
皮膚にできたイボを見つけたとき、「そのうち自然に治るだろう」と放置していませんか?
実は、イボの種類によっては数年経っても消えないどころか、どんどん増えてしまうことも。
この記事を読めば、あなたのイボが「待っていい種類」か「今すぐ治療すべき種類」かがわかります。
🚨 この記事でわかること
- ✅ イボの種類別「自然治癒できる?できない?」判定
- ✅ 尋常性疣贅は最大5年、水イボは最大2年かかる現実
- ✅ 放置すると起こる「増殖・拡大・感染」リスク
- ✅ 今すぐ病院に行くべきサインの見極め方
目次
- イボとはどのようなもの?種類と原因を整理する
- 尋常性疣贅(みずいぼでない一般的なイボ)の自然治癒期間
- 水イボ(伝染性軟属腫)の自然治癒期間
- 老人性イボ(脂漏性角化症)は自然治癒するのか
- 尖圭コンジローマの自然治癒について
- 自然治癒を阻む要因とは
- 自然治癒を待つリスクと注意点
- 病院・クリニックに相談すべきタイミング
- イボの主な治療法と選択のポイント
- まとめ
📋 この記事のポイント
イボの自然治癒期間は種類により異なり、尋常性疣贅は2〜5年、水イボは数カ月〜2年かかる場合がある。
老人性イボは自然治癒しない。
数が増えたり色・形が変化した場合は皮膚がんの可能性もあるため、早期に皮膚科を受診することが重要。
💡 1. イボとはどのようなもの?種類と原因を整理する
「イボ」という言葉は日常的によく使われますが、医学的には複数のまったく異なる皮膚疾患をまとめて指している場合がほとんどです。見た目の特徴や原因、そして自然治癒の可能性は種類によって大きく違うため、まず自分のイボがどのタイプに当てはまるのかを把握することが大切です。
代表的なイボの種類を整理すると、大きく以下のように分類されます。
ひとつ目は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の感染性のイボです。この中にはよく見られる「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」や、性器周辺に発生する「尖圭コンジローマ(せんけいコンジローマ)」、そして平坦な形状の「扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)」などが含まれます。いずれもウイルスが皮膚に感染することで発症し、接触によって他者や自分の他の部位にも広がる可能性があります。
ふたつ目は、ポックスウイルスの一種が原因の「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」、いわゆる「水イボ」です。子どもに多く見られ、表面がつるっとしたドーム型の小さな突起が特徴です。
みっつ目は、ウイルスとは無関係の「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」、通称「老人性イボ」です。加齢に伴う皮膚の変化が原因で生じ、ウイルス性ではないため感染することはありません。
このように、「イボ」という一言でくくられていても、原因や性質はまったく異なります。自然治癒の期間を語るうえでも、種類ごとに分けて考えることが必要不可欠です。以降のセクションでは、それぞれのイボの自然治癒期間について詳しく解説していきます。
