「花粉症の季節が終わったのに、鼻づまりや頭重感がなかなか治まらない」「鼻水の色が黄色くなってきた」そんな経験はありませんか。実は、花粉シーズンが終わった後は副鼻腔炎が発症・悪化しやすい時期でもあります。花粉症による慢性的な炎症が副鼻腔に波及し、気づかないうちに副鼻腔炎へと移行するケースは少なくありません。この記事では、花粉後に副鼻腔炎になりやすい理由から症状の見分け方、予防と対策まで、医療的な観点からわかりやすくお伝えします。
目次
- 副鼻腔炎とはどんな病気か
- 花粉症と副鼻腔炎の関係性
- 花粉後に副鼻腔炎になりやすい理由
- 花粉症との症状の違いと見分け方
- 副鼻腔炎が慢性化するリスク
- 花粉後の副鼻腔炎を予防するためのポイント
- 副鼻腔炎の治療法について
- 日常生活でできるセルフケア
- こんな症状があれば早めに受診を
- まとめ

🎯 副鼻腔炎とはどんな病気か
副鼻腔炎とは、顔の骨の中に存在する「副鼻腔」と呼ばれる空洞が炎症を起こした状態を指します。副鼻腔は鼻腔(鼻の内側の空間)とつながっており、左右の頬の内側にある「上顎洞」、眉間の奥にある「篩骨洞(しこつどう)」、おでこの内側にある「前頭洞」、鼻の奥深くにある「蝶形骨洞」の合計4種類が存在します。これらはいずれも薄い粘膜で覆われており、通常は空気で満たされています。
何らかの原因でこれらの空洞に炎症が生じると、粘膜が腫れ、膿が溜まりやすくなります。この状態が副鼻腔炎です。一般的に「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれることもありますが、医学的には副鼻腔炎という名称が正確です。
副鼻腔炎は発症からの期間によって分類されます。発症から4週間以内のものを「急性副鼻腔炎」、症状が3か月以上続くものを「慢性副鼻腔炎」と呼びます。急性副鼻腔炎は適切に治療すれば比較的早く回復しますが、治療が不十分だったり繰り返し発症したりすると慢性化することがあります。
副鼻腔炎の主な原因としては、細菌やウイルスによる感染、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、鼻中隔弯曲症(鼻の仕切りが歪んでいる状態)、歯の根の炎症、鼻ポリープなどが挙げられます。なかでも近年注目されているのが、アレルギー性鼻炎を背景とした副鼻腔炎の増加です。
📋 花粉症と副鼻腔炎の関係性
花粉症はアレルギー性鼻炎の一種であり、スギやヒノキなどの花粉が鼻の粘膜に付着することで免疫反応が過剰に起こり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状があらわれる疾患です。一見すると副鼻腔炎とは別の病気に思えますが、両者には密接な関係があります。
花粉症による鼻の炎症が続くと、鼻腔と副鼻腔をつなぐ細い通路(自然口と呼ばれる部分)が腫れてふさがりやすくなります。この通路が閉じてしまうと、副鼻腔内に溜まった分泌物が外に排出されなくなり、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。これが副鼻腔炎へとつながる典型的なメカニズムです。
また、花粉症によって鼻の粘膜が長期にわたって炎症を起こしている状態では、粘膜の防御機能が低下します。通常であれば外部から入ってきた細菌やウイルスを排除できる粘膜が弱くなることで、感染症にかかりやすくなり、副鼻腔炎を引き起こすリスクが高まります。
さらに、花粉症と副鼻腔炎が同時に存在する「アレルギー性副鼻腔炎」という状態もあります。この場合、花粉に対するアレルギー反応そのものが副鼻腔にまで広がり、炎症が持続します。花粉シーズン中はもちろん、シーズン終了後も粘膜の状態が回復しきれていない場合に問題が起きやすくなります。
💊 花粉後に副鼻腔炎になりやすい理由
花粉シーズンが終わった後に副鼻腔炎になりやすい理由は複数あります。それぞれのメカニズムを理解することで、なぜこの時期に注意が必要なのかがよくわかります。
🦠 粘膜の炎症が回復しきっていない
花粉シーズン中、鼻の粘膜は長期にわたって炎症にさらされています。スギ花粉の場合、例年2月から4月頃にかけてピークを迎えますが、その間、粘膜は慢性的なダメージを受け続けます。花粉の飛散が終わったからといって、粘膜の炎症がすぐに治まるわけではありません。ダメージを受けた粘膜は数週間から数か月にわたって回復の途中にあり、その間は感染に対して脆弱な状態が続きます。
