はじめに
皮膚にしこりのようなできものを見つけて、「これは何だろう?」と不安になったことはありませんか。その正体は「粉瘤(ふんりゅう)」かもしれません。粉瘤は日本人に非常に多く見られる良性の皮膚腫瘍で、実は形成外科で切除される皮下腫瘍の中で最も頻度の高い疾患です。
本記事では、粉瘤ができやすい人の特徴を中心に、原因、症状、治療法について、アイシークリニック東京院の医師が詳しく解説いたします。早期発見・早期治療により、より良い治療結果を得ることができますので、ぜひ参考にしてください。

粉瘤とは?基本的な知識
粉瘤の定義
粉瘤(ふんりゅう)は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」または「アテローム」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の内側に袋状の構造(嚢胞)ができ、その中に本来であれば自然に剥がれ落ちるはずの角質や皮脂などの老廃物が蓄積することで形成されます。
粉瘤は以下のような特徴を持ちます:
- 良性腫瘍:がんのように生命に危険を及ぼすことはありません
- 袋状構造:皮膚の下に袋のような組織が形成されます
- 徐々に増大:時間の経過とともに少しずつ大きくなります
- 自然治癒しない:放置しても自然に消失することはありません
粉瘤の外観的特徴
粉瘤には以下のような見た目の特徴があります:
- ドーム状の盛り上がり:皮膚表面がこんもりと盛り上がります
- 中央の黒い点:腫瘤の中央に小さな開口部(黒点)が見られることがあります
- 硬いしこり:触ると硬いしこりを感じます
- 正常皮膚色から淡青色:正常な皮膚の色から少し青みがかった色をしています
粉瘤の内容物
粉瘤を圧迫すると、開口部からドロドロとした粥状の物質が出てくることがあります。この内容物は:
- 角質(垢):本来剥がれ落ちるはずだった皮膚の老廃物
- 皮脂:皮脂腺から分泌された脂分
- 独特の臭い:これらの老廃物が長期間蓄積されることで、特有の悪臭を放つことがあります
粉瘤ができやすい人の特徴
1. 年齢による特徴
最も多い年齢層:20歳〜60歳
統計データによると、粉瘤は年齢に関係なく発生しますが、特に20歳から60歳の間で最も頻繁に発生することが分かっています。これは以下の理由によるものと考えられています:
- 皮脂分泌の活発化:成人期は皮脂腺からの分泌が盛んで、毛穴の詰まりが起こりやすい
- 新陳代謝の変化:加齢とともに皮膚のターンオーバーが乱れやすくなる
- ホルモンバランス:性ホルモンの影響で皮膚環境が変化しやすい
思春期以前は稀
思春期以前の子供には粉瘤の発症は稀です。これは皮脂腺の発達が未熟で、ホルモンの影響も少ないためと考えられています。
2. 性別による違い
男性の方が発症しやすい
医学研究によると、粉瘤は男性の方が女性よりも発症しやすいことが報告されています。男性:女性の比率は約2:1とされており、この性差には以下の要因が関与していると考えられています:
男性に多い理由:
- 男性ホルモンの影響:テストステロンやジヒドロテストステロン(DHT)が皮脂分泌を促進
- 皮脂分泌量の多さ:男性は女性に比べて皮脂分泌量が多い傾向
- 新陳代謝の活発さ:男性の方が新陳代謝が活発で、皮膚への刺激も多い
- スキンケア習慣の違い:女性に比べてスキンケアを怠りがちな傾向
3. 体質・遺伝的要因
家族性の発症傾向
粉瘤には明らかな遺伝的要因が関与しています:
- 家族歴:家族に粉瘤ができやすい人がいる場合、発症リスクが高まる
- 多発性粉瘤症:皮膚に複数の粉瘤ができる特殊なタイプは、遺伝的要因との関連が強い
- 体質的素因:同一人物に複数の粉瘤ができたり、繰り返し発症したりするケースがある
特定の遺伝性疾患との関連
以下のような遺伝性疾患では、粉瘤が発症しやすいことが知られています:
