「朝しっかり洗顔したのに、お昼にはもう顔がテカってしまう」「メイクがすぐに崩れてしまう」「毛穴の開きやニキビが気になる」——このような肌悩みを抱えている方は、脂性肌(オイリー肌)かもしれません。
脂性肌は皮脂の分泌量が多い肌質のことで、テカリやベタつきだけでなく、毛穴トラブルやニキビの原因にもなりやすい特徴があります。しかし、適切なスキンケアと生活習慣の見直しによって、脂性肌は改善が期待できます。
本記事では、脂性肌のメカニズムや原因から、正しいスキンケア方法、食事や睡眠などの生活習慣の改善ポイント、さらに紫外線対策や医療機関での治療法まで、脂性肌ケアに必要な情報を網羅的に解説します。自分の肌質を正しく理解し、適切なケアを実践することで、健やかな肌を手に入れましょう。

📋 目次
- 脂性肌(オイリー肌)とは
- 脂性肌(オイリー肌)の原因と肌質診断
- 脂性肌(オイリー肌)のスキンケア完全ガイド
- 脂性肌改善のための食事・生活習慣
- 脂性肌のトラブル対策と医療機関での治療
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
🧴 脂性肌(オイリー肌)とは
脂性肌(オイリー肌)とは、皮脂腺から分泌される皮脂の量が多い肌質のことを指します。皮脂は本来、肌を外部の刺激から保護し、水分の蒸発を防ぐ重要な役割を担っています。しかし、皮脂が過剰に分泌される脂性肌では、さまざまな肌トラブルが起こりやすくなります。
✨ 脂性肌の特徴
脂性肌には以下のような特徴があります。
- 顔全体にテカリやベタつきが生じやすい
- 特にTゾーン(額から鼻筋)の皮脂分泌が多い
- 毛穴が開きやすく目立ちやすい
- メイクが崩れやすく、午後になると化粧が浮く
- ニキビや吹き出物ができやすい
毛穴が目立ちやすいのは、過剰な皮脂が毛穴に詰まることで、毛穴が押し広げられるためです。
🛡️ 皮脂の役割と重要性
ここで重要なのは、皮脂そのものは決して悪いものではないということです。皮脂には以下のような大切な役割があります。
- 保湿機能:肌表面で汗と混ざり合い、天然の保湿クリーム「皮脂膜」を形成
- バリア機能:弱酸性を保ち、雑菌の繁殖を抑制
- 保護機能:外部からの刺激や異物の侵入を防ぐ
問題となるのは、皮脂が「過剰に」分泌される状態です。そのため、脂性肌のケアでは皮脂を完全に取り除くのではなく、適切なバランスを保つことが重要になります。
🔍 脂性肌(オイリー肌)の原因と肌質診断
脂性肌になる原因はさまざまですが、主に以下の7つの要因が挙げられます。それぞれの原因を理解することで、効果的な対策を立てることができます。
1️⃣ 脂性肌になる7つの原因
ホルモンバランスの影響
皮脂の分泌量は、主に男性ホルモン(アンドロゲン)のテストステロンや、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響を受けています。
- 男性:テストステロンが皮脂腺を活性化させ、皮脂分泌を促進
- 女性:生理前のプロゲステロン増加で皮脂分泌が活発化
- 思春期:ホルモンバランスの変動により皮脂分泌が活発になる
遺伝的要因
体質が遺伝するように、皮脂の分泌量が多いという肌質も遺伝の影響を受けることがあります。特に、皮脂の分泌に関わる酵素「5αリダクターゼ」の量は遺伝的な要因が大きいとされています。
誤ったスキンケア
脂性肌を改善しようとするあまり、かえって悪化させてしまうケースがあります。
- 1日に何度も洗顔する
- 洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシ擦る
- 「脂性肌だから保湿は不要」と保湿ケアを怠る
これらの行為は、肌に必要な皮脂まで取り除き、防御反応として皮脂をさらに多く分泌させる原因となります。
食生活・生活習慣の影響
