首元や脇の下に気づいたらできているブツブツとした小さなできもの。鏡を見るたびに気になったり、ネックレスが引っかかって不快に感じたりした経験はありませんか。これは「アクロコルドン」と呼ばれる皮膚の良性腫瘍で、30代以降の多くの方に見られる非常に一般的な症状です。
八重洲・日本橋エリアは東京駅から徒歩圏内という抜群のアクセスを誇り、仕事帰りや休日を利用して気軽に皮膚科を受診できる便利な立地として知られています。本記事では、アクロコルドンとはどのような症状なのか、その原因や治療法、さらに予防のためにできることまで、専門的な知見をもとに詳しく解説していきます。

目次
- アクロコルドンとは何か
- アクロコルドンの原因
- アクロコルドンと他の皮膚疾患との違い
- アクロコルドンと全身疾患の関連性
- アクロコルドンの主な治療法
- 治療の流れと術後の経過
- 治療後のアフターケアと注意点
- 自己処理の危険性
- アクロコルドンの予防法
- 八重洲・日本橋エリアの立地とアクセス
- クリニック選びのポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
- 参考文献
1. アクロコルドンとは何か
アクロコルドンの定義と特徴
アクロコルドンは、医学的には「軟性線維腫」とも呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。英語では「skin tag(スキンタッグ)」や「acrochordon」と表記されます。首をはじめ、脇の下、胸元、鼠径部(そけいぶ)、まぶたなど、皮膚が柔らかく摩擦を受けやすい部位に好発します。
アクロコルドンは以下のような外観的特徴を持っています。
大きさは直径1〜3mm程度のものが多く、皮膚の色と同じ肌色から茶褐色、黒褐色まで様々な色調を示します。形状はドーム状になだらかに隆起するタイプと、根元が細い茎のようになって皮膚からぶら下がる有茎性(ゆうけいせい)のタイプがあります。触ると柔らかく、通常は痛みやかゆみを伴いません。
大きさによる分類
アクロコルドンは大きさによって以下のように分類されることがあります。
極めて小さいもの(1〜2mm程度)は狭義のアクロコルドンと呼ばれ、皮膚からわずかに盛り上がる程度の平坦な形状が特徴です。やや大きく皮膚からぶら下がるように飛び出しているもの(2〜5mm程度)はスキンタッグと呼ばれます。さらに大きくなって5mmを超えるものは軟性線維腫(ソフトファイブローマ)と呼ばれ、時に数センチに達することもあります。
これらは本質的には同じ疾患の連続体であり、大きさや形状の違いによって治療法の選択が変わることがあります。
発症年齢と好発部位
アクロコルドンは20代から徐々にでき始め、30代以降で目立つようになります。50歳以上になると約46%の方に発症するという報告もあり、加齢に伴って増加する傾向があります。また、性別では女性が男性の約1.5倍多いとされています。
好発部位としては、首(頸部)が最も多く、脇の下(腋窩)、胸元(デコルテ)、鼠径部、まぶたなどが挙げられます。これらはいずれも皮膚が薄くて柔らかく、衣服やアクセサリーとの摩擦が起きやすい部位という共通点があります。
2. アクロコルドンの原因
加齢による皮膚の変化
アクロコルドンが発症する正確な原因は完全には解明されていませんが、加齢による皮膚の変化が大きく関与していると考えられています。年齢とともに皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚の弾力性が失われていきます。この変化により、皮膚の線維組織が増殖しやすい状態になることが、アクロコルドン発症の一因と推測されています。
摩擦や物理的刺激
皮膚同士がこすれ合う部位や、衣服・アクセサリーによる繰り返しの摩擦は、アクロコルドン発症のリスクを高めます。首元はネックレスやタートルネック、ワイシャツの襟などが頻繁に接触する部位であり、脇の下は腕の動きに伴って常に摩擦が生じています。こうした物理的な刺激が長期間にわたって皮膚に加わることで、線維組織の増殖が促進されると考えられています。
遺伝的要因
アクロコルドンには遺伝的な素因も関係していることが示唆されています。ご両親や祖父母など親族にアクロコルドンが多く見られる場合、体質として受け継いでいる可能性があります。家族歴がある方は、より若い年齢からアクロコルドンが出現しやすい傾向にあります。
紫外線の影響
