多くの女性が経験する生理前のニキビ。毎月決まった時期に肌荒れが起こることで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。生理前に起こる肌トラブルは、ホルモンバランスの変化が大きく関わっており、適切な予防とケアを行うことで症状を軽減できます。今回は、生理前ニキビの原因から具体的な予防法まで、皮膚科医の観点から詳しく解説いたします。
目次
- 生理前ニキビの基本的なメカニズム
- ホルモンバランスと肌への影響
- 生理前ニキビの特徴と症状
- 効果的な予防方法
- 日常生活でできるケア方法
- スキンケアの見直しポイント
- 食生活と生理前ニキビの関係
- ストレス管理の重要性
- 医療機関での治療選択肢
- まとめ

🎯 生理前ニキビの基本的なメカニズム
生理前にニキビができやすくなる現象は、医学的には「月経前症候群(PMS)」の皮膚症状として位置づけられています。この現象は、月経周期に伴うホルモンの変動が皮脂腺の働きに影響を与えることで起こります。
女性の月経周期は約28日で、この期間中にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が大きく変動します。特に排卵後から月経開始までの黄体期と呼ばれる期間では、プロゲステロンの分泌が増加し、このホルモンが皮脂の産生を促進する作用があります。
皮脂の過剰分泌により、毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)の増殖が促進されます。この結果、炎症を伴うニキビが形成されるのです。さらに、ホルモンバランスの変化により、角質層の新陳代謝も乱れがちになり、古い角質が毛穴に詰まりやすくなることも、ニキビ形成に拍車をかけます。
また、生理前には体内の水分バランスも変化し、むくみやすくなるとともに、肌のバリア機能も低下する傾向があります。これにより、外部刺激に対する肌の抵抗力が弱くなり、ニキビができやすい環境が整ってしまうのです。
📋 ホルモンバランスと肌への影響
月経周期におけるホルモンの変動を詳しく理解することは、生理前ニキビの予防において非常に重要です。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、それぞれ異なる作用を持ち、肌の状態に大きな影響を与えます。
エストロゲンは、肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成を促進し、皮脂の分泌を抑制する働きがあります。月経終了後から排卵前までの卵胞期には、エストロゲンの分泌が増加するため、多くの女性が肌の調子の良さを実感します。この時期は、肌のキメが整い、透明感も増す傾向にあります。
一方、プロゲステロンは妊娠に備えて体を準備するホルモンであり、皮脂腺を刺激して皮脂分泌を増加させる作用があります。排卵後の黄体期にプロゲステロンの分泌が増えると、皮脂の分泌量が通常の約2倍になることもあります。このため、Tゾーンを中心に肌がべたつきやすくなり、毛穴の詰まりが起こりやすくなります。
さらに、プロゲステロンには体温を上昇させる作用もあり、これが皮脂腺の活動をさらに活発化させます。同時に、角質層の水分保持能力が低下するため、肌表面は皮脂でべたついているにも関わらず、内部は乾燥している状態になることもあります。
男性ホルモンであるアンドロゲンの影響も無視できません。女性の体内でも少量のアンドロゲンが分泌されており、ストレスや生活習慣の乱れによってその分泌量が増加することがあります。アンドロゲンは皮脂腺を刺激する強力な作用を持つため、生理前のホルモンバランスの乱れと相まって、ニキビの悪化を招く可能性があります。
💊 生理前ニキビの特徴と症状
生理前に現れるニキビには、通常のニキビとは異なる特徴的な症状や出現パターンがあります。これらの特徴を理解することで、適切な対策を立てることが可能になります。
生理前ニキビの最も顕著な特徴は、その出現時期の規則性です。多くの場合、排卵後から月経開始前の約7~14日間に集中して現れます。この時期は黄体期と呼ばれ、プロゲステロンの分泌が最も活発になる期間と一致しています。
