「お腹まわりが気になるけれど、なかなか痩せない」「健康診断でメタボリックシンドロームを指摘された」という経験はありませんか?そのお腹のふくらみの原因は、皮下脂肪ではなく内臓脂肪である可能性が高いです。内臓脂肪は見た目の問題だけでなく、糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病と深く関わっており、放置すると重大な健康被害につながることがわかっています。一方で、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて落としやすいという特性もあります。正しい方法で食事・運動・生活習慣を整えることで、効率よく減らすことができます。この記事では、内臓脂肪を落とすための具体的な方法をわかりやすく解説します。
目次
- 内臓脂肪とは何か?皮下脂肪との違い
- 内臓脂肪が増える原因
- 内臓脂肪が引き起こすリスク
- 内臓脂肪を落とす食事のポイント
- 内臓脂肪を落とす運動の方法
- 内臓脂肪に効果的な生活習慣の改善
- 内臓脂肪の測定方法と目安
- 医療機関でできる内臓脂肪へのアプローチ
- まとめ

🎯 内臓脂肪とは何か?皮下脂肪との違い
体の中にある脂肪は、大きく分けて「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。それぞれの特徴を理解することが、効果的なダイエットへの第一歩です。
皮下脂肪とは、皮膚のすぐ下にある脂肪層のことです。お腹や太もも、腕などに蓄積しやすく、指でつまむことができる脂肪です。女性に多い傾向があり、体温を保ったり衝撃を和らげたりする役割を担っています。皮下脂肪は一度ついてしまうと落ちにくい性質を持っています。
内臓脂肪とは、腹腔内の腸間膜(腸を支える膜)などに蓄積する脂肪のことです。胃や腸、肝臓などの内臓のまわりについている脂肪で、皮膚の上からつまむことはできません。内臓脂肪が多くなると、お腹が張り出したような「リンゴ型肥満」になります。男性や閉経後の女性に多く見られます。
内臓脂肪の最大の特徴は、エネルギーの出し入れが活発であるという点です。食事でカロリーを摂りすぎたときにすばやく蓄積し、逆に食事制限や運動によってエネルギーが必要になったときにすばやく分解されます。つまり、皮下脂肪よりも「つきやすく落としやすい」という性質を持っています。これは内臓脂肪対策において非常に重要なポイントです。適切なアプローチをとれば、比較的短期間で成果を実感できる可能性があります。
📋 内臓脂肪が増える原因
内臓脂肪が増えてしまう原因を理解することで、対策をより具体的に立てることができます。主な原因としては以下のようなことが挙げられます。
🦠 カロリーの過剰摂取
最も基本的な原因は、消費カロリーより摂取カロリーが多い状態が続くことです。特に脂質や糖質の多い食事、アルコールの過剰摂取は内臓脂肪を蓄積させやすいことが知られています。外食や加工食品が多い食生活では、気づかないうちにカロリーオーバーになりがちです。
👴 運動不足
デスクワーク中心の生活や、自動車を使った移動が多い生活では、日常的な活動量が低下します。消費カロリーが少なくなると、摂取したエネルギーが余りやすくなり、内臓脂肪として蓄積されます。特に30代以降は基礎代謝が低下するため、同じ食生活を続けていても太りやすくなります。
🔸 睡眠不足とストレス
睡眠が不足すると、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増え、食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減少します。その結果、食べ過ぎにつながりやすくなります。また、慢性的なストレスはコルチゾールというホルモンの分泌を促し、内臓脂肪を増やす方向に働くことが研究で示されています。
💧 加齢と筋肉量の低下
年齢とともに筋肉量は自然に減少します。筋肉はエネルギーを消費する重要な組織であるため、筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、同じカロリーを摂取しても太りやすくなります。加えて、加齢とともに脂質代謝の能力も落ちるため、中年以降は特に内臓脂肪がつきやすくなります。
✨ 飲酒習慣
アルコールそのものには高いカロリーがあります(1gあたり約7kcal)。また、アルコールを摂取すると体の脂肪の燃焼が抑えられるため、飲酒習慣のある方は内臓脂肪がたまりやすい傾向があります。さらに、飲酒時に食べる高カロリーなおつまみも脂肪の蓄積に拍車をかけます。

💊 内臓脂肪が引き起こすリスク
内臓脂肪が単なる「見た目の問題」ではないことは、医学的にも広く認識されています。内臓脂肪が増えすぎると、さまざまな深刻な健康問題を引き起こすリスクが高まります。
📌 メタボリックシンドローム