👴 副鼻腔の排出機能が低下している
花粉症によって鼻粘膜が腫れると、副鼻腔の自然口(副鼻腔と鼻腔をつなぐ出口)が狭くなります。この状態が長期間続くと、副鼻腔内の分泌物が適切に排出されなくなります。花粉シーズンが終わっても、腫れが完全に引くまでの間はこの排出機能の低下が続き、副鼻腔内に分泌物が溜まりやすい状態が続きます。
🔸 季節の変わり目による免疫力の変化
花粉シーズンが終わる春から初夏にかけては、気温や湿度の変化が激しい時期でもあります。寒暖差が大きい時期は自律神経のバランスが乱れやすく、免疫機能にも影響を与えることがあります。免疫力が一時的に低下したタイミングで細菌やウイルスに感染すると、すでに炎症が続いている副鼻腔でさらに感染が起きやすくなります。
💧 花粉症の治療を途中でやめてしまう
花粉の飛散量が減ると症状が軽くなるため、薬の服用を自己判断でやめてしまう方が少なくありません。しかし粘膜の回復には時間がかかるため、症状が感じられなくなった後も一定期間は治療を継続することが大切です。治療を途中でやめることで粘膜の回復が遅れ、その後の副鼻腔炎リスクが高まることがあります。
✨ 黄砂やPM2.5などの飛散
春先は花粉だけでなく、黄砂やPM2.5(微小粒子状物質)の飛散量も増加します。これらの微粒子は鼻の粘膜にさらなる刺激を与え、既に炎症が生じている粘膜のダメージを悪化させることがあります。花粉が終わった後も黄砂やPM2.5が飛散している間は、粘膜への負担が続きます。
📌 風邪やウイルス感染との重複
花粉シーズン後の春から夏にかけては、さまざまなウイルスが流行する時期でもあります。花粉症で弱った粘膜にウイルス感染が重なると、そこから細菌が二次感染を起こし、副鼻腔炎へと進展するケースがあります。これは急性副鼻腔炎の中でも特に多い発症パターンのひとつです。
🏥 花粉症との症状の違いと見分け方
花粉症が続いているのか、副鼻腔炎になっているのかを自分で判断するのは難しい面もありますが、いくつかの症状の違いをチェックすることである程度見分けることができます。
まず、鼻水の性状に注目してください。花粉症による鼻水は一般的にさらっとした水っぽい透明な鼻水であることが多いです。一方、副鼻腔炎になると鼻水が粘り気を帯びてきたり、黄色や緑色に変化したりすることがあります。これは細菌が増殖して膿が混じるためです。
次に、痛みや圧迫感についてです。花粉症では顔面に痛みや圧迫感が生じることはあまりありませんが、副鼻腔炎では頬や額、目の周り、おでこなどに鈍い痛みや重だるい感覚を覚えることがあります。特に前かがみになったときや、頭を動かしたときに症状が悪化する場合は副鼻腔炎が疑われます。
嗅覚の変化も重要なサインです。花粉症でも鼻づまりが強ければ匂いを感じにくくなることはありますが、副鼻腔炎では炎症による粘膜のむくみや、膿が溜まることで嗅覚が著しく低下することがあります。花粉シーズンが終わったにもかかわらず、匂いが感じにくい状態が続く場合は受診を検討してください。
後鼻漏(こうびろう)と呼ばれる症状も副鼻腔炎に特徴的です。これは副鼻腔から鼻の奥を通って喉の方へ粘液が落ちてくる症状で、喉に痰が絡む感じ、咳が続く、口臭が気になるなどの不快感を伴うことがあります。特に夜間や朝方に咳き込みやすい場合は後鼻漏が疑われます。
発熱については、急性副鼻腔炎の場合は38度前後の発熱を伴うことがあります。花粉症では通常発熱は起こらないため、花粉シーズン終了後に発熱と鼻症状が重なった場合は、副鼻腔炎(または他の感染症)の可能性が高くなります。
全身症状として、倦怠感や疲労感が強まっている場合も注意が必要です。副鼻腔内に炎症や感染が起きていると、体全体に炎症の影響が及び、花粉症のときよりも強いだるさや疲れを感じることがあります。
⚠️ 副鼻腔炎が慢性化するリスク
副鼻腔炎は適切に治療を行えば多くの場合回復しますが、治療が不十分だったり繰り返し発症したりすると慢性化する恐れがあります。慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎と比べると症状が軽い場合が多い一方で、長期にわたって生活の質を下げてしまいます。
慢性副鼻腔炎では、鼻づまりや後鼻漏が常態化し、集中力の低下や睡眠の質の悪化、口呼吸による乾燥感など、日常生活のあちこちに影響が出やすくなります。また、嗅覚の低下が長期化すると回復が難しくなるケースもあります。
