
夏になると、肌にプツプツとした赤いブツブツが現れて「これはあせも?それともダニに刺された?」と悩む方は少なくありません。どちらも皮膚にかゆみや赤みを伴う症状を引き起こすため、見た目だけでは区別がつきにくいケースがあります。しかし、あせもとダニ刺されは原因もまったく異なり、適切な対処法も変わってきます。誤った判断で間違ったケアを続けてしまうと、症状が悪化したり、根本的な解決が遠のいたりすることもあります。この記事では、あせもとダニの見分け方を症状・発生部位・かゆみの特徴などの観点から詳しく解説します。それぞれの原因や対処法についても丁寧にお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- あせもとは?基本的な知識を整理する
- ダニ刺されとは?種類と特徴を知る
- あせもとダニの見分け方:症状の違い
- あせもとダニの見分け方:発生部位の違い
- あせもとダニの見分け方:かゆみの特徴
- あせもとダニの見分け方:季節や環境による判断
- あせもの対処法と予防策
- ダニ刺されの対処法と予防策
- 皮膚科を受診すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
あせもは汗をかく部位に小さなプツプツが密集し、発汗時にかゆみが増す。ダニ刺されは体幹部に大きめの丘疹が分散し、就寝中のかゆみが特徴。症状が1〜2週間以上改善しない場合は皮膚科受診を推奨。
🎯 あせもとは?基本的な知識を整理する
あせも(汗疹)は、汗が皮膚の表面や汗腺の中に詰まることで発生する皮膚疾患です。大量の汗をかいたときに、汗の出口である汗孔が角質や皮脂などで塞がれ、汗が皮膚の外に出られずに炎症を引き起こします。医学的には「汗疹(かんしん)」とも呼ばれており、特に乳幼児や汗をかきやすい方、肥満傾向のある方に多く見られます。
あせもは汗孔が詰まる深さによっていくつかの種類に分類されます。最も一般的なのは「水晶様汗疹」と「紅色汗疹」です。水晶様汗疹は、皮膚のごく浅い部分に小さな水疱(すいほう)が形成されるもので、透明な小さなブツブツとして現れます。かゆみはほとんどなく、自然に治まることが多いのが特徴です。一方、紅色汗疹は皮膚の少し深い部分で汗が詰まることで生じるもので、赤くかゆいプツプツとして現れます。俗に「あせも」と呼ばれているのはこの紅色汗疹のケースが多く、強いかゆみを伴うことがあります。さらに深い部分に詰まると「深在性汗疹」と呼ばれ、赤みよりも皮膚が盛り上がるような状態になり、熱帯地方などに長期滞在した場合に見られることがあります。
あせもが発生しやすい状況としては、高温多湿の環境で大量に汗をかいたとき、通気性の悪い衣類を長時間着用しているとき、体を十分に洗えていない状態が続いているときなどが挙げられます。乳幼児は汗腺の機能が未発達であるため、大人よりもあせもができやすい傾向があります。また、大人でも夏場の屋外作業や運動後などには誰にでも起こりうる症状です。
