はじめに
「このほくろさえなければ…」と鏡を見るたびに思い悩む方は多いのではないでしょうか。顔や体にあるほくろは、多くの方にとって長年のコンプレックスの原因となることがあります。そんな悩みを解決するほくろ除去治療ですが、インターネット上では「ほくろ除去 後悔」というキーワードで検索される方が多いのも事実です。
実際に、適切な知識なく施術を受けたり、クリニック選びを誤ったりすることで、思ったような結果が得られず後悔してしまうケースも存在します。しかし、正しい知識を持ち、信頼できる医師のもとで適切な治療を受ければ、ほくろ除去は非常に安全で効果的な治療です。
本記事では、アイシークリニック東京院の豊富な経験をもとに、ほくろ除去で後悔しないための包括的な情報をお伝えします。失敗例とその対策、治療法の選択、クリニック選びのポイントまで詳しく解説し、あなたが安心してほくろ除去を受けられるようサポートいたします。

ほくろ除去で後悔する主な理由とは
1. 予想以上の傷跡が残った
ほくろ除去で最も多く聞かれる後悔の声は、施術によって生じる「傷跡」に関するものです。本来、ほくろを除去してきれいな肌を手に入れたいと願っていても、かえって別の悩みを抱えることになってしまうのは避けたい事態です。
よくある傷跡のパターン:
- 凹んだ傷跡(クレーター状):レーザーや電気メスで深く削りすぎた場合に発生
- 赤みや色素沈着:術後の紫外線対策不足や不適切なケアが原因
- ケロイドや肥厚性瘢痕:傷の治癒過程で過剰な組織が形成される状態
2. ほくろが再発してしまった
せっかく費用と時間をかけて治療を受けたにもかかわらず、数ヶ月後に同じ場所にほくろが現れたときの落胆は計り知れません。ほくろの再発は以下のような原因で起こります:
- 不完全な除去:ほくろの根(母斑細胞)が残っている場合
- 適切でない治療法の選択:ほくろの深さに対して表面的な治療しか行わなかった場合
- 術後ケア不足:紫外線対策や保湿ケアを怠った場合
3. 期待していた仕上がりと違った
「もっときれいになると思っていた」「元のほくろの方がまだ良かった」といった声も少なくありません。これらは主に以下の要因によるものです:
- 現実的でない期待:ほくろ除去は「完全に跡を消す」治療ではないという理解不足
- カウンセリング不足:術後の経過や予想される結果について十分な説明を受けていない
- 治療法の選択ミス:ほくろの状態に適さない治療法を選んでしまった
4. ダウンタイムへの認識不足
ほくろ除去後のダウンタイムに関する認識不足も、後悔の原因となります。特に働いている方や人前に出る機会が多い方にとって、予想以上に長いダウンタイムは大きな問題となります。
- テープ保護期間:1〜2週間程度必要
- 赤みの継続期間:数ヶ月続くことがある
- メイクの制限:完全に傷が閉じるまでメイクができない期間
実際の失敗例とその原因
ケース1:電気メスによる過度の削除
症例:30代女性、鼻の脇の5mmほくろ除去 問題:必要以上に深く削ったため、目立つクレーター状の凹みが残った
原因と対策:
- 医師の技術不足による削りすぎ
- 対策:経験豊富な医師を選ぶ、症例実績を確認する
ケース2:レーザー治療による不完全除去と再発
症例:20代男性、顔に複数あるほくろをレーザーで除去 問題:6ヶ月後に約半数のほくろが再発
原因と対策:
- ほくろの深さに対してレーザー出力が不適切
- 根の深いほくろに表面的な治療を選択
- 対策:ほくろの状態に応じた適切な治療法の選択
ケース3:術後ケア不備による色素沈着
症例:40代女性、額のほくろ除去後 問題:紫外線対策を怠ったため、茶色い色素沈着が1年以上残った
原因と対策:
- 術後の紫外線対策不足
- 保湿ケア不足
- 対策:徹底した紫外線対策、適切な術後ケア指導
ほくろ除去の治療方法とメリット・デメリット
1. CO2(炭酸ガス)レーザー
適応:5mm以下の盛り上がったほくろ
メリット:
- 出血がほとんどない
- 施術時間が短い(5〜10分程度)
- 周囲の正常な皮膚を傷つけにくい
- 縫合や抜糸が不要
デメリット:
- 深いほくろでは再発の可能性がある
- クレーター状の凹みが残る場合がある
- 複数回の治療が必要な場合がある
ダウンタイム:7〜14日程度のテープ保護が必要
2. 電気メス(電気分解法)
適応:6mm以下の盛り上がったほくろ
メリット:
- レーザーより再発率が低い
- 1回の施術で除去可能
- 止血効果がある
- 比較的リーズナブル
デメリット:
- やや深めの凹みができる
- レーザーより痛みを感じやすい場合がある
- 医師の技術に結果が左右される
ダウンタイム:10〜14日程度のテープ保護が必要
3. 切開法(メス切除)
適応:6mm以上の大きなほくろ、悪性の疑いがあるほくろ
