お腹にできものができると、多くの方が不安を感じるものです。「これは何だろう」「病院に行くべきか」「悪いものではないか」といった疑問や心配が頭をよぎることでしょう。お腹にできるできものには、良性のものから注意が必要なものまで、さまざまな種類があります。
本記事では、お腹にできるできものの種類、それぞれの特徴、診断方法、治療法について、医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。また、どのような症状が出たら医療機関を受診すべきか、日常生活で気をつけるべきポイントについてもご紹介します。

お腹のできものとは
お腹のできものとは、腹部の皮膚やその下の組織に生じる腫瘤(しゅりゅう)の総称です。医学的には「腹部腫瘤」と呼ばれることもあります。これらのできものは、皮膚の表面近くにできるものから、皮下組織や筋肉の層、さらには腹腔内の臓器に関連するものまで、発生する深さや原因はさまざまです。
お腹は体の中でも広い部位であり、皮膚、皮下脂肪、筋肉、そして内臓を含む複雑な構造をしています。そのため、できものの種類も多岐にわたります。触れると硬いもの、柔らかいもの、痛みを伴うもの、全く痛みがないものなど、その性状も実にさまざまです。
お腹にできる主なできものの種類
粉瘤(アテローム)
粉瘤は、お腹を含む体のあらゆる部位にできる最も一般的な良性の皮膚腫瘍の一つです。皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂などの老廃物が溜まることで形成されます。
粉瘤の特徴は以下の通りです。
まず、触ると皮膚の下にドーム状の盛り上がりを感じます。大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、ゆっくりと大きくなっていくことが多いです。中央に黒い点(開口部)が見えることがあり、これは粉瘤を見分ける重要なポイントとなります。
通常は痛みを伴いませんが、細菌感染を起こすと炎症性粉瘤となり、赤く腫れて痛みを生じます。炎症を起こした粉瘤からは、特有の臭いを持つ白っぽい内容物が出てくることがあります。
粉瘤は自然に消えることはほとんどなく、根本的な治療には袋ごと摘出する手術が必要です。炎症を繰り返す場合や、大きくなって日常生活に支障をきたす場合は、早めの治療が推奨されます。
脂肪腫
脂肪腫は、皮下脂肪組織が増殖してできる良性の腫瘍です。お腹の皮下にもよく発生し、特に中年以降の方に多く見られます。
脂肪腫の主な特徴として、触るとやわらかく、弾力性があることが挙げられます。皮膚の下で動かすことができ、痛みはほとんどありません。成長速度は遅く、長期間かけて徐々に大きくなることがあります。
単発で発生することもあれば、複数個できることもあります。多くの場合、治療の必要はありませんが、大きくなって外見上の問題となる場合や、稀に悪性化(脂肪肉腫)の可能性が疑われる場合には、摘出手術が検討されます。
急に大きくなった場合や、硬さが変わった場合、痛みが出現した場合は、悪性の可能性も考慮して精密検査が必要となります。
線維腫
線維腫は、結合組織の線維成分が増殖してできる良性腫瘍です。皮膚の線維腫は、お腹を含む体のさまざまな部位に発生します。
線維腫は触ると硬く、境界がはっきりしていることが特徴です。皮膚の表面に近いところにできることが多く、色は皮膚色から褐色までさまざまです。大きさは通常数ミリから1センチ程度で、痛みはほとんどありません。
線維腫には複数の種類があり、代表的なものとして軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)があります。これは加齢とともに増加する小さな皮膚の突起で、特に摩擦が起こりやすい部位に多発します。
ほとんどの線維腫は良性で、治療の必要はありません。ただし、美容上の理由や、衣服との摩擦で炎症を起こす場合には、切除や凍結療法などの治療が行われることがあります。
血管腫
血管腫は、血管組織が異常に増殖してできる腫瘍です。お腹の皮膚表面やその下に発生することがあります。
