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冬の寒い日に外出したら、急に肌がかゆくなって赤いブツブツが現れた。夏場にプールに入ったら、体中に発疹が出てきた。このような経験をされたことはありませんか?これらの症状は「寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)」と呼ばれる皮膚の病気かもしれません。

寒冷蕁麻疹は、寒さや冷たさといった刺激によって引き起こされる蕁麻疹の一種です。冬場だけでなく、夏場のクーラーや冷たい飲み物でも発症することがあり、一年を通して注意が必要な疾患です。

本記事では、アイシークリニック東京院の皮膚科医の知見をもとに、寒冷蕁麻疹の原因や症状、検査方法、治療法、そして日常生活での予防策まで詳しく解説します。寒冷蕁麻疹でお悩みの方、また予防に関心のある方は、ぜひ最後までお読みください。

図10

目次

  1. 寒冷蕁麻疹とは?原因・症状・治療法から日常での予防まで
  2. 寒冷蕁麻疹の発症メカニズム
  3. 具体的な症状と発症パターン
  4. 診断方法と検査
  5. 治療法と日常での対策
  6. 重症化のリスクと注意点
  7. よくある質問と回答
  8. まとめ

🧊 寒冷蕁麻疹とは?原因・症状・治療法から日常での予防まで

📚 蕁麻疹とはどのような病気か

蕁麻疹とは、皮膚に境界のはっきりした赤い膨らみ(膨疹:ぼうしん)が突然現れ、強いかゆみを伴う皮膚の病気です。膨疹は蚊に刺されたような盛り上がりで、数ミリから数センチ大の大きさになることもあります。地図のような形に広がったり、ミミズ腫れのように線状になったりすることもあります。

蕁麻疹の最大の特徴は、個々の膨疹が比較的短時間で消失することです。通常は数時間から24時間以内に跡を残さず消えてしまいます。ただし、次々と新しい膨疹が出現することで、全体としては症状が長く続くこともあります。

🎯 寒冷蕁麻疹の定義と分類

寒冷蕁麻疹とは、寒さや冷たさなどの寒冷刺激に反応して蕁麻疹が出る皮膚の病気です。冷水や寒風などの寒冷刺激への曝露で誘発される蕁麻疹であり、物理性蕁麻疹の一種として分類されています。

有病率は全人口の約0.05パーセント程度とされており、比較的まれな疾患ですが、しばしば長期間にわたって症状が続くことがあります。

🔬 2つのタイプと先天性・後天性の違い

寒冷蕁麻疹は、症状の現れ方によって「局所性」と「全身性」の2つのタイプに分類されます。局所性寒冷蕁麻疹は、冷たい物質が皮膚に直接触れた部分にのみ症状が現れるタイプです。全身性寒冷蕁麻疹は、全身が冷却されることによって発症するタイプです。

また、発症時期によって先天性と後天性にも分けられます。後天性寒冷蕁麻疹は、生まれつきではなく後から発症するタイプであり、一般的に「寒冷蕁麻疹」といえばこちらを指すことがほとんどです。


⚡ 寒冷蕁麻疹の発症メカニズム

🔬 マスト細胞とヒスタミンの役割

寒冷蕁麻疹が起こる詳しいメカニズムは、現在のところまだ完全には解明されていません。しかし、皮膚に寒冷刺激が加わることで、皮膚内のマスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンという物質が大量に放出され、これによって症状が現れると考えられています。

皮膚の血管の周りには、マスト細胞(肥満細胞)と呼ばれる、顆粒がいっぱいに詰まった細胞が散らばっています。この細胞が何らかの理由で顆粒を放出すると、血管がその成分に反応して蕁麻疹を生じます。顆粒の中に含まれる主たる作用物質がヒスタミンです。

💥 症状発現の仕組み

ヒスタミンは皮膚の毛細血管に働くと、以下のような作用を引き起こします:

  • 血管拡張作用:血流量が増加し、皮膚が赤く見えるようになる
  • 血管透過性亢進作用:血管の壁が緩み、血液中の血漿成分(水分)が血管の外に漏れ出やすくなり、膨疹が形成される
  • 神経刺激作用:皮膚の知覚神経を刺激し、強いかゆみを引き起こす

🦠 免疫反応との関連

寒冷蕁麻疹の発症には、何らかのアレルギー反応や免疫反応の異常が関わっているのではないかとも言われています。ただし、食物アレルギーのようにIgE抗体を介した典型的なI型アレルギー反応とは異なるメカニズムが関与していると考えられています。

高桑康太 医師・当院治療責任者

寒冷蕁麻疹のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、寒冷刺激がマスト細胞からヒスタミンを放出させることは確実に分かっています。そのため、ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬が治療の中心となります。患者さんには寒冷刺激を避ける生活の工夫と適切な薬物療法の組み合わせで症状をコントロールできることをお伝えしています。