Q. あせもとダニ刺されを見た目で見分けるには?
あせもは1〜2mm程度の小さな赤いプツプツが密集して均一に広がるのに対し、ダニ刺されは1〜2cm程度の大きめの丘疹が分散して現れます。あせもは皮膚全体が赤くなる傾向があり、ダニ刺されは中心部に刺し跡が見える場合もあります。
📋 ダニ刺されとは?種類と特徴を知る
ダニといっても、私たちの生活環境に存在するダニにはさまざまな種類があります。皮膚症状を引き起こすダニとして代表的なのは「ツメダニ」「イエダニ」「マダニ」「ヒョウヒダニ(チリダニ)」などですが、直接皮膚を刺して症状を引き起こすのは主にツメダニ、イエダニ、マダニです。ヒョウヒダニはアレルゲンとなることが多く、アトピー性皮膚炎や気管支喘息の原因になることはありますが、直接刺すことはほとんどありません。
ツメダニは、畳やカーペット、布団などに生息し、主に夜間に活動します。他のダニや小さな虫を捕食していますが、誤って人を刺すことがあります。ツメダニに刺されると、赤くて少し膨れた丘疹が現れ、強いかゆみが特徴です。イエダニはネズミに寄生するダニで、ネズミが家に侵入した際に人を刺すことがあります。主に腹部や体幹部に刺し跡が出ることが多く、集中的に刺されるのが特徴です。マダニは山林や草むらなどアウトドアの環境に生息し、皮膚に咬みついて長時間吸血します。マダニは感染症(日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群など)を媒介することがあるため、特に注意が必要です。
家の中でダニ刺されが起こる場合、その多くはツメダニによるものです。ツメダニは梅雨から夏にかけて増殖しやすく、布団や畳、カーペットなどに多く生息しています。ダニの餌となるヒョウヒダニが増える条件(高温多湿、ほこりの多い環境)が整うと、ツメダニも増加しやすくなります。
💊 あせもとダニの見分け方:症状の違い
あせもとダニ刺されを見分けるうえで、最も重要なポイントの一つが症状の見た目の違いです。両者は一見似た赤いブツブツとして現れますが、よく観察すると違いがあります。
あせもの場合、症状は比較的均一に広がる傾向があります。紅色汗疹であれば、1〜2ミリ程度の小さな赤いプツプツが密集して現れます。水疱を伴う場合もありますが、大きく腫れ上がることはほとんどありません。発疹の境界は比較的明確で、汗をよくかく部位にまとまって現れるのが特徴です。皮膚の表面が全体的に赤くなり、そこにプツプツが集まっているように見えることが多いです。
一方、ダニ刺されの場合は、1カ所あるいは数カ所にまとめて刺し跡が現れることが多いです。刺された部分は赤く膨れ上がり、中心部に小さな刺し跡(点)が見える場合もあります。あせもと比べると、個々の発疹が大きくなりやすく、1〜2センチ程度の赤い膨らみになることもあります。複数カ所刺された場合でも、発疹は分散していることが多く、あせものように密集して広がるパターンとは異なります。ツメダニの場合は刺し跡がやや小さく、イエダニは比較的大きめの丘疹を残すことが多いです。
また、あせもは数日以内に改善が見られることが多いのに対して、ダニ刺されは1〜2週間以上かゆみが続くこともあります。
Q. あせもとダニ刺されはどの部位に出やすいですか?
あせもは首・脇の下・肘の内側・膝裏など汗をかきやすく蒸発しにくい部位に発生します。ダニ刺されは就寝中に布団と接触する腹部・腰・太もも・ふくらはぎなど体幹部に多く、下着で覆われた部位に集中して発疹が現れる場合はダニ刺されの可能性が高いです。
🏥 あせもとダニの見分け方:発生部位の違い
発生する部位の違いも、あせもとダニ刺されを見分けるための重要なヒントになります。
あせもは、汗が大量に分泌される部位や、汗が蒸発しにくい部位に発生しやすいという特徴があります。具体的には、首の周り、脇の下、肘の内側(肘窩)、膝の裏側(膝窩)、背中、胸元、乳幼児であれば頭部(特に生え際)、おでこなどです。これらの部位は汗をかきやすい反面、衣類が密着したり、皮膚同士が接触したりすることで汗の蒸発が妨げられやすい箇所です。また、おむつを使用している乳幼児では、おむつで覆われた部分にも発生することがあります。