血管腫には、生まれつき存在する先天性のものと、後天的にできるものがあります。皮膚表面にできる血管腫は、赤色や青紫色をしていることが特徴です。触ると柔らかく、圧迫すると一時的に色が薄くなることがあります。
代表的な血管腫として、老人性血管腫(チェリースポット)があります。これは加齢とともに増える小さな赤い点状の血管腫で、良性です。サイズは数ミリ程度で、増加傾向にありますが、健康上の問題はありません。
一方、海綿状血管腫は、皮下に発生する血管腫で、青みがかった色をしていることがあります。大きくなると外見上の問題となることがありますが、多くは良性です。
臍ヘルニア(でべそ)
臍ヘルニアは、おへその部分の筋肉や筋膜の弱い部分から、腹腔内の組織や腸が飛び出してくる状態です。
乳児の臍ヘルニアは、生後間もなくから見られることが多く、泣いたり力んだりすると、おへそが大きく膨らみます。多くの場合、1歳から2歳までに自然に治癒しますが、大きいものや改善しないものは治療が必要となることがあります。
成人の臍ヘルニアは、肥満、妊娠、腹水などで腹圧が高まることにより発症します。おへそが膨らみ、押すと一時的に戻ることがありますが、嵌頓(かんとん)といって腸が締め付けられる状態になると、激しい痛みや吐き気を伴い、緊急手術が必要となります。
腹壁ヘルニア
腹壁ヘルニアは、腹壁の弱い部分や手術創などから、腹腔内の臓器や組織が皮下に飛び出してくる状態です。
手術後の創部に発生する腹壁瘢痕ヘルニアは、帝王切開や開腹手術を受けた方に見られることがあります。立った時や腹圧がかかった時に、手術創の部分が膨らんで見えます。
鼠径ヘルニア(脱腸)も、下腹部にできものができたように感じられる疾患の一つです。特に男性に多く、足の付け根付近が膨らみます。
ヘルニアの多くは手術による治療が必要です。放置すると、嵌頓という危険な状態になる可能性があるため、早めの受診が重要です。
皮膚腫瘍(良性・悪性)
お腹の皮膚には、さまざまな種類の腫瘍が発生する可能性があります。
良性の皮膚腫瘍には、前述した粉瘤、脂肪腫、線維腫のほか、母斑(ほくろ)、脂漏性角化症(老人性疣贅)などがあります。脂漏性角化症は、加齢とともに増える茶色から黒色の隆起性病変で、表面がざらざらしていることが特徴です。
注意が必要なのは、悪性の皮膚腫瘍です。基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)などが代表的です。これらは早期発見・早期治療が重要です。
悪性の可能性を示唆する特徴として、以下のような点が挙げられます。短期間で急速に大きくなる、色が不均一である、形が非対称である、境界が不明瞭である、出血しやすい、痛みやかゆみが続く、などです。
これらの特徴が見られる場合は、速やかに皮膚科を受診することが推奨されます。
リンパ節腫大
お腹の表面近くには、鼠径部(足の付け根)を中心にリンパ節があります。感染症や炎症、悪性疾患などにより、これらのリンパ節が腫れることがあります。
リンパ節が腫れると、皮下に硬いしこりとして触れることができます。感染によるリンパ節腫大では、痛みや圧痛を伴うことが多く、発熱などの全身症状を伴うこともあります。
一方、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫大の場合は、痛みを伴わないことが多く、徐々に大きくなる傾向があります。複数のリンパ節が腫れたり、全身のだるさ、体重減少、寝汗などの症状を伴う場合は、注意が必要です。
腹腔内腫瘤
お腹の深い部分、つまり腹腔内に発生した腫瘤が、皮膚の表面から触れることがあります。これには、臓器由来の腫瘍、卵巣嚢腫、子宮筋腫などが含まれます。
腹腔内腫瘤は、かなり大きくならないと体表から触れることはできません。お腹が張る、腹部膨満感、食欲低下、体重減少などの症状を伴うことがあります。
特に女性の場合、下腹部のできものは婦人科疾患の可能性もあります。卵巣嚢腫や子宮筋腫が大きくなると、下腹部に腫瘤として触れることがあります。
腹腔内腫瘤が疑われる場合は、超音波検査やCT検査などの画像診断が必要となります。
お腹のできものの診断方法
お腹のできものの診断には、以下のような方法が用いられます。
視診と触診
