家族がインフルエンザに感染してしまうと、「自分にもうつるのでは」「他の家族にも広がってしまうのでは」と不安になる方も多いのではないでしょうか。インフルエンザは感染力が強いウイルス性疾患ですが、適切な予防対策を講じることで、家庭内での感染拡大リスクを大幅に減らすことができます。本記事では、家族がインフルエンザに感染した際にうつらないための具体的な方法について、感染経路の理解から実践的な予防対策まで詳しく解説します。正しい知識を身につけて、大切な家族の健康を守りましょう。
📊 【2024-2025シーズン】今年のインフルエンザの特徴
2024-2025年シーズンは、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めての本格的なインフルエンザ流行期となります。国立感染症研究所の報告によると、今シーズンは例年より早い時期からの流行開始が予想されており、A型(H1N1)とA型(H3N2)の同時流行が懸念されています。また、マスク着用の習慣が定着した一方で、免疫力の低下により重症化リスクが高まる可能性も指摘されており、家庭内感染対策の重要性がより一層高まっています。

目次
- インフルエンザの感染経路を理解する
- 家族がインフルエンザに感染したらまずやるべきこと
- 家庭内でインフルエンザにうつらない方法【基本対策】
- 感染者の看護時に気をつけるポイント
- 家庭内の環境整備でできる予防対策
- 免疫力を高めてインフルエンザを予防する
- 予防投与という選択肢について
- 特に注意が必要な家族がいる場合の対応
- 家族全員がインフルエンザにかからないために
- よくある質問
🦠 インフルエンザの感染経路を理解する
インフルエンザにうつらないためには、まずウイルスがどのように広がるのかを正しく理解することが重要です。感染経路を知ることで、効果的な予防対策を立てることができます。
💨 飛沫感染が最も多い感染経路
インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染です。感染者が咳やくしゃみをした際に、ウイルスを含む小さな飛沫が空気中に放出されます。この飛沫は約1〜2メートルの距離まで飛散し、それを吸い込むことで感染が成立します。 通常の会話でも飛沫は発生するため、感染者と近距離で話すだけでも感染リスクがあります。飛沫は比較的重いため、すぐに地面に落下しますが、密閉された空間では一定時間空気中を漂うこともあります。
咳エチケットの重要性については、こちらの記事「咳エチケットのやり方を徹底解説!正しい方法で感染症を予防しよう」で詳しく解説しています。
✋ 接触感染にも要注意
接触感染も重要な感染経路の一つです。感染者が咳やくしゃみを手で覆い、その手でドアノブやスイッチ、リモコンなどに触れると、ウイルスが付着します。 その後、他の家族がそれらに触れ、ウイルスが付着した手で目・鼻・口などの粘膜に触れることで感染が起こります。インフルエンザウイルスは環境中で数時間から場合によっては1〜2日程度生存できるとされており、この間に接触感染が起こる可能性があります。
💨 エアロゾル感染の可能性
近年の研究では、飛沫よりもさらに小さな粒子(エアロゾル)による感染の可能性も指摘されています。エアロゾルは空気中に長時間漂うことができるため、換気が不十分な密閉空間では感染リスクが高まります。 特に乾燥した冬場の室内環境ではエアロゾルが発生しやすく、長時間滞留しやすいとされています。このため、定期的な換気が予防において重要な役割を果たします。
⚠️ 感染力が高まる時期
インフルエンザウイルスの感染力は、発症前日から発症後3〜7日間程度が最も高いとされています。特に発症から最初の3日間は大量のウイルスを排出するため、この期間の接触には十分な注意が必要です。 症状が軽くなってからも一定期間はウイルスを排出し続けるため、解熱後も2日間程度は感染対策を継続することが推奨されています。
🚨 家族がインフルエンザに感染したらまずやるべきこと
家族にインフルエンザの症状が出た場合、早期に適切な対応を取ることが家庭内感染を防ぐ鍵となります。ここでは、感染が判明した際に最初に行うべき対応について解説します。