内臓脂肪の蓄積を基盤として、高血圧・高血糖・脂質異常症(血中の中性脂肪が高い、あるいはHDLコレステロールが低い)のうち2つ以上を合わせ持つ状態をメタボリックシンドロームといいます。日本では腹囲(ウエスト周囲径)が男性で85cm以上、女性で90cm以上であることがメタボの判定基準の一つとされています。
▶️ 2型糖尿病
内臓脂肪細胞から分泌される物質(アディポカイン)がインスリンの働きを妨げ、インスリン抵抗性を引き起こすことが知られています。インスリン抵抗性が高まると、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、2型糖尿病の発症リスクが高まります。
🔹 高血圧・動脈硬化
内臓脂肪の増加は、血圧を上げる働きをするアンジオテンシノーゲンという物質の産生を促します。また、悪玉コレステロール(LDL)が増え、善玉コレステロール(HDL)が減るという脂質の異常も生じやすくなります。これらが積み重なることで動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
📍 脂肪肝・肝機能障害
内臓脂肪が増えると、肝臓にも脂肪が蓄積しやすくなります。これが脂肪肝です。脂肪肝は放置すると肝炎や肝硬変に進行する可能性があるため、早期の対処が重要です。
💫 睡眠時無呼吸症候群
首や喉まわりに脂肪がつくと、気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こすことがあります。この状態は日中の強い眠気や集中力の低下をもたらすだけでなく、心臓や血管への負担を増大させます。
🏥 内臓脂肪を落とす食事のポイント
内臓脂肪を減らすための食事で最も重要なのは、カロリーのバランスを整えることです。摂取カロリーが消費カロリーを下回る状態(カロリー赤字)を作ることで、体に蓄積された脂肪がエネルギーとして使われるようになります。ただし、極端なカロリー制限は筋肉の分解を招き、基礎代謝を下げる逆効果になるため注意が必要です。
🦠 糖質を適切にコントロールする
糖質(炭水化物)を過剰に摂取すると、血糖値が急上昇し、インスリンが大量に分泌されます。インスリンには余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、糖質の摂りすぎは内臓脂肪の増加につながります。白米、パン、麺類、菓子類、清涼飲料水などを食べすぎないように意識することが大切です。ただし、糖質を完全にゼロにする必要はありません。急激な制限は体への負担が大きく、長続きしないこともあります。適度に控えることを意識しましょう。
👴 食物繊維を積極的に摂る
食物繊維は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。また、満腹感を高めて食べすぎを防いだり、腸内環境を整えたりする効果もあります。野菜、きのこ、海藻、豆類、雑穀などに豊富に含まれているため、毎食の中に意識的に取り入れましょう。
🔸 タンパク質をしっかり摂る
タンパク質は筋肉の材料となる栄養素です。ダイエット中でもタンパク質を十分に摂ることで、筋肉量の低下を防ぎ、基礎代謝を維持することができます。また、タンパク質は3大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の中で最も食欲を抑える効果が高いとされています。鶏むね肉、魚、卵、大豆製品、低脂肪の乳製品などを積極的に取り入れましょう。
💧 脂質の種類に注目する
脂質はカロリーが高いため過剰摂取は禁物ですが、完全にカットすることは体に悪影響を与えます。特に不飽和脂肪酸(オリーブオイルに含まれるオレイン酸、青魚に含まれるEPAやDHAなど)は、中性脂肪を下げる効果が期待できます。一方、トランス脂肪酸(マーガリンや加工食品に含まれる)や飽和脂肪酸(肉の脂身、バターなど)の過剰摂取は避けるようにしましょう。
✨ 食べ方・食べる順番も重要
食べる順番を工夫することで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。食事の最初に野菜や汁物から食べ始め、次にタンパク質(肉・魚・豆腐など)、最後に主食(米・パンなど)を食べる「ベジファースト」の習慣を意識してみましょう。また、よく噛んでゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことができます。食事は1日3回、規則正しい時間に摂ることも大切です。
📌 アルコールを控える
お酒を飲む方は、飲酒量を減らすことが内臓脂肪対策に非常に効果的です。アルコール自体のカロリーを減らすことに加え、おつまみの食べ過ぎも防ぐことができます。完全にやめる必要はありませんが、休肝日を設けたり、1日の飲酒量の目安(日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本程度)を意識したりすることが重要です。
⚠️ 内臓脂肪を落とす運動の方法