- ガードナー症候群:APC遺伝子の変異による家族性大腸腺腫症の一種
- ゴーリン症候群:PTCH1遺伝子の変異による多発性基底細胞がんの症候群
4. 皮膚タイプによる特徴
脂性肌(オイリー肌)の方
皮脂の分泌が多い脂性肌の方は、粉瘤ができやすい傾向があります:
- 毛穴の詰まりやすさ:過剰な皮脂により毛穴が詰まりやすい
- 皮脂腺の発達:皮脂腺が発達している部位に粉瘤ができやすい
- ターンオーバーの乱れ:皮脂の過剰分泌により正常な皮膚代謝が妨げられる
角質が厚い方
肌の表面を覆う角質が厚くなりやすい方も要注意です:
- 毛包の閉塞:厚い角質により毛穴の開口部が塞がれやすい
- 老廃物の蓄積:角質や皮脂が正常に排出されにくくなる
- スキンケア不足:適切なスキンケアが行われていない場合のリスク増加
5. ホルモンバランスの影響
男性ホルモン(アンドロゲン)の作用
男性ホルモンは皮脂分泌と密接な関係があり、粉瘤の発症に大きく影響します:
テストステロンの作用:
- 皮脂分泌促進:皮脂腺を刺激して皮脂分泌を増加させる
- 毛穴の詰まり:過剰な皮脂により毛穴が詰まりやすくなる
- 皮膚の肥厚:皮膚が厚くなり、毛穴の開口部が狭くなる
ジヒドロテストステロン(DHT)の影響:
- より強力な作用:テストステロンが5α還元酵素により変換されたDHTは、より強力に皮脂分泌を促進
- 局所的な影響:皮膚の特定部位でDHTの濃度が高くなると、その部位で粉瘤ができやすくなる
ホルモンバランスの乱れる時期:
- 思春期:性ホルモンの急激な変化
- ストレス時:ストレスホルモンがホルモンバランスに影響
- 生活習慣の乱れ:睡眠不足や不規則な生活
6. 慢性的にニキビができやすい人
ニキビと粉瘤は異なる疾患ですが、発症メカニズムに共通点があります:
共通する皮膚環境:
- 過剰な皮脂分泌:両方とも皮脂の過剰分泌が関与
- 毛包の閉塞:毛穴の詰まりが共通の発症基盤
- 炎症の傾向:皮膚が炎症を起こしやすい体質
ニキビから粉瘤への移行:
- 慢性的なニキビによる皮膚の微細な損傷
- 毛包周囲の組織変化
- 長期的な炎症による皮膚構造の変化
7. 外的刺激を受けやすい環境にいる人
職業・生活環境による刺激
以下のような環境にいる方は、粉瘤ができやすい傾向があります:
- 摩擦の多い職業:重い荷物を背負う仕事、制服で皮膚が擦れやすい職業
- 圧迫を受けやすい部位:リュックサックのストラップ、ベルト、襟などが当たる部位
- 化学物質への曝露:特定の化学物質や刺激物質に触れる機会が多い環境
日常生活での刺激要因:
- 紫外線への過度な曝露:皮膚への慢性的なダメージ
- 不適切なスキンケア:過度な洗浄や刺激の強い化粧品の使用
- 引っ掻き行為:皮膚を引っ掻く癖がある方
8. 生活習慣による影響
ストレスの多い生活
慢性的なストレスは、以下のメカニズムで粉瘤の発症リスクを高めます:
- ホルモンバランスの乱れ:ストレスホルモンの分泌増加
- 免疫機能の低下:皮膚の正常な修復機能の低下
- 皮脂分泌の増加:ストレスによる皮脂腺の刺激
不規則な生活習慣
以下のような生活習慣も粉瘤のリスクを高めます:
- 睡眠不足:皮膚のターンオーバーの乱れ
- 不適切な食生活:高脂肪・高糖質の食事による皮脂分泌の増加
- 運動不足:新陳代謝の低下、血行不良
粉瘤ができやすい部位
皮脂腺が多い部位
粉瘤は全身どこにでもできる可能性がありますが、特に以下の部位にできやすいことが知られています:
顔・首・背中で全体の約60%
- 顔:特に頬、顎、額に多い
- 首:襟などで摩擦を受けやすい部位
- 背中:皮脂腺が豊富で、リュックなどの摩擦を受けやすい
その他の好発部位:
- 耳の後ろ:皮脂腺が多く、清潔に保ちにくい部位
- 脇の下:摩擦と湿度が高い環境
- 胸部:皮脂腺が発達している部位
- お尻:圧迫と摩擦を受けやすい
部位別の特徴