さらに、慢性副鼻腔炎が進行すると「鼻ポリープ(鼻茸)」が形成されることがあります。鼻ポリープは副鼻腔の粘膜が腫れて袋状になったものであり、鼻腔内に突出することで鼻づまりを悪化させます。ポリープが大きくなると、薬物療法だけでは対応が難しくなり、手術が必要になることもあります。
近年増加しているのが「好酸球性副鼻腔炎」です。これはアレルギーと深く関連した慢性副鼻腔炎の一種で、好酸球という免疫細胞が副鼻腔内で過剰に活性化することで強い炎症が続きます。両側の副鼻腔に多発する鼻ポリープを形成し、嗅覚障害が顕著に現れるのが特徴です。花粉症などのアレルギー体質を持つ人で発症しやすいとされており、指定難病にもなっています。
また、副鼻腔炎が慢性化すると、中耳炎や気管支炎など周囲の臓器への影響が出ることもあります。副鼻腔からの分泌物や細菌が耳管を通じて中耳に入ることで中耳炎を引き起こしたり、後鼻漏が気管支に流れ込んで慢性的な咳や気管支炎を悪化させたりすることがあります。
このような合併症を防ぐためにも、花粉後の副鼻腔炎は早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。

🔍 花粉後の副鼻腔炎を予防するためのポイント
花粉シーズン後の副鼻腔炎を予防するには、花粉が飛んでいる時期からしっかりと対策を行い、シーズン後も継続してケアすることが大切です。以下に主な予防のポイントをまとめます。
▶️ 花粉症の治療を適切に続ける
花粉シーズン中は抗アレルギー薬や点鼻薬を正しく使用し、症状をコントロールすることが副鼻腔炎予防の第一歩です。花粉の飛散量が減り症状が軽くなっても、医師の指示なく薬をやめてしまわないことが大切です。粘膜の回復を促すためにも、シーズン終了後もしばらくは継続的に治療を行うことが推奨されます。
🔹 鼻腔の保湿と洗浄
乾燥した環境では鼻の粘膜が傷みやすくなります。室内の適切な湿度管理(50〜60%程度が目安)を心がけ、乾燥しやすい時期は加湿器を活用しましょう。また、生理食塩水を使った鼻洗浄(鼻うがい)は、副鼻腔の分泌物を洗い流し、粘膜の清潔を保つのに有効です。ただし、方法を誤ると逆効果になることもあるため、市販の鼻洗浄キットの使用方法をよく確認するか、医療機関で指導を受けることをお勧めします。
📍 鼻をかみすぎない
鼻づまりや鼻水があると無意識に何度も鼻をかんでしまいがちですが、強くかみすぎると鼻腔内に圧力がかかり、細菌が副鼻腔や中耳に押し込まれてしまうことがあります。鼻は片側ずつ、あまり強くない力でかむように意識しましょう。
💫 外出時のマスクと花粉対策
花粉シーズン終了後も、黄砂やPM2.5の飛散が多い日は外出時にマスクを着用することで鼻粘膜への刺激を軽減できます。帰宅後は上着を玄関で払い、手洗い・洗顔を徹底することで鼻腔内への異物の取り込みを減らすことができます。
🦠 免疫力を維持する生活習慣
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスの管理は、免疫機能を正常に保つために欠かせません。特に花粉シーズン中から後にかけては体に負担がかかりやすい時期でもあるため、生活習慣の見直しを意識することが大切です。
👴 禁煙・受動喫煙の回避
タバコの煙は鼻や副鼻腔の粘膜を傷めるだけでなく、粘膜の防御機能や繊毛運動(粘液を外に運ぶ機能)を低下させます。喫煙習慣がある方は禁煙を検討し、受動喫煙も避けることが副鼻腔炎予防につながります。
📝 副鼻腔炎の治療法について
副鼻腔炎の治療は、急性か慢性か、原因は何かによって異なります。ここでは主な治療法について説明します。
🔸 薬物療法
急性副鼻腔炎の多くは、抗菌薬(抗生物質)の内服を中心とした薬物療法で治療します。一般的には5〜10日間の抗菌薬投与が行われますが、医師の指示に従って最後まで飲みきることが再発や耐性菌の出現を防ぐために重要です。
また、鼻の粘膜の腫れを抑えるための点鼻薬(ステロイド点鼻薬や血管収縮剤)、痰を溶かして排出しやすくする去痰薬、アレルギーが関与する場合には抗アレルギー薬なども組み合わせて使用されます。
慢性副鼻腔炎の場合、少量の抗菌薬(マクロライド系抗菌薬)を通常よりも少ない量で長期間(3か月程度)服用する「少量長期療法」が広く行われています。この治療法は抗菌作用よりも抗炎症・免疫調節作用を期待したものであり、副鼻腔の粘膜環境を改善する効果が期待されています。
