顔のテカリや繰り返すニキビに長年悩んでいる方は多いのではないでしょうか。毎日丁寧にスキンケアをしても、気づけば額や鼻がテカっている、同じ場所に何度もニキビができてしまう——そんなお悩みの根本原因は「皮脂腺」にあるかもしれません。近年、美容皮膚科の分野では皮脂腺そのものにアプローチする「皮脂腺破壊治療」が注目を集めています。従来の対症療法とは異なり、皮脂の分泌源である皮脂腺を直接ターゲットにすることで、長期的な改善効果が期待できる治療法です。本記事では、皮脂腺の基礎知識から皮脂腺破壊治療の種類、費用相場、治療を受ける際の注意点まで、詳しく解説いたします。東京駅至近の八重洲・日本橋エリアでクリニックをお探しの方にも参考にしていただける内容となっております。

目次
- 皮脂腺とは?その構造と役割
- 皮脂の過剰分泌が引き起こす肌トラブル
- ニキビができるメカニズムとアクネ菌の関係
- 皮脂腺破壊治療とは?従来の治療との違い
- 皮脂腺破壊治療の種類と特徴
- 治療の費用相場と安く受けるためのポイント
- 八重洲・日本橋エリアでクリニックを選ぶメリット
- 治療前に知っておきたい注意点とリスク
- よくあるご質問
- まとめ
1. 皮脂腺とは?その構造と役割
皮脂腺は、私たちの肌の真皮層に存在する小さな器官で、皮脂と呼ばれる油脂状の物質を分泌しています。皮脂腺は毛穴の内側に付属しており、毛包(毛根を包む組織)と一緒に存在しているのが一般的です。ただし、口唇や眼瞼など一部の部位では、毛穴とは独立して皮膚表面に直接開口している「独立脂腺」も存在します。
皮脂腺の分布は全身で均一ではありません。手のひらや足の裏には皮脂腺がほとんど存在しない一方、頭皮や額、鼻、あごといった顔面の中央部分(いわゆるTゾーン)には特に多く分布しています。これらの皮脂腺が密集している部位は「脂漏部位」と呼ばれ、1平方センチメートルあたり400〜900個もの皮脂腺が存在するとされています。
皮脂腺から分泌される皮脂は、ワックスエステル、スクアレン、トリグリセリドなどの脂質で構成されています。皮脂は皮膚表面で汗と混ざり合い、「皮脂膜」という薄い保護膜を形成します。この皮脂膜には以下のような重要な役割があります。
まず、皮膚からの水分蒸散を防ぎ、肌のうるおいを保つ保湿作用があります。乾燥した環境においても、皮脂膜があることで肌内部の水分が逃げにくくなります。次に、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐバリア機能があります。皮脂膜は肌を外界から守る最初の防御ラインとして機能しています。さらに、皮脂膜はpH4〜6の弱酸性を示し、細菌や真菌の増殖を抑制する抗菌作用も持っています。
皮脂腺の活動は主にホルモンによって制御されています。特に重要なのが男性ホルモン(テストステロン)で、皮脂腺に存在する5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、皮脂分泌を促進します。このため、思春期にホルモンバランスが変化すると皮脂分泌が急激に増加し、ニキビができやすくなるのです。また、男性では皮脂分泌量が比較的高い状態が長く維持される傾向があり、女性では閉経後に減少するものの、30代後半には副腎由来の男性ホルモンの影響で一時的に皮脂量が増加することもあります。
皮脂腺の分泌様式は「ホロクリン分泌」と呼ばれる特殊な方式です。これは、皮脂腺を構成する細胞(脂腺細胞)が成熟する過程で内部に脂質を蓄え、最終的に細胞自体が崩壊して脂質を放出するというものです。つまり、皮脂を分泌するためには脂腺細胞自体が壊れる必要があり、新しい細胞が周囲の幹細胞から絶えず補充されています。この特性が、後述する皮脂腺破壊治療の理論的根拠となっています。
2. 皮脂の過剰分泌が引き起こす肌トラブル
皮脂は肌を健康に保つために不可欠な存在ですが、分泌量が過剰になるとさまざまな肌トラブルの原因となります。
最も一般的な問題は、顔のテカリやベタつきです。特にTゾーン(額・鼻・あご)は皮脂腺が集中しているため、皮脂の過剰分泌による影響を受けやすい部位です。朝しっかりメイクをしても、数時間後にはファンデーションが浮いてしまう、あぶらとり紙が手放せないといったお悩みは、皮脂の過剰分泌が原因であることが多いです。