🏥 速やかに医療機関を受診する
38度以上の高熱、強い倦怠感、関節痛や筋肉痛などインフルエンザが疑われる症状が出た場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。 発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬による治療効果が期待できます。早期治療により症状の軽減とウイルス排出期間の短縮が見込め、結果として家族への感染リスクを下げることにもつながります。 受診時は他の患者への感染を防ぐため、マスクを着用し、事前に電話で受診方法を確認することをおすすめします。
インフルエンザの治療薬については、こちらの記事「ゾフルーザの効果が出るまでの時間は?特徴や服用時の注意点を解説」で詳しく解説しています。
🏠 感染者の隔離を開始する
インフルエンザと診断されたら、可能な限り感染者を別室で療養させましょう。個室での隔離が理想的ですが、難しい場合でも感染者の生活スペースを限定し、他の家族との接触を最小限にすることが重要です。 感染者が使用するトイレや洗面所も可能であれば分けるか、使用後は消毒を行うようにします。完全な隔離が難しい住環境でも、距離を保つことと接触機会を減らすことで感染リスクを軽減できます。
😷 家族全員でマスクを着用する
感染者だけでなく、同居する家族全員がマスクを着用することが重要です。感染者がマスクをすることで飛沫の拡散を防ぎ、他の家族がマスクをすることでウイルスの吸入を防ぎます。 特に感染者と同じ空間にいる場合や、看護をする際には必ずマスクを着用してください。不織布マスクが推奨されますが、顔にフィットするタイプを選び、鼻と口を隙間なく覆うことが大切です。
🧰 感染対策に必要な物品を準備する
家庭内感染を防ぐために、いくつかの物品を準備しておくと便利です。
- 手指消毒用のアルコール
- 使い捨てマスク
- 使い捨て手袋
- 体温計
- 除菌スプレーまたは次亜塩素酸ナトリウム希釈液
- 感染者専用のタオル、食器、ゴミ袋
🛡️ 家庭内でインフルエンザにうつらない方法【基本対策】
家庭内でインフルエンザの感染を防ぐためには、基本的な予防対策を徹底することが何より重要です。ここでは、日常生活で実践できる具体的な予防方法を紹介します。
🧼 こまめな手洗いを徹底する
手洗いは最も基本的かつ効果的な感染予防策です。外出後、食事前、トイレ後はもちろん、感染者がいる家庭では共有スペースに触れた後も手洗いを心がけましょう。 石けんを使い、手のひら、手の甲、指の間、爪の先、手首まで丁寧に20〜30秒かけて洗います。すすぎも十分に行い、清潔なタオルやペーパータオルで水分をしっかり拭き取ることが大切です。手洗いができない場面では、アルコール濃度60〜80%の手指消毒剤を使用することで代替できます。
🌀 定期的な換気で空気を入れ替える
室内の空気中に漂うウイルスを減らすために、定期的な換気が欠かせません。1〜2時間に1回、5〜10分程度窓を開けて空気を入れ替えましょう。対角線上の窓を2か所開けると効率的に換気ができます。 寒い時期は換気をためらいがちですが、短時間でも効果があります。24時間換気システムがある場合は常に稼働させ、さらに窓開け換気を併用するとより効果的です。
💧 適切な湿度を保つ
インフルエンザウイルスは乾燥した環境で活発に活動するため、室内の湿度管理も重要な予防対策です。相対湿度50〜60%程度を目安に加湿器などで調整しましょう。 適切な湿度を保つことで、のどや鼻の粘膜の乾燥を防ぎ、ウイルスに対する防御機能を維持できます。ただし、過度な加湿はカビの原因になるため、湿度計で確認しながら調整することをおすすめします。濡れタオルを干す、洗濯物を室内に干すなどの方法でも加湿効果が得られます。
乾燥による喉の痛みについては、こちらの記事「乾燥で喉が痛い時の対策とは?原因と効果的な予防法・治療法を詳しく解説」で詳しく解説しています。
🚫 顔を触らないよう意識する