💧 鼻処置・ネブライザー療法
耳鼻咽喉科では、吸引器を使って副鼻腔の分泌物を取り除く鼻処置や、薬液を霧状にして吸入するネブライザー療法が行われます。これらはクリニックで行う処置であり、副鼻腔の炎症を直接的にケアする方法として効果的です。特に慢性化した副鼻腔炎では、定期的な鼻処置が回復を助けることがあります。
✨ 手術療法
薬物療法で十分な改善が得られない慢性副鼻腔炎や、鼻ポリープが形成されている場合、鼻中隔弯曲症を合併している場合などには、手術が検討されることがあります。現在は内視鏡を使った「内視鏡下副鼻腔手術(ESS)」が主流となっており、鼻の外側を切らずに内側から副鼻腔を広げる低侵襲な手術です。日帰りまたは短期入院で行えることが多くなっています。
📌 生物学的製剤による治療
重症の好酸球性副鼻腔炎に対しては、近年、生物学的製剤(デュピルマブなど)が使用されるようになっています。これはアレルギー反応に関わる特定のサイトカインを抑制する注射薬であり、従来の治療に抵抗性を示す難治性の症例に対して有効性が示されています。ただし適応条件や費用の面から、すべての患者に使用されるわけではありません。
💡 日常生活でできるセルフケア
副鼻腔炎の治療や予防において、日常生活でのセルフケアも大切な役割を担います。医療機関での治療と並行して、以下のようなケアを取り入れることで回復をサポートできます。
▶️ 温める
副鼻腔周囲を温めると血行が促進され、炎症の回復や粘液の排出を助けることがあります。温かいタオルを頬や額に当てるホットパックは手軽にできるケアのひとつです。ただし、急性副鼻腔炎で発熱や強い痛みがある場合には、かえって炎症を悪化させることがあるため注意が必要です。
🔹 十分な水分摂取
水分をしっかり摂ることで、粘液の粘度が下がり副鼻腔からの排出が促されます。特に乾燥した季節や室内では意識的に水分を補給しましょう。お茶や水などの刺激の少ない飲み物が適しています。
📍 睡眠と休養
免疫機能を回復させるうえで、十分な睡眠は非常に重要です。花粉症や副鼻腔炎で睡眠の質が下がっている場合は、枕を少し高めにして頭を上げた姿勢で寝ると鼻づまりが軽減されることがあります。また、副鼻腔炎の急性期には無理をせず体を休めることが回復を早めます。
💫 辛い食べ物や刺激物を避ける
辛い食べ物やアルコールは鼻の粘膜を刺激し、充血や炎症を悪化させることがあります。副鼻腔炎の症状がある時期は、これらの摂取を控えることが望ましいです。
🦠 鼻をかむ際の正しい方法
すでに述べたとおり、鼻は片方ずつ優しくかむことが基本です。両側を同時に強くかむと、副鼻腔や中耳に圧力がかかり、症状を悪化させるリスクがあります。また、鼻をすする行為も分泌物を喉の方へ押し込んでしまうため、できるだけ避けましょう。
👴 ストレスと疲労の管理
慢性的なストレスや疲労は免疫機能を低下させ、感染への抵抗力を弱めます。仕事や生活の中でストレスが溜まりやすい方は、趣味やリラクゼーションを取り入れてストレス発散を心がけましょう。ヨガや軽いストレッチなども、副交感神経を活性化させて免疫機能のバランスを整えるのに役立ちます。

✨ こんな症状があれば早めに受診を
花粉シーズン後に以下のような症状があらわれた場合は、副鼻腔炎をはじめとした疾患が隠れている可能性があります。放置すると慢性化や合併症のリスクが高まるため、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
黄色や緑色の鼻水が続いている場合は、細菌感染が起きているサインである可能性があります。透明な鼻水がいつの間にか色つきに変化していたら要注意です。
頬・額・目の周りや顔面に痛みや圧迫感がある場合も受診のサインです。特に前かがみの姿勢で悪化する痛みは副鼻腔に問題がある可能性を示唆しています。
嗅覚の著しい低下・消失が続く場合も注意が必要です。一時的な鼻づまりによる匂いの感じにくさとは異なり、鼻が通っている状態でも匂いがわからない場合は、副鼻腔炎や他の鼻腔・嗅神経の問題が考えられます。
後鼻漏(喉に鼻水が落ちる感覚)が続き、慢性的な咳や痰が気になる場合も副鼻腔炎が疑われます。特に就寝後や朝方に咳き込みやすい方はご注意ください。
発熱と顔面痛が重なる場合は急性副鼻腔炎の可能性が高く、早急な治療が必要です。また、視力の変化、眼球の突出、激しい頭痛、項部硬直(首が硬くなる)などの症状を伴う場合は、副鼻腔炎が眼窩や頭蓋内に波及した重篤な合併症の可能性があるため、ためらわずに救急受診をしてください。