毛穴の開きや黒ずみも皮脂と密接に関係しています。皮脂腺は毛穴の内側に付属しているため、皮脂分泌量が多いと毛穴内に皮脂が溜まりやすくなります。その結果、毛穴が押し広げられて目立つようになります。また、毛穴に溜まった皮脂が古い角質と混ざり合って角栓を形成し、それが空気に触れて酸化すると黒ずみ(いわゆる「いちご鼻」)となります。
脂漏性皮膚炎も皮脂の過剰分泌と関連する疾患です。頭皮や顔面の皮脂分泌が多い部位に、フケやかゆみ、赤みを伴う湿疹が生じます。皮脂を栄養源とするマラセチア菌という真菌が関与していると考えられており、慢性化しやすい傾向があります。
そして、最も多くの方が悩んでいるのがニキビ(尋常性痤瘡)です。ニキビは皮脂腺が存在する毛包に生じる炎症性疾患であり、皮脂の過剰分泌はニキビ発生の主要な因子の一つです。次のセクションでは、ニキビができるメカニズムについてより詳しく解説いたします。
皮脂の過剰分泌を引き起こす要因はさまざまです。遺伝的な体質はもちろんのこと、ストレスや睡眠不足、脂質や糖質の多い食事、紫外線ダメージ、誤ったスキンケアなどが皮脂分泌を増加させる原因となります。特に注意が必要なのは、テカリを気にするあまり1日に何度も洗顔をしたり、保湿を控えたりすること。必要な皮脂まで取り除いてしまうと、肌のバリア機能が低下し、それを補おうとしてかえって皮脂分泌が増加するという悪循環に陥ることがあります。
3. ニキビができるメカニズムとアクネ菌の関係
ニキビ(尋常性痤瘡)は、毛穴の詰まり、皮脂の過剰分泌、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖、そして炎症反応という4つの要因が複合的に関与して発生します。
ニキビ形成の第一段階は毛穴の詰まりです。何らかの原因で毛穴出口付近の角化(角質が厚くなること)が異常に進むと、本来であれば皮膚表面に排出されるはずの皮脂が毛穴内に閉じ込められてしまいます。この状態を「面皰(めんぽう)」または「コメド」と呼びます。毛穴が閉じた状態で白く見えるものを「白ニキビ」、毛穴が開いていて内容物が酸化して黒く見えるものを「黒ニキビ」と呼びます。
次に、毛穴内に皮脂が溜まると、その皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖を始めます。アクネ菌は私たちの皮膚に常在している細菌で、通常は肌を弱酸性に保ったり、有害な細菌の増殖を防いだりする有益な働きをしています。しかし、酸素の少ない環境を好むアクネ菌にとって、皮脂で満たされた閉塞毛穴は格好の住処となります。
アクネ菌が増殖すると、リパーゼという酵素を産生して皮脂(トリグリセリド)を分解し、遊離脂肪酸を生成します。この遊離脂肪酸が炎症を引き起こす物質として働きます。さらに、アクネ菌の存在を異物と認識した免疫細胞が反応し、インターロイキン1αなどの炎症性サイトカインを放出します。これが赤みや腫れを伴う「赤ニキビ」の状態です。
炎症がさらに進行すると、毛穴周囲の組織が破壊され、膿が溜まった「黄ニキビ」となります。重症化すると毛穴の壁が破れて炎症が周囲に広がり、複数の毛穴が連結した「嚢腫性ニキビ」や「集簇性ニキビ」へと発展することもあります。このような重症ニキビは治癒後にクレーターのような陥凹性瘢痕(ニキビ跡)を残すことが多く、QOL(生活の質)に大きな影響を与えます。
興味深いことに、アクネ菌にはDNAタイプによっていくつかの種類があり、ニキビ病変部から多く検出されるタイプ(悪玉アクネ菌)と健康な皮膚に多いタイプ(善玉アクネ菌)が存在することが研究で明らかになっています。悪玉アクネ菌はリパーゼ活性が高く、より強い炎症反応を引き起こすと考えられています。
また、アクネ菌はバイオフィルムという膜を形成して抗生物質や免疫細胞からの攻撃を防いだり、活性酸素を無毒化する酵素(RoxP)を分泌したりする能力を持っています。これがニキビ治療において抗生物質が効きにくい原因の一つとなっており、単にアクネ菌を殺菌するだけでは根本的な解決にならないことを示しています。
このように、ニキビの発生には皮脂腺からの皮脂分泌が深く関わっています。そのため、皮脂腺そのものにアプローチする治療法が、繰り返すニキビへの有効な選択肢として注目されているのです。
