和らげ、回復を促すための基本的なケア方法をご紹介します。

まず重要なのは、十分な休息と水分補給です。喉の痛みがあると飲み込みにくくなることがありますが、脱水を防ぐためにこまめに水分を摂取しましょう。常温または温かい飲み物が喉に優しく、推奨されます。お茶、白湯、スープなどが適しています。

室内の湿度を適切に保つことも大切です。乾燥した環境では喉の粘膜がさらに刺激されるため、加湿器を使用したり、濡れたタオルを室内に干したりして、湿度を50〜60%程度に保つよう心がけましょう。

喉を温めることも効果的です。首にスカーフを巻いたり、温かい飲み物を摂取したりすることで、血流が促進され、炎症の回復が早まる可能性があります。

うがいの効果と方法

うがいは喉の痛みを和らげ、ウイルスや細菌を洗い流すのに役立ちます。ただし、新型コロナウイルス感染症の予防効果については限定的とされています。

効果的なうがいの方法:

  1. まず口をすすいで口腔内の汚れを取り除く
  2. 水または生理食塩水で喉の奥までうがいをする
  3. 1回15秒程度のうがいを数回繰り返す
  4. 1日に数回行う

イソジンなどのヨウ素系うがい薬は、殺菌効果がありますが、頻繁に使用すると喉の粘膜を傷つける可能性があるため、1日3回程度までとし、水うがいと併用することをお勧めします。

食事と栄養管理

喉が痛い時は、飲み込みやすく、栄養価の高い食事を心がけましょう。

推奨される食事:

  1. やわらかく煮た野菜やおかゆ
  2. 温かいスープや雑炊
  3. プリンやヨーグルトなどのなめらかな食品
  4. バナナなどのやわらかい果物

避けるべき食品:

  1. 辛い食べ物や酸味の強い食品(刺激が強い)
  2. 硬い食品や揚げ物(喉を傷つける可能性)
  3. アルコール(粘膜を刺激し、脱水を促進)
  4. カフェインを多く含む飲料(利尿作用で脱水を促進)

ビタミンCやビタミンB群、亜鉛などは免疫機能をサポートする栄養素です。果物や野菜、肉類、乳製品などをバランスよく摂取しましょう。

市販薬の適切な使用

喉の痛みを和らげるために、市販薬を使用することも選択肢の一つです。ただし、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談することが重要です。

一般的に使用される市販薬:

  1. トローチや喉スプレー:局所的に喉の痛みを和らげる
  2. 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど):痛みや発熱を抑える
  3. 総合感冒薬:複数の症状に対応

ただし、解熱鎮痛薬の使用については注意が必要です。発熱は体がウイルスと戦っている証拠でもあるため、軽度の発熱の場合は無理に下げる必要はありません。38.5度以上の高熱で辛い場合や、痛みで眠れない場合などに適切に使用しましょう。

また、小児や妊婦、授乳中の方、持病のある方は、市販薬を使用する前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

新型コロナウイルス感染症と診断された場合の対応

隔離と療養の基本

新型コロナウイルス感染症と診断された場合、厚生労働省の指針に従って適切な療養を行うことが重要です。

現在の基準では、症状出現日を0日目として、一定期間の療養が推奨されています。ただし、制度や基準は変更される可能性があるため、最新の情報を確認してください。

療養中の基本的な注意点:

  1. 他の家族と可能な限り部屋を分ける
  2. 食事や寝る時も別室で過ごす
  3. 共有スペースの使用を最小限にする
  4. タオルや食器などは共用しない
  5. 部屋の換気をこまめに行う
  6. トイレやドアノブなど共用部分は消毒する

家族への感染を防ぐために

同居する家族がいる場合、家庭内感染を防ぐための対策が重要です。

具体的な対策:

  1. 感染者と介護者以外の家族は、できるだけ感染者と接触しない
  2. 感染者の部屋に入る時は、双方がマスクを着用する
  3. 感染者の世話をした後は、手洗いと消毒を徹底する
  4. 感染者が使用した衣類やリネン類は、他の家族のものと分けて洗濯する
  5. ゴミは密閉して捨て、取り扱った後は手を洗う

高齢者や基礎疾患のある家族がいる場合は、特に注意が必要です。可能であれば、そうした家族は別の場所での一時的な滞在を検討することも考慮すべきです。

症状悪化時の対応

療養中に以下のような症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡してください。

  1. 呼吸が苦しい、息切れがする
  2. 胸の痛みや圧迫感がある
  3. 唇や顔が青白くなる
  4. ぼんやりして反応が鈍い
  5. 意識がもうろうとする
  6. 横になれないほど苦しい

特に、高齢者や基礎疾患のある方、妊婦の方は、症状が軽度でも急速に悪化する可能性があるため、慎重な経過観察が必要です。少しでも異常を感じたら、遠慮せずに医療機関に相談しましょう。

治療とケアの最新情報

抗ウイルス薬治療

新型コロナウイルス感染症に対しては、いくつかの抗ウイルス薬が承認されており、重症化リスクの高い患者や重症患者に使用されています。

現在、日本で使用可能な主な治療薬には、経口抗ウイルス薬や点滴薬などがあります。これらの薬剤は、発症早期から使用することで重症化を防ぐ効果が期待されています。

ただし、これらの薬剤の使用には医師の処方が必要であり、患者の年齢、基礎疾患、症状の程度などを考慮して適切に選択されます。軽症の場合は対症療法のみで経過観察することも多くあります。

対症療法の重要性

多くの場合、新型コロナウイルス感染症の治療は対症療法が中心となります。喉の痛みに対しては、前述した自宅でのケア方法に加えて、医師の判断で鎮痛薬や消炎薬が処方されることがあります。

咳が強い場合は鎮咳薬、痰が多い場合は去痰薬が使用されることもあります。発熱に対しては、アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどの解熱鎮痛薬が使用されます。

これらの薬剤は症状を和らげることで、患者の療養を楽にし、体力の消耗を防ぐ役割があります。適切な対症療法により、体の自然な免疫機能がウイルスと戦うのをサポートします。

漢方薬の活用

日本では、新型コロナウイルス感染症の症状緩和に漢方薬を活用することも検討されています。喉の痛みや発熱、全身倦怠感などに対して、麻黄湯、葛根湯、小柴胡湯加桔梗石膏などの漢方薬が用いられることがあります。

ただし、漢方薬の使用も医師の診断に基づいて行うべきであり、自己判断での服用は避けるべきです。また、漢方薬には西洋薬との相互作用がある場合もあるため、他の薬を服用している場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。

予防対策と日常生活での注意点

基本的な感染予防対策

新型コロナウイルス感染症の予防には、以下の基本的な対策が重要です。

  1. 手洗い・手指消毒の徹底 流水と石鹸で30秒以上かけて丁寧に手を洗う習慣をつけましょう。外出先から帰宅した時、食事の前後、咳やくしゃみの後、不特定多数が触れる場所に触れた後などは特に重要です。
  2. 適切なマスクの着用 医療機関や高齢者施設、混雑した場所では、マスクの着用が推奨されています。また、自分に症状がある場合は、他者への感染を防ぐためにマスクを着用しましょう。
  3. 換気の徹底 室内では定期的に窓を開けて換気を行い、空気の入れ替えを心がけましょう。1時間に5〜10分程度、対角線上の窓を開けると効果的です。
  4. 三密(密閉・密集・密接)の回避 換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面を避けることが感染リスクの低減につながります。
  5. 体調管理と免疫力の維持 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、体調を整えることで免疫力を維持しましょう。