出現部位についても特徴があります。生理前ニキビは、顔の下半分、特にフェイスライン、顎、口周りに多く見られます。これらの部位は男性ホルモンの影響を受けやすい場所として知られており、プロゲステロンの作用によってより敏感に反応するためです。額や鼻などのTゾーンにも現れることがありますが、フェイスライン周辺ほど顕著ではありません。
ニキビの種類としては、炎症を伴う赤ニキビや膿を持った黄ニキビが多く見られます。これは、皮脂の過剰分泌により毛穴が詰まり、アクネ菌の増殖が促進されるためです。また、同じ部位に繰り返しできる傾向があり、治りにくく、色素沈着や瘢痕を残しやすいという特徴もあります。
痛みを伴うことも生理前ニキビの特徴の一つです。通常のニキビと比較して、触れると痛みを感じることが多く、化粧やマスクの着用時に不快感を覚える方も少なくありません。これは、ホルモンの影響により炎症が強く起こりやすいためです。
肌全体の変化としては、皮脂分泌の増加により肌がべたつきやすくなる一方で、角質層の水分保持能力が低下するため、部分的に乾燥を感じることもあります。また、肌の敏感性が高まるため、普段使用している化粧品でも刺激を感じやすくなる場合があります。
🏥 効果的な予防方法
生理前ニキビの予防には、ホルモンバランスの変化を前提とした包括的なアプローチが必要です。単一の方法ではなく、複数の対策を組み合わせることで、より効果的な予防が可能になります。
まず重要なのは、自分の月経周期を正確に把握することです。基礎体温の測定や月経周期の記録を通じて、ホルモンバランスの変化パターンを理解しましょう。排卵日から月経開始までの期間を特に注意深く観察し、肌の変化を記録することで、予防策を講じるタイミングが明確になります。
黄体期に入る前、つまり排卵の時期から予防的なケアを開始することが効果的です。この時期から皮脂コントロールを意識したスキンケアに切り替え、毛穴の詰まりを予防することが重要です。具体的には、洗顔の頻度を調整し、皮脂吸収力の高いクレイマスクや酵素洗顔を週に1~2回取り入れることが推奨されます。
生活リズムの規則正しい維持も予防の基本です。十分な睡眠時間の確保は、ホルモンバランスの安定に直接関わります。理想的には22時から2時までの成長ホルモン分泌が活発になる時間帯に深い睡眠を取ることが望ましいです。睡眠不足は男性ホルモンの分泌を促進し、皮脂産生を増加させるため、特に黄体期には注意が必要です。
適度な運動習慣も効果的な予防策の一つです。有酸素運動は血行を促進し、老廃物の排出を助けます。また、運動によってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、ホルモンバランスの安定化に寄与します。ただし、激しすぎる運動は逆にストレスとなる可能性があるため、ウォーキングやヨガなどの軽度から中等度の運動が推奨されます。
水分摂取量の調整も重要です。生理前は体が水分を保持しやすくなりますが、十分な水分摂取は老廃物の排出と新陳代謝の促進に必要です。一日に1.5~2リットル程度の水分摂取を心がけ、カフェインや糖分の多い飲料は控えめにすることが望ましいです。
⚠️ 日常生活でできるケア方法
生理前ニキビの予防において、毎日の生活習慣の見直しは非常に重要な要素です。特別な治療や高価な製品を使わなくても、日常的な行動の改善だけで大きな効果を得ることができます。
洗顔は最も基本的なケアですが、生理前の肌状態に合わせた調整が必要です。黄体期に入ったら、朝晩の洗顔に加えて、昼食後など皮脂が気になる時間帯に水洗顔を取り入れることを検討してください。ただし、過度の洗顔は皮脂の過剰分泌を招く可能性があるため、洗顔料を使用するのは朝晩の2回までに留めることが重要です。
洗顔時の水温は32~34度程度のぬるま湯が理想的です。熱すぎる湯は必要な皮脂まで除去してしまい、冷たすぎる水は皮脂が固まって毛穴詰まりの原因となります。洗顔料は手のひらでしっかりと泡立て、肌を擦らずに泡で包み込むように優しく洗うことが大切です。