4. 皮脂腺破壊治療とは?従来の治療との違い
日本皮膚科学会が策定した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビ治療の基本として外用レチノイド製剤(アダパレン)、過酸化ベンゾイル、外用抗菌薬などが推奨されています。これらの治療は一定の効果がありますが、基本的には「今あるニキビを改善する」対症療法であり、治療を中止すると再発することが少なくありません。
皮脂腺破壊治療は、これらの従来治療とは根本的にアプローチが異なります。その名の通り、ニキビの発生源である皮脂腺そのものを破壊または縮小させることで、皮脂分泌を抑制し、長期的なニキビ予防効果を目指す治療法です。
皮脂腺破壊治療の原理は、レーザー脱毛と似ています。レーザー脱毛では毛根(毛乳頭・毛母細胞)を熱で破壊することで永久的に毛が生えなくなります。同様に、皮脂腺を破壊すればその毛穴からは皮脂が分泌されなくなり、ニキビも発生しなくなるという考え方です。
人間の顔にはおよそ20万個の毛穴(皮脂腺)があると言われています。皮脂腺破壊治療で数百個の皮脂腺を破壊したとしても、全体の数から見ればごくわずかです。そのため、治療後に肌が過度に乾燥するといった心配は基本的にありません。むしろ、過剰に分泌されていた皮脂のみが抑制されることで、水分と油分のバランスが整い、肌のコンディションが改善するケースが多く報告されています。
皮脂腺破壊治療には、外からエネルギーを照射する方法と、内服薬によって皮脂腺を縮小させる方法があります。外科的なアプローチとしては高周波(RF)を用いたアグネスが代表的であり、内服薬としてはイソトレチノイン(ビタミンA誘導体)が知られています。それぞれの治療法について、次のセクションで詳しく解説いたします。
5. 皮脂腺破壊治療の種類と特徴
5-1. アグネス(AGNES)——高周波による皮脂腺破壊
アグネスは、微細絶縁針を用いて皮脂腺に直接高周波(RF:Radio Frequency)を照射し、熱エネルギーによって選択的に皮脂腺を破壊する治療法です。日本では厚生労働省の承認を受けた医療機器(承認番号:306AFBZX00014000)として使用されています。
治療の流れとしては、まず麻酔クリーム等で痛みを軽減した後、ニキビや毛穴に極細の針を刺入します。この針の先端部分のみに高周波が流れる設計になっているため、皮膚表面には熱が伝わらず、火傷のリスクが抑えられています。針先から放出される高周波エネルギーが皮脂腺を加熱・凝固させ、皮脂腺組織を破壊します。
アグネスの大きな特徴は、一度破壊された皮脂腺は再生しないという点です。そのため、治療した部位からはニキビがほとんど再発しません。これは従来のニキビ治療にはなかった画期的な効果です。
アグネスは以下のような症状に対応しています。
まず、繰り返す炎症性ニキビです。白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビなどすべてのタイプのニキビに適用可能ですが、特に慢性的に繰り返す炎症性ニキビに高い効果を発揮します。顔だけでなく、胸や背中、あごや首などにできるニキビにも対応できます。
次に、毛穴の開きや黒ずみです。高周波エネルギーには毛穴を収縮させる効果もあり、治療後は毛穴が引き締まります。また、真皮層でのコラーゲン再生が促されるため、肌のキメが整い、ハリが出るという副次的効果も期待できます。
さらに、汗管腫や稗粒腫、脂腺増殖症といった良性の皮膚腫瘍にも効果があります。従来は炭酸ガスレーザーで削り取る治療が主流でしたが、傷跡が残るリスクがありました。アグネスであれば皮膚表面を傷つけずに治療できるため、ダウンタイムが短く、傷跡のリスクも低減されます。
治療回数の目安は平均3〜5回程度で、1回の施術は部位や範囲によって30分前後で終了します。施術後は多少の赤みや腫れが数日〜1週間程度続くことがありますが、翌日からメイクが可能な場合がほとんどです。ニキビ治療の場合は、施術翌日または翌々日に「メルティング」という皮脂腺内の残渣物を圧出する処置を行うと、さらに効果が高まります。
5-2. イソトレチノイン——内服による皮脂腺縮小