一方、ダニ刺されは布団や衣類、カーペットなどとの接触部位に発生しやすいのが特徴です。就寝中に布団の中でダニに刺される場合が多いため、布団に触れる体の部位、すなわち体幹部(お腹・背中・腰・太もも・ふくらはぎなど)に発疹が出やすい傾向があります。特に衣類で隠れた部分(下着で覆われた腹部や腰回り、太ももの内側など)に集中して発疹が見られる場合は、ダニ刺されの可能性が高まります。
首の後ろや体幹部にまとめてブツブツが出た場合、あせもとダニ刺されのどちらも可能性としてあり得ますが、首の後ろや脇の下、肘の内側などに汗をかきやすい部位に密集して出ている場合はあせもを疑い、衣類で覆われた腹部や腰回りに分散して発疹が出ている場合はダニ刺されを疑うのが目安になります。また、顔や手のひら、足の裏にはダニが刺すことはほとんどないため、これらの部位に症状が出た場合はダニ刺されよりも別の原因(あせも、じんましん、接触性皮膚炎など)を考える必要があります。
⚠️ あせもとダニの見分け方:かゆみの特徴
かゆみの性質や現れ方の違いも、見分けるうえでの重要な手がかりになります。
あせものかゆみは、汗をかくことで悪化する傾向があります。つまり、運動後や気温が高い時間帯、入浴後など、体温が上がって発汗量が増えるタイミングにかゆみが強くなるのが特徴です。逆に、涼しい環境に移動してクーラーなどで体を冷やすと、かゆみが和らぐことが多いです。あせもは炎症に伴うかゆみのため、ピリピリとした刺激感を伴うことがあります。また、皮膚をかくと症状が広がったり悪化したりすることもあります。
ダニ刺されのかゆみは、汗の有無にかかわらず持続する傾向があります。特にツメダニやイエダニに刺された場合、刺された直後よりも数時間〜1日後にかゆみがピークに達することがあります。これはダニが刺した際に注入するアレルゲン物質(唾液中のタンパク質)に対する免疫反応によるものです。かゆみは非常に強く、我慢できないほどになることも珍しくありません。また、就寝中にかゆみを感じて目が覚めるというケースも、ダニ刺されの特徴の一つです。ダニは夜間に活発に活動するためです。
まとめると、汗をかくとかゆくなるのはあせも、汗をかいていないのにかゆい・就寝中にかゆみで目が覚めるのはダニ刺されの可能性が高いと考えるとよいでしょう。ただし、あせもとダニ刺されが同時に起きている場合もあるため、どちらか一方とは断定しにくいことも少なくありません。
Q. あせもとダニ刺されのかゆみの違いは何ですか?
あせもは発汗時にかゆみが強まり、涼しい環境に移ると和らぐ特徴があります。一方ダニ刺されは汗の有無に関わらずかゆみが持続し、就寝中にかゆみで目が覚めることが特徴です。ダニ刺されは刺された数時間〜1日後にかゆみがピークとなり、1〜2週間以上続く場合もあります。
🔍 あせもとダニの見分け方:季節や環境による判断
症状が現れた時期や生活環境を確認することも、あせもとダニ刺されを見分けるうえで非常に有効です。
あせもは気温と湿度が高くなる夏場に集中して発生することが多いです。特に7月〜8月の猛暑の時期に症状が出やすく、気温が下がる秋以降は自然に改善してくるケースがほとんどです。屋外での作業や運動が続いていた、汗をたくさんかく機会があったというエピソードがある場合は、あせもの可能性が高いと考えられます。また、通気性の悪い衣類を長時間着ていた、サウナや温泉に入った後から症状が出た、というような場合もあせもが疑われます。
ダニ刺されは、梅雨から夏にかけて(6月〜9月)に多く見られますが、室内のダニは1年を通じて存在するため、冬場でも起こりえます。特に秋になって気温が下がり、窓を閉めた生活になると、ダニが布団の中で繁殖しやすくなるため、秋口に症状が出る場合も多いです。布団を久しぶりに出した(衣替えの季節など)、古い畳のある部屋で過ごした、ペットを飼っている、換気が不十分な部屋に住んでいるといった環境的な要因がある場合は、ダニ刺されを疑うべきでしょう。
また、同居している家族や友人に同様の症状が出ているかどうかも確認してみてください。あせもは個人の体質や発汗量によるため、同じ環境にいても一人だけ症状が出ることが多いです。一方、ダニ刺されは同じ布団や部屋を共有している複数の人に同時期に似た症状が出るケースがあります。ただし、ダニへのアレルギー反応には個人差があるため、同じ環境でも症状が出る人と出ない人がいることもあります。