食事の内容は皮脂の分泌量に影響を与えます。
- 皮脂分泌を促進する食品:揚げ物、スナック菓子、チョコレートなど
- 血糖値急上昇:過度な糖質摂取でインスリン分泌が促進され皮脂腺を刺激
- 睡眠不足・ストレス:ホルモンバランスの乱れを引き起こし皮脂分泌を促進
環境要因と紫外線
- 季節変動:夏の高温・高湿度、冬の乾燥による防御反応
- 紫外線:バリア機能低下と皮脂の酸化による毛穴トラブル
💧 脂性肌と間違えやすい肌質との違い
自分の肌質を正しく理解することは、適切なスキンケアを行う上で非常に重要です。
インナードライ肌(乾燥性脂性肌)
肌の表面は皮脂でベタついているにもかかわらず、肌内部は乾燥している状態を指します。
- 見た目は脂性肌と同様にテカリやベタつきがある
- 実際には保湿ケアが必要な状態
- 洗顔後にツッパリ感があるのに時間が経つとテカる
混合肌
顔の部位によって肌質が異なる状態を指します。典型的には、Tゾーンは皮脂が多くテカりやすい一方で、Uゾーン(頬・あご)は乾燥しやすいパターンが多く見られます。
🔍 自分の肌質をチェックする方法
洗顔後、何もつけずに10分程度放置してみてください。
- 脂性肌:顔全体がベタつきテカりが出る
- 乾燥肌:顔全体がつっぱってカサつく
- 混合肌:Tゾーンはテカるが頬やあごはつっぱる
- インナードライ肌:最初はつっぱるが時間が経つとテカる
🧼 脂性肌(オイリー肌)のスキンケア完全ガイド
脂性肌のスキンケアでは、「余分な皮脂を適切に落とすこと」と「必要な潤いを補うこと」のバランスが重要です。
🧴 正しいクレンジング方法
- メイクをした日は必ずクレンジングでメイクを落とす
- クレンジング時間は40秒から1分程度
- おすすめタイプ:ジェルタイプ、リキッドタイプ
- 避けるタイプ:オイルタイプ(毛穴に残りやすい)
🧽 脂性肌の洗顔ルール
洗顔は脂性肌ケアにおいて非常に重要ですが、やり方を間違えると逆効果になってしまいます。
洗顔の基本ルール
- 回数:1日2回(朝・夜)で十分
- 泡立て:きめ細かい弾力のある泡を作る
- 洗い方:泡で包み込むように優しく洗う
- すすぎ:30度から36度のぬるま湯で丁寧に
- タオル:清潔なタオルで押さえるように拭く
💧 脂性肌の保湿ケア
脂性肌の方でも保湿ケアは必須です。洗顔後に保湿をしないと、肌は乾燥状態に陥り、バリア機能を保つために皮脂をさらに分泌するようになります。ニキビを保湿すると悪化する?正しいスキンケア方法と注意点を医師が解説でも詳しく解説していますが、適切な保湿は脂性肌改善の重要なポイントです。
保湿ケアのポイント
- 洗顔後はできるだけ早く化粧水をつける
- 化粧水は手のひらで温めてから優しく押し込む
- 乳液で蓋をして水分の蒸発を防ぐ
- おすすめ成分:ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン
- 選び方:オイルフリー、アルコールフリー
🌟 皮脂コントロール成分と紫外線対策
皮脂を抑える成分
- ビタミンC誘導体:皮脂分泌抑制と抗酸化作用
- ライスパワーNo.6:皮脂分泌抑制効果が認められた有効成分
- 収れん化粧水:毛穴を引き締める効果
脂性肌の紫外線対策
紫外線は脂性肌にとっても大きな敵です。紫外線を浴びると肌のバリア機能が低下し、皮脂の過剰分泌や酸化を引き起こします。
- おすすめタイプ:ジェルタイプ、ローションタイプの日焼け止め
- 選び方:ノンコメドジェニック処方、皮脂吸着成分配合
- 使用法:顔全体にパール粒2個分、2-3時間ごとに塗り直し
🍎 脂性肌改善のための食事・生活習慣
脂性肌の改善には、外側からのスキンケアだけでなく、内側からのケアも重要です。
🥗 脂性肌改善に効果的な栄養素
ビタミンB群
ビタミンB2(リボフラビン)は、脂質の代謝を促進し、皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。