Q. 尋常性疣贅は自然に治るまでどのくらいかかる?
尋常性疣贅は免疫の働きによって自然消退することがありますが、個人差が大きく、2年以内に消えるのは約3分の2程度とされています。残り約3分の1は2年を過ぎても残ることがあり、5年以上かかるケースも報告されています。子どもは比較的早く治る傾向がある一方、免疫機能が低下している方や高齢者では自然治癒しにくい傾向があります。
📌 2. 尋常性疣贅(みずいぼでない一般的なイボ)の自然治癒期間
尋常性疣贅は、HPVの中でも主に2型や4型などのウイルスが皮膚の小さな傷口から侵入して生じるイボです。表面がザラザラとしたドーム状の盛り上がりが特徴で、手の指や手の甲、足裏、爪まわりなどによく見られます。足裏にできたものは体重がかかるため、皮膚の奥に向かって成長する「足底疣贅(そくていゆうぜい)」と呼ばれることもあります。
尋常性疣贅は、免疫が正常に機能していれば自然治癒する可能性があります。体がウイルスを異物と認識して免疫反応を起こし、最終的にウイルスを排除することでイボが消えるというメカニズムです。ただし、この自然治癒には非常に長い時間がかかるのが現実です。
海外の研究では、治療をせずに経過観察した場合、約2年以内に自然消失するのはおよそ3分の2程度という報告があります。一方で、残りの約3分の1は2年を過ぎても残り続けたという結果も示されています。また、別の調査では治療なしで5年後に消えたケースも報告されており、個人差が非常に大きいことがわかります。
子どもの場合は免疫が活発に働くためか、比較的短い期間で自然治癒するケースが多い傾向があります。一方で、免疫機能が低下している方や高齢者では、何年経っても消えないケースが少なくありません。
また、尋常性疣贅は放置しているあいだに徐々に大きくなったり、周囲に複数のイボが新たに生じたりすることがあります。特に足裏にできたものは歩行時の痛みにつながることもあり、単純に「待てばよい」とは言いにくい面があります。
尋常性疣贅に似たものとして扁平疣贅があります。こちらは表面がなめらかでやや扁平な形状のイボで、顔や手の甲に多く見られます。扁平疣贅も免疫によって自然消失することがありますが、炎症を起こすことなく静かに消えるケースと、赤みやかゆみを伴いながら消えるケースがあります。後者は「急性炎症型自然消退」と呼ばれ、見た目は悪化したように見えても、その後に消えることがあります。
✨ 3. 水イボ(伝染性軟属腫)の自然治癒期間
水イボは、主に幼児から小学校低学年の子どもに多く見られる皮膚疾患です。ポックスウイルスの仲間である伝染性軟属腫ウイルスへの感染によって生じ、表面が光沢のあるドーム状で、中心にへこみがある小さな突起が特徴です。皮膚の直接接触や、プールのビート板・タオルなどを介して感染が広がるとされています。
水イボは自然治癒することが知られており、多くの場合は体の免疫が成熟するにしたがって自然に消えていきます。ただし、その期間は個人差が大きく、数カ月から1〜2年程度かかることが一般的です。中には3年以上かかるケースもあり、一概に「すぐ治る」とは言えません。
水イボは放置していると、数が増えることがよくあります。1個や2個だったものがいつの間に数十個になっているということも珍しくなく、体幹から腋の下・首まわり・わき腹・腕など広範囲に広がるケースもあります。また、かきむしることで皮膚が傷つき、そこから細菌感染を起こして赤くただれることもあります。
アトピー性皮膚炎の子どもは皮膚のバリア機能が低下しているため、水イボが広がりやすく、なかなか自然治癒しにくい傾向があります。このようなケースでは皮膚科での治療を積極的に検討することが勧められます。
なお、水イボに関してはプールに入ってよいかどうかがよく話題になります。日本皮膚科学会のガイドラインでは、水イボを理由にプールを禁止することは推奨されていませんが、タオルや浮き輪などの共有を避けることや、皮膚を傷つけない配慮が大切だとされています。子どもが集団生活をしている場合は早めに医師に相談することが望ましいでしょう。