📝 あせもの対処法と予防策
あせもと判断した場合、まずは症状を悪化させないためのケアが重要です。適切な対処をすることで、多くの場合は自然に改善していきます。
あせもの基本的な対処法として最初に行うべきことは、涼しい環境に移ること、そして清潔に保つことです。エアコンや扇風機を使って室温を下げ、汗をかいた後はシャワーや拭き取りなどで皮膚を清潔に保ちましょう。汗を放置すると、汗に含まれる成分が皮膚を刺激して炎症を悪化させることがあるため、こまめに汗を拭き取ることが大切です。ただし、ゴシゴシと強くこすると皮膚を傷つけてしまうため、柔らかいタオルで優しく押さえるように拭くようにしましょう。
衣類の選び方も重要です。通気性と吸湿性に優れた素材(綿素材など)の衣類を選び、体に密着しすぎないゆったりとしたサイズのものを着るようにしましょう。化学繊維のものや摩擦が生じやすい素材は、あせもを悪化させることがあるため避けた方が無難です。乳幼児の場合は、肌着の枚数を減らしたり、おむつ交換を頻繁に行ったりすることも効果的です。
市販薬については、かゆみが強い場合はステロイド成分を含む外用薬やかゆみを抑える成分(クロタミトンなど)を含む薬が効果的なことがあります。ただし、赤ちゃんや乳幼児に使用する場合は、使用前に必ず薬剤師や医師に相談することをお勧めします。また、皮膚を冷やすことでかゆみが和らぐ場合もあるため、保冷剤をタオルで包んで患部に当てるという方法も一時的な対処として有効です。
予防策としては、こまめに汗を拭き取る、こまめにシャワーを浴びる、通気性の良い衣類を着用する、室内の温度と湿度を適切に管理する(目安:室温26〜28度、湿度50〜60%程度)などが挙げられます。また、ベビーパウダーなどでの保護は一昔前によく行われていましたが、現在は汗孔を詰まらせる可能性があるとして推奨されない場合もありますので、使用する場合は医師や薬剤師に相談してください。
Q. 室内でできるダニ刺され予防策を教えてください
室内ダニの繁殖を抑えることが最も重要です。布団を定期的に60度以上で乾燥させてダニを死滅させ、掃除機で死骸を除去しましょう。カーペットや畳はこまめに掃除機がけを行い、室内湿度を50%以下に保つ除湿・換気が効果的です。アイシークリニックではダニ刺されの症状についても専門的な診断と治療を行っています。
💡 ダニ刺されの対処法と予防策
ダニ刺されと判断した場合は、かゆみへの対処と同時に、生活環境のダニ対策を行うことが根本的な解決につながります。
ダニ刺されの症状に対する対処法として、まず重要なのはかゆくても患部をかきむしらないことです。皮膚をかくことで、ダニが刺した傷口が広がり、細菌感染(とびひなど)につながる可能性があります。かゆみを抑えるために、市販の抗ヒスタミン薬入りの外用薬やステロイド外用薬が有効です。内服の抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)が有効な場合もありますが、内服薬については医師に処方してもらうのが最善です。冷やすことでもかゆみが一時的に和らぎます。
マダニに刺された場合は特別な注意が必要です。マダニは皮膚にしっかりと咬みついて吸血するため、皮膚に食い込んでいる状態が確認できることがあります。この場合、自分で無理に取り除こうとすると、マダニの頭部が皮膚に残ったり、感染症のリスクが高まったりするため、必ず医療機関を受診して取り除いてもらうようにしてください。マダニが媒介する感染症(日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群:SFTS など)は、発熱や全身症状を伴うことがあり、早期診断と治療が重要です。
ダニ刺されの予防策で最も重要なのは、室内のダニを減らすことです。ダニは高温多湿の環境を好み、ほこりや人の皮膚のかけら(フケなど)をエサとして繁殖します。具体的な対策としては以下のことが効果的です。まず、布団の管理が重要です。定期的に布団を日光に干すか、布団乾燥機を使用してダニを死滅させましょう。その後、掃除機でしっかりと死骸を吸い取ることも大切です。ダニは60度以上の熱で死滅するため、洗濯できる寝具は60度以上の高温洗濯が効果的です。