メリット:
- 再発率が最も低い
- 病理検査が可能
- 確実にほくろを除去できる
- 仕上がりが線状で目立ちにくい
デメリット:
- 抜糸が必要
- ダウンタイムが長い
- 費用が高め
- 傷跡が線状に残る
ダウンタイム:抜糸まで7〜14日、完全な治癒まで数ヶ月
4. Qスイッチレーザー
適応:平たいほくろ、色の薄いほくろ
メリット:
- 傷跡が最も残りにくい
- ダウンタイムが短い
- 痛みが少ない
- 表面の色素のみを破壊
デメリット:
- 複数回の治療が必要
- 盛り上がったほくろには効果が限定的
- 完全除去が難しい場合がある
ダウンタイム:数日〜1週間程度
後悔しないための5つの対策
1. 現実的な期待を持つ
ほくろ除去は「傷跡を消し去る」治療ではなく、「ほくろを除去し、できるだけ目立たないようにする」治療であることを理解しましょう。
重要なポイント:
- 完全に跡が残らない治療はない
- 個人差により結果は異なる
- 時間をかけて徐々に目立たなくなる
2. ほくろの状態を正確に把握する
治療前に以下の点を医師と確認しましょう:
- 大きさ:正確なサイズ測定
- 深さ:表面的か深部まで及んでいるか
- 性状:良性か悪性の可能性があるか
- 位置:治療しやすい場所か
3. 適切な治療法を選択する
ほくろの状態に最も適した治療法を選ぶことが重要です:
ほくろの特徴 | 推奨治療法 | 理由 |
---|---|---|
5mm以下、平たい | Qスイッチレーザー | 傷跡が最小限 |
5mm以下、盛り上がり | CO2レーザー | バランスの取れた治療 |
6mm以上 | 切開法 | 再発率が低く確実 |
悪性疑い | 切開法 | 病理検査が必要 |
4. 信頼できる医師・クリニックを選ぶ
以下のポイントを確認してクリニックを選びましょう:
医師の資格・経験:
- 形成外科専門医または皮膚科専門医
- ほくろ除去の症例数が豊富
- 学会発表や論文実績
クリニックの特徴:
- カウンセリングが丁寧
- リスクについて十分な説明がある
- 術後のフォローアップ体制が整っている
- 症例写真を公開している
5. 術後ケアを徹底する
きれいな仕上がりのためには術後ケアが不可欠です:
必須のケア:
- テープ保護の徹底
- 紫外線対策(日焼け止め、帽子、日傘)
- 適切な保湿ケア
- 患部を触らない・こすらない
避けるべき行為:
- かさぶたを無理に剥がす
- 激しい運動(血行促進により出血リスク)
- 飲酒(同様に血行促進のため)
- 患部への刺激
クリニック選びの重要ポイント
専門性と実績の確認
医師の専門性:
- 日本形成外科学会専門医
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- ほくろ除去専門の医師
実績の確認方法:
- 公式サイトの症例写真
- 治療件数の公開
- 患者の口コミ・評価
- 学会での発表実績
カウンセリングの質
良いクリニックの特徴:
- 十分な時間をかけたカウンセリング
- リスクやデメリットの説明
- 複数の治療選択肢の提示
- 術後経過の詳しい説明
- 患者の質問に丁寧に回答
注意すべきクリニック:
- カウンセリング時間が短い
- リスクの説明が不十分
- すぐに施術を勧める
- 費用の説明があいまい
アフターケア体制
重要な確認事項:
- 術後の経過観察体制
- 緊急時の対応
- 再治療の保証制度
- 追加費用の有無
- 連絡方法と対応時間
ダウンタイムと術後ケアの詳細
施術直後〜1週間
症状:
- 軽度の腫れと赤み
- 少量の出血や滲出液
- 軽い痛み
ケア方法:
- 処方された軟膏の塗布
- 専用テープでの保護
- 患部を濡らさない
- 激しい運動・飲酒を避ける
1週間〜2週間
症状:
- かさぶたの形成
- 赤みの継続
- かゆみを感じる場合がある
ケア方法:
- かさぶたを無理に剥がさない
- 継続的なテープ保護
- 紫外線対策の徹底
- 保湿ケア開始
1ヶ月〜3ヶ月
症状:
- 新しい皮膚の再生
- 赤みが最も強くなる時期
- 徐々に色調が落ち着く
ケア方法:
- 徹底した紫外線対策
- 継続的な保湿
- 患部への刺激を避ける
- 定期的な経過観察
3ヶ月〜1年
症状:
- 赤みの徐々な改善
- 肌質の正常化
- 最終的な仕上がりに近づく
ケア方法:
- 長期的な紫外線対策
- 定期的なスキンケア
- 必要に応じて美白ケア
費用について知っておくべきこと
保険適用のケース
以下の条件を満たす場合、保険適用となる可能性があります:
保険適用の条件:
- 悪性腫瘍(メラノーマ)の疑い
- 日常生活に支障をきたす大きさ・位置
- 衣類との摩擦で出血を繰り返す
- 視野の妨げとなっている
保険適用時の費用:
