ニキビ跡のクレーターにお悩みではありませんか?フラクショナルレーザーやダーマペンなど、さまざまな治療を試したけれど思うような効果が得られなかったという方も多いのではないでしょうか。深く陥没したニキビ跡には「サブシジョン」という治療法が効果的です。本記事では、サブシジョンの仕組みや効果、施術の流れ、ダウンタイム、他の治療法との組み合わせなど、ニキビ跡治療をお考えの方に向けて詳しく解説いたします。八重洲・日本橋エリアからもアクセスしやすい当院で、ニキビ跡のお悩みを解消しませんか。

目次
- サブシジョンとは?ニキビ跡治療の新たな選択肢
- なぜニキビ跡ができるのか?瘢痕形成のメカニズム
- ニキビ跡の種類と特徴
- サブシジョンが効果的なニキビ跡のタイプ
- サブシジョンの施術方法と流れ
- ヒアルロン酸注入を併用するメリット
- サブシジョンと他の治療法との組み合わせ
- ダウンタイムと術後の経過
- サブシジョンのリスクと注意点
- サブシジョンが向いている方・向いていない方
- 施術回数と治療間隔の目安
- 八重洲・日本橋エリアからのアクセス
- よくある質問
- まとめ
1. サブシジョンとは?ニキビ跡治療の新たな選択肢
サブシジョン(Subcision)は、皮下無切開手術とも呼ばれる治療法で、ニキビ跡による皮膚の陥没(クレーター)を改善するための施術です。この治療法の特徴は、皮膚表面を切開することなく、針やカニューレと呼ばれる器具を使って皮下組織にアプローチする点にあります。
ニキビ跡がクレーター状に凹んでいる主な原因のひとつは、ニキビの炎症によって真皮や皮下組織に瘢痕(はんこん)が形成され、その瘢痕組織が皮膚の深部と癒着して表面を下方向に引っ張っているためです。サブシジョンでは、この癒着した線維組織を針先で物理的に切断・剥離することで、引っ張られていた皮膚を解放し、凹みを改善します。
従来のフラクショナルレーザーやダーマペンなどの治療は、皮膚表面から垂直方向にアプローチするのに対し、サブシジョンは水平方向に癒着を剥離するという点で根本的にアプローチの仕方が異なります。そのため、これまでのレーザー治療では効果が得られにくかった深い凹みに対しても改善が期待できるのです。
また、線維組織を切断した後、その部分には新しい結合組織が構築されていきます。この創傷治癒過程において、線維芽細胞が活性化してコラーゲンなどの細胞外マトリックスを産生し、凹んでいた部分が内側から持ち上がるように再構築されていきます。
2. なぜニキビ跡ができるのか?瘢痕形成のメカニズム
ニキビ跡が形成される仕組みを理解することは、適切な治療法を選択するうえで非常に重要です。皮膚は外側から順に表皮、真皮、皮下組織という三層構造になっています。ニキビの炎症が表皮にとどまっている場合は、上皮化という機序で皮膚が再生されるため、基本的に跡は残りません。
しかし、炎症が真皮や皮下組織にまで及ぶと状況は変わります。真皮以深にダメージを受けると、正常な皮膚組織の代わりに瘢痕組織(コラーゲンを主成分とする硬い組織)が形成されます。この瘢痕組織は元の皮膚組織とは異なる性質を持ち、収縮する傾向があります。
創傷治癒の過程は、一般的に以下の四つの段階に分けられます。
まず「止血期」として、組織が損傷を受けると血小板が凝集して出血を止め、フィブリンの網が形成されます。次に「炎症期」となり、好中球やマクロファージなどの免疫細胞が集まり、損傷した組織や細菌を除去します。この段階で様々な細胞成長因子やサイトカインが分泌されます。
続いて「増殖期」に入ると、線維芽細胞が周囲から遊走してきて、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックスを産生します。同時に血管新生も起こり、肉芽組織が形成されていきます。最後に「再構築期(リモデリング期)」として、コラーゲンの再編成が行われ、瘢痕組織が成熟していきます。