ワクチン接種の重要性

新型コロナウイルスワクチンは、感染予防、重症化予防、死亡予防に効果があることが多くの研究で示されています。厚生労働省は、対象者へのワクチン接種を推奨しています。

ワクチンの種類や接種間隔、対象年齢などは変更される可能性があるため、最新の情報を確認し、かかりつけ医と相談の上、接種を検討してください。

特に高齢者、基礎疾患のある方、医療従事者などの重症化リスクの高い方は、積極的な接種が推奨されています。

健康的な生活習慣の維持

感染症に対する抵抗力を高めるためには、日常的な健康管理が重要です。

  1. 栄養バランスの取れた食事 野菜、果物、たんぱく質、炭水化物をバランスよく摂取し、ビタミン・ミネラルを十分に補給しましょう。
  2. 質の良い睡眠 成人で7〜8時間の睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
  3. 適度な運動 ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことで、免疫機能の維持に役立ちます。
  4. ストレス管理 過度なストレスは免疫機能を低下させます。趣味や休息の時間を大切にし、心身のリラックスを心がけましょう。
  5. 禁煙・節酒 喫煙は気道の粘膜を傷つけ、感染症のリスクを高めます。また、過度な飲酒も免疫機能に悪影響を及ぼします。

後遺症(Long COVID)について

喉の症状が長引く場合

新型コロナウイルス感染症の急性期を過ぎても、様々な症状が長期間持続することがあり、これを「後遺症」または「Long COVID」と呼びます。

喉の症状に関しても、感染から数週間から数ヶ月経過しても、喉の違和感、痛み、声のかすれなどが続くケースが報告されています。これは、ウイルス感染による炎症が長引いたり、神経系への影響が残ったりすることが原因と考えられています。

その他の後遺症

喉の症状以外にも、以下のような様々な後遺症が報告されています。

  1. 倦怠感・疲労感
  2. 息切れ・呼吸困難
  3. 思考力や集中力の低下(ブレインフォグ)
  4. 頭痛
  5. 睡眠障害
  6. 味覚・嗅覚障害
  7. 動悸
  8. 筋肉痛・関節痛

これらの症状は、日常生活や仕事に支障をきたすこともあり、適切な医療的サポートが必要です。

後遺症への対応

後遺症が疑われる場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。多くの医療機関で後遺症外来が設置されており、専門的なケアを受けることができます。

治療としては、症状に応じた対症療法や、リハビリテーション、生活指導などが行われます。また、症状の経過を記録し、医療従事者と共有することで、適切な治療方針を立てることができます。

無理をせず、症状に応じて活動量を調整し、十分な休息を取ることが回復への第一歩です。家族や職場の理解とサポートも重要な要素となります。

特殊な状況での対応

妊娠中の対応

妊婦が新型コロナウイルスに感染すると、妊娠していない成人と比較して重症化リスクがやや高いとされています。喉の痛みなどの症状がある場合は、早めにかかりつけの産科医に相談しましょう。

妊娠中の薬剤使用については、胎児への影響を考慮する必要があるため、自己判断で市販薬を使用せず、必ず医師に相談してください。アセトアミノフェンは比較的安全性が高いとされていますが、使用量や時期については医師の指示に従いましょう。

予防対策としては、人混みを避ける、手洗いを徹底するなどの基本的な対策に加え、ワクチン接種についても産科医と相談することが推奨されています。

高齢者の対応

高齢者は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高く、喉の痛みなどの軽い症状から急速に悪化することもあります。

高齢者が喉の痛みや発熱などの症状を訴えた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。また、高齢者は症状を適切に訴えられない場合もあるため、周囲の人が日頃から体調の変化に注意を払う必要があります。

食欲不振、活動量の低下、認知機能の急な低下なども、感染症の兆候である可能性があります。少しでも異常を感じたら、医療機関に相談しましょう。

基礎疾患がある方の対応

糖尿病、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、腎臓病、がんなどの基礎疾患がある方は、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすいとされています。

喉の痛みなどの症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。また、基礎疾患の治療薬は、感染症にかかっても医師の指示がない限り継続することが原則です。

予防対策を徹底し、定期的な受診を継続することで、基礎疾患の管理と感染予防の両立を図りましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1: 喉の痛みだけで新型コロナウイルス感染症と判断できますか?