頭部の粉瘤
- 外毛根鞘性嚢腫が多い
- 表皮嚢腫よりも硬いのが特徴
- 徐々に大きくなると部分的に脱毛することも
手のひら・足の裏の粉瘤
- ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関与することが多い
- 小さな傷がきっかけとなって発症
- 他の部位とは発症メカニズムが異なる
粉瘤の発症メカニズムと原因
基本的な発症メカニズム
粉瘤の発症は、以下のような段階を経て進行します:
- 表皮の陥入:何らかの原因で皮膚表面の表皮が皮膚の深部に入り込む
- 袋状構造の形成:陥入した表皮が袋状の構造(嚢胞)を形成
- 老廃物の蓄積:袋の中に角質や皮脂が徐々に蓄積
- 腫瘤の成長:蓄積された老廃物により腫瘤が徐々に大きくなる
主な原因要因
1. 毛穴の詰まり
- 皮脂や角質による毛穴の閉塞
- 毛包漏斗部の陥入による嚢胞形成
- 皮膚のターンオーバーの乱れ
2. 外傷・刺激
- 皮膚の微細な損傷
- 慢性的な摩擦や圧迫
- 過度な掻痒行動
3. ウイルス感染
- ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
- 特に手のひらや足の裏の粉瘤で関与
4. 遺伝的要因
- 家族性の発症傾向
- 特定の遺伝子変異による多発性粉瘤症
粉瘤の症状と診断
初期症状
粉瘤の初期症状は以下の通りです:
- 小さなしこり:皮膚の下に米粒大程度の硬いしこり
- 無痛性:通常は痛みやかゆみを伴わない
- 徐々に増大:数か月から数年かけてゆっくりと大きくなる
- 可動性:皮膚と一緒に動く
進行した場合の症状
粉瘤が大きくなったり、炎症を起こした場合の症状:
非炎症性粉瘤:
- ドーム状の盛り上がり:皮膚表面の明らかな隆起
- 中央の開口部:黒い点状の開口部(へそ)
- 内容物の排出:圧迫により悪臭を伴う内容物が出ることがある
炎症性粉瘤(感染性粉瘤):
- 発赤・腫脹:患部が赤く腫れ上がる
- 疼痛:触ると痛み、時に激痛を伴う
- 発熱感:局所的な熱感
- 膿の形成:内部に膿が蓄積
診断方法
視診・触診
- 典型的な外観の確認
- しこりの硬さ、可動性の評価
- 開口部(へそ)の有無
画像検査
- 超音波検査:嚢胞の大きさ、深さ、内部構造の評価
- MRI:深部の粉瘤や周囲組織との関係の詳細な評価
病理組織学的検査
- 手術時に摘出した組織の病理学的検査
- 確定診断と他の疾患との鑑別
粉瘤と似た疾患との鑑別
ニキビとの違い
特徴 | 粉瘤 | ニキビ |
---|---|---|
大きさ | 1cm以上になることが多い | 通常数mm程度 |
中央の開口部 | 黒い点状の開口部あり | 毛穴の詰まり |
自然治癒 | しない | することが多い |
内容物 | 悪臭を伴う粥状物 | ほぼ無臭 |
治療 | 手術による摘出 | 内服薬・外用薬 |
脂肪腫との違い
特徴 | 粉瘤 | 脂肪腫 |
---|---|---|
硬さ | 硬い | ゴムのように柔らかい |
発生部位 | 皮膚の浅い層 | 皮膚の深い層 |
成長速度 | 比較的早い | 非常にゆっくり |
炎症 | 起こすことがある | ほとんど起こさない |
悪臭 | あることが多い | なし |
おでき(癤)との違い
特徴 | 粉瘤 | おでき(癤) |
---|---|---|
原因 | 嚢胞形成 | 細菌感染 |
発症 | 徐々に | 急激に |
痛み | 通常なし(炎症時は有り) | 初期から強い痛み |
治療 | 手術摘出 | 抗生剤治療 |
自然治癒 | しない | することがある |
粉瘤の治療法
根本的治療:外科的摘出
粉瘤の根本的な治療は、袋状の構造(被膜)を含めた完全な外科的摘出です。
手術の種類
1. 切開法
- 適応:比較的大きな粉瘤、炎症のない状態
- 方法:腫瘤の直上を紡錘形に切開し、被膜ごと摘出