- 3割負担:約5,000円〜15,000円
- 1割負担:約1,500円〜5,000円 (大きさや部位により変動)
自由診療(美容目的)の費用
治療法別費用相場:
治療法 | 5mm以下 | 5mm〜1cm | 1cm以上 |
---|---|---|---|
CO2レーザー | 10,000円〜20,000円 | 20,000円〜40,000円 | 40,000円〜 |
電気メス | 8,000円〜15,000円 | 15,000円〜30,000円 | 30,000円〜 |
切開法 | 30,000円〜50,000円 | 50,000円〜80,000円 | 80,000円〜 |
Qスイッチレーザー | 8,000円〜15,000円 | 15,000円〜25,000円 | 25,000円〜 |
追加費用:
- 初診料・再診料:1,000円〜3,000円
- 麻酔費:2,000円〜5,000円
- 薬剤費:1,000円〜3,000円
- 病理検査費:10,000円〜20,000円
費用対効果を考えた選択
重要な考慮点:
- 安すぎるクリニックは技術面でリスクがある
- 高額すぎても必ずしも良い結果とは限らない
- 総費用(再治療費含む)で判断する
- 保証制度の有無を確認する

よくある質問と回答
A. 局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはほとんどありません。麻酔注射時に軽い痛みを感じる程度です。術後は軽度の痛みが数日続くことがありますが、処方される鎮痛剤で十分コントロール可能です。
A. 基本的に年齢制限はありませんが、未成年の場合は保護者の同意が必要です。また、成長期にある場合は、ほくろが再発する可能性が高いため、十分な検討が必要です。
A. 妊娠中・授乳中の方への施術は、安全性の観点から当院では推奨しておりません。出産・授乳終了後に施術をお受けいただくことをお勧めします。
A. 施術内容や職種によります。デスクワーク中心であれば翌日から復帰可能ですが、人と接する機会が多い職業の場合、テープを貼った状態でも問題ないか事前に確認することをお勧めします。
A. 可能ですが、一度に除去する数や部位によってはダウンタイムが長くなる場合があります。また、保険適用の場合は同日治療に制限がある場合があります。カウンセリング時に最適なプランをご提案します。
自己判断でのほくろ除去は危険
市販のほくろ除去クリームや自己流の除去方法による失敗は、医療機関での治療よりもはるかに深刻な結果をもたらすことがあります。国民生活センターからも、海外製のほくろ除去クリームによる皮膚障害について注意喚起がなされています。
自己除去のリスク:
- 深刻な皮膚損傷
- 感染症
- ケロイドの形成
- 悪性腫瘍の見落とし
- 不完全除去による再発
必ず専門医による診察・治療を受けることをお勧めします。
まとめ:後悔しないほくろ除去のために
ほくろ除去は、適切な知識と技術により、多くの方にとって非常に満足度の高い治療となります。後悔を避けるためには、以下のポイントが重要です:
最重要ポイント
- 現実的な期待を持つ:完全に跡が残らない治療ではないことを理解する
- 信頼できる医師を選ぶ:専門医資格、症例実績、カウンセリングの質を重視する
- 適切な治療法を選択する:ほくろの状態に最も適した方法を医師と相談して決める
- 術後ケアを徹底する:紫外線対策、保湿、患部保護を確実に行う
- 長期的な視点を持つ:最終的な仕上がりまでには時間がかかることを理解する
アイシークリニック東京院からのメッセージ
当院では、患者様一人ひとりのご希望とほくろの状態に応じた最適な治療をご提案いたします。豊富な症例実績を持つ専門医が、安全で確実な治療を行い、術後のアフターケアまで責任を持ってサポートいたします。
ほくろでお悩みの方は、まずはお気軽に無料カウンセリングにお越しください。経験豊富な医師が、あなたの不安や疑問にお答えし、最良の結果を得るためのサポートをいたします。
適切な知識を持ち、信頼できる医師のもとで施術を受け、丁寧なアフターケアを行うことで、後悔のリスクを大幅に減らすことが可能です。あなたの理想の肌を実現するために、私たちがお手伝いさせていただきます。
参考文献
- 日本形成外科学会:「母斑・血管腫治療ガイドライン」
- 日本皮膚科学会:「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」
- 日本レーザー医学会:「レーザー治療標準化委員会報告」
- 厚生労働省:「医療安全対策に関する報告書」
- 国民生活センター:「美容医療サービスに関する消費者トラブル」
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務