紫外線は皮膚にダメージを与え、光老化を引き起こす要因として知られています。長年にわたって紫外線を浴び続けると、皮膚の細胞膜が傷つき、シミやくすみの原因となるメラニン色素の沈着だけでなく、皮膚の構造自体にも変化をもたらします。首元は顔と同様に紫外線にさらされやすい部位であり、紫外線によるダメージの蓄積がアクロコルドン発症に関与している可能性があります。
ホルモンバランスの変化
妊娠中の女性にアクロコルドンが急増することがあり、ホルモンバランスの変化も発症に関連していると考えられています。妊娠に伴うエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン分泌量の変動が、皮膚の線維組織の増殖に影響を与えている可能性があります。
肥満との関連
肥満の方はアクロコルドンの発症リスクが2〜3倍高くなるという報告があります。これは、体重増加に伴って皮膚のしわが増え、皮膚同士の摩擦が増加することが一因と考えられます。また、肥満はインスリン抵抗性と関連しており、後述する代謝疾患との関連も指摘されています。
3. アクロコルドンと他の皮膚疾患との違い
首にできるイボ状のできものには、アクロコルドン以外にもいくつかの種類があります。正しい治療を受けるためには、まず正確な診断を受けることが重要です。
ウイルス性イボ(尋常性疣贅)との違い
一般的に「イボ」と呼ばれるものには、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じるウイルス性イボ(尋常性疣贅)があります。このウイルス性イボは主に手の指や足の裏、顔や腕などに発生することが多く、首にできることは比較的まれです。表面がザラザラしていて硬いのが特徴で、他の人にうつる可能性があります。
一方、アクロコルドンはウイルス感染によるものではないため、他の人に感染することはありません。触ると柔らかく、表面は滑らかです。ただし、首にウイルス性イボができることも皆無ではないため、自己判断せずに皮膚科で診察を受けることをお勧めします。
脂漏性角化症(老人性イボ)との違い
脂漏性角化症は「老人性イボ」とも呼ばれ、加齢や体質が原因でできる良性のイボです。色は褐色から黒色で、大きさは直径数mmから2〜3cm程度まで様々です。表面がややザラザラしており、盛り上がりがあります。
アクロコルドンとは形状や質感が異なりますが、両者が混在して発生することも珍しくありません。脂漏性角化症もアクロコルドンと同様に良性であり、放置しても健康上の問題はありませんが、見た目が気になる場合は治療の対象となります。
ほくろとの違い
ほくろ(色素性母斑)は、メラノサイトと呼ばれる色素細胞が増殖してできる良性腫瘍です。通常は黒褐色で、平坦なものから盛り上がったものまで形状は様々です。アクロコルドンは肌色から褐色までの色調を示しますが、ほくろほど濃い黒色になることは少なく、形状も異なります。
医師による診断の重要性
外見が似ていても治療法が異なる場合があるため、自己判断は禁物です。皮膚科では、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)を用いて病変の詳細を観察し、正確な診断を行います。急速に大きくなる、色が変化する、出血するなどの変化が見られる場合は、悪性腫瘍の可能性も考慮して精密検査が必要になることがあります。
4. アクロコルドンと全身疾患の関連性
糖尿病・インスリン抵抗性との関連
近年の研究により、アクロコルドンは単なる美容上の問題ではなく、内科的疾患の皮膚症状として注目されるようになっています。特に、複数個のアクロコルドンが存在する場合、糖尿病、脂質異常症、インスリン抵抗性症候群などの代謝疾患のスクリーニングが推奨されています。
インスリン抵抗性とは、体の細胞がインスリンに対して反応しにくくなる状態を指します。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込む働きを持つホルモンですが、インスリン抵抗性があると血糖値が下がりにくくなり、2型糖尿病の発症リスクが高まります。
高インスリン血症の状態では、インスリン様成長因子(IGF)を介した軟部組織の増殖が起こりやすくなり、これがアクロコルドン発症に関与していると考えられています。黒色表皮腫や糖尿病性浮腫性硬化症とともに、多発するアクロコルドンは高インスリン血症を示唆する皮膚所見(デルマドローム)の一つとされています。
メタボリックシンドロームとの関連
