新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年に初めて確認されて以来、世界中で大きな影響を及ぼしてきました。ウイルスの変異が進む中で、症状の現れ方や重症度にも変化が見られています。本記事では、新型コロナウイルス感染症の症状について、初期症状から重症化のサインまで、最新の医学的知見をもとに詳しく解説します。

新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、SARS-CoV-2と呼ばれるウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。このウイルスは主に飛沫感染や接触感染によって人から人へと広がります。感染すると、無症状から重症まで、さまざまな症状を呈することが特徴です。
感染力は非常に高く、特に発症前の潜伏期間や発症初期に他者への感染リスクが高まることが分かっています。潜伏期間は通常2日から14日程度とされており、平均して5日前後で症状が現れることが多いとされています。
新型コロナウイルス感染症の主な症状
新型コロナウイルス感染症の症状は多岐にわたり、個人差も大きいことが知られています。ここでは、よく見られる症状について詳しく解説します。
発熱
発熱は新型コロナウイルス感染症の最も一般的な症状の一つです。多くの場合、37.5度以上の発熱が見られ、38度を超える高熱になることもあります。発熱は感染初期から現れることが多く、数日間続くことが一般的です。
ただし、すべての感染者に発熱が見られるわけではありません。特に若年層や軽症例では、発熱がないまま他の症状だけが現れるケースも報告されています。また、高齢者では発熱が目立たないこともあるため、発熱の有無だけで判断しないことが重要です。
咳
咳は発熱と並んで頻度の高い症状です。多くの場合、乾いた咳(空咳)が特徴的で、痰を伴わないことが多いとされています。咳は感染初期から現れることもあれば、数日経過してから出現することもあります。
咳は長期間続くことがあり、回復後も数週間にわたって残存する場合があります。これは気道の炎症が完全に治まるまで時間がかかるためと考えられています。
倦怠感・疲労感
強い倦怠感や疲労感も新型コロナウイルス感染症の特徴的な症状です。通常の風邪やインフルエンザと比較しても、より強い疲労感を感じることが多く、日常生活に支障をきたすほどの倦怠感を訴える患者も少なくありません。
この倦怠感は感染初期から現れることが多く、発熱や咳よりも先に出現することもあります。また、回復後も長期間にわたって疲労感が続く「Long COVID」(コロナ後遺症)として問題になることもあります。
味覚・嗅覚障害
味覚や嗅覚の障害は、新型コロナウイルス感染症に特徴的な症状の一つとして広く知られるようになりました。突然、食べ物の味が分からなくなったり、においを感じなくなったりする症状で、他の呼吸器感染症ではあまり見られない特徴です。
味覚・嗅覚障害は、鼻詰まりがなくても起こることが特徴的です。これはウイルスが嗅覚神経や味覚を司る神経に直接影響を与えるためと考えられています。多くの場合、数週間から数か月で回復しますが、一部の患者では長期間持続することもあります。
呼吸困難・息切れ
呼吸が苦しい、息切れがするといった症状は、新型コロナウイルス感染症が重症化する際の重要なサインです。軽症例では見られないことが多いですが、中等症以上になると呼吸困難が出現します。
特に、安静時でも息苦しさを感じる、少し動いただけで息切れがするといった症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。呼吸困難は肺炎の進行を示唆する重要な症状であり、早期の対応が求められます。
頭痛
頭痛も比較的よく見られる症状の一つです。拍動性の頭痛や全体的な重苦しさを感じることが多く、通常の頭痛薬で軽減することもありますが、強い頭痛が持続する場合もあります。
頭痛は感染初期から現れることが多く、発熱や倦怠感と同時に出現することが一般的です。
筋肉痛・関節痛
全身の筋肉痛や関節痛も新型コロナウイルス感染症でよく見られる症状です。インフルエンザに似た全身の痛みを感じることが多く、特に背中や腰、四肢の筋肉痛を訴える患者が多く見られます。
これらの痛みは炎症性サイトカインの放出によって引き起こされると考えられており、発熱と同様、免疫系の反応の一部として現れます。
喉の痛み
