風邪をひいたとき、胃腸の調子が悪いとき、疲れがたまっているとき。そんなときに「消化の良いものを食べよう」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、具体的にどのような食べ物が消化に良いのか、なぜ消化の良い食べ物を選ぶべきなのかを詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
本コラムでは、消化の仕組みから、消化の良い食べ物・悪い食べ物の一覧、さらには調理法や食べ方のコツまで、胃腸にやさしい食生活について詳しく解説します。体調を崩しやすい季節の変わり目や、日々の健康管理にぜひお役立てください。

目次
- 消化の仕組みを知ろう
- 消化の良い食べ物とは何か
- 消化にかかる時間の目安
- 消化の良い食べ物一覧(カテゴリ別)
- 消化の悪い食べ物とその理由
- 消化を良くする調理法と食べ方
- 場面別おすすめの食事
- 消化の良い食事を心がける際の注意点
- まとめ
🔬 1. 消化の仕組みを知ろう
消化の良い食べ物について理解するためには、まず私たちの体がどのように食べ物を消化しているのかを知ることが大切です。
⚗️ 消化とは
消化とは、口から摂取した食べ物を、体内に吸収できる小さな分子に分解するプロセスのことです。食べ物に含まれる栄養素の多くは、そのままの形では体内に取り込むことができません。炭水化物、タンパク質、脂質といった三大栄養素は、それぞれ消化酵素によって分解され、小腸から吸収される形に変わります。
消化には大きく分けて3つの種類があります。
- 化学的消化:唾液や胃液、膵液などに含まれる消化酵素の働きによって、食べ物を化学的に分解することを指します。例えば、唾液に含まれるアミラーゼは炭水化物を分解し、胃液に含まれるペプシンはタンパク質を分解します
- 物理的消化:口の中で食べ物をかみ砕いたり、胃や腸の蠕動運動によって食べ物を混ぜ合わせたりすることで、食べ物を細かくする働きです。よく噛んで食べることが消化に良いと言われるのは、この物理的消化を助けるためです
- 生物的消化:主に大腸で行われ、腸内細菌によって難消化性の食物成分が分解されることを指します
🫁 消化管の役割
私たちの消化管は、口から肛門まで続く一本の管で、成人では約9メートルにもなります。それぞれの部位が異なる役割を担っています。
- 口腔:歯で食べ物をかみ砕き、唾液と混ぜ合わせます。唾液に含まれるアミラーゼという酵素によって、炭水化物の消化が始まります。しっかり噛むことで食べ物が細かくなり、唾液とよく混ざることで、後の消化がスムーズになります
- 食道:口と胃を結ぶ約25センチメートルの管です。蠕動運動によって食べ物を胃へと送り込みます。細かく砕かれた食べ物は、約1分ほどで食道を通過します
- 胃:食べ物を一時的に貯めて、胃液と混ぜ合わせる場所です。胃液にはpH1から2という強い酸性の胃酸や、タンパク質を分解するペプシンが含まれています。胃は筋肉でできた袋状の臓器で、1.5リットルから2リットルほどの容量があります
- 小腸:十二指腸、空腸、回腸からなり、全長は5メートルから6メートルほどあります。十二指腸では膵液や胆汁が分泌され、さらに消化が進みます。小腸の内壁には無数の小さな突起である絨毛があり、この絨毛を通じて栄養素が吸収されます
- 大腸:全長約1.5メートルの管で、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の6つの部分に分かれています。主な役割は水分とミネラルの吸収、そして便の形成です
⚖️ 消化に影響を与える要因
消化の速さや効率は、様々な要因によって左右されます。
- 食べ物の種類:炭水化物は比較的早く消化されますが、タンパク質や脂質は消化に時間がかかります
- 調理方法:加熱調理された食べ物は、生の状態よりも消化されやすくなります
- 食べ方:よく噛んでゆっくり食べることで、食べ物が細かくなり、消化がスムーズになります
- 体調やストレス:自律神経は消化器官の働きをコントロールしているため、ストレスや疲労によって消化機能も低下しやすくなります
🍽️ 2. 消化の良い食べ物とは何か
消化の良い食べ物とは、一般的に「消化に時間がかからず、消化器官に負担をかけにくい食べ物」を指します。では、具体的にどのような特徴を持つ食べ物が消化に良いのでしょうか。