Q. 水イボは治療せずに自然治癒できる?
水イボは免疫の成熟とともに自然に消えることが多く、一般的には数カ月〜1〜2年程度かかります。ただし3年以上かかるケースもあります。アトピー性皮膚炎がある子どもは皮膚のバリア機能が低下しているため広がりやすく、自然治癒しにくい傾向があります。放置中に数が増えることも多いため、10個以上に増えている場合は早めに皮膚科へ相談することが勧められます。
🔍 4. 老人性イボ(脂漏性角化症)は自然治癒するのか
老人性イボとも呼ばれる脂漏性角化症は、加齢とともに皮膚の細胞の増殖・脱落のサイクルが乱れることで生じる良性の皮膚腫瘍です。ウイルスや細菌などの病原体とは無関係に発生するため、人に感染することはありません。
脂漏性角化症の外見的特徴は、茶色から黒色の扁平〜盛り上がった形状で、表面がざらついており、まるで皮膚に貼り付いたような印象を与えます。顔・頭皮・背中・胸など、日光が当たりやすい部位に多く見られますが、体のさまざまな場所に生じます。
老人性イボは自然治癒しません。これが他のウイルス性イボと大きく異なる点です。加齢による皮膚細胞の変化が原因であるため、免疫が関与するわけではなく、時間が経っても自然に消えることは期待できません。むしろ、放置することで少しずつ大きくなったり、数が増えたりすることが多いです。
老人性イボを治療するかどうかは基本的に見た目の問題であり、医学的に除去が必要なわけではありません。ただし、見た目が気になる方や、摩擦による刺激でかゆみや出血が生じている場合には治療を選択することができます。また、急に色が濃くなったり、形が変わったり、かゆみや出血が続く場合には、悪性腫瘍との鑑別のために皮膚科を受診することが重要です。特に「悪性黒色腫(メラノーマ)」や「基底細胞がん」などは見た目が似ていることがあるため、自己判断で放置せず、専門医に診てもらうことを強くお勧めします。
💪 5. 尖圭コンジローマの自然治癒について
尖圭コンジローマは、HPVの6型・11型への感染によって生じる性感染症のひとつです。性器・肛門周囲・会陰部などにカリフラワー状や鶏のとさか状のイボが生じます。性的接触によって感染が広がるため、性感染症(STI)に分類されます。
尖圭コンジローマも免疫によって自然消退することがあります。一部の研究では感染後1〜2年以内に自然消退するケースが報告されており、特に若い世代や免疫機能が正常な方では自然治癒の可能性があるとされています。しかし、そのまま放置していると増殖・拡大する可能性も高く、性的パートナーへの感染リスクも継続することになります。
尖圭コンジローマは外見の問題だけでなく、HPV感染という性感染症の側面がある点が重要です。HPVの中でもとくに16型・18型などの高リスク型は子宮頸がんなどの原因となりますが、尖圭コンジローマを引き起こす6型・11型は低リスク型です。それでも、感染している可能性がある場合はパートナーも含めて皮膚科・泌尿器科・婦人科などを受診することが推奨されます。
尖圭コンジローマは自然治癒を期待して長期間放置するのではなく、できるだけ早期に医療機関を受診して適切な治療を受けることが望ましいと言えます。
Q. 老人性イボは自然に治らないって本当?
老人性イボ(脂漏性角化症)は加齢による皮膚細胞の変化が原因で、ウイルスとは無関係に発生するため自然治癒は期待できません。むしろ放置すると大きくなったり数が増えたりします。また悪性黒色腫や基底細胞がんと見た目が似ている場合があるため、色・形・大きさが急に変化した際は自己判断せず皮膚科を速やかに受診することが重要です。

🎯 6. 自然治癒を阻む要因とは
ウイルス性のイボは理論上、免疫の働きによって自然に消えることがあります。しかし実際には、自然治癒が難しくなる要因が複数存在します。自分の状態がどのような環境にあるかを理解することで、治療の必要性をより適切に判断できるようになります。
まず、免疫機能の低下が挙げられます。健康な成人であっても、疲労・睡眠不足・過度なストレス・偏った食事などが続くと免疫力が低下し、ウイルスへの対応力が落ちます。また、糖尿病・膠原病・HIV感染症などの基礎疾患がある方、あるいは免疫抑制剤を使用している方では、イボが難治性となることが多いです。