タオルの使用方法にも注意が必要です。洗顔後は清潔なタオルで優しく押し当てるように水分を取り除き、決して擦らないようにしてください。家族と共用のタオルは雑菌の温床となる可能性があるため、個人専用のフェイスタオルを使用することを強く推奨します。
寝具の清潔さも見落としがちな重要なポイントです。枕カバーは毎日、シーツは少なくとも週に2回は交換することが理想的です。特に枕カバーは顔に直接触れるため、清潔さを保つことでニキビの原因となる雑菌の繁殖を防ぐことができます。シルクや竹繊維など、抗菌性の高い素材の使用も効果的です。
手指の清潔さも重要です。無意識に顔を触る習慣がある方は、この行動を控えるよう意識してください。手には多くの雑菌が付着しており、これらが肌に移ることでニキビの悪化を招く可能性があります。また、既にできているニキビを触ったり潰したりする行為は絶対に避けてください。
化粧品や日用品の見直しも効果的です。ヘアケア製品が顔に付着することでニキビを引き起こすことがあるため、洗髪時は顔に泡が付かないよう注意し、洗髪後は必ず洗顔を行ってください。また、前髪や髪の毛が顔に触れることも刺激となるため、生理前は髪をまとめるなどの工夫をすることが推奨されます。
🔍 スキンケアの見直しポイント
生理前の肌状態の変化に対応するため、普段のスキンケアルーティンを月経周期に合わせて調整することが効果的です。画一的なケア方法ではなく、ホルモンバランスの変化を考慮したフレキシブルなアプローチが求められます。
クレンジングの選択と方法は特に重要です。黄体期には皮脂分泌が増加するため、オイルクレンジングよりもクリームタイプやジェルタイプのクレンジングが適している場合があります。これらのタイプは過度に皮脂を除去することなく、適度な洗浄力を維持できるためです。また、クレンジング時間は短めにし、長時間肌に製品を乗せたままにしないよう注意してください。
化粧水の選択においては、収れん作用のあるもの、つまり毛穴を引き締める効果のあるタイプを検討してください。ハマメリスエキスやイソプロピルメチルフェノールなどの成分が配合された化粧水は、皮脂コントロールに効果的です。ただし、アルコール濃度の高い製品は肌の乾燥を招く可能性があるため、適度な濃度のものを選ぶことが重要です。
保湿ケアでは、部位別のアプローチが効果的です。皮脂分泌の多いTゾーンには軽いテクスチャーのジェルタイプの保湿剤を、乾燥しやすい頬や目元には通常の保湿クリームを使用するなど、肌の状態に応じて使い分けることが推奨されます。
週に1~2回のスペシャルケアとして、クレイマスクの使用を検討してください。ベントナイトやカオリンなどの天然クレイは、過剰な皮脂を吸着し、毛穴の詰まりを予防する効果があります。ただし、使用後は必ず十分な保湿を行い、肌の乾燥を防ぐことが重要です。
ピーリング成分の使用は慎重に検討する必要があります。サリチル酸やグリコール酸などのAHA・BHAは毛穴の詰まり解消に効果的ですが、生理前の敏感になった肌には刺激が強すぎる場合があります。使用する場合は低濃度のものから始め、肌の反応を確認しながら頻度を調整してください。
日中のケアとしては、皮脂吸収シートの活用が効果的です。ただし、過度の使用は皮脂の過剰分泌を招く可能性があるため、1日2~3回程度の使用に留めることが望ましいです。また、使用後は軽い保湿も忘れずに行ってください。
📝 食生活と生理前ニキビの関係
食生活は生理前ニキビの発生や悪化に大きく影響する要素の一つです。特定の栄養素の過不足や食べ物の選択が、ホルモンバランスや皮脂分泌に直接的な影響を与えるため、意識的な食生活の改善は重要な予防策となります。
糖質の摂取については特に注意が必要です。精製された糖質や高血糖インデックス食品の摂取は、血糖値の急激な上昇を招き、これがインスリンの過剰分泌を引き起こします。インスリンは間接的に男性ホルモンの分泌を促進し、皮脂産生を増加させる作用があります。生理前の期間は特に甘いものへの欲求が高まりがちですが、この時期こそ糖質の摂取量をコントロールすることが重要です。
代替として、低血糖インデックス食品を積極的に摂取することを推奨します。玄米、全粒粉パン、オートミールなどの複合炭水化物は、血糖値の緩やかな上昇を促し、ホルモンバランスの安定に寄与します。また、これらの食品に含まれるビタミンB群は、皮脂のコントロールにも効果的です。