食事の見直しと並んで、運動は内臓脂肪を減らすために欠かせないアプローチです。運動には大きく分けて「有酸素運動」と「筋力トレーニング(無酸素運動)」があり、それぞれに異なる効果があります。両方をうまく組み合わせることが、内臓脂肪を効率よく落とす近道となります。
▶️ 有酸素運動で脂肪を直接燃やす
有酸素運動とは、酸素を使ってエネルギーを産生する運動のことです。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどが代表的な有酸素運動です。運動中に脂肪をエネルギーとして消費するため、内臓脂肪の減少に直接的な効果があります。
有酸素運動の目安は、週150分以上(1回30分以上を週5回など)とされています。運動の強度は「少し息が上がるが、会話ができる程度」(中等度)が脂肪燃焼に最も効果的とされています。心拍数でいうと最大心拍数の50〜70%程度が目安です。最大心拍数は「220-年齢」で計算できます。
特にウォーキングは、運動習慣がない方でも始めやすく、膝や腰への負担も比較的少ないためおすすめです。1日8000〜10000歩を目標に歩くことが推奨されています。通勤で一駅多く歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常生活に取り入れる工夫も効果的です。
🔹 筋力トレーニングで基礎代謝を上げる
筋力トレーニング(筋トレ)は、筋肉量を増やすことで基礎代謝を高め、安静時においても脂肪が燃えやすい体質を作る効果があります。運動中の脂肪燃焼量は有酸素運動には劣りますが、長期的な内臓脂肪対策には非常に重要です。
スクワット、腹筋、腕立て伏せ、ランジなどの自重トレーニングは、器具がなくても自宅で行うことができます。大きな筋肉(太もも、お尻、背中など)を鍛えることで代謝アップの効果が高くなります。週2〜3回程度、各筋肉グループに48時間程度の休息をはさみながら行うのが理想的です。
📍 HIITトレーニングの活用
HIIT(High-Intensity Interval Training:高強度インターバルトレーニング)は、高強度の運動と短い休憩を繰り返すトレーニング方法です。短時間で高い運動効果が得られることから、忙しい方に人気があります。研究によると、HIITは内臓脂肪の減少に有酸素運動と同等以上の効果があるとされています。例えば、全力でジャンピングジャック(その場でジャンプしながら手足を広げる運動)を20秒行い、10秒休む、という動作を繰り返す方法などがあります。ただし、強度が高いため、運動不足の方や体に問題がある方は医師に相談してから始めることが重要です。
💫 日常的な活動量を増やす(NEAT)
NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis:非運動性活動熱産生)とは、正式な運動以外の日常的な身体活動で消費されるカロリーのことです。立って作業する、こまめに動く、家事をする、などが含まれます。研究によると、NEATを意識的に増やすだけで1日の消費カロリーを大幅に増やせることがわかっています。長時間座りっぱなしになる場合は、1時間ごとに立ち上がって軽くストレッチするなど、意識的に体を動かすようにしましょう。

🔍 内臓脂肪に効果的な生活習慣の改善
食事と運動に加えて、日常の生活習慣を整えることも内臓脂肪対策において非常に重要です。特に睡眠とストレス管理は、ホルモンバランスを通じて脂肪の蓄積に大きく影響します。
🦠 質の高い睡眠を確保する
睡眠不足は内臓脂肪を増やす方向に働きます。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、脂肪の分解・筋肉の修復が行われます。また、睡眠が不足すると前述のようにグレリンとレプチンのバランスが崩れ、食欲が増加します。成人に必要な睡眠時間は個人差がありますが、一般的に7〜9時間とされています。就寝1時間前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室を暗くして体内時計を整えることが質の高い睡眠につながります。
👴 ストレスを適切に管理する
慢性的なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やし、内臓脂肪の蓄積を促進することが知られています。また、ストレスが食欲を増進させ、特に甘いものや脂っこいものへの欲求が高まる「ストレス食い」を引き起こすことも多いです。ストレス発散の方法は人それぞれですが、深呼吸、瞑想、趣味の時間、友人との会話など、自分に合った方法を見つけることが大切です。
🔸 禁煙・節煙
タバコを吸う方は、禁煙が内臓脂肪対策にも有効です。喫煙は内臓脂肪を増加させる一方で、善玉コレステロール(HDL)を低下させ、動脈硬化のリスクを高めます。禁煙直後は体重が増加する場合がありますが、これは主に皮下脂肪であり、長期的には内臓脂肪を含む総体脂肪量の改善につながります。
💧 定期的な体重・ウエスト計測