- 推奨量:男性1.4mg〜1.7mg、女性1.1mg〜1.2mg(厚生労働省)
- 含有食品:レバー類、うなぎ、納豆、卵、牛乳、アーモンド
ビタミンB6(ピリドキシン)は、タンパク質の代謝に関わり、肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあります。
- 含有食品:カツオ、マグロ、サンマなどの青魚、鶏肉、バナナ、赤ピーマン
その他の重要なビタミン
- ビタミンC:皮脂分泌抑制、抗酸化作用(パプリカ、ブロッコリー、キウイ、いちご)
- ビタミンA:皮膚のターンオーバー促進(レバー、にんじん、ほうれん草)
🚫 控えたい食品と摂りたい食品
控えたい食品
- 脂質の多い食品:揚げ物、バター、ラード、脂身の多い肉類、スナック菓子
- 糖質の多い食品:ケーキ、チョコレート、菓子パン、白米の大量摂取
- 刺激物:カフェイン、香辛料の過剰摂取
- アルコール:ホルモンバランスや肌のターンオーバーの乱れを引き起こす
おすすめの食事パターン
- 朝食:納豆と卵でビタミンB群を効率よく摂取
- 昼食:青魚(サバ、アジ)を主菜にした定食
- 夕食:豚肉を使った料理にたっぷりの野菜
- 間食:ナッツ類やフルーツ
😴 脂性肌改善に効果的な生活習慣
質の高い睡眠をとる
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を増加させる原因となります。
- 毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる
- 就寝前のスマートフォン・パソコン使用を控える
- 室温18度〜22度、湿度50〜60%の環境を保つ
ストレス管理と清潔環境
ストレスは自律神経のバランスを乱し、男性ホルモンの分泌を促進して皮脂の分泌量を増加させます。
- ストレス解消:軽い運動、入浴、趣味の時間、友人との会話
- 清潔環境:枕カバーは週1-2回洗濯、フェイスタオルは毎日交換
- 習慣改善:顔を触る癖を控える、スマートフォンの画面を定期清拭
⚠️ 脂性肌のトラブル対策と医療機関での治療
🔴 脂性肌で起こりやすい肌トラブル
ニキビ
脂性肌の方が最も悩まされやすいのがニキビです。過剰な皮脂が毛穴に詰まり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こします。赤ニキビの治し方を皮膚科医が解説|原因から即効性のある対処法まででは、炎症を起こしたニキビの適切な対処法について詳しく解説しています。
- 朝晩2回の丁寧な洗顔で余分な皮脂を除去
- 油分の少ないスキンケア製品を選ぶ
- アクネ菌の繁殖を抑える成分(サリチル酸など)を使用
- 絶対NG:ニキビを潰すこと
毛穴の開きと黒ずみ
過剰な皮脂が毛穴に詰まって毛穴を押し広げ、皮脂が酸化すると黒ずんで「イチゴ鼻」の原因となります。
- 毎日の丁寧な洗顔で毛穴の汚れを除去
- 週に1〜2回の酵素洗顔料やクレイパック
- 収れん化粧水で毛穴を引き締め
- ビタミンC誘導体配合製品の使用
テカリとメイク崩れ・脂漏性皮膚炎
- テカリ対策:メイク前の保湿、皮脂崩れ防止下地、あぶらとり紙の適度な使用
- 脂漏性皮膚炎:眉毛、鼻脇の赤み・かゆみは皮膚科受診が必要
🏥 医療機関での脂性肌治療
セルフケアで改善が難しい場合や、ニキビなどの肌トラブルが重症化している場合は、医療機関での治療を検討することをおすすめします。
保険診療での治療
- 外用抗菌薬:アクネ菌の増殖を抑える塗り薬
- 外用レチノイド:毛穴の詰まりを改善(アダパレンゲルなど)
- 内服抗菌薬:炎症が強い場合や広範囲のニキビに使用
- ビタミン剤:ビタミンB2、B6で皮脂分泌を調整
自費診療での治療
- ケミカルピーリング:古い角質を除去し、毛穴の詰まりを改善