🩺 具体的な症状と発症パターン

📍 症状の現れ方と特徴

寒冷蕁麻疹の症状は、通常の蕁麻疹と同様に、かゆみを伴った赤いブツブツやミミズ腫れが皮膚に現れます。ただし、寒冷刺激がきっかけで発症するという特徴があります。

寒冷蕁麻疹の症状は、寒冷刺激を受けた直後から数十分後に現れます。一般的には数分から十数分程度で症状が出現し始めます。

🌨️ 発症のきっかけとなる状況

寒冷蕁麻疹は、様々な寒冷刺激がきっかけとなって発症します。

  • 冬場の外出時:寒い外気に直接肌が触れることで症状が現れやすくなる
  • 冷たい水や氷との接触:冷水で手を洗う、氷に触れる、冷たい飲み物のグラスを持つ
  • プールや海での活動:水温が体温より低い場合、全身が冷却されることで全身性寒冷蕁麻疹を発症
  • エアコン・冷房:クーラーの風に当たることで症状が現れる
  • 冷たい飲食物:口腔内や喉に症状が出ることがある

🌡️ 寒暖差による症状

寒冷蕁麻疹は、単に寒い環境だけでなく、急激な温度変化(寒暖差)がある状況で特に発症しやすいことが知られています。暖かいところから急に冷たいところに移動する、またはその逆の状況で症状が出やすくなります。

⏰ 症状の持続時間と消失

寒冷蕁麻疹の症状は、時間の経過とともに自然に消えていきます。ほとんどの場合、数時間から24時間以内に跡形もなく消失します。症状が消えた後は、痕が残ることはありません。


🔍 診断方法と検査

📋 問診による診断

寒冷蕁麻疹の診断は、主に問診と寒冷負荷試験によって行われます。まず最初に行われるのが問診です。医師は、蕁麻疹が出たときの状況について詳しく聞き取りを行います。

🧪 寒冷負荷試験(アイスキューブテスト)

寒冷蕁麻疹が疑われる場合、診断を確定するために寒冷負荷試験が行われることがあります。最も一般的な方法は、アイスキューブテスト(氷片負荷試験)です。

検査手順:

  • 氷を入れたビニール袋などを腕の内側などの皮膚に数分間(通常は5分から10分程度)当てる
  • 氷を離してから数分後に、その部位に膨疹が現れるかどうかを観察
  • 氷を当てた部位に限局して膨疹が出現すれば、寒冷蕁麻疹の診断が確定

🩸 血液検査と鑑別診断

必要に応じて血液検査が行われることもあります。これらは、寒冷蕁麻疹の背景に他の疾患が隠れていないかを確認するために行われます。

寒冷蕁麻疹と似た症状を呈する他の疾患との鑑別も重要です:

  • コリン性蕁麻疹(汗をかくときに生じる蕁麻疹)
  • 温熱蕁麻疹(温かい刺激で生じる蕁麻疹)
  • 日光蕁麻疹(日光で生じる蕁麻疹)

💊 治療法と日常での対策

🎯 治療の基本方針

寒冷蕁麻疹の治療は、原因となる寒冷刺激を避けることと、薬物療法による症状のコントロールが中心となります。

寒冷蕁麻疹の治療で最も重要なのは、できるだけ寒冷刺激を避ける工夫をし、再発を防ぐことです。原因になる刺激をできるだけ見つけ出し、それらを避けて生活するようにすることが治療の第一歩となります。

💊 薬物療法

寒冷蕁麻疹の薬物療法では、主に抗ヒスタミン薬が使用されます。

第二世代抗ヒスタミン薬

  • 比較的新しい薬剤
  • 代表例:フェキソフェナジン、ロラタジン、エピナスチン、オロパタジン、ビラスチン、ルパタジンなど
  • 眠気などの副作用が少ない
  • 1日1回から2回の服用で効果が持続
  • 現在では第二世代が主流

🛡️ 日常生活での予防策

寒冷蕁麻疹は、日常生活での工夫によって症状を出にくくすることができます。予防の基本は「体を冷やさないこと」と「急激な温度変化を避けること」です。

  • 季節を問わず体を冷やさない:外出時は防寒対策をしっかり行う、クーラーの効いた室内では羽織ものを用意
  • 寒暖差をなるべく作らない:急激な温度変化が症状のトリガーになりやすいため、寒暖差を最小限に抑える
  • 冷たい飲食物を避ける:アイスやかき氷、冷たい飲み物はできるだけ避ける
  • プールや海水浴での注意:水に入る前に体を慣らし、長時間水中にいることは避ける

🔥 症状が出たときの対処法

寒冷蕁麻疹の特徴的な点として、他のタイプの蕁麻疹とは異なり、温めることで症状が改善することがあることです。これは、寒冷刺激が原因で症状が起きているため、体を温めることで原因を取り除く効果があるためです。


🚨 重症化のリスクと注意点

⚡ 緊急性の高い症状

寒冷蕁麻疹は多くの場合、軽症で自然に軽快しますが、まれに重篤な症状を伴うことがあります。以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 呼吸困難・息苦しさ:喉や気道の粘膜が腫れて気道が狭くなると、呼吸が困難になる
  • 喉の症状:喉のかゆみや違和感、声がかすれるなどの症状は気道の腫れを示唆
  • 全身症状:めまい、ふらつき、意識がもうろうとするなどの血圧低下の兆候
  • 急速な症状拡大:全身に蕁麻疹が急速に広がり、症状が強くなっていく
  • 血管性浮腫:まぶたや唇が大きく腫れる