花粉症の後遺症だと思って様子を見ているうちに副鼻腔炎が慢性化してしまうケースは少なくありません。「花粉の時期は終わったのに症状が治まらない」と感じたら、専門医に相談することが大切です。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、花粉シーズンが終わった頃に「症状がなかなか引かない」「鼻水が黄色くなってきた」とご相談にいらっしゃる患者様が多く見受けられます。花粉症による粘膜へのダメージは目に見えない部分で蓄積されており、シーズン終了後も引き続き注意が必要です。「もう花粉は終わったから大丈夫」と自己判断せず、気になる症状が続く場合はお早めにご相談いただくことで、慢性化を防ぎ、より早い回復につなげることができます。」
📌 よくある質問
可能性があります。花粉シーズン後も鼻水が黄色・緑色に変化していたり、頬や額に痛み・圧迫感がある場合は副鼻腔炎が疑われます。花粉症による粘膜へのダメージはシーズン終了後も残りやすいため、「花粉が終わったから大丈夫」と自己判断せず、症状が続く場合は早めに耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。
自己判断での中断はお勧めしません。花粉の飛散が減っても、鼻の粘膜が回復するには数週間から数か月かかる場合があります。治療を途中でやめると粘膜の回復が遅れ、副鼻腔炎のリスクが高まることがあります。薬の終了時期については、必ず医師の指示に従って判断してください。
いくつかのポイントで見分けられます。花粉症の鼻水は透明でさらっとしていることが多いのに対し、副鼻腔炎では黄色や緑色の粘り気のある鼻水が特徴です。また、頬・額・目の周りの痛みや圧迫感、後鼻漏(喉に鼻水が落ちる感覚)、嗅覚の著しい低下がある場合は副鼻腔炎が疑われます。
放置すると慢性化するリスクがあります。慢性副鼻腔炎になると鼻づまりや嗅覚低下が長期間続き、鼻ポリープが形成されることもあります。さらに進行すると中耳炎や慢性的な咳・気管支炎などの合併症を引き起こす場合もあります。早期に適切な治療を受けることで、多くのケースで回復が見込めます。
いくつかの対策が有効です。室内の湿度を50〜60%に保つ保湿管理、生理食塩水を使った鼻洗浄、鼻は片側ずつ優しくかむ習慣が効果的です。また、十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動で免疫力を維持することも大切です。黄砂やPM2.5が多い日はマスクを着用し、帰宅後は手洗い・洗顔を徹底しましょう。
🎯 まとめ
花粉シーズンが終わった後に副鼻腔炎になりやすい背景には、花粉症による粘膜へのダメージ、副鼻腔の排出機能の低下、季節の変わり目による免疫力の変化、黄砂やウイルスなど複数の要因が重なっています。花粉症の症状が落ち着いたからといって安心せず、鼻水の色や性状の変化、顔面の痛みや圧迫感、嗅覚の変化などのサインに注意を払うことが大切です。
副鼻腔炎は早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合回復が見込めます。しかし放置すると慢性化し、日常生活の質を長期にわたって低下させることがあります。花粉症の治療を継続しながら、鼻腔の保湿・洗浄、十分な休養、バランスの取れた生活習慣を維持することが予防の要です。
気になる症状がある方や、毎年花粉シーズン後に鼻の不調を繰り返している方は、アイシークリニック東京院にお気軽にご相談ください。耳鼻咽喉科の専門的な視点から、一人ひとりの状態に合わせた診断と治療をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 副鼻腔炎(蓄膿症)の定義・分類・治療方針に関する公式情報。急性・慢性副鼻腔炎の病態や薬物療法の基準として参照。
- 国立感染症研究所 – 副鼻腔炎の感染症としての側面(細菌・ウイルスによる発症メカニズム、二次感染のリスク)に関する情報として参照。
- PubMed – アレルギー性鼻炎(花粉症)と副鼻腔炎の関連性、好酸球性副鼻腔炎、生物学的製剤(デュピルマブ)の有効性に関する国際的な医学文献として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務