脂質の質にも注目する必要があります。飽和脂肪酸の多い食品(揚げ物、加工肉、乳製品など)の過剰摂取は炎症を促進し、ニキビの悪化を招く可能性があります。一方、オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚類、亜麻仁油、チアシードなどは抗炎症作用があり、肌の健康維持に効果的です。
乳製品とニキビの関係についても理解しておく必要があります。一部の研究では、乳製品の摂取がニキビの悪化と関連があることが示されています。これは、乳製品に含まれる成長ホルモンや、乳糖の代謝過程で生じる物質がホルモンバランスに影響を与える可能性があるためです。生理前の期間は特に、乳製品の摂取量を控えめにすることを検討してください。
亜鉛は皮膚の健康維持に重要な栄養素です。亜鉛不足は皮膚の再生能力を低下させ、ニキビの治癒を遅らせる可能性があります。牡蠣、赤身肉、かぼちゃの種、ナッツ類などに豊富に含まれているため、これらの食品を意識的に摂取することが推奨されます。
ビタミンAも皮膚の健康に不可欠です。ベータカロテンを多く含む緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど)の摂取は、皮膚の新陳代謝を促進し、毛穴の詰まりを予防する効果があります。ただし、動物性ビタミンAの過剰摂取は副作用のリスクがあるため、植物性のベータカロテンから摂取することが安全です。
水分摂取も重要な要素です。十分な水分摂取は体内の老廃物の排出を促進し、肌の新陳代謝をサポートします。ただし、カフェインの過剰摂取はストレスホルモンの分泌を促進し、ニキビの悪化を招く可能性があるため、コーヒーや紅茶の摂取量は適度に控えることが望ましいです。
💡 ストレス管理の重要性
ストレスは生理前ニキビの発生と悪化に大きく関わる要因の一つです。慢性的なストレス状態は、ホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を促進するだけでなく、肌のバリア機能を低下させ、ニキビのできやすい環境を作り出します。
ストレスが肌に与える影響のメカニズムを理解することは重要です。ストレスを感じると、副腎からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは短期的には体を守る重要な機能を果たしますが、長期間の分泌は男性ホルモンの分泌を促進し、皮脂腺を刺激します。さらに、コルチゾールは肌の再生能力を低下させ、炎症を長引かせる作用もあります。
現代社会において完全にストレスを避けることは困難ですが、適切なストレス管理技術を身につけることで、その影響を最小限に抑えることは可能です。深呼吸や瞑想などのリラクゼーション技法は、副交感神経を活性化し、ストレスホルモンの分泌を抑制する効果があります。
定期的な運動はストレス管理において非常に効果的です。運動により分泌されるエンドルフィンは自然な鎮痛・抗うつ作用があり、ストレスを軽減します。また、運動は血行を促進し、酸素と栄養素の肌への供給を改善します。ただし、過度な運動は逆にストレスとなる可能性があるため、自分の体力に合った適度な強度の運動を選択することが重要です。
睡眠の質の向上もストレス管理の重要な要素です。睡眠不足は直接的にストレスホルモンの分泌を増加させ、同時に成長ホルモンの分泌を阻害します。成長ホルモンは皮膚の修復と再生に重要な役割を果たすため、その分泌不足はニキビの治癒を遅らせます。理想的には7~8時間の質の良い睡眠を確保することが推奨されます。
時間管理とスケジュール調整も効果的なストレス管理法です。特に生理前の期間は、無理なスケジュールを組まず、余裕を持った時間配分を心がけることが重要です。この時期は心身ともに敏感になりやすいため、普段以上にセルフケアの時間を確保することが推奨されます。
社会的サポートの活用も見落としがちな重要な要素です。家族や友人との良好な関係は、ストレス軽減に大きく貢献します。悩みや不安を共有できる相手がいることで、心理的負担が軽減され、結果として肌の状態も改善することがあります。