✅ 消化の良い食べ物の特徴
消化の良い食べ物には、いくつかの共通した特徴があります。
- 脂質が少ない:脂質は三大栄養素の中で最も消化に時間がかかり、胃の蠕動運動を抑制する作用があります。脂身の少ない肉や白身魚などは、脂質が少なく消化に良い食材の代表です
- 食物繊維が少ない:食物繊維は消化酵素で分解されないため、そのまま大腸まで到達します。胃腸が弱っているときには負担になることがあります
- 柔らかい食感:硬い食べ物や噛みにくい食べ物は、消化されにくく胃腸に負担をかけることが多いです
- 加熱調理されている:生の食材よりも加熱調理した食材の方が、一般的に消化されやすくなります
💡 なぜ消化の良い食べ物を選ぶべきなのか
体調が悪いときや胃腸が弱っているときに消化の良い食べ物を選ぶべき理由は、主に以下の点にあります。
- 消化器官への負担軽減:風邪や胃腸炎などで体調を崩しているとき、体はウイルスや細菌と戦うためにエネルギーを使っています。消化の良い食べ物を選ぶことで、消化器官の負担を軽減し、体力の回復を促すことができます
- 栄養の効率的吸収:消化の良い食べ物は、効率よく消化吸収されるため、弱った体にも栄養が行き渡りやすくなります
- 胃もたれ・消化不良の予防:消化に時間がかかる食べ物を食べると、胃に長時間食べ物が留まることになり、胃もたれや不快感の原因になります
⏰ 3. 消化にかかる時間の目安
食べ物が胃で消化されるのにかかる時間は、食材の種類によって大きく異なります。これを知っておくことで、場面に応じた食事選びに役立てることができます。
🥗 栄養素別の消化時間
三大栄養素それぞれの消化時間の目安は以下の通りです。
- 炭水化物(ご飯、パン、麺類など):約2時間〜3時間と、比較的早く消化されます
- タンパク質(肉、魚、卵、豆腐など):約4時間〜5時間かかります。タンパク質の消化には胃酸とペプシンが必要であり、炭水化物よりも複雑な分解過程を経るため、時間がかかります
- 脂質(油、バター、脂身など):約7時間〜8時間と最も長くなります。脂質は胃の蠕動運動を抑制する作用があるため、胃に長く留まります
🍚 食品別の胃内滞留時間の目安
具体的な食品の胃内滞留時間(100グラムあたり)の目安は以下の通りです。
- おかゆ:約2時間
- 白ご飯:約2.5時間〜3時間
- うどん:約3時間
- 半熟卵:約1.5時間
- 卵焼き:約3時間
- ステーキ:約4時間
- エビの天ぷら:約4時間
- 果物や野菜:約0.5時間〜2時間
🔄 消化時間を左右する要因
同じ食材でも、以下の要因によって消化時間は変動します。
- 調理方法:例えば、卵は半熟卵、ゆで卵、生卵、目玉焼きの順で消化時間が長くなるとされています
- 食べる量:食べる量が多ければ消化にかかる時間も長くなります
- 食べ合わせ:消化の早い食べ物と遅い食べ物を一緒に食べると、全体の消化時間は遅い方に引きずられる傾向があります
- 体調や精神状態:ストレスや疲労があると自律神経のバランスが乱れ、消化機能が低下することがあります
📝 4. 消化の良い食べ物一覧(カテゴリ別)
ここからは、消化の良い食べ物を具体的にカテゴリ別にご紹介します。胃腸の調子が悪いときや、体調回復を目指すときの食事選びにお役立てください。
🍚 主食
- おかゆ:消化の良い主食の代表格。通常のご飯よりも水分が多く、米が柔らかくなっているため、胃での消化時間が短くなります
- やわらかく炊いたご飯:通常より水を多めにして炊くことで、消化の負担を軽減できます
- うどん:麺類の中では消化が良い食品。よく煮込むことでさらに消化しやすくなります
- 食パン:耳を取ってトーストにすることでさらに消化が良くなります
- そうめん:細いため茹で時間が短く、柔らかく仕上がりやすい特徴があります
避けた方が良い主食:玄米、雑穀米、もち米、ラーメン、そば、パスタなど
🥩 タンパク質源(肉・魚・卵・大豆製品)
- 脂肪の少ない肉:鶏ささみ、鶏むね肉(皮なし)、豚ヒレ肉、牛もも肉の赤身など
- 白身魚:カレイ、タラ、鯛、ヒラメ、スズキなど。脂質が少なく、消化されやすい食材です
- 卵:調理方法によって消化時間が変わります。半熟卵や温泉卵が最も消化が良く、次いでゆで卵、茶碗蒸しなど