ニキビの場合、炎症が繰り返されることで瘢痕化が進行し、皮膚と皮下組織の間に異常な線維組織が形成されて癒着を起こします。この癒着が皮膚表面を下方向に引き込むため、クレーター状の凹みとなって現れるのです。
3. ニキビ跡の種類と特徴
ニキビ跡には大きく分けて「陥凹性瘢痕」と「肥厚性瘢痕・ケロイド」の二種類があります。クレーターと呼ばれる凹みは陥凹性瘢痕に分類され、さらに形態によって三つのタイプに細分化されます。それぞれの特徴と治療適応について説明いたします。
アイスピック型
アイスピックで突き刺したような、狭くて深い形状が特徴のニキビ跡です。直径は通常1〜4mm程度で、真皮層より深い部分まで達していることが多いです。瘢痕の境界は明瞭で、垂直方向に深く陥没しています。
このタイプは三種類の中で最も治療が難しいとされています。凹みの底部分に硬くなった瘢痕組織が存在するため、単純に癒着を剥離するだけでは改善しにくい傾向があります。TCAクロス(高濃度トリクロロ酢酸を用いた治療)やダーマペン、フラクショナルレーザーなどを組み合わせて治療することが多いです。
ボックスカー型
貨物列車(boxcar)のように四角くへこんだ形状で、底面が比較的平らになっているのが特徴です。直径は通常4〜6mm程度で、ニキビ跡の中では最も多いタイプとされています。
ボックスカー型はさらに浅いものと深いものに分けられます。浅いボックスカー型は真皮層にとどまっており、フラクショナルレーザーやダーマペンでの治療効果が期待できます。一方、深いボックスカー型は皮下組織まで瘢痕が及んでいることがあり、サブシジョンの適応となる場合があります。
ローリング型
お皿のように緩やかに凹んだ形状で、直径は5mm〜1cm以上と比較的大きいのが特徴です。辺縁が不明瞭で、波打つような(rolling)なだらかな凹凸が広範囲に広がることもあります。
このタイプは、真皮から皮下組織にかけて索状(ひも状)の異常な線維組織が形成され、それが皮膚を下方向に引っ張っていることが原因で生じます。サブシジョンが最も効果を発揮するのがこのローリング型です。癒着した線維組織を切断することで、引き込まれていた皮膚が解放され、凹みが目立たなくなります。
脂肪萎縮型
上記三種類に加えて、皮下脂肪の萎縮によって生じる凹みもあります。加齢とともに皮下脂肪は減少する傾向があるため、若い頃は目立たなかったニキビ跡が、年齢を重ねるにつれて顕在化してくることがあります。このタイプは複数の形態が混在していることが多く、サブシジョンとヒアルロン酸注入などを組み合わせた複合的な治療が必要になることがあります。
肥厚性瘢痕・ケロイド
陥凹とは逆に、ニキビ跡が盛り上がってしまうケースもあります。これは傷が治る過程で膠原線維(コラーゲン)などの結合組織が過剰に増殖し、皮膚が硬くなった状態です。
肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまり、時間とともに自然に軽快する傾向がありますが、ケロイドは元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで拡大していき、治療への抵抗性が強いという特徴があります。これらのタイプにはサブシジョンではなく、ステロイド局所注射やシリコンジェルシートによる圧迫療法などが選択されます。
4. サブシジョンが効果的なニキビ跡のタイプ
サブシジョンが最も効果を発揮するのは、ローリング型のニキビ跡です。ローリング型では皮膚の下に異常な線維組織が形成され、それが皮膚を引っ張って凹みを作っています。サブシジョンでこの線維組織を切断すると、引き込む力が解除されるため、凹みが浅くなるという明確なメカニズムで効果が得られます。
深めのボックスカー型にもサブシジョンが有効な場合があります。ただし、アイスピック型は瘢痕組織自体が硬く、線維組織を切断するだけでは十分な改善が得られにくいため、他の治療法との組み合わせが推奨されます。
