「しっかり寝ているのに疲れが取れない」「休日に休んでも体がだるい」——このような悩みを抱えている方は少なくありません。現代社会では、仕事や家事、人間関係など様々なストレスにさらされ、慢性的な疲労感を訴える方が増加しています。
一時的な疲れであれば、十分な休息を取ることで回復するのが一般的です。しかし、休んでも疲れが取れない状態が続く場合、その背景には思わぬ病気が隠れている可能性があります。
本記事では、疲れが取れない原因を医学的な観点から詳しく解説するとともに、疲労回復のための具体的な対策、そして医療機関を受診すべきタイミングについてお伝えします。

目次
- 疲労のメカニズムを知る
- 疲れが取れない主な原因
- 疲労の背景に潜む可能性のある病気
- 日常生活でできる疲労回復対策
- 疲労回復に効果的な栄養素と食事
- 運動による疲労回復効果
- 質の良い睡眠のためにできること
- 医療機関への受診の目安
- まとめ
1. 疲労のメカニズムを知る
疲労とは、身体や精神への負荷によって生じる心身の消耗状態であり、休息を促すための重要な生体アラームです。発熱や痛みと並んで、身体のホメオスタシス(恒常性)の乱れを知らせる三大アラーム機構の一つとされています。
末梢性疲労と中枢性疲労
疲労は大きく「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の2種類に分けられます。
末梢性疲労は、筋肉や靭帯など身体を動かすことで生じる疲労です。仕事や運動などで身体を酷使したときに感じる疲労がこれにあたります。主な症状は筋肉の張りやだるさ、筋肉痛であり、単純に筋肉や靭帯を休めることで回復が見込めます。
一方、中枢性疲労は脳の緊張状態が続くことで生じる疲労です。精神的ストレスによる脳への負担はもちろん、長時間のパソコン作業なども脳にとっては大きな負担となり、疲労を生じさせる原因となります。中枢性疲労の主な症状は疲れやだるさですが、自律神経の乱れによる不安感、めまい、熱感など多くの症状が出現するリスクがあることが特徴です。
中枢性疲労はセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質や自律神経が関与する複雑な疲労であるため、単に身体を休めるだけでは疲れが取れないことが多いとされています。
なぜ疲れが蓄積するのか
通常、日中の活動で生じた疲労は、夜間の睡眠によって回復します。しかし、疲労の蓄積速度が回復速度を上回ると、疲れが蓄積していきます。
疲労が蓄積する主な要因としては以下が挙げられます。
- 睡眠時間の不足
- 睡眠の質の低下
- 過度なストレス
- 栄養バランスの乱れ
- 運動不足
- 基礎疾患の存在
これらの要因が重なることで、休んでも疲れが取れない慢性疲労の状態に陥ることがあります。
2. 疲れが取れない主な原因
疲れが取れない原因は多岐にわたります。まずは生活習慣に関連する原因から見ていきましょう。
睡眠の質の低下
睡眠には心身の疲労を回復する働きがあります。このため、睡眠が量的に不足したり質的に悪化したりすると、健康上の問題や生活への支障が生じてきます。
睡眠の質を低下させる要因には以下のようなものがあります。
- 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用
- 寝室の環境(光、温度、音)の問題
- 就寝前の飲酒や喫煙
- 就寝直前の入浴や食事
- 不規則な生活リズム
特に、就寝前のスマートフォン使用は、ブルーライトの影響でメラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌を阻害し、睡眠の質を大きく低下させることが知られています。
ストレスの蓄積
過労や人間関係などに悩み、ストレスやプレッシャーを感じ続けると、精神的な緊張状態が続きます。自律神経は身体を活発にする交感神経と身体をリラックスさせる副交感神経で成り立っていますが、緊張状態が続くと自律神経のバランスが乱れ、不調を感じるようになります。
自律神経の乱れで心身に不調が現れる状態を自律神経失調症といい、頭痛、動悸、食欲不振、集中力の低下、気分の落ち込みなど様々な症状をきたします。
栄養不足
人間の体は口から食べた物の栄養を吸収しています。そのため、栄養が足りなくなると疲れやすくなる場合があります。