- 豆腐:絹ごし豆腐は木綿豆腐よりも柔らかく、水分が多いため、より消化しやすい
- はんぺん:白身魚のすり身から作られており、柔らかく消化の良い食品
避けた方が良いタンパク質源:脂身の多い肉(バラ肉、鶏皮など)、青魚(サバ、イワシ、サンマなど)、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉
🥬 野菜
- かぶ:柔らかく煮ると胃腸に優しく、体を温める効果も期待できます
- 大根:消化酵素のジアスターゼが含まれており、消化を助ける働きがあります
- 人参:加熱すると柔らかくなり、消化しやすくなります
- キャベツ:キャベツに含まれるビタミンUは胃粘膜の保護に役立つとされています
- 白菜:加熱すると柔らかくなり、水分が多く、体調不良時にも食べやすいです
- かぼちゃ:よく煮ると柔らかくなり、ビタミンA、C、Eなどが豊富
- ほうれん草:柔らかく茹でることで消化しやすくなります
- じゃがいも:マッシュポテトやポタージュスープなどにするとさらに消化が良くなります
避けた方が良い野菜:ごぼう、たけのこ、れんこん、ふき、セロリ、ニラ、きのこ類、海藻類、さつまいもなど
🍎 果物
- りんご:りんごに含まれるペクチンには整腸作用があり、すりおろして食べるとさらに消化が良くなります
- バナナ:柔らかく、エネルギー源としても優れており、体調不良時のエネルギー補給に適しています
- 桃:柔らかく水分が多いため、消化に良い果物です
- メロン:水分が多く、消化に良い果物の一つです
避けた方が良い果物:キウイフルーツ、酸味が強い柑橘類、ドライフルーツなど
🥛 乳製品
- ヨーグルト:発酵食品であり、乳酸菌が含まれているため、牛乳よりも消化しやすい
- 低脂肪乳:通常の牛乳より脂肪分が少ないため、消化しやすくなっています
- チーズ:発酵食品であり、適量であれば消化に問題ありません
避けた方が良い乳製品:普通牛乳(乳糖不耐症の方)、生クリーム、アイスクリームなど
🍯 その他
- はちみつ:糖分が単糖類の形で含まれているため、消化の過程を経ずに吸収されます
- 豆乳:大豆から作られた飲料で、消化に良いタンパク質源です
- ゼリー:柔らかく、水分補給にもなり、食欲がないときでも食べやすいです
- プリン:柔らかく消化に良く、卵と牛乳から作られており、タンパク質の補給にもなります
❌ 5. 消化の悪い食べ物とその理由
消化の良い食べ物を知ると同時に、消化の悪い食べ物とその理由を理解しておくことも大切です。胃腸の調子が悪いときには、これらの食べ物を避けることで回復を早めることができます。
🍟 脂質の多い食べ物
脂質の多い食べ物は消化に最も時間がかかります。脂質は胃の蠕動運動を抑制する作用があるため、胃に長時間留まり、胃もたれの原因になります。
- 揚げ物(天ぷら、フライ、から揚げなど):油を大量に使用しているため、消化に時間がかかります
- 脂身の多い肉(バラ肉、霜降り肉、鶏皮など):赤身の部分と比較すると、脂身の部分は消化時間が大幅に長くなります
- 青魚(サバ、イワシ、サンマなど):脂質が多いため、白身魚と比較すると消化に時間がかかります
- 油脂類(バター、マーガリン、マヨネーズなど):料理に使用する際は控えめにしましょう
🌾 食物繊維の多い食べ物
食物繊維は人間の消化酵素で分解できないため、そのまま大腸まで到達します。通常は腸内環境を整える働きがありますが、胃腸が弱っているときには負担になることがあります。
- 根菜類:ごぼう、たけのこ、れんこんなど不溶性食物繊維が多く、噛みごたえがある分、消化に時間がかかります
- きのこ類:しいたけ、えのき、しめじなど、どのきのこも食物繊維が多く消化に時間がかかります
- 海藻類:わかめ、こんぶ、ひじきなど食物繊維が豊富です
- 玄米や雑穀米:白米に比べて食物繊維が多く、消化に時間がかかります
🌶️ 刺激の強い食べ物
刺激の強い食べ物は、胃粘膜を刺激して胃酸の分泌を促進するため、胃腸が弱っているときには避けた方が良いでしょう。
- 香辛料:唐辛子、コショウ、カレー粉など
- 酸味の強い食べ物:酢の物、柑橘類など
- カフェイン:コーヒー、紅茶、緑茶など胃酸の分泌を促進します
- アルコール:胃粘膜を直接刺激するため、胃腸の調子が悪いときには避けるべきです
🧊 冷たい食べ物や飲み物