アクロコルドンが多発している場合、メタボリックシンドロームの可能性も考慮すべきです。メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満、高血糖、高血圧、脂質異常症などが複数組み合わさった状態であり、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクを著しく高めます。
アクロコルドンの治療で皮膚科を受診した際に、こうした代謝疾患が見つかることも珍しくありません。首のイボが気になって受診したら、実は糖尿病の予備群だったというケースもあります。アクロコルドンの治療をきっかけに、全身の健康状態を見直す機会にすることも大切です。
5. アクロコルドンの主な治療法
アクロコルドンは良性腫瘍であるため、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、見た目が気になる場合、衣服やアクセサリーとの摩擦で不快感がある場合、炎症を起こしている場合などは、除去治療を検討することになります。
液体窒素による冷凍凝固療法(保険適用)
液体窒素を用いた冷凍凝固療法は、保険適用で受けられる一般的な治療法です。約マイナス196度という超低温の液体窒素を綿棒やピンセットに含ませ、アクロコルドンに当てて凍結させます。凍結した組織は徐々に壊死し、1〜2週間程度でかさぶたとなって自然に脱落します。
この治療法のメリットは、保険が適用されるため費用負担が比較的少ないこと、施術後の自宅での特別な処置やガーゼ保護が不要なことです。一方、デメリットとしては、1回の治療で完全に取りきれないことがあり、複数回の通院が必要になる場合があります。取りきれるまでの回数は、アクロコルドンの大きさや部位、個人の体質により異なります。また、治療後に炎症後色素沈着(シミ)が残ることがありますが、通常は半年から1年程度で薄くなっていきます。冷凍療法は小さなアクロコルドンの治療に適しています。
ハサミ(剪除)による切除
有茎性のスキンタッグなど、皮膚からぶら下がっているタイプのアクロコルドンには、医療用のハサミで根元を切り取る方法が用いられることがあります。茎が細いものであれば、麻酔なしでも比較的短時間で処置が完了し、出血もほとんどありません。
この方法は手軽で即効性がありますが、大きなアクロコルドンや茎が太いものには適しません。また、自分で爪切りやハサミを使って切ろうとするのは、感染や出血のリスクがあるため絶対に避けてください。必ず医療機関で適切な処置を受けることが重要です。
炭酸ガス(CO2)レーザーによる治療
炭酸ガスレーザーは、10,600nmの波長を持つレーザーで、水分に吸収されやすい特性があります。皮膚に照射すると、組織内の水分が瞬時に蒸発し、盛り上がった組織を効率的に除去することができます。
炭酸ガスレーザー治療のメリットは、照射と同時に止血作用があるため出血が少なく、周囲の正常な皮膚への影響が最小限に抑えられる点です。特にウルトラパルス発振など短いパルス幅のレーザーを使用することで、熱損傷を最小限に抑え、色素沈着のリスクを低減できます。また、0.1mm単位での精密な治療が可能なため、小さなアクロコルドンもきれいに除去することができます。
治療時間は比較的短く、多数のアクロコルドンがある場合でも1回の施術で除去が完了することが多いのが特徴です。ただし、多くの場合は自費診療となるため、費用は治療する個数や大きさによって異なります。一般的には1個あたり2,000円〜5,000円程度が相場とされています。
電気メス(高周波メス)による治療
電気メスは、高周波電流を利用して組織を焼き切る方法です。局所麻酔を行った後、電気メスでアクロコルドンの根元から切除します。切除と止血を同時に行えるため出血が少なく、傷跡も比較的目立ちにくいのが特徴です。
炭酸ガスレーザーと同様、電気メスによる治療も多くの場合は自費診療となります。アクロコルドンの数が多い場合には、液体窒素療法よりも効率的に除去できる場合があります。
外科的切除
直径5mmを超えるような大きな軟性線維腫の場合は、外科的切除が選択されることがあります。局所麻酔下でメスを用いてイボの根元を切除し、必要に応じて縫合します。確実に病変を除去できるメリットがある一方、傷跡が残る可能性があるため、医師とよく相談して治療法を選択することが大切です。
6. 治療の流れと術後の経過
初診からカウンセリングまで
まずは皮膚科を受診し、アクロコルドンの状態を医師に診察してもらいます。ダーモスコピーなどを用いて病変を詳しく観察し、アクロコルドンであることを確認します。その後、治療法の選択肢について説明を受け、患者さんの希望や生活スタイルに合わせた治療計画を立てます。