サブシジョンの適応を判断するうえで重要なのは、凹みの原因が「癒着による牽引」なのか「組織の欠損」なのかを見極めることです。皮膚を引っ張っている線維組織を切断すれば改善するタイプには高い効果が期待できますが、そもそも組織そのものが失われているタイプには効果が限定的です。
実際のニキビ跡は複数のタイプが混在していることがほとんどです。そのため、診察時にどのタイプがどの程度の割合で存在するかを正確に診断し、サブシジョン単独で効果が期待できるのか、あるいは他の治療法との組み合わせが必要なのかを判断することが重要です。
5. サブシジョンの施術方法と流れ
サブシジョンの施術がどのように行われるか、一般的な流れをご説明いたします。
カウンセリング・診察
まず医師がお肌の状態を詳しく診察し、ニキビ跡のタイプや範囲、深さなどを評価します。患者様のお悩みやご希望をお伺いしたうえで、サブシジョンが適応となるかどうか、また他の治療法との組み合わせが必要かどうかを判断し、最適な治療プランをご提案します。
治療に対するご不安やご質問がございましたら、遠慮なくご相談ください。施術のメリット・デメリット、想定される効果、ダウンタイム、費用などについて丁寧にご説明いたします。
麻酔
施術部位に局所麻酔を注射します。麻酔注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効いた後は施術中の痛みはほとんどありません。広範囲の治療の場合や、痛みに敏感な方には表面麻酔クリームを併用することもあります。
施術
麻酔が十分に効いたことを確認してから、施術を開始します。医療用の特殊な針やカニューレ(先端が丸くなった細い管)を、皮膚の下に斜めの角度から挿入します。
挿入した針を前後や扇状に動かしながら、凹みの原因となっている線維組織を切断・剥離していきます。この作業には繊細な技術が求められます。針先の感触だけで安全かつ確実に癒着を剥離するためには、施術者の経験と熟練が重要です。
使用する器具については、通常の針を使用する場合と、先端が丸くなったカニューレを使用する場合があります。カニューレを使用すると内出血のリスクを抑えられる傾向がありますが、深いクレーターに対しては針を使用することもあります。症例によって使い分けが行われます。
施術後
線維組織の切断が完了したら、必要に応じてヒアルロン酸などの充填剤を剥離した空間に注入します。針穴からの出血がないことを確認し、軟膏を塗布して施術終了です。施術時間は範囲や部位によって異なりますが、通常30分〜1時間程度です。
6. ヒアルロン酸注入を併用するメリット
サブシジョン単独でも効果は得られますが、特に凹みが深い場合や効果をより高めたい場合には、ヒアルロン酸注入の併用が推奨されます。この組み合わせ治療には複数のメリットがあります。
再癒着の防止
サブシジョンで線維組織を切断しても、そのままでは傷ついた組織同士が再びくっついてしまう可能性があります。これは創傷治癒反応の一部で、体は傷を治そうとして周囲の組織とつながろうとするためです。せっかく剥離した部分が再癒着すると、凹みが再発してしまいます。
剥離した空間にヒアルロン酸を注入することで、切断した組織が再びくっつくのを防ぐ「スペーサー」としての役割を果たします。ヒアルロン酸がクッションとなって組織間の距離を保ち、正常な治癒過程をサポートします。
ボリュームの補填
ヒアルロン酸は保水力に優れた物質で、注入することで凹んだ部分を内側から持ち上げる効果があります。サブシジョンで癒着を解除した後、さらにヒアルロン酸でボリュームを補うことで、より平らで滑らかな肌表面を実現できます。
コラーゲン産生の足場
ヒアルロン酸はやがて体内に吸収されてなくなりますが(通常半年〜1年程度)、その間に自分自身の組織がヒアルロン酸を足場として再構築されると言われています。そのため、ヒアルロン酸が吸収された後も効果が完全に消失するわけではなく、ある程度の改善が持続することが期待できます。