医師による視診と触診は、診断の基本となります。できものの大きさ、形状、硬さ、可動性、皮膚との関係、圧痛の有無などを確認します。
視診では、できものの色、表面の性状、開口部の有無などを観察します。粉瘤特有の黒い開口部(へそ)や、血管腫の赤色、脂漏性角化症の表面のざらつきなど、特徴的な所見を確認します。
触診では、できものの深さ、硬さ、境界の明瞭さ、周囲組織との関係を評価します。脂肪腫の柔らかさ、線維腫の硬さ、ヘルニアの還納性(押すと戻るかどうか)などを確認します。
超音波(エコー)検査
超音波検査は、できものの内部構造を観察するのに有用な検査です。痛みがなく、放射線被曝もないため、繰り返し行うことができます。
超音波検査により、できものが嚢胞性(液体が溜まっている)か充実性(組織が詰まっている)か、血流があるかどうか、周囲組織との関係などを評価できます。粉瘤の袋状の構造、脂肪腫の脂肪組織特有のエコー像、血管腫の血流信号などを確認することができます。
また、深部のできものや腹腔内腫瘤の評価にも有用です。
CT・MRI検査
より詳細な評価が必要な場合、CT検査やMRI検査が行われます。
CT検査は、できものの大きさ、位置、周囲組織との関係を立体的に評価できます。特に腹腔内腫瘤の診断や、悪性腫瘍の転移の有無を調べる際に有用です。
MRI検査は、軟部組織のコントラストが優れており、脂肪腫、血管腫、神経系の腫瘍などの鑑別に役立ちます。造影剤を使用することで、血流の豊富さや腫瘍の性質についての情報が得られます。
生検
できものの性質を確定診断するために、組織の一部を採取して顕微鏡で観察する生検が行われることがあります。
穿刺吸引細胞診は、細い針を刺して細胞を吸引し、顕微鏡で観察する方法です。侵襲が少なく、外来で行うことができます。
組織生検は、できものの一部または全部を切除して、病理組織学的に診断する方法です。悪性腫瘍の確定診断や、良性腫瘍の種類を正確に診断するために重要です。
特に、悪性が疑われる場合や、診断が困難な場合には、生検が推奨されます。
血液検査
できものの原因によっては、血液検査が診断の参考になることがあります。
炎症性のできものでは、白血球数やCRP(C反応性蛋白)などの炎症マーカーが上昇します。悪性腫瘍が疑われる場合は、腫瘍マーカーの測定が行われることもあります。
また、全身状態の評価や、手術前の検査としても血液検査は重要です。
お腹のできものの治療法
お腹のできものの治療法は、その種類や大きさ、症状、患者さんの希望などに応じて選択されます。
経過観察
良性で小さく、症状がないできものの場合、経過観察となることがあります。定期的に診察を受け、大きさや性状の変化を確認します。
脂肪腫や小さな線維腫など、良性が確実で、日常生活に支障がない場合は、必ずしも治療の必要はありません。ただし、定期的な観察は重要です。
急に大きくなったり、性状が変化したり、症状が出現した場合は、再評価が必要となります。
外科的切除
多くのできものに対して、外科的切除が根本的な治療となります。
粉瘤の場合、袋ごと完全に摘出することが重要です。内容物だけを絞り出しても、袋が残っていれば再発します。局所麻酔下で行うことができ、通常は日帰り手術が可能です。
炎症を起こしている粉瘤に対しては、まず抗生物質で炎症を抑えてから摘出するのが一般的です。炎症が強い時期に摘出すると、組織が脆くなっており、袋を完全に取りきれないことがあるためです。
脂肪腫や線維腫も、必要に応じて切除が行われます。大きなものや深い部位にあるものは、入院が必要となることもあります。
ヘルニアに対しては、手術によって突出した組織を元の位置に戻し、弱くなった腹壁を補強します。メッシュなどの人工材料を用いて補強することもあります。
くり抜き法
小さな粉瘤に対しては、くり抜き法(パンチ生検法)という低侵襲な方法が行われることがあります。
直径4〜8mm程度の円筒状のメスで、粉瘤の開口部を含めて皮膚をくり抜き、袋を摘出する方法です。傷が小さく、縫合が不要または最小限で済むため、傷跡が目立ちにくいという利点があります。
ただし、大きな粉瘤や炎症を起こしているものには適さないことがあります。
内服治療
炎症を起こしている粉瘤やリンパ節腫大に対しては、抗生物質の内服が行われます。