次に、皮膚の状態も関係します。皮膚に傷や湿疹がある場合、そこからウイルスが侵入しやすくなり、イボが広がりやすくなります。アトピー性皮膚炎の方が水イボに悩まされやすいのも、この理由からです。
さらに、イボを自分でつぶしたり、かいたりする行為も自然治癒を遠ざける原因になります。イボのウイルスが傷口を介して周囲の皮膚に広がることがあり、1個だったイボが多発するケースが多く報告されています。
また、高齢であることも自然治癒に影響します。加齢とともに免疫機能は全体的に低下するため、高齢者では若い人と比べてイボが自然消退しにくい傾向があります。
こうした要因が重なっている場合は、自然治癒を長期間待つよりも早期に治療を開始することを検討したほうがよいでしょう。
💡 7. 自然治癒を待つリスクと注意点
「時間が経てば自然に治るかもしれない」という考え方は間違いではありませんが、自然治癒を待つことにはいくつかのリスクが伴います。このリスクを理解したうえで、治療を受けるかどうかを判断することが大切です。
まず最もよくあるリスクは、イボの数が増えることです。HPVは非常に感染力が強く、一度皮膚に定着すると自分の他の部位にも広がる「自己接種」が起こります。1個のイボが数十個になってしまうケースも珍しくなく、そうなると治療の範囲が広がり、より多くの時間と回数が必要になります。
次に、他者への感染リスクです。特に家族や同居している人への感染には注意が必要です。子どもの水イボは同じ浴槽を使う家族への感染源になることがあります。また、尖圭コンジローマはパートナーへの感染源となるため、治療を先延ばしにすることは推奨されません。
また、老人性イボや色素の変化を伴うイボの場合、自己判断で「ただのイボだろう」と放置していたものが、実は皮膚がんであったというケースもあります。特に急激に大きくなる、色が不均一、縁がギザギザ、出血する、かさぶたが繰り返しできるといった変化がある場合には、早急に皮膚科を受診することが必要です。
さらに、足裏にできたイボは歩行時に圧迫されるため痛みを生じることがあります。長期間放置することで日常生活のQOL(生活の質)が下がることも、自然治癒待ちのデメリットのひとつです。
自然治癒を期待することが必ずしも悪いわけではありませんが、状況によっては「待つよりも治療する」という選択が合理的な場合が多くあります。
Q. イボ治療にはどんな方法がある?
イボの主な治療法には、液体窒素による冷凍凝固療法(保険適用)、炭酸ガスレーザーによる蒸散、電気焼灼法、サリチル酸などの外用薬があります。冷凍凝固療法は2〜3週間ごとに複数回の通院が必要ですが費用負担が少なく、炭酸ガスレーザーは少ない回数で除去しやすい反面、自由診療となることが多いです。最適な治療法はイボの種類・部位・大きさによって異なるため専門医への相談が大切です。
📌 8. 病院・クリニックに相談すべきタイミング
イボができたとき、どのタイミングで医療機関を受診すればよいのか迷う方も多いと思います。以下のような状況が当てはまる場合には、早めに皮膚科やクリニックに相談することを検討してください。
まず、イボの数が増えている・広がっている場合は早めの受診が望ましいです。前述のように自己接種によってイボが増えているケースでは、早期治療のほうが治療期間も短くなります。
次に、6カ月〜1年以上経過しても変化がない場合も受診の目安になります。尋常性疣贅の自然治癒は数年単位でかかることがありますが、全く変化がなければ治療を開始したほうが効率的です。
足の裏にできていて痛みを伴う場合も受診が必要です。足底疣贅は日常生活への支障が大きく、早期に治療したほうが痛みの期間を短縮できます。
子どもの水イボについては、数が10個を超えている場合やアトピー性皮膚炎があって広がりやすい状況の場合、保育園や幼稚園での集団生活を考慮して皮膚科に相談することを勧めます。
色・形・大きさが変化してきたイボは、皮膚がんとの鑑別のために必ず専門医に診てもらう必要があります。自己判断は禁物です。
性器・肛門周囲にイボができている場合は、尖圭コンジローマや他の性感染症の可能性があるため、速やかに皮膚科・泌尿器科・婦人科を受診してください。