ウイルスが付着した手で目・鼻・口に触れることが接触感染の原因となります。無意識に顔を触る習慣がある方は多いですが、感染者がいる家庭では特に意識して顔に触れないようにしましょう。 どうしても顔を触る必要がある場合は、事前に手を洗うか消毒することが大切です。マスクを着用していると口や鼻に直接触れる機会が減るため、その点でも感染予防に役立ちます。
🍽️ タオルや食器の共用を避ける
感染者が使用したタオルや食器を共用すると接触感染のリスクが高まります。以下の点に注意してください:
- バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルは家族それぞれ専用のものを使用
- 感染者のものは別に洗濯
- 食器も感染者専用のものを用意
- 使用後は洗剤で丁寧に洗浄
- コップやペットボトルの飲み回しも避ける
👩⚕️ 感染者の看護時に気をつけるポイント
家族が病気になった際は看護が必要ですが、看護する側も感染しないよう注意が必要です。ここでは、感染者のケアを行う際の具体的な注意点を解説します。
👤 看護者を限定する
感染者の看護は、できるだけ特定の一人が担当するようにしましょう。複数の家族が交代で看護すると、それだけ感染リスクが分散して広がる可能性があります。 看護者は健康で免疫力のある成人が適任です。高齢者、持病のある方、妊婦、乳幼児はできる限り感染者との接触を避けるべきです。ただし、看護者自身の健康管理も重要なので、疲労がたまらないよう休息を取りながら対応しましょう。
🧤 看護時の感染防護を徹底する
感染者の部屋に入る際は、必ずマスクを着用してください。可能であれば使い捨て手袋も着用し、看護が終わったら手袋を外して手洗いまたは手指消毒を行います。 感染者の体液(唾液、鼻水など)に触れる可能性がある場合は特に注意が必要です。看護後は自分の着ていた服にウイルスが付着している可能性があるため、着替えることも検討しましょう。部屋を出る際にも手指消毒を忘れずに行います。
⏰ 接触時間を最小限にする
感染者との接触時間が長いほど感染リスクは高まります。食事の配膳、水分補給、薬の投与など必要なケアは効率よく行い、長時間の滞在は避けましょう。 感染者の様子を確認するためにドアを少し開けておいたり、インターホンやスマートフォンで連絡を取り合ったりする方法も有効です。感染者が自力で動ける状態であれば、できるだけ自分でできることは自分でやってもらうようにしましょう。
🗑️ 使用済みマスクやティッシュの処理
感染者が使用したマスクやティッシュにはウイルスが付着しています。これらの適切な処理方法:
- 二重にビニール袋に入れて密封
- しっかりと口を縛ってから一般ゴミとして廃棄
- ゴミ箱は蓋付きのものを感染者の部屋に設置
- こまめに処理してウイルスの拡散を防ぐ
- ゴミを処理する際も手袋を着用
- 処理後は必ず手洗いを実施
🏠 家庭内の環境整備でできる予防対策
家庭内の環境を整えることも感染予防において重要です。共有スペースの消毒や生活環境の工夫によって、ウイルスの拡散を抑えることができます。
🧽 頻繁に触れる場所を消毒する
ドアノブ、電気スイッチ、手すり、リモコン、スマートフォン、蛇口など、家族が頻繁に触れる場所は定期的に消毒しましょう。
- 70〜80%濃度のアルコール
- 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を希釈したもの)
🚽 トイレと洗面所の衛生管理
トイレや洗面所は家族全員が使用する場所であり、感染リスクが高いエリアです。できれば感染者専用のトイレを設けることが理想的ですが、難しい場合は使用後に便座、レバー、ドアノブなどを消毒します。 インフルエンザでは下痢や嘔吐を伴うこともあるため、トイレのフタを閉めてから流すことでウイルスの飛散を防げます。手洗い後に使うタオルは個人別にするか、ペーパータオルを使用しましょう。
🛏️ 寝具やリネン類の取り扱い
感染者が使用した寝具やリネン類にもウイルスが付着している可能性があります。適切な取り扱い方法:
- シーツやピローケースはこまめに交換
- 洗濯する際は他の家族のものとは分けて洗う
- 洗濯機の通常洗いで問題ないが、可能であれば乾燥機で高温乾燥
- 汚れた寝具を運ぶ際は顔に近づけず、できれば手袋を着用
💨 空気清浄機の活用