冷たい食べ物や飲み物は、胃腸を冷やして血流を悪くし、消化機能を低下させる可能性があります。
アイスクリームや冷たいジュースなどは、体調不良時には控えた方が良いでしょう。水分補給をする場合も、常温か温かい飲み物の方が胃腸に優しいとされています。
👨🍳 6. 消化を良くする調理法と食べ方
同じ食材でも、調理法や食べ方によって消化の良さは変わってきます。ここでは、消化を良くするためのポイントをご紹介します。
🔥 調理法のポイント
- 加熱調理:生の状態よりも、煮る、蒸す、茹でるなどの調理を施した方が消化に良いです
- 油を控えた調理法:揚げ物よりも、煮物や蒸し物を選ぶことで消化の負担を軽減できます
- 食材を細かく切る:大きな塊よりも細かく刻んだ方が、消化酵素が接触する表面積が増え、消化されやすくなります
- 柔らかく調理:野菜は硬いまま食べるよりも、柔らかく煮た方が消化しやすくなります
🍽️ 食べ方のポイント
- よく噛んで食べる:よく噛むことで食べ物が細かくなり、唾液とよく混ざります。一口30回を目安によく噛むことをおすすめします
- ゆっくり時間をかけて食べる:早食いは大きな塊のまま飲み込むことになり、胃腸への負担が大きくなります
- 一回の食事量を控えめに:少量を複数回に分けて食べる方が負担が少なくなります
- 温かい状態で食べる:温かい食べ物は胃腸を温め、血流を良くして消化機能を高める効果があります
- 食事中の水分摂取を控えめに:食事中に大量の水分を摂ると、胃液が薄まり消化効率が下がることがあります
⏰ 食事の時間帯
夕食は早めに済ませることをおすすめします。就寝の2時間〜3時間前までに食事を終えることが理想的です。
夜遅い時間に食事をする場合は、特に消化の良い食べ物を選びましょう。脂質の多い食べ物は避け、おかゆやうどん、温かいスープなどが適しています。
🏥 7. 場面別おすすめの食事
体調や状況によって、最適な食事は異なります。ここでは、よくある場面ごとにおすすめの食事をご紹介します。
🤧 風邪をひいたとき
風邪をひいたときは、体がウイルスと戦っているため、消化に多くのエネルギーを使いたくありません。消化の良い食べ物で効率よく栄養を摂取することが大切です。
- おかゆ:水分補給にもなり、体を温める効果もあります。卵がゆにするとタンパク質も摂取できます
- 温かいうどん:消化が良く、エネルギー源になる炭水化物を効率よく摂取できます
- 野菜スープ:複数の野菜を柔らかく煮込むことで、ビタミンやミネラルを効率よく摂取できます
- 湯豆腐:消化が良く、タンパク質の補給に適しています
発熱時は水分とエネルギーの消耗が激しいため、経口補水液やスポーツドリンクで水分とミネラルを補給することも大切です。
😵 胃もたれのとき
胃もたれは、胃に食べ物が長時間留まっている状態です。胃の負担を軽減するため、特に消化の良い食べ物を選ぶ必要があります。
- おかゆや軟らかく炊いたご飯:水分が多く、胃での消化時間が短いため、胃への負担が少ない
- 白身魚の煮つけや蒸し魚:脂質が少なく消化に良いタンパク質源
- 温かい味噌汁:胃を温めながら水分と塩分を補給できます
- バナナやりんごのすりおろし:消化が良く胃に優しい果物
避けるべき食べ物:揚げ物、脂っこい料理、香辛料の効いた料理、アルコール、カフェインを含む飲み物
🚽 下痢のとき
下痢のときは水分と電解質が失われやすいため、これらの補給が最も重要です。
- 経口補水液やスポーツドリンク:水分と電解質の補給が最優先
- おかゆ:水分補給にもなり、消化に負担がかかりません。症状がひどいときは重湯から始める
- 白身魚や鶏ささみ:脂質の少ないタンパク質源を茹でるか蒸すなど、油を使わない調理法で
- りんごのすりおろし:りんごに含まれるペクチンには整腸作用があります
避けるべき食べ物:牛乳や生クリーム、食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻、さつまいも、揚げ物や脂っこい料理、香辛料の効いた料理、冷たい飲み物や食べ物
🏃♂️ 病み上がりのとき
病み上がりのときは、まだ体力が完全に回復していない状態です。消化に良い食べ物を選びながらも、徐々に栄養バランスの取れた食事に戻していくことが大切です。
- 最初はおかゆやうどんなど、消化の良い主食から始める
- タンパク質は豆腐や半熟卵から始め、徐々に白身魚、鶏ささみに移行