リラクゼーション活動への参加も効果的です。アロマテラピー、マッサージ、ヨガなどは、直接的なリラクゼーション効果に加えて、自分自身へのケアの時間を確保することで心理的な満足感も得られます。特にアロマテラピーにおいては、ラベンダーやティーツリーなどの精油に抗菌・抗炎症作用があるため、ニキビケアとしても一石二鳥の効果が期待できます。
✨ 医療機関での治療選択肢
セルフケアだけでは改善が困難な生理前ニキビの場合、医療機関での専門的な治療を検討することが重要です。皮膚科では、個人の症状や肌質に応じた多様な治療選択肢が用意されており、より効果的で安全な治療が可能です。
外用薬治療は最も一般的な治療法の一つです。レチノイド系薬剤(トレチノイン、アダパレンなど)は、毛穴の詰まりを解消し、皮膚の新陳代謝を促進する効果があります。これらの薬剤は、生理前ニキビの根本的な原因である毛穴の閉塞に直接的に作用するため、予防効果も期待できます。ただし、使用開始時には皮膚の乾燥や赤みなどの副作用が現れることがあるため、医師の指導のもとで段階的に使用量を増やしていくことが重要です。
抗菌薬の外用も効果的な治療選択肢です。クリンダマイシンやエリスロマイシンなどの外用抗菌薬は、アクネ菌の増殖を抑制し、炎症の軽減に効果があります。特に炎症性のニキビが多い場合には、レチノイド系薬剤との併用療法が行われることもあります。
内服薬治療では、抗生物質が第一選択として使用されることが多くあります。テトラサイクリン系やマクロライド系の抗生物質は、アクネ菌に対する抗菌作用に加えて、抗炎症作用も有しています。ただし、長期間の使用では耐性菌の出現のリスクがあるため、適切な期間での使用が重要です。
ホルモン療法は、生理前ニキビに対して特に効果的な治療法です。低用量ピル(経口避妊薬)は、エストロゲンとプロゲスチンの組み合わせにより、ホルモンバランスを安定化させる効果があります。特に第3世代・第4世代のプロゲスチンを含む製剤は、男性ホルモン様作用が少なく、ニキビの改善に効果的とされています。ただし、血栓症などのリスクもあるため、医師との十分な相談が必要です。
スピロノラクトンは、男性ホルモンの作用を阻害する効果がある利尿薬ですが、ニキビ治療としても使用されています。特に大人の女性のニキビ、特に生理前に悪化するタイプのニキビに効果的とされています。ただし、血圧や電解質バランスへの影響があるため、定期的な血液検査が必要です。
重症例では、イソトレチノイン(ロアキュタン)の使用が検討されることもあります。これは皮脂腺そのものを縮小させる強力な効果を持つ薬剤ですが、重篤な副作用のリスクもあるため、他の治療法で効果が得られない場合の最後の選択肢として位置づけられています。
物理的治療法として、ケミカルピーリングやレーザー治療も選択肢となります。ケミカルピーリングでは、グリコール酸やサリチル酸などを使用して角質層を除去し、毛穴の詰まりを解消します。レーザー治療では、特定の波長の光を使用してアクネ菌を殺菌したり、皮脂腺の活動を抑制したりする効果があります。
アイシークリニック東京院では、これらの治療選択肢を患者様の症状、肌質、ライフスタイルに応じて組み合わせ、最適な治療プランを提供しています。また、治療効果を最大化するため、日常生活でのスキンケア指導も併せて行い、包括的なニキビ治療を実施しています。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では生理前のニキビでお悩みの患者様が非常に多くいらっしゃいますが、約7割の方がホルモンバランスの変化に合わせたスキンケアの調整と生活習慣の見直しで改善を実感されています。特に重要なのは、排卵後から予防的なケアを開始することと、ご自身の月経周期をしっかりと把握していただくことです。セルフケアでの改善が難しい場合は、ホルモン療法や外用薬など個人の症状に応じた治療選択肢もございますので、お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