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体(レチノイド)を主成分とする内服薬で、海外(特にアメリカやヨーロッパ)では重症ニキビの第一選択薬として30年以上の使用実績があります。日本では現時点で厚生労働省の承認を受けていないため、保険適用外の自費診療となりますが、医師の処方のもとで使用することができます。
イソトレチノインの作用機序は多面的です。最も重要なのは皮脂腺縮小作用で、皮脂腺細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導することで皮脂腺を小さくし、皮脂分泌量を劇的に減少させます。服用開始から約1ヶ月程度で皮脂の減少を実感される方が多いです。
また、毛穴の異常角化を抑制する作用があります。毛穴出口付近の角質が厚くなるのを防ぎ、毛穴詰まり(面皰形成)を予防します。さらに、抗炎症作用によってニキビの赤みや腫れを鎮静させる効果もあります。
イソトレチノインの最大のメリットは、適切な用量・期間で治療を完遂すれば、治療終了後も長期間にわたってニキビができにくい状態が維持されるという点です。海外の研究では、累積投与量が体重あたり120〜150mg/kgに達すると再発率が30%程度に抑えられるとされています。内服期間の目安は4〜6ヶ月程度ですが、症状や体重によって医師が個別に判断します。
ただし、イソトレチノインには注意すべき副作用があります。最も頻度が高いのは皮膚・粘膜の乾燥で、唇の荒れや肌のカサつき、ドライアイなどが多くの方に生じます。保湿剤やリップクリーム、点眼薬などで対処することが重要です。
また、胎児への催奇形性(奇形を引き起こすリスク)があるため、妊娠中・授乳中の方は絶対に服用できません。服用中および服用終了後少なくとも1ヶ月間は確実な避妊が必要であり、この期間は献血も禁止されています。肝機能への影響や血中脂質(コレステロール・中性脂肪)の上昇が起こることもあるため、治療中は定期的な血液検査によるモニタリングが欠かせません。
これらのリスクがあるため、イソトレチノインは医師の厳格な管理のもとで使用される必要があります。保険診療で改善が見られなかった重症ニキビや、繰り返すニキビに長年悩んでいる方にとっては、試す価値のある治療選択肢といえるでしょう。
5-3. その他の治療法
PDT(光線力学療法)は、5-アミノレブリン酸(ALA)などの光感受性物質を皮膚に塗布・浸透させた後、特定波長の光を照射する治療法です。光感受性物質が皮脂腺に取り込まれ、光照射によって活性酸素が発生し、皮脂腺を破壊します。積極的に皮脂分泌を抑制する効果がありますが、治療後の日光過敏などの副作用に注意が必要です。
ボトックス注射(マイクロボトックス)も皮脂コントロールに用いられることがあります。ボツリヌス毒素を極浅い層に少量ずつ注射することで、汗腺や皮脂腺の活動を抑制し、テカリを軽減します。効果の持続期間は3〜6ヶ月程度で、定期的な施術が必要です。
スピロノラクトンは、もともと利尿薬として使用されている内服薬ですが、男性ホルモンを抑制する作用があることから、女性のホルモン性ニキビや皮脂過剰に対して処方されることがあります。
6. 治療の費用相場と安く受けるためのポイント
皮脂腺破壊治療は保険適用外の自費診療となるため、費用はクリニックによって異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。
アグネスについては、部位や治療範囲、ニキビの数によって料金設定が異なります。顔全体を対象とした場合、1回あたり5〜10万円程度が相場です。ニキビ1個あたりの料金設定をしているクリニックでは、数千円から1万円程度となることもあります。平均的な治療回数である3〜5回を考慮すると、総額で15〜50万円程度を見込んでおく必要があります。
イソトレチノインについては、1ヶ月分の薬代として1〜3万円程度、これに診察料や血液検査料が加わります。4〜6ヶ月の治療期間を考えると、総額で10〜25万円程度となるのが一般的です。
費用を抑えるためのポイントとしては、まず複数回コースの利用があります。多くのクリニックでは、3回コースや5回コースなど複数回をまとめて契約することで、1回あたりの単価が割安になるプランを用意しています。