糖質(炭水化物)を摂取すると、体の中で分解されてブドウ糖などの栄養素となり、細胞のエネルギー源として消費されます。食べ過ぎると肥満を引き起こしますが、足りないと体を動かす際に使うエネルギーがなくなるため、すぐ疲れを感じてしまいます。
また、ビタミンB群の不足も疲労感の原因となります。体内に摂取した栄養素、特に炭水化物や脂肪などを代謝して効率よくエネルギーとして利用できない場合、疲労感が出てきます。このエネルギー代謝が円滑に行われるためには、ビタミンは欠かせない栄養素です。
運動不足
運動不足な方にとっては、急性的な運動による筋肉や組織の疲労よりも、筋肉の過度な緊張や心肺機能の低下による慢性的な疲労感の方を強く感じている人が多いといわれています。これが「運動不足の疲れ」です。
運動不足が続くと、普段の歩行や階段の上り下りなど、日常的な生活動作でも疲れを感じやすくなってしまいます。
3. 疲労の背景に潜む可能性のある病気
生活習慣の改善を試みても疲労感が改善しない場合、その背景に病気が隠れている可能性があります。疲れが取れない症状を引き起こす主な疾患について解説します。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、疲れが取れない、体が重く感じる原因の一つです。この病気は寝ている時に呼吸が止まります。無呼吸とは10秒以上息が止まる状態を指し、7時間睡眠で無呼吸状態が30回以上ある方、もしくは1時間に5回以上無呼吸になる方が睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
本人は寝ているため病気に気づかないままのケースが多く、潜在患者数は300万人いると考えられており、「21世紀の国民病」とも呼ばれています。しっかり治療を受けることで症状は改善できるため、怖い病気ではありません。しかし、治療せずにいた場合、心臓循環障害、脳血管障害、高血圧といった病気を引き起こす可能性があります。
甲状腺機能低下症
甲状腺の働きが低下して、血液中の甲状腺ホルモンが不足すると様々な症状が出てきます。これを甲状腺機能低下症といいます。
甲状腺機能低下症になると、元気がなくなり疲れやすくなります。寒がりになり、皮膚は乾燥してカサカサしてきます。声も嗄れてきます。便秘がちで、顔がむくみ、体重が増えてきます。動作は遅く、物忘れが多くなり、一日中眠くなったりします。
甲状腺の病気は、女性の5〜10人に1人が持っているとも言われています。疑わしい症状がある場合は、血液検査で甲状腺ホルモンの数値を調べることで診断できます。
貧血
貧血は血液中の酸素を運ぶ役割のヘモグロビン(赤血球に含まれる)の濃度が低くなった状態のことを言います。ヘモグロビンが少ないと、酸素を効率よく運ぶことができなくなるため、少しの運動で息切れが出たり、めまいや全身の強い倦怠感が出たりします。
ヘモグロビンが低下するよりも前から実際には倦怠感が出ていることがありますが(潜在性貧血)、症状がゆっくり進行するため気づかない場合が多いです。
貧血の中では鉄欠乏性貧血の頻度が一番多く、治療も鉄を補充することで症状は速やかに改善することが多いため、放置せず検査をすることをお勧めします。
糖尿病
糖尿病になると、インスリンの作用不足で高血糖になります。インスリンの作用が極度に不足すると、細胞(主として筋肉)に糖分(ブドウ糖)を取り込めなくなり、エネルギー不足が生じます。細胞に十分なブドウ糖が取り込めないと、疲労をきたす可能性があります。
糖尿病による全身倦怠感は一般的によく認められる症状で、米国の調査では糖尿病の約6割の人が疲労感を感じていると報告されています。
高血糖の状態が続くと、口渇(のどがかわく)、多飲(たくさん飲む)、多尿(たくさん尿が出る)、体重減少などの症状が出現することもあります。
うつ病
うつ病はエネルギーが消耗する病気だとよく言われます。大きなストレスを受けながらも、責任感の強さから懸命に頑張り過ぎた場合に、疲労が蓄積していると考えられます。意欲が減退するとともに、倦怠感に覆われ、症状が重い場合には疲労からまったく動けなくなることがあります。
疲労感や倦怠感は睡眠障害に次いで二番目にうつ病患者にみられる症状です。実際、うつ病患者のうち半数以上は疲労感や倦怠感を感じていると言われています。