喉の痛みや違和感も一般的な症状です。軽度の場合は風邪と区別がつきにくいこともありますが、他の症状と合わせて現れることが多いのが特徴です。
喉の痛みは感染初期に現れることが多く、数日で改善することもあれば、咳と共に長期間続くこともあります。
鼻水・鼻詰まり
鼻水や鼻詰まりといった鼻症状は、特に変異株の流行以降、より一般的に見られるようになりました。これらの症状は通常の風邪と非常に似ているため、新型コロナウイルス感染症との区別が難しいことがあります。
消化器症状
下痢、吐き気、嘔吐、腹痛といった消化器症状も一部の患者で見られます。特に小児や若年者では、呼吸器症状よりも消化器症状が先に現れることもあります。
これは新型コロナウイルスが腸管の細胞にも感染できることが関係していると考えられています。
症状の時系列的な経過
新型コロナウイルス感染症の症状は、時間経過とともに変化していくことが特徴です。典型的な経過について解説します。
潜伏期間(感染から発症まで)
ウイルスに感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常2日から14日程度で、平均して5日前後とされています。この期間中は無症状ですが、発症の1日から2日前から他者への感染力を持つことが分かっています。
発症初期(1日目から3日目)
発症初期には、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛といった全身症状が現れることが多くあります。喉の痛みや鼻水といった上気道症状も初期から見られることがあります。この時期の症状は風邪やインフルエンザと非常に似ているため、区別が難しいことが特徴です。
症状のピーク(4日目から7日目)
発症から4日目から7日目頃に症状のピークを迎えることが多いとされています。この時期には咳が強くなり、発熱も高くなることがあります。味覚・嗅覚障害もこの頃に気づくことが多いようです。
軽症から中等症へと進行する場合、この時期に呼吸器症状が悪化し、呼吸困難感が出現することがあります。この時期の経過観察が特に重要です。
回復期(8日目以降)
多くの軽症例では、発症から7日から10日程度で症状が改善し始めます。発熱が下がり、倦怠感も徐々に軽減していきます。ただし、咳や味覚・嗅覚障害は長期間残ることがあります。
一方、重症化する症例では、この時期に呼吸状態がさらに悪化し、酸素投与や入院治療が必要になることがあります。
変異株による症状の違い
新型コロナウイルスは変異を繰り返しており、変異株によって症状の現れ方に違いが見られることが分かっています。
オミクロン株の特徴
2021年末から世界的に流行したオミクロン株では、それまでの株と比較して症状に変化が見られました。オミクロン株では以下のような特徴があります。
上気道症状がより顕著で、喉の痛み、鼻水、鼻詰まりといった症状が強く現れる傾向があります。これは風邪症状に非常に似ているため、感染に気づきにくいという問題もあります。
味覚・嗅覚障害の頻度が以前の株と比較して低下しているという報告があります。
全体として重症化率は低下していますが、高齢者や基礎疾患を持つ方では依然として注意が必要です。
発熱の持続期間が比較的短く、2日から3日程度で解熱することが多いという特徴があります。
デルタ株の特徴
2021年に流行したデルタ株は、高い感染力と重症化リスクが特徴でした。デルタ株では以下のような傾向が見られました。
初期の株と比較して、発症から重症化までの期間が短い傾向がありました。
呼吸器症状がより強く現れ、肺炎への進行が早いケースが多く見られました。
若年層でも重症化するケースが増加しました。
重症化のサインと警告症状
新型コロナウイルス感染症は、軽症のまま回復する場合が多いですが、一部の患者では急速に重症化することがあります。重症化のサインを知り、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。
呼吸困難・息切れの悪化
安静時でも呼吸が苦しい、少し動くだけで息切れがする、会話が続けられないといった症状は、重症化の重要なサインです。特に、横になると呼吸が苦しくなる場合は、肺炎が進行している可能性があります。
持続する胸痛・胸部圧迫感
胸の痛みや圧迫感、締め付けられるような感覚が持続する場合は、心臓や肺に問題が生じている可能性があります。特に、動悸を伴う場合や、痛みが強い場合は速やかに医療機関を受診してください。
意識障害・意識レベルの低下