使用するヒアルロン酸
サブシジョンと併用する場合は、ほうれい線などの通常のヒアルロン酸注入とは異なり、柔らかいタイプのヒアルロン酸が選択されることが多いです。硬いヒアルロン酸を使用すると不自然な凸が生じる可能性があるため、周囲の組織となじみやすい製剤が適しています。
7. サブシジョンと他の治療法との組み合わせ
ニキビ跡の治療では、複数の治療法を組み合わせることで相乗効果が期待できます。サブシジョンが皮膚の下からアプローチするのに対し、他の治療法は皮膚表面からアプローチするため、「サンドイッチ」のように上下から治療することでより高い効果を目指せます。
ダーマペン
極細の針が付いた電動ニードル機器で、肌に微細な穴を無数に開ける治療法です。この穴が治癒する過程で線維芽細胞が活性化し、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されます。
ダーマペンは皮膚表面から真皮層にかけての比較的浅い層に均一に刺激を与えるのに対し、サブシジョンは皮下組織の癒着に直接アプローチします。両者を組み合わせることで、浅い層と深い層の両方から治療することが可能です。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、皮膚に無数の微細な穴(ドット状のレーザー照射痕)を開け、皮膚の再構築を促す治療法です。レーザーの熱エネルギーにより真皮のコラーゲンが収縮・再編成され、肌のハリや質感の改善が期待できます。
フラクショナルレーザーには、皮膚を蒸散させるアブレイティブタイプと、蒸散させずに熱凝固を起こすノンアブレイティブタイプがあります。ボックスカー型のような瘢痕形成が比較的軽度なニキビ跡にはフラクショナルレーザー単独でも効果が期待できますが、ローリング型や深い凹みにはサブシジョンとの併用が有効です。
ポテンツァ
ポテンツァはマイクロニードルRF(高周波)治療器の一種で、極細の針を皮膚に刺入しながら高周波エネルギーを照射します。真皮層に直接熱エネルギーを届けることで、コラーゲンの収縮とリモデリングを促進します。
特にドラッグデリバリーモードでは、針で開けた穴から美容成分や薬剤を真皮内に導入することができ、ニキビ跡の改善に効果的とされています。サブシジョンで深部の癒着を解除した後、ポテンツァで真皮層のコラーゲン産生を促すという組み合わせが行われることがあります。
TCAクロス
高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)をニキビ跡のピンポイントに塗布し、化学的な損傷を起こすことで皮膚の再構築を促す治療法です。特にアイスピック型のような狭くて深い凹みに対して使用されます。
サブシジョンでは対応しにくいアイスピック型に対して、TCAクロスを併用することで治療の幅が広がります。
治療の順序
複数の治療を組み合わせる場合、どの順序で行うかは症例によって異なります。一般的には、まずサブシジョンで深部の癒着を解除してベースを整え、その後にダーマペンやフラクショナルレーザーで表面の質感を改善するという流れが多いです。
同日に複数の治療を行う場合もあれば、サブシジョンである程度改善してから次の治療に移行する場合もあります。治療計画については医師と相談のうえで決定します。
8. ダウンタイムと術後の経過
サブシジョンは手術ではありませんが、針を皮下に挿入して組織を剥離するため、一定のダウンタイムが生じます。個人差はありますが、一般的な経過をご説明いたします。
施術直後〜数日
施術直後は局所麻酔の影響で腫れやむくみがあります。これは徐々に吸収されていきます。施術部位には内出血(あざ)が生じることが多く、青紫色や黄色っぽく変色します。
針穴は通常1〜2時間程度で塞がり、その後からスキンケアやメイクが可能になります(クリニックの指示に従ってください)。シャワーや洗顔は当日から可能ですが、施術当日は血行が良くなると腫れや赤みが出やすいため、入浴、サウナ、激しい運動は控えてください。