🏥 医療機関を受診すべき状況

  • 症状の反復:症状が何度も繰り返し現れる場合は、皮膚科を受診して適切な診断と治療を受ける
  • 長期継続:症状が長期間(数週間以上)続く場合は、他の疾患の可能性も含めて精査が必要
  • 市販薬の効果不十分:市販薬を使用しても効果が感じられない場合は、処方薬による治療が必要
  • 日常生活への支障:日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合

🔍 類似疾患との違い

寒冷蕁麻疹と似た症状を呈する疾患がいくつかあります。コリン性蕁麻疹は、入浴、運動、精神的緊張など汗をかくときに点状の蕁麻疹が現れる疾患で、寒冷蕁麻疹とは発症のきっかけが正反対です。


🔍 類似疾患との違い

❓ よくある質問と回答

寒冷蕁麻疹に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 寒冷蕁麻疹は治りますか?

A. 寒冷蕁麻疹は、適切な治療と生活上の工夫によって症状をコントロールすることができます。多くの場合、数年程度で自然に軽快していくことが多いとされています。ただし、症状が続く期間には個人差があり、長期間にわたって症状が続く方もいます。根気強く治療を続けることが大切です。

Q. 寒冷蕁麻疹は遺伝しますか?

A. 後天性の寒冷蕁麻疹については、遺伝性は明確ではありません。ただし、まれに先天性寒冷蕁麻疹(クリオピリン関連周期熱症候群)という遺伝性の疾患があり、この場合は常染色体優性遺伝の形式をとります。

Q. 寒冷蕁麻疹は他の人にうつりますか?

A. いいえ、寒冷蕁麻疹は感染症ではないため、他の人にうつることはありません。安心してください。

Q. 冬場だけ注意すればよいですか?

A. いいえ、寒冷蕁麻疹は冬場だけでなく、夏場も注意が必要です。夏場はプールや海水浴で体が冷えたり、クーラーの冷風に当たったり、冷たい飲食物を摂取したりする機会が多いため、むしろ夏場に発症する方も少なくありません。一年を通して寒冷刺激を避ける意識が大切です。

Q. 抗ヒスタミン薬は長期間飲み続けても大丈夫ですか?

A. 第二世代抗ヒスタミン薬は、長期間服用しても重大な副作用が生じにくいとされています。症状をコントロールするために、医師の指示のもと継続的に服用することが推奨される場合があります。ただし、自己判断で服用を中止したり増量したりせず、必ず主治医と相談しながら治療を進めてください。

Q. 妊娠中や授乳中でも治療は受けられますか?

A. 妊娠中や授乳中の抗ヒスタミン薬の使用については、薬剤によって安全性が異なります。妊娠中や授乳中の方は、必ず主治医に相談の上、適切な薬剤を選択してもらってください。生活上の工夫による予防を中心に行うことも重要です。

Q. 子どもでも寒冷蕁麻疹になりますか?

A. はい、寒冷蕁麻疹は子どもから高齢者まで幅広い年齢層で発症する可能性があります。子どもの場合は、症状を正確に伝えることが難しい場合があるため、保護者の方が注意深く観察することが重要です。寒冷刺激との関連を疑った場合は、小児科や皮膚科を受診してください。

Q. 寒冷蕁麻疹の症状が出た時、市販薬で対処できますか?

A. 軽症の場合は、市販の抗ヒスタミン薬である程度症状を抑えることができる場合があります。ただし、症状が繰り返し現れる場合や重症の場合は、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。また、市販薬を使用する際は、用法・用量を守り、他の薬との飲み合わせにも注意してください。


📝 まとめ

寒冷蕁麻疹は、寒冷刺激によって引き起こされる蕁麻疹の一種で、冬場だけでなく夏場のクーラーや冷たい飲食物でも発症する可能性があります。症状は通常の蕁麻疹と同様に、かゆみを伴った赤い膨疹が現れますが、寒冷刺激がきっかけとなる点が特徴的です。

診断は問診と寒冷負荷試験によって行われ、治療は寒冷刺激の回避と抗ヒスタミン薬による薬物療法が中心となります。日常生活では、体を冷やさない工夫と急激な温度変化を避けることが重要な予防策となります。

多くの場合、適切な治療と生活上の工夫により症状をコントロールすることができ、数年程度で自然に軽快することも多いとされています。ただし、呼吸困難や全身症状などの重篤な症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性もあるため、直ちに医療機関を受診することが必要です。

寒冷蕁麻疹でお悩みの方は、一人で抱え込まずに皮膚科専門医にご相談ください。適切な診断と治療により、症状をコントロールしながら快適な日常生活を送ることができます。

📞 お電話でのご予約・お問い合わせ:0120-140-144

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 蕁麻疹診療ガイドライン2018
  • 厚生労働省 – アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針
  • 国立感染症研究所 – アレルギー疾患に関する研究情報
  • 日本アレルギー学会 – アレルギー疾患診療ガイドライン
  • World Allergy Organization (WAO) – Urticaria Guidelines

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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