感染による腫れや痛みを軽減し、炎症を抑えることを目的とします。ただし、これは対症療法であり、粉瘤の場合は根本的な治療にはなりません。
悪性腫瘍と診断された場合は、化学療法(抗がん剤治療)が行われることもあります。
レーザー治療
血管腫や小さな皮膚腫瘍に対しては、レーザー治療が選択されることがあります。
レーザーは特定の色素や組織に選択的に吸収されるため、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えながら、目的の組織を破壊または除去することができます。
老人性血管腫などの小さな血管腫は、レーザー治療で効果的に治療できることが多いです。
凍結療法
液体窒素を用いた凍結療法は、小さな皮膚腫瘍や疣贅(いぼ)の治療に用いられます。
マイナス196度の液体窒素を病変部に当てることで、組織を凍結壊死させます。数回の治療が必要となることもありますが、簡便で外来で行うことができます。
お腹のできもので注意すべき症状
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。
急速な増大
できものが短期間で急速に大きくなる場合は、注意が必要です。良性のできものは通常、ゆっくりと成長するか、ほとんど大きくなりません。
数週間から数ヶ月で明らかに大きくなる場合、炎症や感染、あるいは悪性腫瘍の可能性を考慮する必要があります。
痛みの出現
元々痛みがなかったできものに痛みが出現した場合、炎症や感染を起こしている可能性があります。
粉瘤が炎症を起こすと、赤く腫れて痛みを伴います。ヘルニアが嵌頓を起こすと、激しい痛みが生じます。
また、悪性腫瘍が周囲組織に浸潤すると、痛みを生じることがあります。
色の変化
できものの色が変化する、特に黒色化する、色が不均一になる、などの変化は、悪性の可能性を示唆することがあります。
ほくろが変化して悪性黒色腫(メラノーマ)になることもあるため、注意が必要です。
出血や潰瘍形成
できものから出血する、表面が潰瘍化する、などの症状は、悪性腫瘍の可能性を考慮する必要があります。
ただし、摩擦による機械的な刺激で出血することもあるため、状況によって判断が必要です。
全身症状の出現
できものに加えて、発熱、体重減少、倦怠感、寝汗などの全身症状が出現した場合は、早急な受診が必要です。
これらの症状は、悪性リンパ腫や転移性腫瘍などの全身疾患を示唆することがあります。
ヘルニアの嵌頓
ヘルニアが突然戻らなくなり、激しい痛み、吐き気、嘔吐などの症状が出現した場合は、嵌頓の可能性があります。
嵌頓は緊急手術が必要となる状態であり、速やかに救急外来を受診する必要があります。
お腹のできものを予防するために
完全な予防は難しいですが、以下のような点に気をつけることで、リスクを減らしたり、早期発見につながったりします。
清潔な皮膚管理
皮膚を清潔に保つことは、感染症の予防に重要です。特に粉瘤は、毛穴が詰まることから始まることが多いため、適切な洗浄と保湿が大切です。
ただし、過度な洗浄や摩擦は逆効果となることもあるため、やさしく洗うことを心がけましょう。
適切な体重管理
肥満は腹圧を高め、ヘルニアのリスクを増加させます。また、脂肪腫のリスク因子でもあると考えられています。
適切な食事と運動による体重管理は、さまざまな疾患の予防に有効です。
定期的な自己チェック
お風呂やシャワーの際に、自分の体を観察する習慣をつけましょう。新しいできものができていないか、既存のできものに変化がないかを確認します。
異常に気づいたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
紫外線対策
皮膚癌のリスクを減らすために、適切な紫外線対策を行いましょう。日焼け止めの使用、帽子や長袖の着用などが効果的です。
特に夏場や屋外活動が多い場合は、注意が必要です。
禁煙
喫煙は、さまざまな癌のリスクを高めることが知られています。禁煙は健康にとって重要な選択です。
健康的な生活習慣
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣は、免疫機能を維持し、疾患のリスクを減らすのに役立ちます。
どのような時に受診すべきか