顔・首・手などの目立つ部位にあってコンプレックスになっている場合も、美容皮膚科や皮膚科への相談が選択肢になります。見た目が気になることによるストレスも、生活の質に影響する大切な要素です。
✨ 9. イボの主な治療法と選択のポイント
医療機関ではイボの種類・大きさ・部位・患者さんの年齢や状態に応じて、さまざまな治療法が選択されます。主な治療法とその特徴を以下に整理します。
✅ 液体窒素による冷凍凝固療法
現在、ウイルス性疣贅の治療として最もよく用いられる標準的な治療法です。マイナス196度という超低温の液体窒素をイボに当てることで、ウイルスに感染した細胞を凍らせて壊死させます。処置後は一時的に赤みや水疱が生じることがありますが、これは回復過程の正常な反応です。
1回の処置でイボが完全に消えることは少なく、2〜3週間おきに複数回の通院が必要になることが一般的です。治療期間はイボの大きさや免疫の状態によって異なりますが、数回〜十数回程度かかることが多いです。保険適用で治療できるため、費用の面でも比較的負担が少ない選択肢です。
📝 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)
炭酸ガスレーザーは、特定の波長のレーザー光を照射してイボ組織を蒸散させる治療法です。局所麻酔をしたうえで処置するため、痛みは最小限に抑えられます。冷凍凝固療法よりも短い回数(1〜3回程度)でイボを除去できることが多く、広い範囲のイボにも対応しやすいのが特徴です。
ただし、保険適用外(自由診療)になるケースが多く、費用が冷凍凝固療法より高くなります。また、処置後に赤みや炎症が残ることがあり、場合によっては瘢痕(傷痕)が生じる可能性もあります。アイシークリニック東京院でも炭酸ガスレーザーによるイボ治療を実施しています。
🔸 電気焼灼法
電気メスを使ってイボ組織を焼いて取り除く方法です。老人性イボや尋常性疣贅など、幅広い種類のイボに使用されます。局所麻酔のもと処置し、比較的確実にイボを取り除くことができます。炭酸ガスレーザーと同様、処置後の傷が残ることがあるため、顔などの目立つ部位に使用する際には慎重な判断が必要です。
⚡ 外用薬(サリチル酸・イミキモドなど)
サリチル酸は古くから使われているイボの外用薬で、皮膚の角質を溶かすことでイボを少しずつ取り除く作用があります。毎日自宅で塗布する必要があり、効果が出るまでに数週間〜数カ月かかります。足底疣贅などに使われることが多く、液体窒素との組み合わせで効果が高まることもあります。
イミキモドは免疫調整作用を持つ外用薬で、主に尖圭コンジローマの治療に使用されます。自宅で塗布することができますが、使用する部位や頻度などについては医師の指示に従うことが重要です。
🌟 水イボの摘除

水イボに対しては、専用のピンセット(トラコーマ鑷子)で一粒ずつ摘除する治療が行われます。処置の際に麻酔テープ(エムラクリーム)を事前に貼ることで痛みを軽減させるクリニックも多く、子どもでも比較的受けやすい方法です。数が多い場合には複数回の処置が必要になることがあります。
💬 老人性イボの治療
脂漏性角化症に対しては、液体窒素・炭酸ガスレーザー・電気焼灼などが使われます。自然治癒しないため、取り除きたい場合は必ず治療が必要です。また、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には、組織を切除して病理検査に提出するケースもあります。
✅ 治療法を選ぶうえでのポイント
治療法の選択にあたっては、イボの種類・数・大きさ・部位・患者さんの年齢・費用・通院の頻度など、複数の要素を考慮する必要があります。1つの治療法が最善というわけではなく、担当医と相談しながら自分に合った方法を選ぶことが大切です。特に顔や手など目立つ部位のイボは、瘢痕のリスクも含めて慎重に治療法を選択することが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「イボだから様子を見ていた」とおっしゃりながら、気づいたときには数が増えて広い範囲に広がった状態でご来院される患者さまが少なくありません。イボは種類によって自然治癒の可能性や経過が大きく異なり、特に老人性イボは自然に消えることがなく、色や形が急に変化した場合は皮膚がんとの鑑別が必要なケースもありますので、自己判断で長期間放置することはお勧めできません。「そのうち治るかもしれない」と感じていても、少しでもご不安な点があれば、お気軽にご相談いただけると、それぞれの状態に合った治療のご提案ができます。」