毎日または定期的に体重とウエスト周囲径を計測する習慣をつけることが、継続的なモチベーション維持に役立ちます。体重の変化だけでなく、ウエスト周囲径を計測することで内臓脂肪の変化をより正確に把握できます。同じ時間帯(朝起きてトイレを済ませた後など)に計測すると、データの比較がしやすくなります。
✨ 水分を十分に摂る
水分補給は代謝を維持するために欠かせません。脱水状態になると代謝が低下し、脂肪の分解効率も落ちます。1日に必要な水分量は体重や活動量によって異なりますが、成人で1.5〜2リットル程度を目安に、こまめに水や麦茶などの糖分を含まない飲み物を摂るようにしましょう。食前に水を飲むことで満腹感が得られ、食べ過ぎの防止にもなります。
📝 内臓脂肪の測定方法と目安
自分の内臓脂肪レベルを知ることが、効果的な対策の出発点となります。内臓脂肪を測定・推定する方法はいくつかあります。
📌 ウエスト周囲径(腹囲)の計測
最も手軽に内臓脂肪の蓄積を推定できる指標です。おへそのラインで測定します。メタボリックシンドロームの診断基準では、男性で85cm以上、女性で90cm以上が「内臓脂肪型肥満」の目安とされています。ただし、ウエスト周囲径はあくまでも目安であり、筋肉量や骨格などによって個人差があります。
▶️ 体組成計(体脂肪計)
家庭用・市販の体組成計の中には、内臓脂肪レベルを表示できるものがあります。電気抵抗を利用した生体インピーダンス法を使用しており、測定条件(食事や水分摂取の状況)によって数値が変動することがあるため、同じ条件下で繰り返し計測して変化を追うことが重要です。一般的に、内臓脂肪レベル9以下が標準、10以上が高めとされています(メーカーにより異なります)。
🔹 CT検査(腹部CT)
内臓脂肪を最も正確に測定できる方法です。腹部のCT画像から内臓脂肪の断面積を計算します。臍レベルの断面で内臓脂肪面積が100cm²以上を「内臓脂肪型肥満」と定義することが多いです。CT検査は医療機関でしか受けることができませんが、最も信頼性の高い測定方法です。
📍 MRI検査
MRI(磁気共鳴画像法)を使っても内臓脂肪と皮下脂肪を精密に測定することができます。放射線被曝がないという利点がありますが、費用が高く、時間もかかるため、日常的な検査として使われることは少ないです。
💫 BMIとの組み合わせ
BMI(体格指数)は体重(kg)÷身長(m)²で計算され、肥満の目安として広く使われています。日本肥満学会ではBMI 25以上を肥満としています。ただし、BMIは筋肉と脂肪を区別しないため、BMIが正常でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の場合があります。ウエスト周囲径や体組成計と組み合わせて評価することが重要です。

💡 医療機関でできる内臓脂肪へのアプローチ
食事や運動、生活習慣の改善を続けても思うように内臓脂肪が減らない場合や、よりスピーディーに、かつ安全に結果を出したい場合は、医療機関でのサポートを検討することも一つの選択肢です。
🦠 医師による生活習慣指導
内科やダイエット外来では、血液検査やCT検査などで内臓脂肪の状態を正確に評価したうえで、個人に合わせた食事・運動指導を受けることができます。管理栄養士や健康運動指導士など専門家と連携したサポートを受けることで、より効果的に内臓脂肪を減らすことができます。
👴 肥満治療薬(GLP-1受容体作動薬など)
近年、肥満治療や2型糖尿病治療として注目されているGLP-1受容体作動薬は、食欲を抑制し、血糖値の上昇を抑える効果があります。医師の処方のもとで使用することで、食事・運動だけでは難しい場合の体重・内臓脂肪の減少をサポートする効果が期待できます。ただし、副作用(吐き気、便秘など)が出ることもあり、適応は医師が判断します。自己判断での使用は危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。
🔸 脂肪溶解注射(メソセラピー)
脂肪溶解注射は、脂肪細胞を破壊・溶解する薬剤(ホスファチジルコリンなど)を脂肪が気になる部位に注射する施術です。主に皮下脂肪に対して効果を発揮するため、内臓脂肪に対して直接作用するわけではありませんが、部分的な体型改善に活用できる場合があります。施術はクリニックで行い、医師の診察のもとで適切な治療を受けることが重要です。
💧 脂肪冷却・高周波治療など
美容医療クリニックでは、脂肪を冷却して死滅させる「クールスカルプティング(脂肪冷却)」や、高周波やラジオ波を使って脂肪を温めて代謝を促進する「ハイフ(HIFU)」「ラジオ波治療」などのノンサージカル(非手術的)な脂肪へのアプローチが行われています。これらは主に皮下脂肪への作用が中心となりますが、体型の改善や脂肪の減少に効果が期待できる場合があります。施術の適応や効果は個人差がありますので、事前のカウンセリングで十分に確認しましょう。
✨ 定期的な健康診断の活用