以下のような場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
新しくできものができて気になる場合、特に数週間経っても消えない、あるいは大きくなる場合は、一度診察を受けることが推奨されます。
既存のできものに変化があった場合、例えば大きくなった、色が変わった、痛みが出た、出血した、などの場合は、速やかに受診しましょう。
痛みを伴うできもの、特に赤く腫れている場合は、炎症や感染の可能性があるため、早めの受診が必要です。
ヘルニアが疑われる場合、特に押しても戻らない、痛みが強い、嘔吐を伴うなどの症状がある場合は、緊急受診が必要です。
全身症状(発熱、体重減少、倦怠感など)を伴う場合は、重大な疾患の可能性もあるため、速やかに受診してください。
悪性を疑う特徴(急速な増大、不規則な形、色の不均一さ、出血傾向など)がある場合は、早急な精密検査が必要です。
美容上の理由で気になる場合も、相談することができます。良性のできものであっても、外見上の問題となる場合は、治療の選択肢があります。
アイシークリニック東京院での診療
アイシークリニック東京院では、お腹のできものを含む、体のさまざまな部位の皮膚・皮下腫瘍の診療を行っています。
経験豊富な医師が、丁寧な診察と適切な診断を行います。必要に応じて超音波検査などの画像診断も院内で実施可能です。
粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍に対しては、日帰り手術にも対応しています。局所麻酔による手術が中心で、患者さんの負担を最小限に抑えた治療を心がけています。
手術後のフォローアップも丁寧に行い、傷跡が目立たないよう配慮した治療を提供しています。
気になるできものがある場合は、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。早期発見・早期治療が、良好な結果につながります。

まとめ
お腹のできものは、良性のものから注意が必要なものまで、さまざまな種類があります。多くは粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍ですが、中には悪性腫瘍やヘルニアなど、適切な治療が必要な疾患も含まれます。
できものを見つけたら、その大きさ、硬さ、痛みの有無、色、変化の速度などを観察しましょう。急速に大きくなる、痛みが出る、色が変わる、出血するなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
診断には、視診・触診に加えて、超音波検査、CT・MRI検査、生検などが用いられます。正確な診断に基づいて、適切な治療方針が決定されます。
治療法は、経過観察、外科的切除、レーザー治療など、できものの種類や状態に応じて選択されます。良性のできものでも、美容上の理由や日常生活への支障がある場合は、治療を検討することができます。
定期的な自己チェックと、異常を感じたら早めに受診するという姿勢が、お腹のできものへの最良の対処法といえるでしょう。専門医による適切な診断と治療を受けることで、安心して日常生活を送ることができます。
参考文献
- 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」
https://www.dermatol.or.jp/ - 日本形成外科学会「形成外科診療ガイドライン」
https://jsprs.or.jp/ - 国立がん研究センター「がん情報サービス」
https://ganjoho.jp/ - 日本臨床外科学会「ヘルニア診療ガイドライン」
https://www.jacs.gr.jp/ - 厚生労働省「e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - 日本医師会「健康の森」
https://www.med.or.jp/forest/
※本記事は医学的な情報提供を目的としており、特定の診断や治療を推奨するものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務