空気清浄機は空気中のウイルスや飛沫を捕集する効果が期待できます。HEPAフィルター搭載の製品が特に効果的とされています。 感染者がいる部屋や、家族が集まるリビングに設置すると良いでしょう。ただし、空気清浄機だけでは完全な予防にはならないため、換気と併用することが重要です。フィルターの定期的な清掃や交換も忘れずに行ってください。
💪 免疫力を高めてインフルエンザを予防する
ウイルスへの暴露を減らす対策と並行して、自身の免疫力を高めることも感染予防に有効です。日常生活の中で免疫機能を維持・向上させる方法を紹介します。
😴 十分な睡眠を確保する
睡眠不足は免疫機能の低下につながります。成人では7〜8時間、子どもではそれ以上の睡眠時間を確保することが推奨されています。 感染者の看護で睡眠時間が削られがちですが、看護者自身が体調を崩しては元も子もありません。家族で協力して休息時間を確保したり、昼間に仮眠を取ったりするなど工夫しましょう。質の良い睡眠のために、就寝前のスマートフォン使用を控えることも効果的です。
🥗 バランスの良い食事を心がける
免疫機能を維持するためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。
- タンパク質:免疫細胞の材料(肉、魚、卵、大豆製品)
- ビタミンA、C、D、E:免疫機能に関与
- 亜鉛などのミネラル:免疫機能をサポート
- 野菜、果物、きのこ類、海藻類:積極的に摂取
風邪の回復を早める食事については、こちらの記事「風邪を早く治す食べ物とは?症状別おすすめ食材と回復を早める食事法」で詳しく解説しています。
🚶♀️ 適度な運動を継続する
適度な運動は免疫機能の向上に寄与します。ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど無理のない範囲で体を動かしましょう。ただし、過度な運動は逆に免疫力を低下させる可能性があるため注意が必要です。 感染者がいる家庭では外出を控えることが多いかもしれませんが、室内でできる運動やストレッチを取り入れることで対応できます。
😌 ストレスを溜めない
慢性的なストレスは免疫機能を低下させることが知られています。家族の看護は身体的にも精神的にも負担がかかりますが、意識的にリラックスする時間を設けましょう。
- 好きな音楽を聴く
- 温かいお風呂にゆっくり入る
- 深呼吸をする
自律神経の乱れとストレスについては、こちらの記事「自律神経の乱れをリセットする方法|症状・原因・効果的なセルフケアを解説」で詳しく解説しています。
💧 水分補給を忘れずに
のどや鼻の粘膜が乾燥するとウイルスに対する防御機能が低下します。こまめに水分を摂取して粘膜を潤すことが感染予防に役立ちます。 温かい飲み物はのどを潤すだけでなく、体を温める効果もあります。緑茶にはカテキンが含まれており、抗ウイルス作用が期待されています。1日1.5〜2リットル程度の水分摂取を目安にしましょう。
喉の痛みに効果的な飲み物については、こちらの記事「喉が痛い時におすすめの飲み物|痛みを和らげる飲み物と避けるべき飲み物を医学的に解説」で詳しく解説しています。
💊 予防投与という選択肢について
家族がインフルエンザに感染した際、同居する家族に対して抗インフルエンザ薬を予防的に投与するという選択肢があります。予防投与について理解しておきましょう。
❓ 予防投与とは
予防投与とは、インフルエンザに感染していない人が、感染予防を目的として抗インフルエンザ薬を服用することです。インフルエンザ患者と濃厚接触があった場合に、発症を予防するために行われます。 タミフル、リレンザ、イナビルなどの抗インフルエンザ薬が予防投与に使用されます。ただし、すべての人に推奨されるわけではなく、一定の条件を満たす方が対象となります。
🎯 予防投与の対象となる方
予防投与は主にハイリスク者に対して検討されます。具体的には:
- 65歳以上の高齢者
- 慢性呼吸器疾患や心疾患を有する方
- 糖尿病などの代謝性疾患がある方
- 腎機能障害のある方
- 免疫機能が低下している方
📊 予防投与の効果と限界