治療法によっては当日すぐに処置を受けられる場合もありますが、数が多い場合やレーザー治療を希望する場合は、後日予約を取って施術を行うことが一般的です。
治療当日の流れ
レーザー治療や電気メスによる治療の場合、まず治療部位を消毒し、必要に応じて麻酔を行います。小さなアクロコルドンであれば麻酔なしで治療できることもありますが、数が多い場合や痛みに敏感な方には、麻酔クリームや局所麻酔注射を使用します。
麻酔が効いたら、レーザーや電気メスでアクロコルドンを1個ずつ除去していきます。炭酸ガスレーザーの場合、小さなアクロコルドンであれば数秒で処置が完了します。50個程度のアクロコルドンでも、30分〜1時間程度で治療が終了することが多いです。
治療後は軟膏を塗布し、必要に応じて肌色のテープで保護します。当日からシャワーは可能ですが、入浴や飲酒、激しい運動は控えるよう指導されることがあります。
術後の経過
治療後1〜2日間は、治療部位に軽度の赤みや腫れが生じることがあります。これは正常な反応であり、通常は数日で改善します。
液体窒素療法の場合は、治療後に水疱や血疱ができることがあります。水疱ができた場合は自分でつぶさず、自然に吸収されるのを待ちます。約2週間でかさぶたとなり、脱落します。
レーザー治療の場合は、治療部位に小さな傷ができ、1〜2週間程度でかさぶたとなって脱落します。かさぶたが取れた後は、一時的に赤みやわずかなくぼみが残ることがありますが、数週間から数ヶ月かけて徐々に目立たなくなっていきます。
ダウンタイムの目安
治療法によってダウンタイム(日常生活に支障が出る期間)は異なります。
液体窒素療法の場合、治療当日から通常の生活が可能ですが、水疱ができた場合は入浴時に患部を浸けることは避けます。かさぶたが取れるまでの2週間程度は、摩擦を避けるよう注意が必要です。
レーザー治療の場合、治療当日から洗顔や軽いメイクは可能です。かさぶたが取れるまでの1〜2週間は、紫外線対策を徹底することが重要です。首元の治療であれば、ストールやハイネックの服を着用するか、日焼け止めをしっかり塗って外出します。
7. 治療後のアフターケアと注意点
紫外線対策の重要性
治療後の肌は紫外線に対して非常に敏感になっています。紫外線を浴びると、色素沈着が起こりやすくなり、シミとして残ってしまう可能性があります。治療後少なくとも3ヶ月間は、日焼け止め(SPF30以上、PA+++以上推奨)を毎日塗る習慣をつけましょう。
首元は顔と同様に紫外線にさらされやすい部位です。日焼け止めを塗り忘れがちな部分ですが、治療後は特に入念にケアすることが大切です。外出時には帽子やストール、日傘なども活用して、物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
保湿ケア
治療後の肌は乾燥しやすくなります。適切な保湿を行うことで、肌のバリア機能を維持し、傷の治りを促進することができます。刺激の少ない保湿クリームやローションを使用し、肌の水分バランスを保つようにしましょう。
ただし、かさぶたができている間は、無理に保湿剤を塗り込んだり、かさぶたをはがしたりしないように注意してください。かさぶたは自然に脱落するのを待ちます。
摩擦を避ける
治療部位への摩擦は、傷の治りを遅らせたり、色素沈着を悪化させたりする原因になります。治療後しばらくは、タートルネックの服や締め付けの強い衣服は避け、ゆったりとした服装を心がけましょう。ネックレスなどのアクセサリーも、傷が完全に治癒するまでは控えることをお勧めします。
また、入浴時にゴシゴシとこすり洗いするのも避けてください。柔らかいタオルで優しく押さえるように水分を拭き取り、刺激を最小限に抑えることが大切です。
医師の指示に従う
治療後は医師から具体的なアフターケアの指示があります。処方された軟膏や内服薬がある場合は、指示通りに使用してください。また、指定された日に再診を受け、傷の治り具合を確認してもらうことも重要です。
万が一、強い痛みや発熱、膿の排出、傷の拡大などの異常が見られた場合は、すぐに治療を受けたクリニックに連絡しましょう。
8. 自己処理の危険性
インターネット上では、「首イボは自分で取れる」「爪切りで切れば大丈夫」といった情報を目にすることがあります。確かに、茎が細く飛び出しているタイプのアクロコルドンは、物理的には切り取ることが可能かもしれません。しかし、自己処理には以下のような重大なリスクがあります。