カーペットや畳はダニが繁殖しやすい場所であるため、こまめに掃除機をかけることが重要です。掃除機はゆっくりと丁寧にかけることで、ダニやその死骸・フンをしっかりと吸い取ることができます。また、室内の湿度を50%以下に保つことで、ダニの繁殖を抑制することができます。除湿器を使用したり、こまめに換気をしたりすることが効果的です。市販のダニ除けスプレーやシートも補助的に活用できますが、根本的な環境改善と組み合わせることがより効果的です。
ペットを飼っている場合は、ペットのブラッシングや清潔管理も重要です。ペットはダニを室内に持ち込む経路になることがあるため、定期的なケアが欠かせません。また、アウトドアに出かける際はマダニ対策として、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を減らすことが大切です。帰宅後は速やかにシャワーを浴び、全身をくまなく確認するようにしましょう。
✨ 皮膚科を受診すべきタイミング

あせもとダニ刺されのどちらであっても、症状が軽度であれば自宅でのケアで改善することも多いですが、以下のような場合は皮膚科を受診することをお勧めします。
まず、症状がなかなか改善しない場合です。あせもであれば適切なケアを行って1〜2週間程度で改善するのが一般的ですが、それ以上経っても症状が続く場合は、あせもではなく別の皮膚疾患(湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、虫刺されのアレルギー反応など)の可能性があります。
次に、症状が悪化している場合です。皮膚が赤く腫れ上がり、熱を持っている、膿が出てきた、痛みが増してきたというような場合は、細菌感染(二次感染)が起きている可能性があります。二次感染は「とびひ(伝染性膿痂疹)」に発展することもあり、周囲への感染リスクもあるため、早めに医療機関を受診する必要があります。
また、発疹以外の全身症状を伴う場合は特に注意が必要です。発熱、倦怠感、リンパ節の腫れ、頭痛などの症状が皮膚症状と同時に現れた場合は、マダニが媒介する感染症や、他の感染症の可能性も考えられます。このような場合は速やかに医療機関を受診してください。
乳幼児の場合は、大人よりも早めに受診を検討することが大切です。乳幼児は免疫機能が未発達であり、症状が急速に悪化することがあります。また、かゆみや不快感で眠れない、食事が取れないなど、日常生活に支障をきたしている場合も受診のサインと考えてください。
皮膚科では、視診や問診をもとに正確な診断を行い、症状の原因に応じた治療薬を処方してもらえます。あせもに対しては、ステロイド外用薬やかゆみ止めの外用薬・内服薬が処方されることが多く、ダニ刺されに対しては、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬(内服)などが処方されることが一般的です。自己判断で市販薬を使い続けて症状が改善しない場合は、専門家の判断を仰ぐことが大切です。
なお、あせもかダニ刺されかの見分けがつかない場合も、皮膚科を受診することで正確に診断してもらえます。医師による適切な診断と治療を受けることで、症状の早期改善につながりますので、悩んだときは専門家に相談することをお勧めします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏になるとあせもとダニ刺されの症状を混同されて受診される患者様が多くなる傾向があります。どちらも似た症状に見えますが、発生部位やかゆみのタイミング・持続期間をよく観察していただくことで、ある程度の見当をつけることができます。ただし、症状がなかなか改善しない場合や悪化している場合は自己判断を続けずに、早めに皮膚科へご相談いただくことで、より早い回復につながりますのでどうぞお気軽にご来院ください。」
📌 よくある質問