次に、初回限定価格やキャンペーンの活用です。新規患者向けの初回限定価格や、季節限定のキャンペーンを行っているクリニックも多いため、複数のクリニックの料金やキャンペーン情報を比較検討することをお勧めします。
また、カウンセリングで治療範囲を最適化することも重要です。顔全体ではなく、特に気になる部位(あご周りのみ、鼻周りのみなど)に絞って治療することで、費用を抑えられる場合があります。医師と相談のうえ、ご自身の症状に合った治療範囲を見極めましょう。
長期的な視点で考えると、皮脂腺破壊治療は「再発しにくい」という大きなメリットがあります。従来の治療を長期間続ける場合のトータルコスト(診察料、薬代、スキンケア製品代など)と比較すれば、根本治療による費用対効果が高いケースも少なくありません。
7. 八重洲・日本橋エリアでクリニックを選ぶメリット
東京駅至近の八重洲・日本橋エリアは、美容医療を受けるロケーションとしても多くのメリットがあります。
まず、圧倒的なアクセスの良さが挙げられます。JR東京駅の八重洲口から徒歩圏内に位置し、東海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線をはじめ、JR各線、東京メトロ丸の内線・銀座線・東西線、都営浅草線など多数の路線が乗り入れています。首都圏はもちろん、地方からお越しの方にとっても非常に便利な立地です。
また、近年の大規模再開発により、東京ミッドタウン八重洲やグラントウキョウなどの複合商業施設が次々とオープンしています。治療前後のショッピングや食事を楽しむこともでき、「クリニックへ通う」というより「都心でのお出かけのついでに治療を受ける」という感覚で通院できます。
八重洲地下街や地下通路網が発達しているため、雨の日でも傘なしで移動できる範囲が広いのも嬉しいポイントです。治療後にダウンタイム(赤みや腫れ)がある場合でも、地下を通って移動すれば人目を気にせずに済みます。
ビジネス街として発展してきた歴史から、働く女性や男性にとっても利便性が高いエリアです。仕事帰りや昼休みを利用して通院したい方にも適しています。
日本橋は江戸時代から五街道の起点として栄えた歴史あるエリアでもあり、老舗の名店と最新の商業施設が共存する独特の雰囲気があります。クリニック選びと合わせて、このエリアならではの魅力を楽しんでいただければ幸いです。
8. 治療前に知っておきたい注意点とリスク
皮脂腺破壊治療を検討される際には、以下の点について事前に理解しておくことが重要です。
治療に適さない方
アグネスについては、妊娠中の方、ペースメーカーを使用中の方、体内に金属類や機械類がある方、治療部位にプロテーゼなどの異物が挿入されている方は治療を受けられません。
イソトレチノインについては、妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方は服用が禁忌です。また、肝機能障害や高脂血症がある方、精神疾患の既往がある方なども慎重な判断が必要です。
想定されるダウンタイム・副作用
アグネスの場合、治療後は施術部位に赤み、腫れ、熱感が生じることがあります。通常は数日〜1週間程度で落ち着きますが、個人差があります。また、皮脂腺内の残渣物が排出される過程で一時的に小さなニキビのような発疹が出ることもあります。首のニキビを治療した場合は、1〜2ヶ月程度、色素沈着が続くことがあります。
イソトレチノインの場合、服用開始後1〜2週間で一時的にニキビが悪化する「好転反応」が起こることがあります。これは薬が作用している証拠であり、数週間〜1ヶ月程度で改善することがほとんどです。また、唇や肌の乾燥、ドライアイ、鼻血などの症状が高頻度で生じます。まれに肝機能障害、高脂血症、うつ症状などの重篤な副作用が報告されているため、定期的な診察と検査が必要です。
効果に関する注意点
皮脂腺破壊治療は高い効果が期待できる一方で、すべてのニキビを100%なくせるわけではありません。アグネスで治療した部位からの再発率は非常に低いですが、治療していない部位から新たにニキビができる可能性はあります。
また、ニキビの盛り上がったケロイドや陥凹性ニキビ瘢痕(クレーター状のニキビ跡)には効果がありません。これらについては、フラクショナルレーザーやダーマペン、ヒアルロン酸注入などの別の治療が必要となります。
クリニック選びのポイント