感染症のリスク
家庭にある爪切りやハサミは、医療器具のように滅菌されていません。不衛生な器具で皮膚を傷つけると、細菌感染を起こす可能性があります。感染が広がると、化膿して傷口が悪化したり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重症感染症に発展したりする危険性があります。
出血と傷跡のリスク
適切な処置を行わないと、思わぬ出血を起こすことがあります。また、傷口の処理が不適切だと、傷跡が残りやすくなります。首元は人目につきやすい部位であり、目立つ傷跡が残ってしまっては本末転倒です。
誤診のリスク
自分では「アクロコルドンだ」と思っていても、実際には別の疾患である可能性があります。悪性腫瘍など治療が必要な疾患を見逃してしまうリスクがあるため、必ず医師の診断を受けることが重要です。
市販薬の効果について
「イボ取りクリーム」「イボ用市販薬」として販売されている製品の多くは、ウイルス性イボ(尋常性疣贅)を対象としています。アクロコルドンはウイルス性ではないため、これらの市販薬では効果が期待できません。
また、「杏仁オイルで首イボが取れる」「ヨクイニンで治る」といった情報も見かけますが、これらがアクロコルドンを消失させるという医学的エビデンスは確認されていません。保湿ケアとしての効果はあるかもしれませんが、すでにできてしまったアクロコルドンを市販品で除去することは難しいと考えてください。
9. アクロコルドンの予防法
アクロコルドンは加齢に伴う皮膚の変化が主な原因であるため、完全に予防することは難しいのが現実です。しかし、以下のような対策を講じることで、発症リスクを軽減したり、新たなアクロコルドンの発生を抑えたりすることが期待できます。
摩擦を軽減する
皮膚への摩擦は、アクロコルドン発症の大きな要因です。以下のような工夫で摩擦を減らすことができます。
首元に頻繁に触れるネックレスは、できるだけ着用を控えるか、刺激の少ない素材を選びましょう。タートルネックやハイネックの服は首に摩擦を与えやすいため、頻繁な着用は避けることをお勧めします。下着や衣服は、締め付けの少ない、肌に優しい素材のものを選びましょう。
紫外線対策を徹底する
紫外線による皮膚ダメージの蓄積は、アクロコルドンの発症リスクを高める可能性があります。日常的に日焼け止めを使用し、紫外線から肌を守ることが大切です。顔だけでなく、首やデコルテにも日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。
外出時には帽子やストール、日傘などを活用して、物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
保湿ケアを行う
乾燥した肌はバリア機能が低下し、様々な皮膚トラブルを起こしやすくなります。入浴後は速やかに保湿クリームを塗り、肌の水分を逃がさないようにしましょう。特に秋から冬にかけては空気が乾燥するため、加湿器の使用や、いつも以上に入念な保湿ケアを心がけてください。
適正体重を維持する
肥満はアクロコルドンの発症リスクを高める要因の一つです。適度な運動とバランスの取れた食事で、適正体重を維持することが予防につながります。また、肥満を解消することで、糖尿病やメタボリックシンドロームといった全身疾患のリスクも軽減できます。
十分な睡眠を取る
睡眠不足は肌の新陳代謝を低下させ、様々な肌トラブルの原因になります。入眠から3時間後に成長ホルモンの分泌量がピークになるため、このタイミングに質の良い睡眠が取れるよう、生活リズムを整えることが大切です。
定期的な健康診断
アクロコルドンと糖尿病・インスリン抵抗性との関連を考えると、定期的な健康診断で血糖値や脂質の値をチェックすることも重要です。早期に代謝異常を発見し、適切な対策を講じることで、アクロコルドンの多発を防ぐことにつながる可能性があります。
10. 八重洲・日本橋エリアの立地とアクセス
東京駅からのアクセス
八重洲・日本橋エリアは、日本の交通の要所である東京駅の八重洲口側に位置しています。JR東京駅八重洲北口から徒歩数分という抜群のアクセスを誇り、日本全国どこからでも通いやすい立地が魅力です。
東京駅には、東海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線をはじめ、JR各線が乗り入れています。地方から東京に来る用事がある際に、ついでに皮膚科を受診するということも可能です。また、東京駅は東京メトロ丸ノ内線とも接続しており、都内各方面からのアクセスも便利です。