あせもは1〜2mm程度の小さなプツプツが密集して均一に広がるのに対し、ダニ刺されは1〜2cm程度の大きめの丘疹が分散して現れることが多いです。また、あせもは発疹の境界が比較的明確で、皮膚全体が赤くなる傾向があります。見た目だけでの判断が難しい場合は、皮膚科への受診をお勧めします。
あせものかゆみは汗をかくと悪化し、涼しい環境に移動すると和らぐ傾向があります。一方、ダニ刺されのかゆみは汗の有無に関わらず持続し、就寝中にかゆみで目が覚めることが特徴です。ダニ刺されは刺された数時間〜1日後にかゆみがピークに達し、1〜2週間以上続くこともあります。
あせもは首・脇の下・肘の内側・膝の裏・背中など、汗をかきやすく蒸発しにくい部位に出やすいです。ダニ刺されは、就寝中に布団と接触する腹部・腰・太もも・ふくらはぎなど体幹部に出やすく、特に下着で覆われた部位に集中して発疹が見られる場合はダニ刺されの可能性が高いです。
室内のダニを減らすことが最も重要です。布団を定期的に日光干しまたは布団乾燥機で60度以上に加熱してダニを死滅させ、掃除機でしっかり吸い取りましょう。カーペットや畳はこまめに掃除機をかけ、室内の湿度を50%以下に保つよう除湿や換気を心がけることも効果的です。
以下のような場合は早めに皮膚科を受診してください。①適切なケアを続けても1〜2週間以上症状が改善しない、②皮膚が赤く腫れて熱を持つ・膿が出るなど悪化している、③発熱や倦怠感など全身症状を伴う、④乳幼児で症状がひどく日常生活に支障をきたしている場合です。自己判断で様子を見続けることなく、専門家にご相談ください。
🎯 まとめ
あせもとダニ刺されは、どちらも皮膚に赤みやかゆみを引き起こすため、見分けが難しいことがあります。しかし、いくつかのポイントに注目することで、ある程度の見分けをつけることが可能です。
症状の見た目では、あせもは小さなプツプツが密集して均一に広がる傾向があり、ダニ刺されは分散した大きめの丘疹として現れることが多いです。発生部位については、あせもは首・脇の下・肘の内側・膝裏など汗をかきやすい部位に、ダニ刺されは布団や衣類に触れる体幹部(腹部・腰・太ももなど)に出やすいです。かゆみの特徴では、あせもは汗をかくと悪化し、ダニ刺されは就寝中にかゆみが強くなる傾向があります。季節・環境については、あせもは猛暑の時期に運動や屋外作業後に出やすく、ダニ刺されは古い布団や畳がある環境で出やすいという違いがあります。
どちらの場合も、症状が長引く、悪化する、発熱などの全身症状を伴うという場合は、自己判断で様子を見続けることなく、皮膚科を受診することが重要です。特に乳幼児や高齢者、免疫力が低下している方は早めの受診を心がけてください。
アイシークリニック東京院では、皮膚に関するさまざまな症状について専門的な診断と治療を行っています。あせもやダニ刺されの症状でお悩みの方、自分での判断が難しい方は、お気軽にご相談ください。皮膚の状態をしっかりと診察し、適切な治療法をご提案します。夏の肌トラブルで困ったときは、一人で悩まずに専門家の力を借りることが、症状の早期改善への近道です。
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- 日焼けしたあとのケア完全ガイド|肌を守る正しい対処法
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・治療法に関する医学的根拠。水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹の分類やステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の処方に関する情報の参照元として活用
- 国立感染症研究所 – ツメダニ・イエダニ・マダニなどダニの種類別の特徴、マダニが媒介する感染症(日本紅斑熱・SFTS・ライム病など)の症状・リスク・対処法に関する情報の参照元として活用
- 厚生労働省 – マダニ刺症を含む虫刺されの予防策、室内ダニ対策(布団管理・湿度管理・掃除方法)および皮膚疾患に関する国民向け健康情報の参照元として活用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務