皮脂腺破壊治療は医師の技術や経験によって効果に差が出やすい治療です。症例数が豊富で、ニキビ治療に精通した医師が在籍するクリニックを選ぶことをお勧めします。
カウンセリングの際には、ご自身の肌の状態やニキビの重症度、治療目標などを医師にしっかり伝え、最適な治療プランを相談しましょう。治療のメリットだけでなく、リスクや副作用、ダウンタイムについても丁寧に説明してくれるクリニックであれば安心です。

9. よくあるご質問
A1. 顔には約20万個の皮脂腺があり、治療で破壊するのはそのうちの数百個程度です。全体の皮脂量からすればごくわずかであるため、治療後に過度な乾燥が生じることは基本的にありません。むしろ、過剰だった皮脂が適正化されることで、肌の水分と油分のバランスが整い、肌質が改善するケースが多く報告されています。
A2. アグネスの場合、施術前に麻酔クリームを塗布することで痛みを軽減します。針を刺す際の軽いチクッとした感覚や、高周波照射時のズンとした感覚を感じる方もいますが、我慢できないほどの痛みではないとおっしゃる方がほとんどです。痛みの感じ方には個人差がありますので、心配な方は事前に医師やスタッフにご相談ください。
Q3. 治療の効果はいつ頃から実感できますか?
A3. アグネスの場合、施術後1週間程度で効果が現れ始め、時間の経過とともに治療効果が高まります。イソトレチノインの場合、皮脂の減少は1ヶ月程度で実感される方が多く、ニキビの改善は2〜3ヶ月程度で見られることが多いです。
Q4. 顔以外のニキビにも効果はありますか?
A4. はい、アグネスは顔だけでなく、胸、背中、首、お尻など全身のニキビに対応可能です。イソトレチノインも内服薬のため、全身に効果があります。
Q5. 1回の治療でニキビは治りますか?
A5. アグネスの場合、1回の施術でも効果を実感できることが多いですが、十分な効果を得るためには平均3〜5回の施術が推奨されています。イソトレチノインの場合、4〜6ヶ月程度の継続服用が必要です。
Q6. ニキビ跡も改善しますか?
A6. アグネスの高周波には真皮層のコラーゲン再生を促す効果があるため、軽度のニキビ跡であれば改善が期待できます。ただし、深いクレーター状の瘢痕には効果が限定的であり、別の治療(フラクショナルレーザーなど)を組み合わせる必要があります。
Q7. 治療後、すぐにメイクはできますか?
A7. アグネスの場合、翌日からファンデーションなどのメイクが可能な場合がほとんどです。ただし、治療部位をこすらないように優しくメイクアップすることが大切です。イソトレチノイン服用中は肌が敏感になりやすいため、刺激の少ない化粧品を選び、紫外線対策を徹底してください。
10. まとめ
テカリや繰り返すニキビに長年悩んでいる方にとって、皮脂腺破壊治療は根本的な解決を目指せる有力な選択肢です。アグネスは高周波エネルギーで皮脂腺を直接破壊し、治療部位からの再発を防ぎます。イソトレチノインは内服によって皮脂腺を縮小させ、全身の皮脂分泌を抑制します。
どちらの治療も一定のリスクや副作用があるため、経験豊富な医師のもとで適切な診断・管理を受けることが重要です。保険診療での治療で効果が不十分だった方、何度もニキビが再発して困っている方は、一度皮脂腺破壊治療について専門医に相談されることをお勧めします。
当院アイシークリニック東京院は、東京駅八重洲口から至近の好立地にあり、専門医がニキビや皮脂に関するお悩みに対応いたします。患者さま一人ひとりの肌状態を丁寧に診察し、最適な治療プランをご提案いたします。テカリやニキビでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
- 日本皮膚科学会 一般公開ガイドライン
- Mindsガイドラインライブラリ 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
- 花王 スキンケアナビ 肌にあるその他の器官
- 日本化粧品技術者会 化粧品用語集 脂腺
- 皮脂腺 – Wikipedia
- 小林製薬株式会社 角栓内アクネ菌についての研究
- 厚生労働省 アキュテイン(イソトレチノイン)に関する注意喚起について
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務