うつ病の疲労感は、すぐに疲れてしまったり、最低限の仕事をするのにも体力が必要だったりすることが特徴です。この疲労感は洗顔や着替えのような日常的な動作でも疲れを感じ、場合によっては座ることさえ疲れてしまい、横になって寝たくなることもあります。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは、強い疲労感が6か月以上にわたって続き、日常生活に支障をきたすような状態が続く疾患です。この疾患では、目立った身体的異常が検査などで確認されないにもかかわらず、原因不明の強い倦怠感が突然現れることがあります。
発症のきっかけとしては、精神的・身体的なストレスやウイルス感染などが関係していると考えられています。主な症状には、著しい疲労感に加えて、力が入らない感覚(脱力感)、微熱、集中力や記憶力の低下、頭痛、眠りの質の低下(熟眠感の欠如)、気分の落ち込み、筋肉痛や関節痛、腹痛など心身にわたる多彩な不調がみられます。
これらの症状は、単に働きすぎや睡眠不足による「過労」とは異なり、休息をとっても改善しにくいのが特徴です。
心不全
心不全は心臓の機能が低下して、血液を全身に供給しづらくなる状態です。心臓が血液を全身に送る機能(ポンプ機能)が低下することで血液が足に滞ります。その結果、むくみが現れたり、すぐ疲れたりします。
その他の疾患
上記以外にも、以下のような疾患が疲労感の原因となることがあります。
- 肝臓の病気(慢性肝炎、肝硬変など)
- 腎臓の病気(慢性腎臓病など)
- がん
- 膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)
- 副腎機能不全
疲労感が長期間続く場合は、これらの疾患の可能性も考慮し、医療機関での検査を受けることが重要です。
4. 日常生活でできる疲労回復対策
疲労を回復し、疲れにくい身体を作るためには、日常生活の中で意識的に対策を取り入れることが大切です。
規則正しい生活リズムを保つ
昼間は活動し、夜は眠るという活動と休息のリズムをコントロールしているのは体内時計です。人間の体内時計は約24時間10分の周期にできていますが、朝起きて日光を浴びることでこの時計が自然とリセットされるようになっています。
そのため、朝はなるべく同じ時間に起きるようにして、目覚めたらカーテンを開け、日の光を浴びて体内時計を整えましょう。
入浴で身体を温める
入浴は疲労回復に効果的です。就寝の1〜2時間前にぬるめのお湯(38〜40度程度)でゆっくり入浴すると、体温が適度に上昇し、その後の体温低下とともに眠りにつきやすくなります。
ストレッチやぬるめのお湯での入浴は身体をリラックスさせる効果があるので、睡眠の質を良くすることにもつながります。
ストレス管理を心がける
ストレスの蓄積は疲労の大きな原因となります。自分に合ったストレス発散方法を見つけることが大切です。
日記を書く、趣味に没頭する、瞑想や深呼吸の練習など、自分に合ったストレスを和らげる活動を日常に取り入れることが有効です。
休息と活動のバランスを取る
疲れを感じたときに適切に休息を取ることは大切ですが、過度な安静は逆効果になることもあります。
自分の限界を認識し、無理をしないことも大切です。仕事や日々の活動で休息の必要性に気づいたら、遠慮なく休むことを心がけましょう。
5. 疲労回復に効果的な栄養素と食事
疲労回復には、適切な栄養摂取が欠かせません。特に以下の栄養素を意識して摂取することが大切です。
ビタミンB群
ビタミンB群は全部で8種類あり、しっかり補給することでエネルギー代謝を高め、疲労感を解消することができます。ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンが含まれます。
ビタミンB1は糖質からエネルギーを作り出す際に必要な栄養素で、「疲労回復ビタミン」とも呼ばれています。ビタミンB1が不足すると、食事から摂った糖質からエネルギーを効率よく作り出せなくなり、細胞でエネルギーが不足すると疲れやすくなります。
ビタミンB1を多く含む食品には、豚肉(特にヒレ肉)、うなぎ、玄米、大豆製品などがあります。豚肉に含まれるビタミンB1は、ネギやニラ、ニンニクなどの硫化アリルを多く含む野菜と一緒に調理するのがおすすめです。硫化アリルはビタミンB1の働きを持続させるので、疲労回復や体力増強効果がアップします。
イミダゾールジペプチド