日本橋駅からのアクセス
日本橋駅は、東京メトロ銀座線、東京メトロ東西線、都営浅草線の3路線が乗り入れるターミナル駅です。八重洲エリアまでは徒歩5〜10分程度で、東京駅と日本橋駅の両方からアクセスできるのがこのエリアの強みです。
銀座線を使えば銀座、渋谷方面から、東西線を使えば大手町、飯田橋、中野方面から、都営浅草線を使えば浅草、押上、羽田空港方面からダイレクトにアクセスできます。
京橋駅からのアクセス
東京メトロ銀座線の京橋駅も、八重洲エリアの最寄り駅の一つです。京橋駅からは徒歩3〜5分程度で、上野、浅草方面からのアクセスに便利です。
周辺環境
八重洲・日本橋エリアは、東京を代表するビジネス街として知られています。多くの企業が本社を構え、平日は大勢のビジネスパーソンが行き交います。駅周辺には商業施設やレストラン、カフェも充実しており、クリニック受診前後の時間を有効に活用できます。
東京ミッドタウン八重洲や八重洲地下街(ヤエチカ)、日本橋高島屋など、ショッピングや食事を楽しめるスポットも豊富です。治療の前後に買い物をしたり、食事をしたりと、一日のスケジュールに組み込みやすいのもこのエリアの魅力といえるでしょう。
仕事帰りの通院に便利
八重洲・日本橋エリアの皮膚科クリニックは、平日夜遅くまで診療しているところも多く、仕事帰りに立ち寄りやすいのが特徴です。土曜日も診療しているクリニックであれば、平日は忙しいという方でも通院しやすいでしょう。
東京駅周辺で働いている方であれば、昼休みを利用して受診することも可能です。アクセスの良さを活かして、無理なく治療を続けられるのがこのエリアの大きなメリットです。
11. クリニック選びのポイント
アクロコルドンの治療で後悔しないためには、自分に合ったクリニックを選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に、信頼できるクリニックを見つけましょう。
皮膚科専門医の有無
皮膚科専門医とは、日本皮膚科学会が認定する専門医資格を持つ医師のことです。皮膚科専門医が在籍しているクリニックであれば、アクロコルドンの正確な診断はもちろん、他の皮膚疾患との鑑別や、全身疾患との関連についても適切な判断が期待できます。
治療実績
アクロコルドンや軟性線維腫の治療実績が豊富なクリニックを選ぶことで、より安心して治療を受けられます。ウェブサイトで症例写真が公開されている場合は、治療前後の変化を確認することができます。
治療法の選択肢
保険診療(液体窒素療法)と自費診療(レーザー治療など)の両方に対応しているクリニックであれば、患者さんの希望や症状に合わせて最適な治療法を提案してもらえます。一つの治療法しか提供していないクリニックよりも、複数の選択肢があるクリニックの方が、柔軟な対応が期待できます。
カウンセリングの充実度
初診時にしっかりとカウンセリングを行い、治療内容やリスク、費用について丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。疑問点や不安な点を遠慮なく質問できる雰囲気があるかどうかも重要なポイントです。
アフターケア体制
治療後のフォローアップがしっかりしているクリニックを選ぶことも大切です。術後に何か問題が生じた場合に、すぐに相談できる体制が整っているかを確認しましょう。
アクセスと診療時間
自宅や勤務先からのアクセスが良く、診療時間が自分の生活スタイルに合っているクリニックを選ぶことで、通院の負担を軽減できます。特にレーザー治療などで複数回の通院が必要な場合は、アクセスの良さが重要になります。
費用の透明性
自費診療の場合、治療費はクリニックによって異なります。事前に費用の目安を確認し、料金体系が明確なクリニックを選びましょう。「1個あたりいくら」「取り放題プランがいくら」など、分かりやすい料金設定のクリニックがお勧めです。

12. よくある質問(Q&A)
はい、アクロコルドンは良性腫瘍であるため、放置しても悪性化する心配はほとんどありません。見た目が気にならない場合や、日常生活に支障がない場合は、治療せずに経過観察することも選択肢の一つです。ただし、急に大きくなったり、数が急増したり、出血したりするような変化が見られる場合は、皮膚科を受診して診察を受けることをお勧めします。
いいえ、アクロコルドンはウイルス性ではないため、他の人に感染することはありません。家族や周囲の人にうつる心配はないので、その点は安心してください。
Q3. 一度取っても再発しますか?