A: 喉の痛みだけでは新型コロナウイルス感染症と確定診断することはできません。喉の痛みは風邪やインフルエンザ、扁桃炎など多くの疾患で見られる一般的な症状です。新型コロナウイルス感染症を疑う場合は、発熱や倦怠感などの他の症状の有無、接触歴などを総合的に判断し、必要に応じて検査を受けることが重要です。

Q2: 喉の痛みが出てからどのくらいで医療機関を受診すべきですか?

A: 喉の痛みが軽度で他に症状がない場合は、まず1〜2日様子を見ても良いでしょう。ただし、高熱を伴う場合、呼吸困難がある場合、症状が急速に悪化する場合、高齢者や基礎疾患がある場合は、早めに医療機関に相談してください。

Q3: 新型コロナウイルス感染症の喉の痛みは、他の病気による喉の痛みと何が違いますか?

A: 症状だけで明確に区別することは困難ですが、新型コロナウイルス感染症では、喉の痛みとともに味覚・嗅覚障害が出ることがあり、これは他の疾患では比較的まれです。また、強い倦怠感や関節痛を伴うことも特徴的です。ただし、確実な診断には検査が必要です。

Q4: 自宅での喉の痛みのケアで最も効果的な方法は何ですか?

A: 最も基本的で効果的なのは、十分な休息と水分補給です。また、室内の湿度を保つこと、喉を温めること、栄養バランスの取れた食事を摂ることも重要です。痛みが強い場合は、医師や薬剤師に相談の上、適切な薬剤を使用することも検討しましょう。

Q5: ワクチンを接種していても新型コロナウイルス感染症にかかりますか?

A: はい、ワクチンを接種していても感染する可能性はあります(ブレークスルー感染)。ただし、ワクチン接種により、感染しても重症化するリスクは大幅に低減されます。引き続き基本的な感染予防対策を継続することが重要です。

Q6: 喉の痛みが長引く場合、どのくらいの期間で再受診すべきですか?

A: 通常、風邪による喉の痛みは1週間程度で改善します。2週間以上症状が続く場合や、一旦良くなってから再び悪化する場合は、医療機関を受診することをお勧めします。新型コロナウイルス感染症の後遺症の可能性もあるため、適切な診断と治療を受けることが大切です。

まとめ

喉の痛みは、新型コロナウイルス感染症の初期症状の一つとして出現することがありますが、他の多くの疾患でも見られる一般的な症状です。症状だけで確実に診断することは困難であり、発熱や倦怠感などの他の症状、接触歴、検査結果などを総合的に判断することが重要です。

新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、適切なタイミングで医療機関を受診し、検査を受けることが大切です。軽症の場合は自宅療養となることが多いですが、十分な休息と水分補給、適切な環境管理により、回復を促すことができます。

また、家族への感染拡大を防ぐための対策や、症状悪化時の対応についても理解しておくことが重要です。予防対策としては、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染対策に加え、ワクチン接種や健康的な生活習慣の維持が効果的です。

喉の痛みを感じた時に過度に不安になる必要はありませんが、適切な判断と行動により、自分自身と周囲の人々の健康を守ることができます。少しでも不安がある場合や、判断に迷う場合は、遠慮せずに医療機関や相談窓口に連絡しましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
  2. 国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報」
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/
  3. 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の検査について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
  4. 厚生労働省「療養に関するQ&A」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
  5. 厚生労働省「新型コロナワクチンについて」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
  6. 日本感染症学会「COVID-19に対する薬物治療の考え方」
    http://www.kansensho.or.jp/
  7. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
    http://www.jibika.or.jp/

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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