ぼんやりとする、反応が鈍くなる、呼びかけに対する反応が悪いといった意識レベルの変化は、重症化の危険なサインです。特に高齢者では、これらの症状が目立たないこともあるため、周囲の方の観察が重要です。
唇や顔の色の変化
唇や顔が青白くなる、青紫色になるといった症状は、体内の酸素が不足している可能性を示しています。これは緊急性の高い症状であり、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
水分が取れない・尿量の減少
水分が全く取れない、尿の量が著しく減少したといった症状は、脱水が進行している可能性があります。特に発熱や下痢が続いている場合は、脱水のリスクが高まります。
パルスオキシメーターの数値
自宅にパルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)がある場合、SpO2(血中酸素飽和度)の値が93%以下になった場合は、速やかに医療機関に連絡してください。正常値は96%から99%程度です。
重症化しやすい人の特徴
新型コロナウイルス感染症では、特定の条件を持つ方が重症化しやすいことが分かっています。
高齢者
年齢が上がるほど重症化率、致死率が高くなることが知られています。特に65歳以上の方は重症化リスクが高く、より注意深い観察が必要です。
基礎疾患を持つ方
以下のような基礎疾患を持つ方は重症化リスクが高いとされています。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などの慢性呼吸器疾患を持つ方は、肺炎が重症化しやすい傾向があります。
糖尿病患者では、血糖コントロールの状態に関わらず、重症化リスクが高まります。
高血圧や心不全などの心血管疾患を持つ方も重症化しやすいことが分かっています。
慢性腎臓病、特に透析を受けている方は、重症化リスクが非常に高いグループです。
悪性腫瘍の治療中の方や、免疫抑制剤を使用している方は、免疫機能が低下しているため重症化しやすくなります。
肥満(BMI 30以上)の方も重症化リスクが高いことが報告されています。
妊娠中の女性
妊娠中、特に妊娠後期の女性は重症化リスクが高まることが分かっています。胎児への影響も懸念されるため、特に注意が必要です。
喫煙者
喫煙は呼吸器疾患のリスク因子であり、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクも高めます。
無症状感染について
新型コロナウイルス感染症の特徴の一つに、無症状感染者の存在があります。感染しているにもかかわらず全く症状が現れない、あるいは非常に軽微な症状しか出ない場合があります。
無症状感染者でも他者への感染力を持つことが問題となっています。自覚症状がないため、知らず知らずのうちにウイルスを広げてしまう可能性があります。このため、症状の有無に関わらず、基本的な感染対策を継続することが重要です。
若年層や健康な成人では、無症状感染や軽症で済むケースが多い傾向があります。しかし、無症状や軽症であっても、高齢者や基礎疾患を持つ方に感染させると、その方が重症化するリスクがあります。
症状が出た時の対処法
新型コロナウイルス感染症を疑う症状が現れた場合、適切な対処が重要です。
医療機関への相談
発熱や咳などの症状が現れた場合、まずはかかりつけ医や最寄りの医療機関に電話で相談しましょう。いきなり医療機関を受診すると、待合室で他の患者に感染を広げるリスクがあります。
東京都では、発熱相談センターが設置されており、24時間体制で相談を受け付けています。どこに相談すればよいか分からない場合は、こうした相談窓口を利用することができます。
自宅での療養
軽症の場合、自宅で療養することになります。自宅療養中は以下のことに注意しましょう。
十分な休養と水分補給を心がけてください。発熱による脱水を防ぐため、こまめに水分を摂取することが重要です。
可能な限り、家族と部屋を分けて過ごしましょう。共有スペースの使用は最小限にし、使用後は換気と消毒を行ってください。
体温や症状を記録し、変化に注意を払いましょう。急な悪化に備えることが重要です。
処方された薬がある場合は、指示通りに服用してください。解熱剤など市販薬を使用する場合も、用法用量を守りましょう。
家族への感染を防ぐために
自宅療養中は、同居する家族への感染を防ぐことも重要です。
感染者が使用する部屋は、可能な限り個室にしましょう。
部屋の換気をこまめに行い、共有スペースの換気も重要です。