排卵後から月経開始前の約7~14日間(黄体期)に最もできやすくなります。この時期はプロゲステロンの分泌が活発になり、皮脂分泌が通常の約2倍に増加するためです。基礎体温の測定や月経周期の記録で自分のパターンを把握し、排卵時期から予防的ケアを開始することが効果的です。
フェイスライン、顎、口周りなど顔の下半分に多く現れます。これらの部位は男性ホルモンの影響を受けやすく、プロゲステロンの作用により敏感に反応するためです。炎症を伴う赤ニキビや膿を持った黄ニキビが多く、同じ部位に繰り返しできやすく、痛みを伴うことが特徴です。
黄体期に入ったら皮脂コントロールを意識したケアに切り替えることが重要です。収れん作用のある化粧水の使用、部位別の保湿(Tゾーンは軽いジェル、乾燥部分はクリーム)、週1~2回のクレイマスクが効果的です。ただし、過度な洗顔は皮脂の過剰分泌を招くため、洗顔料の使用は朝晩2回までに留めてください。
良い食べ物は、玄米や全粒粉パンなどの低血糖インデックス食品、オメガ3脂肪酸を含む魚類、亜鉛豊富な牡蠣やナッツ類、ベータカロテンを含む緑黄色野菜です。避けるべきは精製糖質、揚げ物、乳製品の過剰摂取です。これらはホルモンバランスに影響し、皮脂分泌や炎症を促進する可能性があります。
当院では個人の症状に応じて、レチノイド系外用薬、抗菌薬、ホルモン療法(低用量ピル)、ケミカルピーリングなどの治療選択肢をご提供しています。特に生理前ニキビにはホルモン療法が効果的ですが、血栓症などのリスクもあるため、十分な相談の上で治療方針を決定いたします。お一人で悩まずにご相談ください。

📌 まとめ
生理前ニキビは、多くの女性が経験する一般的な肌トラブルですが、そのメカニズムを理解し、適切な予防策と対処法を実践することで、症状の軽減や予防が可能です。
最も重要なポイントは、生理前ニキビがホルモンバランスの自然な変化によって引き起こされる現象であることを理解することです。この理解に基づいて、月経周期に合わせたスキンケアの調整、生活習慣の改善、ストレス管理を実践することで、大きな改善効果が期待できます。
日常的に実践できる予防策としては、規則正しい生活リズムの維持、適切なスキンケア、バランスの取れた食生活、十分な睡眠、適度な運動、効果的なストレス管理などが挙げられます。これらの基本的な対策を継続することで、生理前の肌トラブルを最小限に抑えることが可能です。
セルフケアで十分な改善が得られない場合は、専門医療機関での治療を検討することが重要です。現代の皮膚科学では、生理前ニキビに対して効果的な治療選択肢が多数用意されており、個人の症状に応じたオーダーメイドの治療が可能です。
生理前ニキビでお悩みの方は、一人で悩まず、専門的な知識と経験を持つ医療機関での相談を検討してください。適切な診断と治療により、健康で美しい肌を維持することができます。継続的なケアと専門的なサポートにより、生理前の肌トラブルから解放され、より快適な日々を過ごすことができるでしょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性痤瘡治療ガイドライン2017。ニキビの病態生理、ホルモンとの関連、標準的治療法について詳細に記載されており、記事で述べられているアクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)の役割、外用薬・内服薬治療、ホルモン療法の科学的根拠となる情報が含まれています。
- 厚生労働省 – 国民健康・栄養調査結果。記事で言及している食生活とニキビの関係、特に糖質摂取や栄養バランスが皮膚の健康に与える影響について、国民の食生活実態と健康への影響に関する公的データを参照できます。
- PubMed – 月経周期とニキビ、ホルモンバランスと皮脂分泌の関係に関する国際的な医学論文データベース。記事で詳述されているエストロゲン・プロゲステロンの皮膚への影響、生理前症候群(PMS)の皮膚症状、ストレスとニキビの関連性について、最新の研究結果と科学的エビデンスを提供しています。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務