イミダゾールジペプチドは抗酸化作用を持っており、疲労の原因となる活性酸素の抑制を期待できる成分です。激しい運動や過労後は疲労の原因となる活性酸素が過剰に発生しますが、イミダゾールジペプチドの抗酸化作用によって酸化ストレスを緩和し、疲労回復に効果を発揮します。
イミダゾールジペプチドは鶏胸肉やマグロなどに多く含まれています。
鉄分
鉄分は全身の細胞へと酸素を運搬する役割を担っています。鉄分が不足するとこの働きが十分でなくなり(鉄欠乏性貧血)、倦怠感や疲れやすさなどの症状を引き起こします。
鉄分を多く含む食品には、レバー(特に豚・鶏レバー)、赤身の肉、あさり、ほうれん草、小松菜などがあります。
タンパク質
食肉に豊富に含まれる動物性タンパク質は、心身どちらの疲労に対しても効果的とされています。筋肉の修復に役立つだけでなく、精神的な疲れに関係するホルモン・セロトニンの材料であるアミノ酸「トリプトファン」なども多く含んでいます。
バランスの良い食事を心がける
疲労回復のためには、特定の栄養素だけでなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
朝食を抜くと睡眠のリズムが後ろにずれて夜になっても眠りにくくなり、寝る直前の夜食や間食は翌朝の睡眠によって休養がとれたという感覚を低下させます。
規則正しい食事時間を守り、偏りのない食事を心がけましょう。
6. 運動による疲労回復効果
「疲れているときに運動?」と思われるかもしれませんが、適度な運動は疲労回復に効果的です。
アクティブレスト(積極的休養)
疲れが溜まったら逆に有酸素運動をすることで疲労を回復させることをアクティブレスト(積極的休養)と呼びます。有酸素運動により血流が良くなり、疲労物質や老廃物が排出されやすくなります。
また、脳内のセロトニンが分泌されることも疲労緩和に関係しています。
有酸素運動のすすめ
適度な有酸素運動は、心臓の拡張と収縮の機能を向上させ、循環機能をあげることで疲れを感じにくい体をつくることが期待できます。また、程よい筋活動により、デスクワークや日々の偏った動作によってコリとも呼ばれる過度に緊張した筋肉をリラックスさせることもできます。
有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、エアロビクスなどがあります。
ウォーキングは運動強度が低いですが、循環器のめぐりを良くし、筋肉の緊張をとることが十分に期待できます。可能であれば室内のランニングマシン上で行うのではなく、外を散歩すると良いでしょう。外の風景が変化することによる視覚刺激と、それに対応して動くという脳の活動によって脳の働きも高められますし、心身のリフレッシュ効果もより期待できます。
運動の適切な頻度と時間
現在多くのガイドラインで推奨されている運動量は、週150分以上の中強度の運動を行い、2日以上連続で運動を休まないことです。つまり、息が切れるぐらいの早足のウォーキングを30分×週5日以上行うことがおすすめです。
ただし、運動習慣のない方がなるべくスムーズに有酸素運動を習慣づけるには、最初は快適に運動が継続できる程度のきつさで、短時間取り組むところから始めてみるのが良いでしょう。まずは1日15〜20分程度の有酸素運動を始めてみましょう。
7. 質の良い睡眠のためにできること
心身の疲労回復には、何といっても良い睡眠をとることが大切です。睡眠の質を高めるためのポイントを紹介します。
睡眠時間の確保
厚生労働省が公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上の睡眠時間を確保することが推奨されています。
日本で1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性37.0%、女性39.9%となっており、40〜50代では約半数が睡眠時間6時間未満となっています。慢性的に睡眠時間が足りていない人が多いことがわかります。
睡眠環境の整備
寝室の環境は睡眠の質に大きく影響します。
光については、朝はなるべく同じ時間に起きて日光を浴び、夜はできるだけ暗い環境で過ごすようにしましょう。テレビやパソコン、スマートフォンなどの強い光は、体内時計を遅らせたり、睡眠を促す物質であるメラトニンの分泌を阻害するおそれがあります。寝る前の使用は控えて、睡眠前は暖色系の照明の部屋で過ごすとよいでしょう。