1〜2週間
内出血は時間の経過とともに徐々に薄くなり、通常1〜2週間程度で消失します。内出血の程度は施術範囲や個人の体質によって異なります。内出血が目立つ間はコンシーラーなどでカバーすることが可能です。
腫れや赤みも同様に1〜2週間程度で落ち着いてきます。この期間中、施術部位へのエステやマッサージは控えてください。
1ヶ月以降
効果を実感しやすくなるのは施術後約1ヶ月頃からです。切断された組織の再構築が進み、新しい結合組織の形成によって凹みが持ち上がってきます。
日常生活への影響
ダウンタイムの主な症状は内出血と腫れですが、日常生活に大きな支障をきたすほどではないことがほとんどです。ただし、お仕事の都合で内出血を隠せない場合や、大切なイベントを控えている場合は、施術時期を考慮したスケジュール調整が必要です。
9. サブシジョンのリスクと注意点
サブシジョンは比較的安全な施術ですが、医療行為である以上、一定のリスクや副作用の可能性があります。施術を受ける前に理解しておくべき点をご説明いたします。
一般的な副作用
腫れ、内出血、赤み、痛みは施術に伴う一般的な反応であり、通常は時間とともに自然に軽快します。痛みについては術後に鎮痛剤を処方されることもあります。
しこりの形成
まれに施術部位にしこり(硬結)が残ることがあります。これは内出血が固まったり、治癒過程で瘢痕組織が過剰に形成されたりすることが原因です。特にケロイド体質の方は、皮膚が過剰反応して厚くなるリスクがあります。
しこりのリスクを軽減するために、施術時には様々な工夫が行われます。カニューレの使用、適切な剥離範囲の設定、ヒアルロン酸併用による再癒着防止などです。万が一しこりが残った場合でも、多くは時間とともに軟化・消失しますが、場合によっては追加治療が必要になることもあります。
効果が不十分な場合
1回の施術で満足のいく効果が得られない場合があります。凹みが深い場合や広範囲にわたる場合は、複数回の施術が必要になることがあります。また、アイスピック型のようにサブシジョンだけでは改善しにくいタイプも存在します。
「失敗」と感じるケースの多くは、もともとサブシジョンの適応が適切でなかったか、あるいは期待値と実際の効果の間にギャップがあったケースです。事前の診察で適応をしっかり見極め、現実的な効果予測をご説明することが重要です。
その他の注意点
感染症のリスクはありますが、清潔な環境で適切に施術を行えばまれです。術後に強い痛みが続いたり、発熱したり、施術部位が赤く腫れ上がったりした場合は、速やかに医療機関を受診してください。
妊娠中や授乳中の方、施術部位に活動性のニキビや感染症がある方、血液をサラサラにする薬を服用中の方などは、施術を受けられない場合があります。事前の問診で必ずお申し出ください。
10. サブシジョンが向いている方・向いていない方
サブシジョンが向いている方
まず、ローリング型のニキビ跡がある方に適しています。なだらかに凹んだ広い範囲のニキビ跡で、皮膚の下の癒着が原因で生じているタイプです。また、深めのボックスカー型のニキビ跡がある方にも効果が期待できます。
フラクショナルレーザーやダーマペンなど、従来の治療で効果が得られなかった方にもおすすめです。これらの治療は表面からのアプローチですので、深部の癒着が主な原因である場合には限界があります。サブシジョンで癒着を解除することで、これまで改善しなかった凹みに変化が見られる可能性があります。
ダウンタイムを許容できる方にも向いています。1〜2週間程度の内出血や腫れが生じますので、この期間を許容できるかどうかは重要なポイントです。
サブシジョンが向いていない方
アイスピック型のニキビ跡が主体の方には、サブシジョン単独での効果は限定的です。このタイプには他の治療法との組み合わせが必要になります。