予防投与を行うことで、インフルエンザの発症リスクを70〜90%程度低下させることができるとされています。ただし、100%の予防効果があるわけではなく、予防投与中でも発症する可能性はあります。 また、予防投与は健康保険が適用されず自費診療となるため、経済的な負担が生じます。薬の服用期間中は効果がありますが、服用を終えると効果はなくなるため、感染者との接触期間や家庭内の状況を考慮して判断する必要があります。
⚠️ 予防投与を検討する際の注意点
予防投与を希望する場合は、感染者との接触から48時間以内に開始することが望ましいとされています。医療機関を受診し、医師に状況を説明して相談してください。 抗インフルエンザ薬には副作用の可能性もあるため、メリットとデメリットを理解した上で判断することが重要です。また、予防投与に頼りすぎず、基本的な感染予防対策を併用することが大切です。
⚡ 特に注意が必要な家族がいる場合の対応
家庭内にハイリスク者がいる場合は、より慎重な感染対策が必要です。重症化リスクの高い家族を守るための対応について解説します。
👴 高齢者がいる家庭での対策
高齢者はインフルエンザに罹患すると重症化しやすく、肺炎などの合併症を起こすリスクが高くなります。家族がインフルエンザに感染した場合、高齢者との接触を極力避けることが最優先です。 可能であれば高齢者を別の場所(他の親族宅など)に一時的に避難させることも検討してください。それが難しい場合は、生活空間を完全に分け、食事も別々にとるようにします。高齢者自身も手洗いやマスク着用を徹底し、体調の変化があればすぐに医療機関を受診できるよう準備しておきましょう。
👶 乳幼児がいる家庭での対策
乳幼児も免疫機能が未発達であり、インフルエンザ重症化のリスクが高い年齢層です。特に生後6か月未満の乳児はインフルエンザワクチンを接種できないため、周囲の大人が感染しないよう注意することが重要です。 感染者がいる家庭では、乳幼児の世話をする人は感染者とは別の人が担当するようにしましょう。授乳中の母親が感染した場合は、マスクを着用し、手洗いを徹底した上で授乳を続けることが一般的に推奨されていますが、詳細は医療機関に相談してください。
🤱 妊婦がいる家庭での対策
妊娠中はインフルエンザにかかると重症化するリスクが高く、胎児への影響も懸念されます。家族がインフルエンザに感染した場合、妊婦との接触を最小限にすることが重要です。 妊婦自身も感染予防対策を徹底し、体調に異変を感じたらすぐに産婦人科や内科に連絡しましょう。妊婦に対しても状況によっては抗インフルエンザ薬の予防投与が検討されることがありますので、主治医に相談することをおすすめします。妊娠中のインフルエンザワクチン接種は推奨されているため、流行期前に接種しておくことが望ましいです。
🏥 持病のある家族がいる場合の対策
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患、糖尿病、免疫不全状態などの持病がある方も、インフルエンザ重症化のリスクが高くなります。 これらの方が同居している場合は、感染者との隔離を徹底し、接触機会を最小限に抑えましょう。持病の管理を継続しながら、体調の変化に注意を払い、発熱や呼吸器症状が出た場合は早めに主治医に連絡してください。必要に応じて予防投与についても相談しましょう。
🛡️ 家族全員がインフルエンザにかからないために
最後に、家族全員がインフルエンザにかからないための総合的な予防策についてまとめます。日頃からの準備と意識が感染拡大を防ぐ鍵となります。
💉 流行前のワクチン接種
インフルエンザワクチンは最も効果的な予防手段の一つです。流行シーズン前の10〜11月頃に家族全員で接種することをおすすめします。 ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症リスクを下げ、重症化を予防する効果があります。特にハイリスク者がいる家庭では、周囲の家族もワクチンを接種することで間接的な保護効果が期待できます。生後6か月以上であれば接種可能なので、お子さんも含めて家族全員での接種を検討してください。
🧼 日頃からの手洗い習慣
手洗いはインフルエンザシーズンだけでなく、年間を通じて習慣化しておくことが大切です。特に子どもには正しい手洗いの方法を教え、習慣として身につけさせましょう。 以下のタイミングで手洗いを実施:
- 外出先から帰宅したとき
- 食事の前
- トイレの後
😷 咳エチケットの徹底
咳やくしゃみをする際は、マスクを着用するか、ティッシュや肘の内側で口と鼻を覆う「咳エチケット」を家族全員で実践しましょう。 使用したティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手を洗います。素手で覆った場合も必ず手を洗ってください。咳エチケットは他人への感染を防ぐためのマナーでもあり、普段から習慣化しておくことで、いざという時に自然に対応できます。
🌡️ 体調管理と早期対応
家族の健康状態を日頃から観察し、体調の変化に早く気づくことが重要です。発熱、倦怠感、咳、のどの痛みなどの症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。 インフルエンザと診断された場合は、すぐに隔離などの対策を開始することで、家庭内感染のリスクを最小限に抑えられます。また、日頃から体温計や解熱剤、マスクなどを備えておくと、いざという時に慌てずに対応できます。

❓ よくある質問
発症日を0日として、発症後5日間、かつ解熱後2日間(小児は3日間)は感染力があるとされています。この期間は隔離を継続し、解熱後も2日以上経過してから通常の生活に戻すことが推奨されます。
同室で就寝していた場合は濃厚接触に該当し、感染リスクは高くなります。ただし、必ず感染するわけではありません。発症前後48時間以内であれば予防投与を検討できますので、医療機関に相談することをおすすめします。また、自身の体調変化に注意し、症状が出たら速やかに受診してください。
感染期間中は、感染者と一緒に食事をすることは避けることをおすすめします。食事中はマスクを外すため、飛沫感染のリスクが高まります。感染者には別室で食事を取ってもらうか、時間をずらして食事をするようにしましょう。
小さなお子さんの看護は難しいですが、基本的な対策を徹底することが重要です。看護時はマスクを着用し、お子さんにも可能であればマスクをさせてください。こまめな手洗い、部屋の換気、看護後の手指消毒を心がけましょう。看護者を1人に限定し、他の家族との接触を減らすことも効果的です。
インフルエンザの予防投与は健康保険適用外となり、全額自費での支払いとなります。費用は医療機関や使用する薬剤によって異なりますが、診察料と薬剤費を合わせて数千円から1万円程度が目安です。詳細は受診予定の医療機関にお問い合わせください。
今シーズンは例年より早い流行開始と、A型の複数株の同時流行が予想されています。また、コロナ禍で免疫力が低下している可能性があるため、重症化リスクが高まる恐れがあります。早めのワクチン接種と、家庭内感染対策の徹底がより重要になっています。
インフルエンザ後に咳が2週間以上続く場合は、二次感染や他の呼吸器疾患の可能性があります。特に痰に血が混じる、息苦しさが続く、発熱が再燃するなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診してください。
インフルエンザ後の咳については、こちらの記事「インフルエンザで咳だけ残る原因と対処法|長引く咳の治し方を解説」で詳しく解説しています。
📚 参考文献
- 厚生労働省|インフルエンザQ&A
- 国立感染症研究所|インフルエンザとは
- 厚生労働省|インフルエンザ(総合ページ)
- 日本感染症学会|抗インフルエンザ薬の使用について
- 日本医師会|インフルエンザ情報
- 国立感染症研究所|2024/25シーズンのインフルエンザ流行予測
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
今シーズンは、家族内感染で受診される方が例年より多い印象です。特に、最初に感染した方の隔離が不十分だったケースで、2〜3日後に他の家族が続けて発症するパターンをよく見かけます。早期の隔離と基本的な感染対策の徹底が、家庭内感染を防ぐ最も重要なポイントです。また、看護疲れで免疫力が低下し、看護者が感染してしまうケースも散見されるため、看護する側の体調管理も忘れずに行ってください。