- イオン導入・エレクトロポレーション:ビタミンCなどを肌の深部に浸透
- フォトフェイシャル・レーザー治療:皮脂腺の活動を抑制
- イソトレチノイン内服:皮脂分泌を強力に抑制(医師の厳重な管理下で使用)

❓ よくある質問
脂性肌は年齢とともに皮脂分泌量が減少するため、一般的には改善傾向にあります。特に30代後半から40代にかけて、ホルモンバランスの変化により皮脂分泌が落ち着いてくることが多いです。ただし、個人差があり、適切なスキンケアを継続することが重要です。
はい、脂性肌の方でも日焼け止めは必須です。紫外線は皮脂を酸化させて過酸化脂質に変化させ、毛穴の詰まりやニキビの原因となります。脂性肌の方には、ジェルタイプやローションタイプなど軽い使用感の日焼け止めがおすすめです。
脂性肌でも洗顔は1日2回(朝・夜)が基本です。洗顔回数を増やしすぎると、必要な皮脂まで取り除いてしまい、防御反応でさらに皮脂分泌が活発になってしまいます。どうしても日中のテカリが気になる場合は、あぶらとり紙で軽く押さえる程度にとどめましょう。
脂性肌におすすめの化粧水成分は、ビタミンC誘導体(皮脂分泌抑制・抗酸化作用)、ライスパワーNo.6(皮脂分泌抑制効果が認められた有効成分)、収れん成分(毛穴引き締め効果)などです。一方で、アルコール系成分は肌を乾燥させて皮脂分泌を促進する可能性があるため、アルコールフリーの製品を選ぶことをおすすめします。
はい、食事は脂性肌の改善に重要な役割を果たします。ビタミンB2・B6は脂質代謝を促進し皮脂分泌をコントロールするため積極的に摂取しましょう。一方で、揚げ物やスナック菓子、糖質の多い食品は皮脂分泌を促進するため控えめにすることが大切です。バランスの良い食事を心がけることで、内側から脂性肌の改善をサポートできます。
📝 まとめ
脂性肌(オイリー肌)は、皮脂の分泌量が多い肌質であり、テカリやベタつき、毛穴トラブル、ニキビなどの悩みを抱えやすい特徴があります。しかし、適切なスキンケアと生活習慣の改善によって、脂性肌は改善が期待できます。
脂性肌ケアの基本は、「皮脂を取りすぎない」ことと「しっかり保湿する」ことです。皮脂は肌を守る大切な役割を担っており、過剰に取り除くとかえって皮脂分泌を促進してしまいます。
🔑 脂性肌(オイリー肌)のスキンケア完全ガイド要点
- スキンケア:朝晩2回の丁寧な洗顔と速やかな保湿
- 食生活:ビタミンB群・Cを積極的摂取、脂質・糖質の控えめ摂取
- 生活習慣:十分な睡眠とストレスケア
- 紫外線対策:軽い使用感の日焼け止めをこまめに塗り直し
- 医療相談:改善しない場合は早めに皮膚科を受診
肌質の改善には時間がかかりますが、正しい知識を持って継続的にケアを行うことで、健やかで美しい肌を手に入れることができます。今日から、自分の肌に合ったスキンケアを始めてみませんか。
📚 参考文献
- 日本人の食事摂取基準(2025年版) – 厚生労働省
- 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017 – 日本皮膚科学会
- ビタミンB2の働きと1日の摂取量 – 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
- ビタミンB2 – 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
- 令和元年 国民健康・栄養調査報告 – 厚生労働省
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
脂性肌の方が最も注意すべきは「皮脂の取りすぎ」です。皮脂は肌を守る重要な機能を持っているため、過度に除去すると防御反応でさらに皮脂分泌が活発になってしまいます。適切なバランスを保つスキンケアが、脂性肌改善の鍵となります。