タオル、食器、寝具などは共用しないようにしましょう。
家族と接する際は、お互いにマスクを着用してください。
ドアノブ、スイッチなど手が触れる場所は、こまめに消毒しましょう。
検査について
新型コロナウイルス感染症の診断には、いくつかの検査方法があります。
PCR検査
PCR検査は、ウイルスの遺伝子を検出する検査で、感度が高く、確定診断に用いられます。鼻咽頭ぬぐい液や唾液を検体として用いることが一般的です。
検査結果が出るまでに数時間から1日程度かかることが多いですが、検査精度は高いとされています。ただし、感染初期や感染後期では、ウイルス量が少なく偽陰性(感染しているのに陰性と出る)となる可能性もあります。
抗原検査
抗原検査は、ウイルスのタンパク質を検出する検査で、PCR検査よりも短時間で結果が得られます。通常、15分から30分程度で結果が分かります。
感度はPCR検査よりもやや劣りますが、ウイルス量が多い時期(発症から9日以内)では高い精度で検出できます。特に発症初期の診断に有用です。
近年では、医療用抗原検査キットだけでなく、一般用の抗原検査キット(市販の検査キット)も普及しています。ただし、検査結果の解釈には注意が必要で、陰性でも症状がある場合は医療機関への相談が推奨されます。
抗体検査
抗体検査は、過去に感染したかどうかを調べる検査です。現在の感染の診断には用いられません。ワクチン接種後の抗体獲得の確認などに使用されることがあります。
治療について
新型コロナウイルス感染症の治療は、症状の重症度や患者の状態によって異なります。
軽症例の治療
軽症例では、対症療法が中心となります。発熱に対しては解熱剤、咳に対しては咳止めなど、症状を和らげる治療が行われます。十分な休養と水分補給が重要です。
重症化リスクが高い方(高齢者、基礎疾患を持つ方など)には、早期から抗ウイルス薬の投与が検討されることがあります。
中等症以上の治療
呼吸状態が悪化した場合、入院治療が必要になります。酸素投与や、重症例では人工呼吸器管理が行われることもあります。
抗ウイルス薬、ステロイド薬、免疫調整薬など、複数の治療薬が病態に応じて使用されます。これらの薬剤は、重症化を防ぐ効果や回復を早める効果が期待されています。
抗ウイルス薬
新型コロナウイルス感染症に対する抗ウイルス薬がいくつか承認されています。これらの薬剤は、ウイルスの増殖を抑制することで、重症化を防ぐ効果が期待されています。
重症化リスクが高い方や、発症早期の患者に使用されることが多く、医師の判断により処方されます。
Long COVID(コロナ後遺症)について
新型コロナウイルス感染症から回復した後も、さまざまな症状が長期間続くことがあり、これをLong COVIDまたはコロナ後遺症と呼んでいます。
主な後遺症の症状
Long COVIDでは、以下のような症状が報告されています。
倦怠感や疲労感が長期間続くケースが多く見られます。日常生活に支障をきたすほどの疲労感を訴える方もいます。
息切れや呼吸困難感が、回復後も数か月続くことがあります。
集中力の低下や記憶障害、いわゆる「ブレインフォグ」と呼ばれる認知機能の問題も報告されています。
味覚・嗅覚障害が長期間続くケースもあります。多くは数か月で改善しますが、一部では半年以上続くこともあります。
咳や喉の違和感が長引くこともあります。
抜け毛、動悸、胸痛、頭痛、関節痛なども報告されています。
睡眠障害や気分の落ち込みなど、精神的な症状を伴うこともあります。
Long COVIDの発生頻度
Long COVIDの発生頻度は報告によって幅がありますが、感染者の10%から30%程度に何らかの後遺症が見られるとされています。重症例ほど後遺症のリスクが高い傾向がありますが、軽症例でも後遺症が出現することがあります。
Long COVIDへの対応
Long COVIDに対する治療法は、現時点では確立されたものはなく、各症状に対する対症療法が中心となります。倦怠感に対してはペース配分を考えた活動、呼吸器症状に対しては呼吸リハビリテーションなどが試みられています。
症状が長引く場合は、専門的な医療機関での診療を受けることが推奨されます。一部の医療機関では、Long COVID専門外来も設置されています。
新型コロナウイルス感染症の予防
感染を予防することが、自分自身と周囲の人々を守る最も重要な対策です。
ワクチン接種
ワクチン接種は、重症化予防に最も効果的な手段です。感染自体を完全には防げないものの、重症化や死亡のリスクを大きく減らすことができます。