- 利点:確実な摘出が可能、再発率が低い
- 欠点:傷跡がやや大きくなる
2. くり抜き法(小切開摘出術)
- 適応:比較的小さな粉瘤(直径2cm以下)
- 方法:トレパンという円形の器具で小さな穴を開け、内容物と被膜を摘出
- 利点:傷跡が小さい、手術時間が短い
- 欠点:大きな粉瘤には適応が限られる
手術の流れ
術前準備
- 診察・検査による手術適応の決定
- 手術の説明と同意書の取得
- 感染のリスク評価
手術当日
- 局所麻酔:手術部位に局所麻酔を注射
- 切開・摘出:選択された方法で粉瘤を摘出
- 止血・縫合:十分な止血を行い、皮膚を縫合
- 術後処置:ガーゼ保護とテープ固定
術後経過
- 当日:圧迫止血のためガーゼは貼りっぱなし
- 翌日から:シャワー浴可能、ガーゼ交換開始
- 1週間後:抜糸(手術方法により異なる)
- 1か月後:経過観察
炎症性粉瘤の治療
炎症を起こした粉瘤は、以下の段階的治療を行います:
第1段階:炎症の制御
- 切開排膿:局所麻酔下で膿を排出
- 洗浄処置:内部の十分な洗浄
- 抗生剤投与:内服または点滴による抗生剤治療
- 対症療法:疼痛管理、局所の冷却
第2段階:根治手術
- 炎症が落ち着いた後(通常1-2か月後)
- 残存する嚢胞の完全摘出
- 再発防止のための確実な手術
手術の合併症とリスク
術中・術直後の合併症
- 出血:血管損傷による出血
- 神経損傷:まれに感覚神経の損傷
- 麻酔による副作用:局所麻酔薬に対するアレルギー反応
術後の合併症
- 感染:手術創の細菌感染
- 血腫形成:術後出血による血の塊
- 瘢痕形成:手術跡の肥厚性瘢痕
- 再発:不完全な摘出による再発
粉瘤の予防とセルフケア
予防の基本原則
粉瘤の明確な予防法は確立されていませんが、以下の対策により発症リスクを軽減できる可能性があります:
1. 適切なスキンケア
洗浄のポイント
- 適度な洗浄:1日2回程度の洗顔・洗体
- 優しい洗浄:強く擦らず、泡で優しく洗う
- 適切な洗浄剤:肌質に合った洗顔料・ボディソープの選択
- 十分なすすぎ:洗浄剤の残留を防ぐ
保湿ケア
- 適度な保湿:皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を維持
- ノンコメドジェニック製品:毛穴を詰まらせにくい化粧品の選択
2. ホルモンバランスの調整
生活習慣の改善
- 規則正しい睡眠:7-8時間の質の良い睡眠
- ストレス管理:適度な運動、リラクゼーション
- バランスの良い食事:皮脂分泌を抑える食生活
避けるべき食品
- 高脂肪食品:揚げ物、脂身の多い肉類
- 高糖質食品:お菓子、甘い飲み物
- 乳製品:人によっては皮脂分泌を促進
3. 外的刺激の軽減
摩擦・圧迫の回避
- 衣服の調整:きつすぎる衣服や下着の着用を避ける
- リュックサックの使用注意:長時間の使用や重すぎる荷物を避ける
- 清潔な衣服:汗をかいたら早めに着替える
紫外線対策
- 日焼け止めの使用:SPF30以上の日焼け止めを適切に使用
- 帽子・長袖の着用:物理的な紫外線カット
4. 感染予防
皮膚の清潔保持
- 入浴・シャワー:汗をかいた後の適切な清拭
- 手の清潔:顔や体を触る前の手洗い
外傷の適切な処置
- 小さな傷の管理:消毒と適切な被覆
- 掻破の防止:爪を短く切り、患部を掻かない

よくある質問と回答
A1. 粉瘤は良性腫瘍なので生命に危険はありませんが、以下の理由から早期治療をお勧めします:
徐々に増大:時間とともに大きくなり、手術が困難になる
炎症のリスク:感染を起こすと治療が複雑になる
美容面の問題:大きくなると目立ちやすく、手術跡も大きくなる
生活の質の低下:悪臭や違和感による日常生活への影響
A2. 絶対に自分でつぶさないでください。以下のリスクがあります:
感染のリスク:細菌が侵入し、炎症を引き起こす
不完全な除去:袋が残るため必ず再発する