温度については、寝室を眠りやすい快適な室温に保ちましょう。人の体は体温が低下すると眠気を感じます。
音については、できるだけ静かな環境を整えることが大切です。
就寝前の習慣
就寝前の習慣は睡眠の質に大きく影響します。
就寝前にリラックスすることは入眠を促すために有効です。一方、就寝前の飲酒や喫煙はかえって睡眠の質を悪化させるため、控えた方がよいでしょう。
アルコールは入眠を一時的には促進しますが、中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られなくなります。また、ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は入眠を妨げ、眠りを浅くします。
カフェインも睡眠に影響を与えます。コーヒーなどに含まれるカフェインは、睡眠を促す物質の働きを妨げるため、夕方以降は控えましょう。
入浴のタイミング
入浴は睡眠の質を高めるのに効果的ですが、タイミングが重要です。
就寝直前の入浴は体温が上がりすぎて入眠を妨げることがあります。就寝の1〜2時間前に入浴を済ませると、入浴後の体温低下とともに眠りにつきやすくなります。
8. 医療機関への受診の目安
以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
受診を検討すべき症状
- 十分に休息を取っても疲労感が2週間以上続く
- 日常生活に支障をきたすほどの強い疲労感がある
- 疲労感とともに以下のような症状を伴う場合
- 原因不明の体重減少
- 微熱が続く
- リンパ節の腫れ
- 息切れ、動悸
- 強いむくみ
- 皮膚の色の変化(黄疸など)
- 便の色の変化
- 気分の落ち込み、意欲の低下
検査の内容
医療機関では、疲労の原因を特定するために以下のような検査を行います。
血液検査では、貧血の有無、甲状腺機能、肝機能、腎機能、血糖値、炎症マーカーなどを調べます。必要に応じて、心電図検査、睡眠評価、画像検査なども行われます。
疲れやすさや慢性的な倦怠感の原因には、甲状腺機能の異常、貧血、糖尿病、うつ病などの病気があることもあります。セルフケアだけでは改善が見られない場合は、我慢を続けずに早めに医療機関を受診することが重要です。
どの診療科を受診すべきか
疲労感が主な症状の場合、まずは内科を受診することが多いでしょう。内科では血液検査や胃の検査など、身体疾患についての検査を行います。そこで特に異常がみられない場合に、精神科や心療内科を紹介されることもあります。
気分の落ち込みや意欲の低下など精神的な症状が目立つ場合は、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。

9. まとめ
「疲れが取れない」という症状は、多くの方が経験する身近な問題です。しかし、その背景には様々な原因が潜んでいる可能性があります。
まずは、以下のポイントを意識して生活習慣を見直してみましょう。
- 規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠時間を確保する
- バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンB群を意識して摂取する
- 適度な運動を習慣化する
- ストレス管理を心がける
- 睡眠環境を整える
これらの対策を試みても改善が見られない場合、または疲労感が強く日常生活に支障をきたしている場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
疲労感は身体からの重要なサインです。そのサインを見逃さず、適切なケアと対策を行うことで、健康的な毎日を取り戻しましょう。
参考文献
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」
- 東京都福祉保健局「とうきょう健康ステーション」
- 日本疲労学会
- 国立長寿医療研究センター「糖尿病の症状」
- 日本内科学会雑誌
本記事の内容は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が気になる場合は、必ず医師にご相談ください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務