定期的な追加接種により、免疫を維持することが推奨されています。特に高齢者や基礎疾患を持つ方は、定期的な接種が重要です。
基本的な感染対策
以下の基本的な感染対策を継続することが重要です。
手洗いをこまめに行いましょう。石鹸を使って20秒以上かけて丁寧に洗うことが推奨されます。
手指消毒用アルコールも効果的です。外出先から戻った際や、食事前などに使用しましょう。
換気を心がけましょう。室内では定期的に窓を開けて空気を入れ替えることが重要です。
混雑した場所や換気の悪い場所では、マスクの着用を検討しましょう。
体調不良時は無理をせず、外出を控えることが重要です。
適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を維持することで、免疫力を保つことができます。

よくある質問
初期症状は非常に似ており、症状だけでは区別が困難です。ただし、新型コロナウイルス感染症では味覚・嗅覚障害が現れることが特徴的です。また、倦怠感が通常の風邪よりも強く現れることが多いとされています。症状がある場合は、検査を受けて確認することが推奨されます。
両者とも発熱、咳、倦怠感などの症状が見られますが、インフルエンザでは急激な高熱と関節痛が特徴的です。新型コロナウイルス感染症では、味覚・嗅覚障害が見られることが特徴です。ただし、症状だけでの鑑別は困難なため、検査による確認が必要です。
家族が感染した場合、どうすればいい?
可能な限り感染者と部屋を分け、換気をこまめに行い、共有スペースを最小限にしましょう。接触する際はマスクを着用し、手洗いを徹底してください。家族も健康観察を行い、症状が出たら速やかに医療機関に相談しましょう。
回復後、いつから外出できる?
一般的に、発症後10日間が経過し、かつ症状が軽快してから72時間経過すれば、周囲への感染リスクは低いとされています。ただし、個人差があるため、医師の指示に従ってください。
再感染の可能性は?
一度感染しても、時間の経過とともに免疫が低下し、再感染の可能性があります。特に変異株が流行している場合、以前の感染やワクチン接種による免疫が十分に効かないことがあります。回復後も基本的な感染対策を継続することが重要です。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の症状は多岐にわたり、個人差も大きいことが特徴です。発熱、咳、倦怠感といった一般的な症状から、味覚・嗅覚障害という特徴的な症状まで、さまざまな形で現れます。
軽症のまま回復する方が多い一方で、一部の方では急速に重症化することがあります。特に高齢者や基礎疾患を持つ方は重症化リスクが高いため、注意深い観察が必要です。
症状が現れた場合は、まず医療機関に電話で相談し、適切な指示を受けることが重要です。重症化のサインを知り、早期に対応することで、より良い予後が期待できます。
また、回復後も長期間症状が続くLong COVIDの問題も認識されています。症状が長引く場合は、専門的な医療機関での診療を検討しましょう。
感染予防のためには、ワクチン接種と基本的な感染対策の継続が重要です。自分自身と周囲の人々を守るため、適切な予防行動を心がけましょう。
参考文献
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html - 国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html - 日本感染症学会「COVID-19に関する提言」
https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31 - 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の症状・治療」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html - 東京都福祉保健局「新型コロナウイルス感染症情報」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/index.html - 日本呼吸器学会「COVID-19関連情報」
https://www.jrs.or.jp/modules/covid19/
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務