- 野菜は柔らかく煮たものから始め、体調に応じて種類を増やす
- 果物はバナナやりんごなど消化の良いものから始める
- 少量を複数回に分けて食べる
⚠️ 8. 消化の良い食事を心がける際の注意点
消化の良い食事は胃腸に優しい反面、いくつかの注意点があります。
⚖️ 栄養バランスへの配慮
消化の良い食べ物を選ぶと、どうしても食物繊維や脂質が少なくなりがちです。体調が悪いときは短期間であればこれで問題ありませんが、長期間続けると栄養が偏る可能性があります。
- 体調が回復してきたら、徐々に通常の食事に戻していく
- 食物繊維は腸内環境を整える重要な栄養素
- 適度な脂質は必須脂肪酸の摂取やビタミンの吸収に必要
- タンパク質やビタミン、ミネラルの不足にも注意
🍚 おかゆの栄養面での限界
おかゆは消化に良い代表的な食べ物ですが、栄養面では炭水化物が中心であり、それだけではタンパク質やビタミン、ミネラルが不足します。
- 卵や鶏ささみ、白身魚などを加えた卵がゆや雑炊でタンパク質を補う
- 柔らかく煮た野菜を加えてビタミンやミネラルを摂取
- 梅干しを添えてクエン酸による疲労回復効果を期待
👥 個人差への配慮
消化の良さには個人差があります。同じ食べ物でも、人によって消化のしやすさは異なります。
- 乳糖不耐症の方:牛乳を飲むとお腹を壊しやすいため、ヨーグルトや低脂肪乳、豆乳を選ぶ
- 食物アレルギー:該当する食品を避ける必要がある
- 体質や体調:自分に合った食べ物を把握しておくことが大切
🏥 医療機関への相談
消化器系の症状が長引く場合や、激しい腹痛、血便、嘔吐が続く場合などは、自己判断せず医療機関を受診してください。
特に以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします:
- 腹痛が強く、我慢できない場合
- 嘔吐が続き、水分も摂れない場合
- 血便や黒色便が出た場合
- 発熱を伴う腹痛がある場合
- 症状が1週間以上改善しない場合

📚 9. まとめ
消化の良い食べ物について、基本的な知識から具体的な食材、調理法まで詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
消化の良い食べ物の特徴は、脂質が少ないこと、食物繊維が少ないこと、柔らかい食感であること、加熱調理されていることの4点です。おかゆ、うどん、白身魚、鶏ささみ、豆腐、卵、柔らかく煮た野菜などが代表的な消化の良い食べ物です。
反対に、揚げ物などの脂質の多い食べ物、ごぼうやきのこなど食物繊維の多い食べ物、香辛料など刺激の強い食べ物、冷たい食べ物は消化に時間がかかるため、胃腸が弱っているときには避けた方が良いでしょう。
調理法や食べ方も消化に大きく影響します。加熱調理、油を控えた調理法、食材を細かくすること、よく噛んでゆっくり食べること、温かい状態で食べることが消化を良くするポイントです。
体調や状況に応じて最適な食事は異なります。風邪のとき、胃もたれのとき、下痢のとき、病み上がりのときなど、それぞれの状況に合った食事選びを心がけましょう。
ただし、消化の良い食事だけを長期間続けると栄養が偏る可能性があります。体調が回復してきたら、徐々に通常の食事に戻していくことが大切です。
胃腸の調子を整えることは、全身の健康維持につながります。日頃から消化に良い食生活を意識しながら、バランスの取れた食事を心がけていきましょう。
📖 参考文献
- 日本人の食事摂取基準|厚生労働省
- 「食事バランスガイド」について|厚生労働省
- 栄養・食生活|厚生労働省
- 消化管の部位とはたらき|国立成育医療研究センター
- 消化器術後の方のお食事|国立がん研究センター
- 第2章 2-1:栄養素の消化・吸収|ニュートリー株式会社
- 消化管の働き|大幸薬品株式会社
- 胃のしくみと働き(消化と吸収)|わかもと製薬
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
消化不良や胃腸炎の患者様によく食事指導をする際、最も重要なのは「胃腸の負担を軽減する」という点です。脂質の多い食事は胃の停滞時間を延長させ、食物繊維の多い食事は腸管への刺激となりがちです。体調不良時は一時的に消化の良い食事に切り替えることで、消化器官の回復を促すことができます。