治療によって除去したアクロコルドンそのものが再発することはまれですが、体質的にアクロコルドンができやすい方は、別の場所に新しいアクロコルドンができることがあります。加齢に伴う皮膚の変化が主な原因であるため、予防法を実践しながらも、新たなアクロコルドンの出現は完全には防げない場合があります。気になる場合は、定期的に皮膚科で相談するとよいでしょう。
Q4. 治療は痛いですか?
液体窒素療法の場合、凍結時に多少の痛みを感じることがありますが、通常は我慢できる程度です。レーザー治療や電気メスによる治療の場合は、麻酔クリームや局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。痛みに敏感な方は、事前に医師に相談すれば、適切な麻酔を使用してもらえます。
Q5. 治療にかかる費用はどのくらいですか?
液体窒素療法は保険適用となるため、3割負担の場合、数百円から数千円程度で治療を受けられます(複数回の通院が必要な場合があります)。
レーザー治療などの自費診療の場合、クリニックによって料金は異なりますが、1個あたり2,000円〜5,000円程度が相場です。多数のアクロコルドンがある場合は、「取り放題プラン」を設定しているクリニックもあり、数万円で首のアクロコルドンをまとめて除去できることもあります。
Q6. 治療後、すぐにメイクや仕事はできますか?
首元のアクロコルドン治療であれば、顔のメイクには影響しません。治療当日から日常生活や仕事に支障はほとんどありませんが、激しい運動や飲酒、サウナなどは数日間控えることが推奨されます。また、治療部位への摩擦を避けるため、タートルネックなどの首に密着する服装は避けた方がよいでしょう。
Q7. どの治療法が一番おすすめですか?
患者さんの症状や希望、予算によって最適な治療法は異なります。
小さなアクロコルドンが数個程度であれば、保険適用の液体窒素療法で十分対応できることが多いです。一方、多数のアクロコルドンをきれいに除去したい場合や、色素沈着のリスクを最小限に抑えたい場合は、炭酸ガスレーザー治療がお勧めです。
まずは皮膚科を受診し、医師と相談しながら自分に合った治療法を選択することが大切です。
Q8. 首以外のアクロコルドンも治療できますか?
はい、脇の下、胸元、まぶた、鼠径部など、首以外の部位にできたアクロコルドンも治療可能です。部位によって適した治療法が異なる場合がありますので、医師に相談してください。
13. まとめ
アクロコルドン(軟性線維腫)は、30代以降の多くの方に見られる非常に一般的な皮膚の良性腫瘍です。首や脇の下など、皮膚が柔らかく摩擦を受けやすい部位に好発し、加齢とともに増加する傾向があります。
アクロコルドンは放置しても健康上の問題はありませんが、見た目が気になったり、衣服やアクセサリーとの摩擦で不快感があったりする場合は、除去治療を検討することができます。治療法には、保険適用の液体窒素療法、ハサミによる切除、炭酸ガスレーザー治療、電気メス治療などがあり、症状や希望に応じて選択できます。
一方で、アクロコルドンが多発している場合は、糖尿病やメタボリックシンドロームなど全身疾患との関連も指摘されています。首のイボの治療をきっかけに、全身の健康状態を見直すことも大切です。
自己処理は感染や傷跡のリスクがあるため避け、必ず専門医の診察を受けることをお勧めします。正しい診断に基づいた適切な治療を受けることで、安全にアクロコルドンを除去し、すっきりとした首元を取り戻すことができます。
八重洲・日本橋エリアは、東京駅から徒歩圏内という抜群のアクセスを誇り、仕事帰りや休日を利用して気軽に皮膚科を受診できる便利な立地です。アクロコルドンでお悩みの方は、ぜひ一度専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
14. 参考文献
- 公益社団法人日本皮膚科学会「一般公開ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/index.php?content_id=2
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「インスリン」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html
- 国立国際医療研究センター 糖尿病研究センター「研究紹介」 https://drc.jihs.go.jp/dc001/aboutus/index.html
- MSDマニュアル家庭版「軟性線維腫(スキンタッグ)」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/17-皮膚の病気/皮膚の良性腫瘍/軟性線維腫
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」 http://www.jds.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務