🔍 よくある質問
イボの種類によって異なります。尋常性疣贅や水イボはウイルスに対する免疫反応で自然消退することがありますが、数カ月〜数年単位の時間がかかります。老人性イボ(脂漏性角化症)はウイルス性ではないため自然治癒は期待できません。また放置中にイボが増えたり広がったりするリスクもあるため、自己判断での長期放置はお勧めできません。
個人差が大きく、2年以内に自然消失するのはおよそ3分の2程度という研究報告があります。残りの約3分の1は2年を過ぎても残り続けるケースもあり、5年以上かかることもあります。子どもは比較的早く消えやすい一方、免疫機能が低下している方や高齢者では自然治癒しにくい傾向があります。
水イボは免疫の成熟とともに自然に消えることが多く、一般的には数カ月〜1〜2年程度かかります。ただし中には3年以上かかるケースもあります。アトピー性皮膚炎がある場合は皮膚のバリア機能が低下しているため広がりやすく、自然治癒しにくい傾向があります。数が増えている場合は早めに皮膚科へご相談ください。
老人性イボ(脂漏性角化症)は悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんと見た目が似ている場合があります。急に色が濃くなった、形が変わった、縁がギザギザになった、出血や繰り返すかさぶたがあるといった変化が見られる場合は、皮膚がんとの鑑別のために自己判断せず速やかに皮膚科を受診することが重要です。
主な治療法として、液体窒素による冷凍凝固療法(保険適用)、炭酸ガスレーザーによる蒸散、電気焼灼法、サリチル酸などの外用薬などがあります。アイシークリニック東京院では炭酸ガスレーザーによるイボ治療も実施しています。最適な治療法はイボの種類・大きさ・部位・年齢などによって異なるため、まずは専門医にご相談ください。
💪 まとめ
イボの自然治癒については、種類によってその可能性と期間が大きく異なります。
尋常性疣贅は免疫によって自然消退することがあるものの、2〜5年以上かかるケースも多く、放置中に広がるリスクがあります。水イボは数カ月〜2年程度で自然治癒することが多いものの、子どもの集団生活や皮膚バリアの問題から早期治療が勧められることもあります。老人性イボはウイルス性ではないため自然治癒は期待できず、変化があれば皮膚科を受診することが重要です。尖圭コンジローマは性感染症の側面があるため、自然治癒を待たず早期受診が推奨されます。
「自然に治るかもしれない」という期待は理解できますが、イボが増えている・広がっている・痛みがある・見た目が変化しているなどの状況では、自然治癒を待つよりも早期に医療機関を受診することが望ましいと言えます。特に、色・形・大きさが急に変わったイボは皮膚がんとの鑑別が必要なこともあり、自己判断せず専門医に相談することを強くお勧めします。
アイシークリニック東京院では、イボの種類や状態に合わせた適切な治療法をご提案しています。「自分のイボはどのタイプなのか」「どのような治療が合っているのか」など、イボに関するお悩みはお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性疣贅・水イボ・尖圭コンジローマなどのウイルス性疣贅に関する診療ガイドライン。自然治癒期間の目安、液体窒素による冷凍凝固療法などの標準治療法、プール利用に関する推奨事項など、記事全体の医学的根拠として参照。
- 国立感染症研究所 – 伝染性軟属腫(水イボ)の原因ウイルスであるポックスウイルス、感染経路、自然経過に関する情報。水イボの感染拡大リスクやアトピー性皮膚炎との関連についての記述の根拠として参照。
- PubMed – 尋常性疣贅の自然治癒率に関する海外研究(治療なしで約2年以内に3分の2が自然消失するという報告)。記事中の自然治癒期間の数値的根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務