症状の悪化:2-3倍に巨大化する可能性
瘢痕形成:不適切な処置により傷跡が残る
A3. 粉瘤には遺伝的要因が関与していることが分かっています:
家族性の発症:家族内での発症率が高い
体質的素因:皮脂分泌や皮膚の性質が遺伝する
特殊な症候群:ガードナー症候群など特定の遺伝性疾患では多発する
ただし、遺伝的素因があっても必ず発症するわけではなく、適切なケアにより予防できる場合もあります。
A4. 適切な局所麻酔により、手術中の痛みはほとんどありません:
麻酔注射時:一時的にチクッとした痛み
手術中:麻酔が効いているため痛みなし
術後:軽度の鈍痛程度(鎮痛剤で対応可能)
炎症を起こしている場合は麻酔が効きにくい場合があるため、炎症のない状態での手術をお勧めします
A5. 適切に手術が行われれば、再発率は非常に低くなります:
完全摘出:袋(被膜)を含めた完全摘出により再発を防ぐ
不完全摘出:被膜が残ると再発の可能性がある
新たな発症:体質的に粉瘤ができやすい方は別の部位に新たに発症する可能性
経験豊富な医師による適切な手術により、再発リスクを最小限に抑えることができます。
A6. 粉瘤の手術は健康保険の適用対象です:
診察・検査:初診、再診、必要な検査費用
手術費用:局所麻酔下での摘出手術
術後管理:術後の経過観察、処置、抜糸
ただし、美容目的での手術や特殊な治療法を希望される場合は、自費診療となることがあります。
まとめ
粉瘤は日本人に非常に多く見られる良性の皮膚腫瘍で、特に以下のような特徴を持つ方に発症しやすいことが分かっています:
高リスク群の特徴:
- 年齢:20-60歳の成人期
- 性別:男性(男女比約2:1)
- 体質:脂性肌、家族歴のある方
- ホルモン:男性ホルモンの影響を受けやすい方
- 環境:摩擦や刺激を受けやすい環境にいる方
重要なポイント:
- 早期発見・早期治療:小さいうちに治療することで、より良い結果を得られる
- 自己処置の禁止:つぶしたり、自分で処置したりしない
- 適切な診断:他の疾患との鑑別診断が重要
- 根治手術:袋(被膜)を含めた完全摘出が再発防止に必須
- 予防的ケア:適切なスキンケアと生活習慣の改善
粉瘤は良性腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなったり、炎症を起こしたりする可能性があります。気になるしこりを見つけた場合は、早めに皮膚科や形成外科を受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。
アイシークリニック東京院では、豊富な経験を持つ医師が、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。粉瘤に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
- 日本形成外科学会:粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)診療ガイドライン
- 兵庫医科大学病院:粉瘤(ふんりゅう)みんなの医療ガイド
- 日本皮膚科学会:アテローム(粉瘤)Q&A
- Cleveland Clinic: Epidermoid Cysts (Sebaceous Cysts)
- 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き
- Journal of Epidemiology 2021; 31: 426-450
※本記事は医学的情報の提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。症状が気になる場合は、必ず医療機関を受診してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務