ケロイド体質の方は、施術による刺激で瘢痕が過剰形成されるリスクがあるため、慎重な判断が必要です。また、施術部位に活動性のニキビや感染症がある方は、まずそちらの治療を優先する必要があります。
血液をサラサラにする薬を服用中の方は、内出血のリスクが高まるため、事前に医師にご相談ください。妊娠中・授乳中の方も施術の可否について個別に判断いたします。
11. 施術回数と治療間隔の目安
サブシジョンは1回の施術でも効果を実感できることがありますが、凹みの程度や範囲によっては複数回の施術が推奨される場合があります。
施術回数
軽度〜中等度のローリング型で、範囲も限定的な場合は1〜2回の施術で満足のいく効果が得られることがあります。一方、凹みが深い場合や広範囲にわたる場合は、3回程度の施術を繰り返すことで段階的に改善を目指します。
効果の出方は個人差がありますので、毎回の施術後に経過を確認しながら、次の治療が必要かどうかを判断していきます。
治療間隔
複数回の施術を行う場合、一般的には1ヶ月〜3ヶ月程度の間隔をあけます。これは組織が十分に回復し、新しい結合組織が形成されるのを待つためです。
間隔が短すぎると組織が安定していない状態で再度刺激を与えることになりますし、効果判定も難しくなります。逆に間隔を長くあけすぎる必要もありませんので、4週間以上の間隔を目安に治療計画を立てます。
他の治療との組み合わせ時
サブシジョンとダーマペンやフラクショナルレーザーを同日に行う場合もあれば、別日に分けて行う場合もあります。別日に行う場合は、少なくとも1週間以上の間隔をあけることが多いです。
同時に行うと凹みの位置が見えにくくなるなどの理由で治療効果が落ちる可能性がある場合には、別日での施術が推奨されます。治療計画については個々の症例に応じて医師が判断いたします。
12. 八重洲・日本橋エリアからのアクセス
アイシークリニック東京院は、八重洲・日本橋エリアからのアクセスに便利な立地にございます。お仕事帰りや週末のお買い物のついでにお立ち寄りいただける場所にあります。
八重洲エリアからのアクセス
八重洲は東京駅の東側に広がるビジネス街で、大丸東京店や東京ミッドタウン八重洲などの商業施設も充実しています。JR東京駅八重洲口からは徒歩圏内で、八重洲地下街を利用すれば天候を気にせずお越しいただけます。
東京駅は東海道新幹線、東北・北陸新幹線のターミナル駅でもありますので、遠方からの患者様にも便利な立地です。
日本橋エリアからのアクセス
日本橋は東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線が通る交通の要所です。日本橋駅からは徒歩でアクセス可能な距離にあり、銀座線や東西線をご利用の方にも便利です。
日本橋エリアは伝統ある商業地域で、百貨店やオフィスビルが建ち並ぶ一方、再開発により新しい商業施設も増えています。お仕事やお買い物の合間に治療を受けられる環境が整っています。
周辺交通
東京駅周辺には複数の鉄道路線が乗り入れており、JR各線(山手線、中央線、京浜東北線など)、東京メトロ丸ノ内線など、様々な方面からのアクセスが可能です。また、羽田空港や成田空港からもリムジンバスやエアポート快特などでアクセスしやすい立地です。

13. よくある質問
施術前に局所麻酔を行いますので、施術中の痛みはほとんどありません。麻酔注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、一時的なものです。術後は軽い痛みや違和感が数日間続くことがありますが、日常生活に支障をきたすほどではありません。必要に応じて鎮痛剤を処方いたします。
1回の施術でも効果を実感できることはありますが、凹みの程度や範囲によっては複数回の施術が必要になる場合があります。特に凹みが深い場合や広範囲の場合は、3回程度の施術で段階的に改善を目指すことが多いです。効果の判定は施術後約1ヶ月以降に行います。