毎年の健康診断では、腹囲・体重・血圧・血糖値・コレステロール値などが測定されます。これらの数値を経年的に追うことで、内臓脂肪の変化を間接的に把握することができます。数値に異常が見られる場合は、医師に相談して早めに対策を始めることが大切です。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、健康診断でメタボリックシンドロームや内臓脂肪の蓄積を指摘されたことをきっかけに受診される患者様が多く、「何から始めればよいかわからない」とお悩みの方が少なくありません。内臓脂肪は皮下脂肪と比べて代謝が活発で減らしやすい特性がありますので、食事・運動・睡眠といった生活習慣を無理なく組み合わせて整えていくことが、着実な改善への近道です。一人で抱え込まず、数値が気になった段階で早めにご相談いただくことで、より安全に・効果的にサポートできますので、どうぞお気軽にご来院ください。」
✨ よくある質問
内臓脂肪の方が落としやすいです。内臓脂肪はエネルギーの出し入れが活発で、食事制限や運動によって比較的すばやく分解される特性があります。一方、皮下脂肪は一度ついてしまうと落ちにくい性質を持っています。正しいアプローチを続けることで、内臓脂肪は比較的短期間で変化を感じられることがあります。
有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが最も効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脂肪を直接燃やし、週150分以上(1回30分×週5回など)が目安です。筋力トレーニングは筋肉量を増やして基礎代謝を高める効果があります。両方をバランスよく取り入れることが内臓脂肪を効率よく減らす近道です。
睡眠不足になると、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増え、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減少するため、食べ過ぎにつながりやすくなります。また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も促され、内臓脂肪の蓄積が進みます。成人は1日7〜9時間の睡眠を確保することが推奨されています。
自宅でできる方法として、おへそのラインでのウエスト周囲径の計測と、内臓脂肪レベルを表示できる体組成計の活用があります。メタボリックシンドロームの目安は男性85cm以上・女性90cm以上です。ただし、最も正確な測定はCT検査で行えますので、より詳しく知りたい場合は医療機関への相談をおすすめします。
食事管理だけでもある程度の効果は期待できますが、運動・生活習慣の改善も組み合わせることがより効果的です。食事面では糖質・カロリーを適切にコントロールし、食物繊維やタンパク質を積極的に摂ることが重要です。一人での取り組みに限界を感じる場合は、当院のダイエット外来など医療機関への相談も選択肢の一つです。
📌 まとめ
内臓脂肪は生活習慣病の大きなリスク要因ですが、適切な食事・運動・生活習慣の改善によって効率よく減らすことが可能です。皮下脂肪と比べて代謝が活発なため、正しい方法で取り組めば比較的短期間で変化を感じられることもあります。
食事面では、カロリーを適切にコントロールしながら食物繊維・タンパク質を積極的に摂り、糖質や脂質の質と量に気をつけることが大切です。運動面では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせ、日常的な活動量も増やすことが効果的です。生活習慣では、十分な睡眠、ストレス管理、節酒・禁煙が内臓脂肪の蓄積を防ぐ重要な要素となります。
どれか一つだけを頑張るよりも、食事・運動・生活習慣の3つをバランスよく改善することが、内臓脂肪を落とすうえで最も効果的なアプローチです。一度にすべてを完璧にしようとせず、できることから少しずつ始めてみることが、長期的な成功につながります。自分だけでは難しいと感じる場合は、医療機関のダイエット外来や専門クリニックに相談することも、ぜひ検討してみてください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – メタボリックシンドロームの診断基準(腹囲・血圧・血糖・脂質の判定値)、生活習慣病予防のための食事・運動・睡眠に関する指針、健康日本21における身体活動推進に関する情報
- WHO(世界保健機関) – 肥満・過体重の世界的定義(BMI基準値)、身体活動の推奨量(週150分以上の中等度有酸素運動)、肥満と2型糖尿病・高血圧・動脈硬化との関連に関するエビデンス
- PubMed – 内臓脂肪減少に対する有酸素運動・HIITトレーニング・食事介入の効果、GLP-1受容体作動薬の肥満治療における臨床エビデンス、睡眠不足とグレリン・レプチンバランスおよび内臓脂肪蓄積との関連研究
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務