Q. ダウンタイムはどのくらいですか?
主なダウンタイムは内出血と腫れで、通常1〜2週間程度で落ち着きます。内出血はメイクでカバーすることが可能です。施術当日から洗顔やシャワーは可能ですが、入浴やサウナ、激しい運動は当日は控えてください。翌日以降は通常の生活に戻れることがほとんどです。
Q. 何年も前にできたニキビ跡でも治療できますか?
はい、過去にできたニキビ跡でも治療可能です。ニキビ跡は瘢痕組織であり、時間が経過しても自然に消えることはほとんどありません。むしろ、新しいニキビができにくい状態で治療を開始したほうが、治療効果を最大限に発揮できます。
Q. サブシジョンとダーマペンの違いは何ですか?
サブシジョンは皮下組織の癒着を針で切断する治療で、深い層にアプローチします。一方、ダーマペンは皮膚表面から真皮層にかけて微細な穴を開けて創傷治癒を促す治療で、比較的浅い層へのアプローチです。両者は異なる層に作用するため、組み合わせることで相乗効果が期待できます。
Q. サブシジョン後、いつからメイクできますか?
針穴は通常1〜2時間で塞がりますので、その後からスキンケアやメイクが可能になります。ただし、施術直後は肌が敏感になっていますので、強くこすったり刺激の強い化粧品を使用したりすることは避けてください。詳しくは施術後にお渡しするアフターケアの説明書をご確認ください。
Q. ニキビがまだできている状態でも治療できますか?
活動性のニキビがある状態では、まずニキビ治療を優先することをおすすめします。ニキビができやすい状態が続いていると、せっかくニキビ跡を治療しても新たなニキビ跡ができてしまう可能性があるためです。ニキビがコントロールされた状態で、ニキビ跡の治療を開始するのが理想的です。
Q. 保険は適用されますか?
サブシジョンによるニキビ跡治療は、基本的に保険適用外の自費診療となります。ニキビ跡の治療は見た目を改善するための治療(美容目的)と見なされるためです。ただし、ケロイド体質によるニキビ跡の一部については保険適用となる場合もあります。詳しくはカウンセリング時にご相談ください。
14. まとめ
サブシジョンは、深いニキビ跡(特にローリング型)に対して高い効果が期待できる治療法です。皮膚の下にある癒着した線維組織を針で切断することで、引き込まれていた皮膚が解放され、クレーター状の凹みが目立たなくなります。
従来のフラクショナルレーザーやダーマペンが皮膚表面からのアプローチであるのに対し、サブシジョンは皮下からのアプローチという点で根本的に異なります。そのため、これまでの治療で効果が得られなかった深い凹みにも改善が期待できます。
ヒアルロン酸注入を併用することで、再癒着の防止とボリュームの補填という追加効果が得られ、より高い改善率を目指せます。また、ダーマペンやフラクショナルレーザー、ポテンツァなどの他の治療法と組み合わせることで、様々なタイプのニキビ跡に対応することが可能です。
ダウンタイムは主に内出血と腫れで、1〜2週間程度で落ち着きます。施術は局所麻酔下で行われるため痛みの心配は少なく、翌日から通常の生活に戻れることがほとんどです。
ニキビ跡にお悩みの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。お一人おひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。八重洲・日本橋エリアからもアクセス便利な当院で、ニキビ跡のお悩みを解消しませんか。
参考文献
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023|日本皮膚科学会
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023|J-STAGE
- 線維芽細胞|日本血栓止血学会 用語集
- ケロイドの病態と治療|日本医科大学医学会雑誌
- 創傷治癒過程における炎症期の重要性|高岡駅南クリニック
- 線維芽細胞を増やすことはできる?その方法を医師が解説|銀座よしえクリニック
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023|Mindsガイドラインライブラリ
- ざ瘡の治療|マルホ医療関係者向けサイト
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務